satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第8話

「見ぃっけっ♪」


どこにいるのかな、グラエナって奴。
相変わらずリーちゃんは起きないし、ピカさんは周りを気にしているみたいだし。なんだかよくわからない展開になってきたな。まあ、戦わなくていいのはよかったけど……
「はぁ……」
「大丈夫? イブ?」
リーちゃんを背負ってくれているポチャさんが聞いてきた。私のことを気にかけてくれたのだろう。
「ポチャさん……聞いてもいいですか?」
「ぼくに答えられるものなら、答えるよ」
「探検隊ってこんなところにも来るんですか? ここって、そこまで強くないダンジョンだって、聞きましたけど……」
私がそう言うと、ポチャさんは少しうなるような声をあげた。
「うーん……ま、確かに普段は、ほとんど来ないようなダンジョンだよ。ピカも遠出したくないって言うし……でも、今日来たのはさっきのリストの調査のことを思い出したからなんだ」
えっと、お尋ね者のことが書かれたリストでしたっけ?
ポチャさんは、うなずくと話を続けた。
「正直、ピカは帰りたがってたけど……せっかくだし、やっていこうってぼくが言ったんだよ。どうせ近々また来てやらなきゃいけなくなるしね」
なるほど……大変ですね。私、探検隊になれるかな……あう……自信無くしそう。
「あはは、最初はぼくだって自信なんてなかったよ。大丈夫だよ」
そうですか……? じゃあ、ピカさんもそうだったんですか?
「どうかな? 自信家ってわけでもないけど、ネガティブでもなかったし、普通だったんじゃ………ピカ?」
前を歩いていたピカさんが立ち止まっていた。そして、目の前のフロアの入り口を指差した。
「この先にいる。どうする? いっちゃう? やっちゃう??」
「死なない程度でお願いします。リーダー」
「私がやるの? なんか、人数多いんだけど……ま、弱い奴らばっかしだから、いいか……ポチャ、雑魚の相手してくんない?」
その言葉を聞いたポチャさんは、首をかしげた。
「ピカ、どうしたの? 珍しいじゃん……どこか怪我でもしたの?」
「いや、してないよ? なんかもうめんどい……」
「そんな理由っ!?……まぁ、いいけどさ。どうすればいいの? イブ逹は」
ピカさんは私の方を少しだけ見る。
「大丈夫じゃね? 色々道具類持ってるみたいだし。それに…………」
「それに?」
「いや、なんでもない。私達が速攻で倒しちゃうから、五分くらいで」
はやっ!!
もしかして……凄腕の探検隊……?
「じゃ、出発~♪」
………凄腕の探検隊には、見えない……かな。それくらい、気を張っている様子が全然伝わらなかった。むしろ、この状況を楽しんでいるみたいに。
ピカさんとポチャさんは、ためらうことなく、先に進んでいった。

「お尋ね者のグラエナさん、見ぃっけっ♪ 捕まえに来ました☆」
「何……?」
「あ、周りの人達も例外なく捕まえてあげるから、安心してねっ♪」
「小娘、誰に向かって言ってやがる」
ピカさんは、周りの人達のことに対して興味ないらしい。ポチャさんは、リーちゃんを下におろしている最中。
「ポチャ~あとはよろしく。私、ボスを倒してくるから」
「了解……って、ぼくじゃ不満っぽい顔だね? 大丈夫だよ。すぐに終わるからっ!」
言い終わる前にポチャさんが飛び出していった。
ポッチャマにしては、速い方だろう。
……ポッチャマとか、見たの初めてだけどね。すーくんが、速いって言うんだから……速いんだろう。
「速攻で決めないと、ピカに怒られるからね……悪いけど、仕事だからっ!! “バブルこうせん”!!」
ポチャさんの放った“バブルこうせん”は敵(ボスを除く)全体にヒットした。
「な……なめんじゃねぇぞ!」
「別にぼくはなめた覚えはないけど……」
一人のラクライがポチャさんめがけて、“スパーク”してきた。
ポチャさんは何事もないかのように避け、“バブルこうせん”を放った。
「電気の威力が弱いね。そんなんじゃ、ぼくにダメージなんて与えられないよ?」
………ラクライはすでに戦闘不能状態。おそらく、聞こえていないと思います。
とは、言えず。
でも多分、ポチャさんは気づいている。
わざと周りに残った敵逹に聞かせている……そんな気がした。案の定、残った敵逹はうろたえている。
「君逹からかかってきなよ? こないなら、ぼくからいくよ?」
そう挑発をかけられた敵逹が、戸惑いつつもポチャさんに襲いかかった。
「挑発したぼくが言えた義理じゃないけど……挑発に乗るなんて、いい作戦だとは思わないな。じゃ、そろそろ終わりにしようっと……“ふぶき”!」
ポチャさんから放たれた“ふぶき”は、残りの敵逹を直撃した。私に当たっているわけないのに、すごく寒い……
そんなに近くないのに……うぅ……でも、それくらい威力があるってこと……?
「………ふぅ。……大丈夫? イブ」
「は、はい……ポチャさんって、お強いんですね……なんか、改めて実感しました」
「………?」
私の言葉の真意が読めないのかポチャさんは少しだけくびをかしげた。それを見た私は戸惑いつつも口を開く。
「あぁ……その、リーちゃんと激突していたので、なんと言いますか……」
私が言葉に悩んでいると、ポチャさんは察したのか困ったように笑った。
「あはは……ぼく、ドジだから……そこについては追求しないで欲しいなぁ……」
そうですよね、ごめんなさい。
ポチャさんは少しだけ笑うと、ピカさんの方を見た。
ピカさんの方……全然、気にしてなかった……
ピカさんの戦っている相手は、ボスのグラエナ。普通のグラエナだけど……若干素早い……かな?
ピカさんは、不思議なことに反撃せずに避けてばっかり。
その様子を見たポチャさんは深いため息をついた。
「はぁぁ……ピカ、遊んでるよ。あ、でも飽きてきてるな……あの顔」
確かに、今にも欠伸をしそうな……あ、してるやん……
「ピカ~、早く帰ろうよ。イブ逹を送っていくんでしょー?」
「んー? なーに? 聞こえなーい!!」
「嘘いらないから……ぼく、もう終わったよー?」
「え、マジ!? やばっ……遊びすぎた……っと。ごめんね? 散々仕掛けてくれたけど……やっぱ、駄目だよ。弱すぎ」
ピカさん、キツイ一言です。
グラエナは、カチンときたのか一気に力をこめ、“あくのはどう”を繰り出した。
……いや、この表現は違うかな。
繰り出そうとした……が、正しい。
繰り出す前にピカさんは“かわらわり”をグラエナにヒットさせていた。つまり、ピカさんはグラエナを一発で倒したのだった。
ピカさんはくるりと回り、私達の方を向いた。
「さぁって、帰ろっか♪」



~あとがき~
お尋ね者逹、撃破ー!
小説でのバトル描写は難しい(´д`|||)
今回はポチャがよく喋ってますね……
ポチャ「いいじゃないか!! この前、影薄いって言われたから……」
ピカ「本当のことでしょ?……ってこの前言ったじゃんか。なんでもう一回言ってんだろ?」
ポチャ「コメ欄の話じゃないか!……いや、そういうことじゃないんだぁ……(T^T)」
ピカ「……泣くなよ( ̄▽ ̄;)」

次回、ピカ逹が語りまーす……何かしら。
読みづらくないですか? これ……(;・∀・)
面白要素なくないですか?(´・ω・`)