satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第145話

~前回までのあらすじ~
やっと場が動いた……動いた?
まあ、いいや。アクアとエレキが戦い始めました。これから大丈夫なのか……?
アクア「不安がってるし……」
エレキ「どんくらい続くかねぇ~」
もえぎ「…………」
フォース「…………早く終わってほしい」
頑張るで~


まだまだ様子見のスタンスのエレキからの攻撃を流しつつ、今後どう動くかを考える。アクア自身、一度に多くの相手をすることはあまり得意ではない。複数に当たるような技を使えないためである。反対にエレキの電撃はその気になればこの場にいる全員に当てることが出来るだろう。それは、控えにいるピカにも言えることであるが。
「考えながらこなせるほど、甘くないんだけど」
「……!」
にっと余裕の笑顔を見せられ、一瞬だけたじろいぐ。そしてその隙をエレキが逃すことはなかった。がら空きになった脇腹を片手で思いきり打たれる。防ぐ手立てもなく、アクアはもろに受け、横へと飛ばされた。それを見届けたあと、黙って見物している二人の方を振り向いた。
「んでー? そこのお二人さんはどうするの?」
「ひゃっ……!」
「…………別に、どうもしない」
「ほーん……じゃ、攻撃されても文句はない、と」
「ないよ。そもそも、そういうものでしょ、これ」
「確かに。そういうものだな、これは。悪く思わないでくれよ?」
「ひゃあぁ……!」
アクアの次はエレキがフォースに向かってくるらしい。ちらり、と横を見るとすっかり怯えた様子のもえぎが目に写った。彼自身、一人でなら防ぐ手立てはいくらでもある。が、仮にそうしたところで、もえぎはどうなるのだろうか。戦意もなく、現時点で一番危険度が低いのは彼女だ。彼女が倒れたところで別の人が入ってくるが、またその人の戦力等々を考えて動きたくはなかった。まだ、もえぎがやられる場面ではない。
そこまで考えると、フォースは立ち上がって彼女を守るために、もえぎの前に立った。少しだけ振り返り、薄く笑って見せる。
「……貸し一つだよ、オネーサン?」
「えっ……?」
戸惑うもえぎから目をそらすと突っ込んでこようとするエレキを見据える。これは祭り、本気でなんて来るはずがないとピカは言っていた。確かに、言う通りで誰からも敵意は感じないし、気迫もない。
そんな状況が、フォースにとって生温く感じて仕方がない。
「“ボルトチェンジ”!」
「“まもる”」
フォースはエレキと自分自身の間に薄い壁を作る。その壁は“ボルトチェンジ”の威力をそのまま弾き返し、エレキもろとも吹き飛ばす。そして、すぐさま、後ろに立っていたもえぎを突飛ばし、フォースはサイドステップで横に飛んだ。先程までフォースの立っていたところにはアクアが“シェルブレード”を携えて立っていた。
「チッ……バレバレってことか」
「逆にバレないと思ったの?」
「紛れるかなって思ってたんだ。……君みたいな子供がここにいるの不思議だったんだけど、ここに立つ実力があることがはっきり分かったよ」
「そんな風に思ってくれるなんて、嬉しいな」
「そんなこと思ってないくせに」
「えへへ~♪ そんなことないよぉ?」
子供らしくにこっと笑って見せるが、白々しいと吐き捨てられる。確かに、白々しい態度だとフォースも思っていた。思っているが、今は偽っていて損はない。本性を見せる必要はないのだから。
一瞬だけの硬直状態のあと、すぐに場は動いた。アクアがフォースめがけて突っ込んできたのだ。
「“シェルブレード”!」
「またぁ? ワンパターンってつまんない」
むっとしながら、“シェルブレード”連続で斬りかかってくる攻撃をダンスを踊るかのように華麗に避けていく。避けていく中で、全く掠りもしない攻撃に当てる気あるのか、と考える。少しだけ考えたところで、自分が踊らされていることに気がついた。攻撃を避けた先の真後ろにエレキが待ち構えているのが見えたからだ。
「なーるほど……協力するんじゃん」
「利用出来るもんはするってことだよ。……“でんじは”受けてもらおうか」
一撃くらいは当たってもいいかと思っていたが、麻痺になるのはいただけない。しかし、もう地面を蹴ったあとで、無理矢理、着地時点をそらすのもバランスを崩し、エレキとアクアの追撃を受ける可能性がある。そして、状態異常になったとしてもこのバトルでは回復道具は使えない。麻痺を甘んじて受けるか、二手、三手の攻撃を受けるかの二択。
「……追撃食らった方がましか」
ぐるっと無理矢理体を捻って、真後ろに飛んでいた体を横に向きを変えた。しかし、それもエレキと大した距離が取れているわけではない。避ける選択をしたが、エレキがもう一度“でんじは”を放つ可能性もあることを着地寸前に気がついた。これは麻痺確定かと覚悟を決める。
「逃がすかっ! “でんじ…」
「させませんっ! “リーフブレード”!」
「っ!?」
フォースが着地したのと同時にエレキが数メートル飛ばされていた。そんな状況に驚いてアクアの方を見ると、アクアはアクアで倒れていた。そして、そんなことを出来たのは、一人しかいない。
「え、ん? オネーサン……?」
「た、戦う気はない……けど、君には、助けてもらったもの……だから、協力する」
フォースの意識が攻撃してきたアクアからエレキに移った瞬間、もえぎが隙をついてアクアに不意打ちで攻撃をしたのだろう。それにしたって、一発で倒してしまうのもどうかと思うのだが。
「私、もえぎ……よろしく……お願い、します」
「あ、うん? フォースです?」
貸し一つ、と言っていたものの、フォース自身は恩を売るつもりはなかった。後々もえぎを利用出来れば御の字だと思って助けただけだった。それと、敵意を向けられていない以上、フォースの敵とはならないから少しでも敵を減らしたかっただけの理由だったのだ。決して、協力を頼みたかったわけでもない。こんなことになるなんて考えになかったのである。変なことになってきたな、とこの状況にフォースは苦笑いするしかなかった。



~あとがき~
ここで更新しておかないと、空と海の更新が来年になる気がした(´・ω・`; )
来週とかポケモンやってるだろうし、ポケモン落ち着いてもテスト課題がねぇ……(白目)

次回、なんだか空気になってる二つの視点からちょっくら見てみるかね!

なんだろ。エレキがなんかかっこよく見えてきた。末期かな。やばいな。末期かな!!
今、ちびっ子フォースの想像したらかわいく見えてきた。末期だな。考えてみてよ! 声もきっと高いし、イブよりちっこいし、もふもふのふわふわしてるし、いつものクールでイケメンは影もないんだよ。レアフォース君だよ……!
まあ、中身はいつものなんで、考えはかわいくないですけど。

チーム紹介も最後ですね。我らがピカ様のチームです。
中心となってるピカは言わなくてもいいですね。今回、やりたくないと散々言っていました。が、一度戦いの場に出てしまったので、勝ってやるぜと開き直っています。フォースも言っていましたが、控えにいながらこの第一試合を影から操ろうと模索しています。怖いね! また、ちびっ子フォースにしたのもピカの作戦だと思われます。何狙ってるんだろうか、今後の展開で明らかになるかと!
次にフォース君。こいつも言わなくてもいいですね。が、なぜだか今はちびっ子になって参戦しています。あと、攻撃していません。逃げてます。避けてます。なんでだろうね? イブより一回りちっこい(設定)です。ピカの身長の半分あるかないかくらいかな。私の描くフォースの三分の一程度だと言えば伝わるのかしら。まあ、ちっこいってことをわかってくれればいいや。
最後にホノオさん。普段は道場の師範やってて、ピカもお世話になったことのあるお方です。敵チームのナイトと救助隊としてコンビを組んでいます。が、ふらっふらして、連絡も寄越さないナイトさんに今怒ってます。なんで、ぶっ飛ばすよ、オラオラ状態なんですね。はい。基本的に糸目で穏やかな性格をしています。ナイトに対してだけ、言葉遣いが荒いです。長年の付き合いのせいかな。

これで大体のチーム紹介が終わった!
チームのことで何か気になるところがあれば教えてくださいな!
次回以降のあとがきにて説明するので!

そいや、バトルスタイルとか書けばよかった。今書こう。ざっと書きます。なんとなくの想像かな。変わるかもしれないけれど、大体こんなイメージだよってやつ。

パワータイプ→ナエ、もえぎ、太陽、ホノオ
スタミナタイプ→アクア、エレキ、レン
テクニックタイプ→まろ、ナイト
バランスタイプ→トパーズ、ピカ、フォース

こんなんかな。漏れてなければいいけど……!
ぶっちゃけ、フォースはチート属性みたいなもんだから、どこにも属さない気もしますが(笑)
圧倒的パワー型率。脳筋ってやつかな。
あ、スピードタイプとか入れればよかった!
まあ、でも、入れてもピカだけかもしれない。それとナイトもまあ、速い方ですな。多分。

あとがきのくせに長くなった……すいません。もう終わります!
ではでは!

あ、今日、ポッキー&プリッツの日か……何も用意してない(^o^)

ポケモン新作の話

お久しぶりです! 月2更新を目指していたのはどこへやらですね! 前回更新から1ヶ月経ってます。あぁ……ほんとごめんなさい(´TωT`)
というか、もう11月じゃん。あと2ヶ月で今年が終わるんですか……やっべーですねぇ……

さてさて、11月といえば、ポケモン新作の発売ですね! 2週間きりましたね!!
最近の私はポケモンのためだけに頑張っているようなもんですよ。きら……いえ、苦手な先生に出されたレポートやったり、嫌いな体育の授業頑張ったり、レポートやったり、課題やったりと……これはもうポケモンのためにやってます。

サン・ムーンですけど、私はムーンを買います!
初めのパートナーは一目惚れでアシマリちゃんです。かわいいよ、アシマリ! 他の手持ちは追々決めて行く予定です。成り行き任せなので。
なんだかジムリーダーいなさそうだし、リーグもあるかわからない今作ですけど、めっちゃ楽しみです! あ、私はエーテル財団(だっけ?)が黒幕で敵役だと思っています。スカル団は別に……なんだろ。今までの悪役と比べるとなんだかショボいんですよね。だからかな。スカル団じゃなくて、上にいそうな感じがします。勝手な妄想ですけどね。

あと、体験版ももちろんやってます! サトシゲッコウガかっこいい。

まあ、何が言いたいかわかりますよね!
要はしばらく冒険行くので、更新しません!
あ、あのね! もう許して!? ポケモンやりたくてしょうがないの!!((
あとはあれですね。ポケモン抜きにしても、レポートとテストに追われそうなので、春休みはいるまでは安定して出せる気がしません。冬休みなんてありませんでした。全てレポートとテスト勉強にに費やします。
週末はなんだかのんびりしてるんですけど、その前が5限まで授業あったり、毎週のごとく宿題を出され、それに追われていると、小説書く気力なんてわいてこないんですよ……週末はのんびりしたいという欲求が……(^o^)
まあ、私はまだ授業数が少ない方なんですけどね。これで文句垂れててもしかたないんですけど。しょうがないよね。疲れるのはしかたない……

ってことで、ポケモン発売されたら更新は期待しないでください。で、12月入ったらしばらくお休みしますので、そこら辺はご了承ください。
まあ、毎年恒例の振り返りは31日にやりますけどね。今までに3回(?)やってますし、振り返りますよ。

ではでは!

はじまりのソラ 6ー9

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしておりますので、原作のイメージが崩れるために、苦手な方はブラウザバッグ推奨ですぜ。
ピカ「親方のアレが飛び出す、十秒前」
ポチャ「変なところで切られちゃったよね」
ピカ「せやな~」
思ったより、長くなってしもうたんや……すまぬ。
ピカ「しかもこれ、長くない?part9まできたよ? 一番長いんだけど、下らないことに9って」
言わないでぇぇ!!


~6‐9 やってきたあいつらと失敗~


親方のうるうるが増えていく度に部屋の揺れも強くなっていく。部屋を破壊でもするつもりなのか、親方は。
「マズイ! お前達、耳を塞げ!」
耳……? そういえば、隊の登録の時も塞いだっけ。声での攻撃……? まあ、いいや、塞ぐか。
「うあぁぁぁ…」
なんだか今にも大声で泣き出してしまいそう。セカイイチがないってのがこの人の地雷なのか。どんな地雷だよ……
こうしてみると、至って冷静に聞こえるかもしれないが、私だって焦っている。しかし、焦ったところでどうにもならなそうだと思っているから開き直っているだけだ。これくらいのことをしたんだなと他人事のように思うだけ。
所々で小さな爆発が起こり始め、鳥はもう説明もなだめるのもやめてしまっている。ちらりと隣を見るとポチャも耳を塞いでぎゅっと目も閉じていた。
なんだか、こう言ってしまうのも何だが、頼りなくないか。この男共。怖いのは分かるんだが、もう少しあるだろう。なぜ私だけが周りを見て、どうなるんだろうと推測しているんだ。
「ごめんください。セカイイチをお届けに参りました」
とある声で親方の暴走(と言っていいのか謎だが)がぴたりと止まる。先程までの騒ぎが嘘のように静かになった。鳥もハッと顔を上げ、何事かとキョロキョロ見回している。私は背後にある扉を見つめていた。
マジか……嘘だろ。つまり、何? そういうことなのか……?
入ってきたのはやはりと言うか、ドクローズの三人。ズバットドガースが私とポチャの間に割って入り、無理矢理道を開けさせる。そうして出来た道をスカタンクが通り、平然と親方の前まで近づいた。
「どうぞ。本物のセカイイチです。お近づきの印です」
「わあ~♪ ボクのために採ってきてくれたの? ありがとう! ともだちともだち~♪」
騙されてる……いや、騙されているというより、物で釣られている感じがするよ。親方! いいの、そんなんで!! あーでも、そうか。セカイイチくれればいいんだろうな。ちょっと分かってきたかも。
「あ、ありがとうございました! あなた様のおかげで、ワタシ共も助かりました。……ほら、お前達も頭を下げな!」
こいつらのせいでこっちは失敗したんだよ。文句を言う権利はあれど、頭を下げる意味が分からない。絶対に嫌だ。
流石のポチャも悔しそうにスカタンク達を睨み付けていた。何も言わない私達にスカタンクはにやりと嫌な笑顔を浮かべた。
「クククッ……いえいえ。私達も今はギルドに世話になっていますから。その間、助け合うのは当然の事ですよ」
こいつ……猫被りやがって、上っ面だけはいいんだから。つまり、あれだ。こいつらの利益のために私達は利用されたのか。最悪。ほんっとうに最悪だ。
「おお! なんと素晴らしいお方なのでしょう! そんな方々と遠征をご一緒できるとは、本当に心強い」
なぜ、疑うということをしない。お人好ししかいないのか、ここは。もう、やだ! 弟子より余所者を信じる、鳥が嫌い!!
「クククッ。いやいや。それは私達もです。本当に遠征が楽しみですよ」
そういえば、仮に私達が行けなくとも、スカタンク達は行くんだよな。……なんだそれ。ムカつくんだけど。
「それでは、今日はもう遅いので休みます。では、また明日」
そう言って、スカタンク達は部屋を出て行った。部屋を出ていく瞬間、私の方を見て様子をうかがったことが分かった。ぼそり、と「どうなるのか楽しみだな」と呟きを残していった。何がどうなるかなどハッキリしている。遠征に選ばれるか否か、ということだ。はめられた気がする。
「……お前達、今日はもう部屋に戻っていいぞ。今回のこと、よく考えるようにな」
「はい。……失礼しました」
ばたん、と重々しく響かせながら扉を閉める。何も言わず、自分達の部屋へと向かった。
スカタンクの登場によって、親方からのお仕置き、というか何らかの罰を受けずにはすんだ。セカイイチが出てきて、鳥……ペラップもこの件はもう蒸し返すことはないだろう。結果的にはよかったのだろう。無事だし、親方からも怒られてはいない。
しかし、やられた。スカタンクに完全に踊らされたのだ。私達が助けられたというのは結果論に過ぎない。実際は、親方とペラップの信用でも得るために出てきたのだろう。これが意図して行われたのか、とっさに思いついて実行したのかは定かではないが。それでも、私達は……あいつらに、スカタンクに及ばなかった。あーもう! この屈辱は必ず晴らしてやる。絶対に、だ。
「はあ、今回もスカタンク達にやられっぱなしだったね……はあ。もう、お腹すいて、何も考えたくない」
部屋に戻るなり、ポチャはベッドに倒れこんだ。その気持ちは分かる。今日はもう厄日と言ってもいいのではないだろうか。
「……起きてるの、辛いから、ぼくもう寝るね。明日、また頑張ろう……」
明日、か。
今回のことが遠征メンバー選出に響かなければいいのだが。そうなれば……いや、考えるのはよそう。私も寝てしまおう。ポチャの言う通り、明日のことは明日考える。
ベッドにくるりと丸くなって、先程寝たはずなのに、眠気はすぐにやってきた。

セカイイチプクリンに届け、出てきたスカタンク達。そこでズバットは気になっていたことをリーダーである、スカタンクに投げかけた。
「アニキ、なんであいつらを助けたんですか? あそこでどうなるか見てるのも面白かったと思うですが」
そんなズバットドガースも同調し、うなずいた。そんな二人にスカタンクはため息をつく。
「頭が回らないな、お前達。オレ様達がここに来た理由はなんだ? 遠征だろ? 今はプクリンに信用されるのが大切なのさ」
こちらの本性を知っているのはスカイの二人だけ。しかし、あの二人もここではしたっぱ。それに実力的にはこちらの方が上である。ピカ達が何を言ってもこちらは何とでも言いくるめられるのだ。それくらいのことは朝飯前である。
「なるほどー」
ドガーススカタンクの考えを聞いて、納得したようだ。ズバットドガースはそこまで頭を働かせることは得意ではない。スカタンクが何をどう思って、どう動くかなど予測出来ない。
「しかし、ここは有名なギルドだ。オレ様もそれなりに警戒していたのだが……拍子抜けだな。見ての通り、プクリンなんてお子様よ」
今回のセカイイチを与えるまでの流れを見て、そう確信をした。それと同時に、ギルドの弟子達がプクリンを恐れる理由がスカタンクには分からない。が、これはもう懸念すべき問題でもない。予定通り、進めていくのみだ。
「とにかく、遠征先でお宝を見つけたら……」
「ギルドの奴らを倒して」
「お宝を奪ってトンズラする!」
スカタンクの言葉にドガースズバットが続いた。至ってシンプルな今回の悪巧み。それはまた、簡単に達成出来る気がしていた。



~あとがき~
いやぁ~……スカタンクにしてやられた、ピカはやり返してやると決意をしました。頑張れよ!
そして、長かった6話も終わりです。part10まで続くのではとびくびくしてました(汗)

次回、第7話! ギルド遠征、重なる謎です!
いわゆるあれだね。遠征編だね!

特に言いたいことはない。
本当にないな……スカタンク達、というか、スカタンクやりおるなって感じですね。ここではピカもまだ考えが浅く、あとになってから気づいてやっちゃったとなることが多いです。まだまだスカタンクとの頭脳戦には勝てなさそうですね。

ではでは!

空と海 第144話

~前回までのあらすじ~
やっと、開始です。
一回戦いっくぞぉぉ!!
ピカ「……」
フォース「……」
ホノオ「……」
なんか言えば!?
ピカ「特にないっていうか~」
フォース「早く終われって思ってる」
…………わかったよ! さっさと始めるよ!!
ホノオ「行き当たりばったりだけど、よろしくね」
あ、ありがとう……行き当たりばったりは余計だけど……
ピカ「ほんとのことじゃん。ホノオさん、的を射てますね!」
うぐっ……


エレキの質問で意味があるのかと問われれば、まずないだろうと答える。ここが本当の戦場で、こんなに誰も動かないのなら自分以外の者はすでに倒している。まあ、それをする必要があるならの話であるし、なによりフォースはそんなやる気は微塵もない。更にこのエレキの質問に答える義務もない。誰にも聞こえないが、頭の中でないと答えるだけだ。
「そういうなら、エレキさん動いてもいいですよ」
「動くとしてもアクアんとこには行かん。斬られる」
「物騒ですね。斬りませんよ……多分」
「多分って……つーか、フォースって言ったっけ? 丸まったまんまだけど、聞こえてる? 生きてるの?」
丸くなったままのフォースを気遣ってか、あるいは気になっただけか、話しかけてきた。恐らく後者だろうなと思いつつも、無視をする。そもそも、バトルするはずなのに呑気に話す必要はどこにもない。仮に話すとすれば、相手を油断させるためということも考えられる。よって、不用意に答える必要はないのである。しかし、この場にいる者達にそんな考えを持っているとは思えないのが現実だ。
「……話す気はねぇか。難しい年頃なのかね?」
「単純にエレキさんと話したくないだけじゃないですか?」
「酷くない? 初対面でそれはないよね!?」
「生理的に無理とか?」
「救えないやつじゃん。へこむからやめろ」
「ま、このままだと冷めますし、この企画も危うくなりますし、やりますか。僕の狙いなんて決まってるんですけど」
アクアはホタチを手に取ると、ぐっと構える。ようやく動く気になったらしい。アクアの動きを見て、エレキも防御体制になり、会話に入らなかったもえぎは少しだけ体を強張らせた。フォースだけが未だに丸くなったままである。
「悪く思わないでくださいね……! とりあえず、“シェルブレード”!」
「とりあえずって何!!」
エレキの突っ込みは無視し、ダッと勢いよく走り出して、狙いを定める。狙いは動く様子のないフォースだ。本当にとりあえず、誰かに攻撃してみるかという感じのようで気迫は感じない。
「とりあえずでおれに攻撃しないでよ……まあ、攻撃しやすく見せてるおれもおれか……」
誰にも聞こえないような小さな声でぼそっと呟く。避けなければこのまま当たってしまう。それはそれで構わないが、これを機に全員の的になっても困る。この姿で戦うのはごめんだ。
「……はあ、動こ」
丸まっていた体を元に戻し、ゆっくりと立ち上がる。ゆっくりとというのは、フォース自身の体感であって、端から見ればまた違うかもしれないが。
一方、技を出したアクアは本気ではなかったし、手加減もしていた。が、避けられるような隙を与えたわけでもなかった。それなのに手応えはない。
「……? え、避けたの?」
「まあ、これで始まったってことだよな。悪いな、アクア! “ボルトチェンジ”!」
「はあ!? ズルくない!?」
アクアの起こした土煙に紛れつつ、エレキは体に電気をまとい、アクアに突っ込んできた。それをアクアは臨機応変に対応し、ホタチで受け流す。受け流されたエレキは“ボルトチェンジ”の効果で素早く距離を取った。
「チッ……一発食らっとけよなぁ~」
「あん……いえ、あなた、そんな性格でしたっけ?」
「おうおう。本性見せてくれてもいいんだぜ。いい子のアクアちゃん?」
「あぁ!?…………僕の手で戦闘不能にしてやる! と、その前に、フォースって子……どこに?」
エレキの方に意識は向けつつも、ぐるっと軽く会場を見回した。すると、元々いたところからかなり離れた隅っこの方で再び小さくなっていた。パッと見たところ怪我をした様子もないし、避けられてしまったのだろう。
「え、待って? こっからあそこってそれなりに距離あるよ? どうやって避けた…………!」
思考を巡らせようとしたところで、エレキに邪魔をされる。一度攻撃をしてしまえば、あとはその波に乗るしかない。一瞬足りとも油断は出来なくなったのだ。
そして、フォースが逃げてきた傍にはアクアとエレキから離れていたもえぎがいた。もえぎはフォースを攻撃するどころか、近くまで寄ってきて隣に座った。
「…………何? 別におれのこと、攻撃してきてもいいんだけど」
「戦うの、嫌いだから……こうして他で戦ってくれた方が……その、嬉しいから」
「ふうん。……これに勝ちたいとか思ってないの? お前じゃなくてもお仲間さんとか」
「二人とも、仕方なく出てるから……勝ち上がることなんて……思ってないし、考えてないよ?」
「あっそ」
「…………君は? どうして出ているの?」
「成り行き」
「そっか。大変……だね」
「……そうでもない。こうしてるだけでいいから」
「戦わないの?」
「おれが直接戦う必要、あると思う?」
フォースがそう言うと、顔だけ上げて勝手にやり始めたアクアとエレキの方を見た。そして、もえぎを見上げ、首をかしげる。言っていること分かるだろう、とでも言うように。それを汲み取ったらしいもえぎはこくこくと納得でもしたようにうなずいたあと、困ったように笑った。
「他力本願……なんだね?」
「まあ、今はね。数多いし、面倒だから極力動かないだけ。危なくなったら避けるだけ。こちらに攻撃が向くようなら……そうならないように仕向けるだけだから」
「……頭、いいんだ」
「おれじゃないよ」
もえぎから目をそらすと、今度はピカ達の方を見た。フィールドに出てきていないピカとホノオは何やら話していたようだが、ピカがフォースに気付き、軽く手を振ってきた。フォースはそれを無視して再び顔を伏せる。
「ピカさん?……でも、出てきてないのに?」
「あいつが出てくる必要はない。出なくても、試合は誘導出来る」
「……何を考えているの?」
「何って勝つことしか考えてないよ」
当然のように、しっかりと力強く言う。ピカにはそれしか見えていないから、フォースもそこを見ることしか考えていない。やる前は無理だと言っていたが、一度始まってしまえば負けることは考えていないらしい。ピカの目は勝つことしか考えていない。そのために頭を働かせているのだ。
「要するに勝つのは、おれ達ってこと」



~あとがき~
あ、これ、いつ終わるのかな(白目)

次回、バトル! どうなるか知らん!!

エレキ、アクアのところには行かねぇって言ったのに普通に攻撃してますね。まあ、隙があれば攻撃するよって感じなんだろうね。

さてさて今回は三回目! レンさんのチームです。
レンさんはあれですね。フライゴンのレンはシアの補佐です。あんまりやる気はなさそうですが、やるときはやるんじゃないかな。あと、新婚じゃなかったかな。ここでは。詳しいことは忘れたわ((←
エレキは約束に出てくるあのエレキです。空と海の時代はまだ現役バリバリでそれなりに戦えます。ここでのツッコミポジです。残念なのは昔も変わらないご様子。左耳にスカーフ巻いてますよ。今回、描写したか忘れたけどね!
太陽はこの中ではエース的存在です。あと、なんとなく分かった人もいるかもですが、浅葱のことが大好きです。マイハニーとかマイエンジェルとかハニーとか天使とか色々言ってきます。浅葱に何を言われても、何をされても笑って、可愛いなとか言っちゃう変態(?)さん。左腕にスカーフ巻いてます。浅葱と同じ物ですね。

こんなんかな……こんなんでいいのかな?
気になることあれば言ってくれれば、教えますよ。今後のネタバレにならないやつなら答えますです!
ではでは!

お知らせ

もうこんな時期ですし、言わなくても分かる気もしますが……

夏休み終わるので、投稿頻度めっさ落ちます!!

月に一回は投稿します! それ以上は保証できないです……申し訳ない。まだ学校始まってないから、なんとも言えませんけどね。まあ、前期と忙しさはそう変わらないと思うんで、週一できたら理想程度に思っていただけたらと。無理ですけどね。多分。

小説もちょこちょこ書いているので、学校始まっても投稿していけたらと……!
高校の時と比べて、冬はレポートなり課題なりに追われなくてすみそうなので、(二学期制だから多分だけど)冬休み入ったらまた毎日のようにできればええな……もしかしたら、そんな余裕ないかもですけども、先のことなんて分からん!

とりあえず、連休中に空と海を一つ上げたいと思います。そっから先はどうなることやら……(・・;)

ではでは!

キャラプロフ ウィル編

とりあえず、リクエストもらったのはこれでラストです。つーことで、ウィルさん、よろしくな!
ウィル「イエーイ♪v(・ε・v)」
テンション高めのお兄ちゃんなんだけど、まあ、頑張ってやっていくか……
ウィル「今回はよろしくね。作者ちゃん♪」
よろしくお願いしやす!


ウィル
種族:ゼルネアス(現在はイーブイ
性別:不明(♂寄り)
年齢:不明
性格:基本テンション高めの頼れる兄ちゃん
武器:槍(制御者時)
メモ:生命を司る神である。しかし、神様としての威厳はなく、本人も気楽でいたいため、かなりフレンドリーに接してくる。とりあえず、頼れる兄さんポジションでいたい。崇められるよりも、同じ目線で物事を考えてあげたいと考える辺り、人との距離を取り、冷めているファウスとは真反対である。それでも、一般人との価値観は若干違うようで、時々恐ろしいほどに冷淡になる。本気で怒らせると一人称が俺から俺様に変わり、強引な性格になる。本人は自覚しているし、滅多に怒ることもない。
   バトルはあまりしない。(神様だしね!)それでもしろと言われれば、普通に戦う。が、神としての力は使わないように注意を払って戦っている。武器使用はある意味、彼なりの手加減でもある。それでも殺意高めに襲ってくることもしばしば。
   神であるがゆえ、それなりに信仰されている。また、ある森の奥に社を持ち、普段はそこにいるらしい。ちなみに、フォース達がウィルを呼べば、すぐに瞬間移動して来てくれる。社を守る守護者ともやはり友達感覚で接している。
   神として生まれた頃、ファウスの元に置かれ、一応、親と子の関係になる。人に優しく接し、傍に寄り添いたいと考えるウィルと人と接することなく、冷淡なファウスと全く考えが合わない。そのため、今も昔も仲が悪く、話そうともしない。「クソ親父消えろ」「バカ息子いっぺん死んでこい」などと言い合いが止まらない。この間を取り持つフォース達、制御者の心労をお察しします。
   一度、世界を見るためにとファウスに半強制的に制御者として動いていた時期がある。ファウスとしては、人の残酷さ、醜さを学ばせたかったらしいが、むしろ、何人かの継承者と接していくうちに人って可愛いねと思う始末。何度か制御者として働いているなかで、継承者のカルマ(生前のフォース)と主従関係になる。全く心を開かないカルマにどうにかこうにか開いてもらおうと試行錯誤を繰り返しているうちに、継承者と制御者を越え、家族のような絆を築く。ある事件に巻き込まれ、命を落としたカルマをどうにか生かしてやりたいと思い、持っていた制御者の力を受け渡し、それと同時にカルマの中に封印されてしまった。色々あったのだが、現在ではその封印も解け、また神としての力も取り戻し、めでたしめでたし、である。
   神としての力は治癒能力、再生能力で、その気になれば瀕死の人も助けることの出来る力を持つ。しかし、それなりの代償はいるようだ。これを頼んだ人は今現在、一人もいない。そして、神としての仕事は命を与えることで、時に奪うこともしている。奪う仕事は自分と対となるイベルタルと共にしている。
   弟のように思っているフォースに暇さえあれば抱きついたり、もふもふしていたりなど自由に弄んでいる。最近、兄貴と呼び方を変えてきたフォースに対し、「昔みたいにウィルにぃって呼んでもいいんだよ!?」と迫るものの、フォースに無言で倒される日々を繰り返している。それはそれで楽しい。たまにノリのいいピカにお兄ちゃんなどと呼ばせて遊んでいる。イブにはるーくんと呼ばれ、慕われている。


こ、こんな感じかな?
あれですね。何か聞きたいことなど指摘してくれれば追加しておきますんでね。はい!
ウィル「なんだか、神様っぽくないねぇ~♪」
そうだね。ないね……
ウィル「まあ、それが俺の目指す神様像(?)なんだけどね!( ・`ω・´)」
まあ、性格に関しては突っ込まないや……
怒ると怖いんだね? 今、その性格になれる?
ウィル「え? なってもいいの? 今後の進行に支障を出すけどいい?」
え、あ、ちょっとだけ! 話題が変わるちょっとだけの間!
ウィル「うん、わかったー」
……………変わった? 変わった?
ウィル「…………」
あ、これ、分からんやつや。なんか怒りの対象でもないと駄目だ。ごめん、お兄ちゃん、戻っていいや。
ウィル「あ、そう?( ^ω^ )」
怒るウィルが小説に出ることがあればね。見せられるんだけどね……!

なんか、ファウス……マスターさんといざこざというか、ギスギスしてるんだね?
ウィル「価値観の相違。一生分かり合えないってお互い分かってるんだけどね。そもそも、性格も合わないからさ~? ほら、あのクソジジイ、本性見せやがらねぇから?」
ねえ、言葉! 言葉遣い!!
ウィル「あら、失敗失敗~♪」
もしかして、俺様の性格ってマスターさんの前でもなるのかな?
ウィル「ふふっ♪ そうかもね。俺が性格変わるの、激怒ぷんぷん丸になるか、クソジジイと言い合いするかだから」
あら、やだ。怖いわ((((;゜ω ゜)))
ウィル「でも、俺も優しいこと言っているようだけど、それなりのラインはあるからね? 結局、人のある部分とか理解出来ないところはあるんだよね」
ガン無視するマスターさんよりましですわ……
ウィル「ありがとっ! あいつの一緒にされるのは嫌だけどねっ!」
ご、ごめんね!!(; ・`ω・´)

制御者時代の話をしたいなぁ……?
ウィル「いいよ♪」
なんか、あれだよね? 人と触れてもあら可愛いって思えるのは、ウィルの心が寛大だったんだね?
ウィル「そうなのかなぁ? まあ、クソジジイの言う通り、嫌なとこもたくさん見た。見たけどさ、それもあって人の子だからね。儚くて、脆くて、でもそんな中でも努力してもがいている。……それがなんか可愛いなって」
う、うん……ずれてる気がする。
ウィル「? そお?」
ま、いいや! カルマ……フォースには手こずったの?
ウィル「うん。かなりね。元々、俺に会う前から色々酷いことされてたみたいでね。その結果、俺のことも信用出来なくなってたからさ」
それでよく信用を得たよね?
ウィル「あ~……一年弱かかってる。かーくん以外の継承者達は長くても一週間もあれば友達になってたんだけどね~」
マジで? 長いな!
ウィル「それくらいのことをされたってことだよ」
やつの過去は暗いの……(・・;)
ウィル「あんまり、このこと掘り下げないでね? きっと思い出したくないと思うし~」
せやな。私もそこまで暗い過去を明らかにはしたくないよ……

さて、他にも気になることはあるんだけど……一番はあれだね。今についてだね!
ウィル「今? めっちゃ楽しいよ?」
フォースだけじゃなくて、他の子達とも仲良くなってる?
ウィル「うん。皆、いい子だよね~♪ こうなれたのも、ピカちゃんの後押しがあってこそなんだなって思うよ」
あいつ、色々影響させとるな……
ウィル「きっと、影響されているのは、ピカちゃんの周りにいる人達、皆そうだと思う。ピカちゃんには人を変える、場の空気を物にしちゃうそんな雰囲気あるから、全然不思議じゃないもん」
やっぱ、主人公は違うな……!
ウィル「あはは♪ そうだねぇ」
ま、ウィル兄さんが本編に絡むことはあまりないかもしれませんが、出てくることはあるので、覚えてくれるとありがたいですね!
ウィル「クソジジイより、俺のこと覚えてね~♪」
とことん対抗するなぁ……( ̄▽ ̄;)
んじゃ、締めるか!
ウィル「へいへーい! 俺やる!」
え??(・_・;?
ウィル「ピカちゃんにやってきてって言われたから。言われたらやらなくちゃね!
そういうことで、ここまで長々とありがとうね! 閲覧ありがとう。これからもよろしくね♪」
あ……えぇぇぇぇぇ!?Σ( ̄ロ ̄lll)

Fantasy world

この物語は魔法とか出てくるよ。ポケモン二次創作だよ。
イオ「苦手は人は戻ることをお勧めするよ」
シェル「わーい。この前再登場したよー!」
イオ「………お、おう?」


~第14話 使い魔達のあれこれ~

互いの主から少し離れて使い魔のメイとマーチは三人の様子を見ていた。しかし、イオが傍にいるから余程のことは起きないだろう。マーチは隣でいつもより暗い顔をして座っているメイに話しかけた。
「どうした、メイ。しょげてるの?」
『むー……今日ってか昨日、初代が出てきてさ……それでちょっとねー』
「へえ。ノーベンバー様が? 何て?」
『忠告してきた』
「珍しいね。最後はいつだっけ。クヴァールの大量発生のときじゃない?」
『………あったね、そんなことも』
基本的に初代ノーベンバーに会ったあとのメイは不機嫌だ。主であるイオの前ではそんな雰囲気は見せない。しかし、一度離れてしまえば、本性を隠すことをしない。
「今回は何だって? また大量発生?」
『ううん。……特には。ねえ、マーチくんは初代セプテンバー様をどう思っているの?』
「俺? まあ、メイみたいに突っぱねはしないけど。……今と変わらないかな。何度、姿がお代わりになっても主様だから」
『マーチくんは大人でいいなぁ……』
「そうでもないさ。今でも過去に囚われてるし、どうせなら消えてしまった方が楽……だけど、主様が選んでくれたんだ。それに応えるまでだよ」
昔の記憶が頭を過るが、それを思い出すまいとふるふると首を振る。一方のメイは未だに不機嫌そうにむすっとして、ちらりとマーチを見た。
『流石、忠誠心の塊。騎士長の鏡だね』
「悪口にしか聞こえないのはなんでだろうか。しかもそれ、昔の話だよ。他人の傷に塩塗って楽しい?」
『…………今の私は悪口にしか言えないのだよ』
「じゃあもう、黙ってろ」
『うぇぇ? うぐっ…』
ぐいっと黙らすようにメイの頭を押さえ込み、無理矢理黙らせた。こういうときのメイは一番質が悪い。
「迷惑極まりないんだよ、本当。いい加減ノーベンバー様を嫌うのやめろ」
『うぐぐ………』
「あの方があってこそのイオ様だろ」
『それは……そうだけどさ…』
「じゃあそんなに嫌な顔するな」
『うぅ………でも、でも! 私はあの人の見透かした感じのあの表情が嫌いなの! ムカつくんだもん!』
頭をマーチに押さえられているため、思うように動けない。バタバタと手足をばたつかせ何とか抜け出そうとするがマーチの力に勝てるはずもなく、まるで駄々をこねる子供の姿にしか見えない。
「そこまで主を嫌う使い魔もいないだろうね。ある意味才能だよ、才能。あのジュンでさえ、ディセンバー様には手も足も出ないのに」
『ジュンくんは意地悪だけど、優しいじゃない。今はエルナト様がああいう性格だから今回、生き生きしてるだけ』
「それはそうかもね……いや、だとしても、初代様方をそこまで嫌うのはお前だけだよ?」
『………そうかも』
「それなのについてきたのはメイだろ。ノーベンバー様に誘われた。その誘いを受けたのはメイだよ」
『…………』
ぴたりと抵抗していた力がなくなった。それを確認すると、マーチはメイの頭から手を離した。
『マーチくんは分かってないよ、あの人のズルさ』
「いや、確かにノーベンバー様は他の神の使いの中でもそんな感じはするけど」
『はあ………だいっきらい』
「嫌も嫌も好きのうち?」
『…………吹っ飛ばすよ?』
「冗談だ。真に受けるなよ」
やれやれと言った様子で肩をすくめる。時間が経てば普段のメイに戻るだろう。ふとジュンのことを話に出したからか、あることが頭に浮かんだ。
「ジュンで思い出したけど、もうそろそろじゃない? 病み期っていうか、いつもの」
『ふえ……あぁ~……うん。そうだね。今年も来たか。きっぱり割り切ってないと辛いんだよ、あれ』
「………未練がましくてすいませんねぇ?」
『私、マーチくんのことなんて一言も言ってないけどねー? 私は全然へっちゃらー! 未練ってか恨みしかないもんね~♪』
「はあ……俺もそんな出来事だったら、今の方がいいってメイみたく明るくなれるのかな」
『マーチくんには似合わないよ。私みたいに恨み辛みなんて、ね? 涙を誘うようなカンドーものが一番っ!』
「感動……ね。感動出来るの?」
『少なくとも私のよりは』
「メイのは救いがないからな。むしろ、よかったって思っているくらいなんじゃないの?」
『…………どうだろね?』
メイはクスッと口元を隠しながら笑った。マーチはその様子に深く追求することもなく、視線を自分達の主に向ける。マーチの視線に気づいたのか、シェルがこちらに向かって手を振った。
「…………ま、主のためだ。黙って耐えるよ」
『さっすが、マーチくん! 大人だね。ジュンくんも意地張らなきゃ、もうちょっと楽出来るのに』
「ジュンは楽なんてしたくないと思うよ。多分、それがいいことだと思ってるから」
『そーだね。やっぱり、ジュンくんは優しい子だからね♪』
「………そうだな。優しい奴だよ。……で、次はどこに行くの?」
『うーん? 多分、アルマク様かアルファード様のところかな。……エルナト様とカリーナ様はちょっと難しいし』
「いや、アルファード様もなかなかだと…」
「マーチ! ただいまぁ! 楽しかったの! ねえねえ、凄かったでしょー!?」
粗方話が終わったのか、イオ達がこちらに戻ってきた。シェルはマーチの元へ一目散に駆け寄り、目を輝かせながら話しかけていた。
「楽しかったですか。……またそんなに汚して…」
「遊びに汚れは付き物だよ?」
「悪い、マーチ。気付いたらこいつ、そこら辺転げ回ってた」
「いえ、ご心配なく。洗えばいい話なので」
「そうか。……にしても、ほんと子供っぽいんだよな、シェルのやつ。先代はそうでもなかったのに、反動かな……?」
イオは少し考えてみるものの、意味のない行為だと感じたのかすぐに考えるのをやめた。
『イオ様、お次はどなたになさりますか?』
「ん? まあ、誰に会ってもキャラ濃いから誰でもいいんだけど、ファードを先にすませよう」
『りょーかいです! 起きているといいですね』
「……まだ寝てるかな?」
ぽつりと呟いたイオにマーチはいえ、と続けた。
「今日はお店が開いている日だったと思いますよ」
「そーそー! ま、ファードは開いててもお客さんなんて入れないけどねー♪」
「確かに。……うし、行ってみないと分かんねぇよな。メイ、ミル、行くぞ」
イオの言葉にメイとミルはうなずいた。そして、先を歩くイオのあとについていくミル。メイも歩き出そうとしたところで、マーチに止められる。
「ジュンのところに行くなら、気にかけてやれ。余計なお世話だと思うから、声はかけなくていいけど」
『うん。分かってるよ。……病まないでよ、マーチくんも』
「ははっ……努力するよ」
使い魔としてここにいる限り、逃れることのない罰を忘れることはない。メイのように割り切ってしまった、あるいは割り切れる者は別かもしれないが。
一瞬だけ、過去を思いだしたが、マーチを呼ぶ声で我に返る。そして、マーチは自分の主の元へと歩み寄った。





~あとがき~
いや~……何がしたかったんだろう?

次回、ファードのとこに赴きます。さっさと終わることを希望する!

なんだかマーチは動かしやすいし、使い魔の中でも年長者組なので落ち着いています。周りにも気を使えるいい人なので……あとなんか、騎士長の鏡らしい。過去の話ですよ。きっとね。ちゃんとマーチの過去もやりますぜ~♪
そんな大人のマーチさんと不機嫌メイちゃんが今回語ってますが……二人曰く、使い魔さんには病み期があるようで。ジュンくんが病むらしいです。今回の全員の紹介が終わり次第、関連の話をしたいと思ってますよ。

あとは話すことないな~……

ではでは。