satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第14話

「マジですか?」

「オーシャン、いいチーム名だね! じゃあ、これで登録しちゃうねっ!」
は、はい!
って、なんでピカさん達、耳を塞ぐんですか?……平然と、当たり前のように……え、何が起こるの?
「ったぁぁぁぁぁああああ!!!」
うわぁぁ!! おっきい声っ!! 耳が、痛いよー……あー……だから、あの三人は耳を塞いだんだぁ……知ってたから……うぅ……まだ、キーンってなってる。
隣を見ると、チコちゃんも同じようになっていた。ふるふると頭を振っているし……
「はい、登録完了っ! じゃあ、これをあげるね♪」
プクリン親方は、私達の前に宝箱のような箱を出してきた。
なんだろ……これ?
「開けてみて♪ きっと、役立つような道具が入ってるから☆」
は、はぁ……
言われた通りに開けてみた。すると、中から道具がいくつか出てきた。
親方さんはひとつひとつ説明していく。
「このバッグは“トレジャーバッグ”! 道具を入れるためのバッグだよ。キミ達の頑張りで大きくなっていくんだ」
どんなシステム……?
「で、これは“探検隊バッジ”。探検隊という証だよ。ランクに合わせて変わっていくからね」
へぇ……
「最後にこれ! “ふしぎな地図”……説明しなくても、いいかな。地図なんだ。でも、普通の地図とは違うからね」
なにが違うのかな? そこの説明は、ないんですね……
「これは、ボクからのせんべつ!」
そう言って取り出したのは、スカーフとリボン。
「それじゃあ、頑張ろうね!」
は、はい!!
親方さんは厳しい人かと思っていたけれど全然そんなことなかったなぁ……むしろ優しそうだし……
厳しいって言ったら、ピカさんとケンカ?……していた、ペラップさんがそうかもしれないな。まだ、話してないけど。
「ピカ、何か話があるんだよね? 昨日言ってたよ、ジバコイルさん」
「あぁ……そうだった。ポチャ、イブちゃん達に施設案内してきたら? 私と親方の話なんてつまらないし……」
そうなんですか?
「そっか。じゃあ、行こうか? イブ、チコ」
「はーい!」
私達は声を揃えて返事をした。
親方さんはペラップさんの方を見る。
ペラップ、席外して?」
「わかりました。では」
あ、礼儀正しい。ピカさんに対しては上からだったのに……
私達はピカさんと親方さんを残して、部屋を出てきた。そして、ペラップさんとも別れた。

ペラップ? ぼくらの先輩だよ……自称、一番弟子なんだってさ。まぁ……皆気にしてないけどね。ぼくらも呼び捨てだし」
トレジャータウンへ向かう道中で、ポチャさんに聞いてみたのは、ペラップさんのことだ。
理由は単純。ピカさんが“鳥”と呼んでいたから。
でも先輩なら、なぜ鳥呼ばわりなんですか?
「ぼくらがギルドに入って……一ヵ月くらいかな。重要な仕事だっ!……って言われて、食料調達に行ったんだ」
重要……なんですか? それ……
「うーん……まぁ、重要なんだよ。で、仲の悪い奴らに邪魔されて失敗」
えぇっ!?
ペラップったら、理由も聞かずにご飯抜きっ!……ってぼくらに言ってさ。いやぁ……食べ物の恨みって怖いよねー? ピカったら、ペラップのことを敵意識しちゃって」
食べ物の恨みは怖いですよね……わかります。でも、ペラップさんもちょっと、ひどいです……理由くらい聞いてくれたっていいのに……
「失敗したのは事実だしね。罰を受けるのは、当然なんだけど。でも、こたえたなぁ……一日一回のご飯だったし……」
一回……ですか?
「うん、一回。まぁ、朝から仕事行くから、その途中で食べてたけど……」
あらら……でも、バレません?
ポチャさんは、ふるふると首を振った。
「全然。ぼくらは依頼ばっかりやっていたから、外が多かったし……てか、先輩から教えてもらったしね」
あ、そうなんですか……
私達も依頼こなすのかな? だとしたら、怖いし、危ないんだけど。
そんなこと話しているうちに、何やらにぎわっているようなところに着いた。
「ここが、トレジャータウンだよ!」
おぉ! ここですかぁ……
いろんな人達でにぎわっているなぁ……なんだか、楽しそう。
「二人とも、こっちだよ」
あ、はーい!
私達はポチャさんの後に続いた。

「……………」
「…………ってことです。……親方?」
「…………ぐぅ」
プクリンはいつからだったのか、寝ていたようだ。その様子を見たピカは、小さくため息をつく。
「こういう人だからなぁ……仕方ないんだけど……でも、いつからよ……どこから聞いてないんだ、この人は」
「…………はっ!」
「あ、起きた。親方……どこから聞いてませんか?」
たった今起きたプクリンに、とりあえず聞いてみた。すると、予想通りの答えが返ってきた。
「全部」
「もう一度……言いますね……今回のお尋ね者の件ですが」
ピカは最初から説明し直そうとしたのだが。
「うんうん! いいよ、こっちでなんとかするよ♪ 書類だけ頼んでいい?」
聞いてんじゃん……と小さく呟いた。やはり、読めない相手だな、と思ったピカ。
「あとあと、今回の春祭り、頼んでいい?」
「嫌です……と言っても無駄ですね。……はい、了解しました。今回は誰でいくんです?」
うーん……と少しだけ、本当に少しだけ考え込み、ニッコリと笑いかけた。
「わかんない♪ 決まったら、知らせるね? じゃ、頼んだよ♪」
「は、はぁ……わかりました……失礼します」
ピカは、くるりと後ろを向き出ていこうとした。そんなピカをちょいちょい、とプクリンが止める。
ピカは、少しだけプクリンの方を向いた。
「オーシャンのこと頼んでいいかな? ピカ達の後輩だしね♪ 色々、教えてあげてよ」
「了解です。明日、私達は“リンゴのもり”へ行く予定ですが……どうします?」
リンゴのもり、という言葉を聞き、ピーンと耳をたてるプクリン
セカイイチ、よろしくね♪ オーシャンも連れっててさっ! セカイイチ♪ セカイイチ♪」
親方……セカイイチしか頭にねぇな。と思ったピカ。実際、そうなのだが。
「わかりました……では」
今度こそ、出ていく。後ろではやはりプクリンの「セカイイチ♪」と言っている声がしていた。ピカは苦笑しながら、部屋を出たのだった。



~あとがき~
予想以上に長くなりそうだったので、ここで切りました。ってことで、トレジャータウンの施設案内は次回!……この前も行く……と言っていましたね……ほんと、あてにならないな……書いてる私が言うのもなんだけど。
プクリンのキャラはここでも健在です。
時、闇、空の探検隊の世界がモチーフなので。まぁ、結構変えてるよね……

では、本当に次回はトレジャータウンへ!
ではでは!( *・ω・)ノ