君は覚えているかな。
夕日が綺麗でしゃぼんが飛んでいたあの海岸。
初めて出会った場所でぼくは約束をしたんだ。
「君のことはぼくが守るよ!」
正直、恥ずかしかったけど……
君には笑われるかなって……それでも伝えたかったんだ。
いつもみたいに、変なの、って笑って終わり……それでもいい。
けれど、君はそんなこと言わなかった。
「え? じゃあ、私があなたを守る! 守られっぱなしは嫌だもの♪」
笑顔でぼくに向かってそう言ったね。
そして、続けて「約束っ!」って、手を出した。
ぼくは、君の手を取ってうなずいた。
でも、君の方が強くって。
力も心もずっとずっと強くて。
いつか君より強くなれたら……そう思っていた。
けれど、現実は残酷で。
ぼくの弱さが招いた結果。
君を守ることが出来なくて……
ひどく悲しそうな顔だったの覚えてる。
ぼくはどんな顔してたかな。
そう聞いてみたけれど、君は教えてくれなかった。
でも、ほんとは知ってた。
きっと、表情なんてなかったよね。
ぼくが君に駆け寄ったら、凄く嬉しそうに笑っていた。
そして、少し困った顔をして。
「やっぱり、無理だなぁ……あなたを傷つけられないや」
君はぼくを守ってくれた……
でも、ぼくは違う。
ぼくは、君を
傷つけたんだ。
「んー? あぁ……気にしなくていいよ。私も未熟だったからね」
「でも、ぼくは……」
「あなたが無事ならそれでいいよ。私も生きてる……あんな攻撃でやられないよっ!」
君は笑って許してくれたね。
嬉しかった。いつも通りに接してくれて。
でも、納得出来ないよ。
ぼく自身が、許してないんだ。
だから、ごめんね。
「あれ、どうしたの? 着けないの?」
「うん、ちょっと……気にしないで」
「ふうん?……まぁ、いいけど。じゃあ行こうっ!」
「うん」
ぼくが強くなれるまで、チームスカーフは着けない。強くなったと認められるまで。
それは、ある意味チームメンバーじゃないことを指すんだけれど……
君は追求しなかった。
ありがとう。
もし、あのときのことがまた起こったら……って考えるだけで怖くなる。
目の前が真っ暗になるし、息が出来なくなりそうで。
もう、君を傷つけたあの技は使わない。
ぼくが強くなったら、伝えたいことがあるんだ。
それまでは、まだ……待っててね。
ぼくがあのことを乗り越えられるまで。
君を護れるようになれるまで。
~あとがき~
まず、何がしたかったんだろう。
トラウマ話だと思っていたんだけど……なんだこれ。
一応、名前は出してないけど……一人称でぼくって一人しかいないし、なら相手もおのずとわかるでしょ……
はい。ピカとポチャです。
小説だと、二、三年前の話かな……おそらくね。ちゃんと決めてないけど……( ̄▽ ̄;)
次は……フォース君にしようかな。
シリアスかほのぼのか……
シリアスかな……まとまってるし!
あ、不定期更新な過去編です(;・ω・)
ではでは!(*´∀`)