satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第20話

「黙ってよ」

奥……そういえば、当初の目的はそれだった。色々あって忘れていたが……うん、色々。
「なんなら帰ろう…」
「ピカ! 帰ったところで、ぼくらのご飯はないです!」
……………え?
「あれ……そうだっけ? この前……なんのために遠出したっけ?」
「ソル達に頼まれ、お尋ね者を捜しに行ったでしょ? 他の依頼も片付けるついでに……そのあとは、イブ達に会って直で帰ってきたじゃん!」
「あれれ……なんのために行ったのかわかんないわよ……それ。食料調達じゃなかった? 最初」
ピカさん、首をかしげてます。ポチャさんはえっと……と返答に詰まった。
おそらく、それが答えだろう。
「仕方ない……私達は奥に行かねばならないようだ……で、イブちゃん達もついてくる? 特に楽しくないけど……あ、帰るならバッジで帰れるからね」
え……どうしよ……
「チコちゃん、どうする?……もう帰ろう…」
「奥行ってみたい!」
!?
「そう? じゃ、さっさと行こう。すぐ着くよ」
「はーい!」
…………チコちゃん、元気だな。私は疲労でいっぱいです。
しかし、私一人で帰るわけにもいかないため、ついていくことに。ピカさんの言う通り、最深部までの距離は長くはなかった。
奥につき、ピカさんとポチャさんは大きな木になっているリンゴをとっていた。
私たちは周りのリンゴをとっていたけれど、なにか違いでもあるのだろうか?
「よしっ! 目的達成♪」
「帰ろっか……チコ、イブ、帰るよ」
あ、はい。
「チコちゃん、行こ!」
「うん!」
…………?
チコちゃん……なんか変だな。でも、聞くのもあれだし……そっとしとくか。
私たちはバッジの力で気づいたら、ギルドの入り口に立っていた。

「……………ピカ、ポチャ」
「だから、なんだよ鳥、邪魔なんだけど」
ぺラップさんは、帰ってきた私たちを見るなりピカさんとポチャさんの方に歩み寄った。そして、今にいたる。
ちなみに、ぺラップさん、何度目かわからないくらいピカさんたちの名前を呼んでます。
わかりますよ? ピカさんはあまりケガはしてないけど、ポチャさんはひどいもん。二人とも無傷……とは言えない。
「なんでお前らが、そんななって帰ってくるんだい!?」
「いや、ダンジョンだし? 危険はあるだろ、普通……あ、そんなこともわからない?」
「ありえないから言ってるんだよ! あそこはお前たちにとって造作ないダンジョン!……怪我して帰ってくるか、普通」
ぺラップさん、ピカさんたちのこと認めてるんですね~……いい兄弟子さんですね。なんか、見直した気がします。
「あーもう! うっさいなっ! 親方は?」
「人の話を聞け、ピカ!」
「黙ってよ、鳥のくせに……焼き鳥にしてやろうかれる」
焼き鳥……!?
「あ、ピカ、ポチャ♪ それとイブとチコ。おかえり」
え、あ……ただいまです。親方さん。
ヒョコっと親方部屋から顔を覗かせたのは、プクリン親方さん。
「んー……何かあったのかな? 手荒くやられたね、ポチャ」
「あはは……油断してました」
ポチャさんの言葉を聞き、首をかしげた親方さん。しかし、すぐに笑顔になった。
「そう? ま、そんなこともあるよ♪ 元気出してね」
「はい、ご心配かけてすみません」
「ううん♪……で、ピカ?」
「わかってますよ……鳥、あとはポチャに聞いて。じゃあね」
ピカさんはぺラップさんからするりと抜け出し、親方部屋に入っていった。
残されたのは私たちだけ。ぺラップさんは、はぁ……とため息をつき、ポチャさんに向き合った。
「なにがあったんだ、ポチャ」
「いや、特には。ぺラップだって知ってるでしょ? ぼく、ドジだしね」
「ポチャ……」
「とにかく、ぺラップが心配するようなことはないからさ。あったら言ってるよ」
にこり、と笑うポチャさん。ぺラップさんは、そうかと不満そうだったけど、納得した。

「ピカ、セカイイチは!?」
「あ、ありますよ……どうぞ」
「うわーい♪ ありがとう!」
子どもだな……と呟くピカ。しかし、それは前からなので今更どうにも出来ない。
頭の上でセカイイチを乗せ、ご機嫌そうな親方ことプクリンは、ピカを見る。
「何かあったんだよね?……ピカ」
「まだよくわかりません……よくわからないから言いません。ただ……」
「ただ?」
「もしまた……世界が危険に侵されているのなら、守りますよ。それが私のいる意味です……私の生きる意味ですから」
そっかとプクリン。そして、続けてこう言った。
「ピカは一人じゃないからね。頼ってもいいんだよ? ボクらも協力するから。もちろん、キミの仲間……トモダチも同じだから」
「………はい、そうします。私一人でどうにかならないときは……では、失礼します」
バタン、と出ていったピカ。プクリンは、ピカの言葉を聞き、変わらないな……と呟いた。
「ピカってば、一人でなんとかしようとするんだもん……ポチャも大変だよ♪」
元弟子の二人の顔を思い浮かべながら、そう言った。

「あら、おかえりなさい♪」
「黒さん、おかえりなさい」
「キーテ、スラ……」
大剣を持ち、素振りをしていたピチューのキーテ、その様子を見ていたキルリアのスラが黒を見て挨拶をした。
「ちょっと、アタシは?」
オパールさん……いたんだ」
「キーくん……それ、最高♪」
「あんたらねぇ……」
「パール、うるさい……それで? なにかわかったか?」
あぁ……とキーテは持っていた大剣を背中にある鞘におさめると、黒に向き合った。
ピカチュウ……ラル・フェラディーネは特には……雷獣のピカ……くらいしか出てきませんでした」
「そりゃ、ここの者ではないからな……仕方ない。パートナーの方は?」
「ティール・クランド……海の国の王子。次期国王候補……大海のポチャ……そして、“水遊び”…あやつりですね。それの使い手……とのことです」
そうか、と黒。
「それならば……大海に水は効かないか」
「そうなりますね……あまり役に立てませんでした……すいません」
「いいよ。あと、調べてもらいたい」
「はい?」
「スカイの二人と共にいたイーブイチコリータ……こいつらを調べてくれ」
はい、とキーテ。スラは黙って二人の話を聞いていた。
「キーくん、ワタシも手伝うわ」
「あぁ、てか、当たり前だ」
「クスッ……では、行ってきますね♪ 黒さん、オパールさん」



~あとがき~
次回はぁー……次回は……
どうしようかな。かなり、漫画と流れが変わってきちゃったおw
さて、まぁ……とりあえず……あ、ロールちゃんを捜しに行かねば!!
忘れてたわ……
でも次回はフォースとイブの久々のちゃんとした会話を。
あと、雷姫を出したいな。

キーテとスラ……登場!
はやーい、早いよ♪
そして、気になるフレーズが。
“水遊び”……あやつりってなんでしょね。あ、普通の技の“みずあそび”とは違いますよ♪

親方と話してるときのピカがなんかキャラ違う。
ピカ「大丈夫だよ? いつもの私だもーん♪」
ピカ、心の内ではかなり強い決心を持ってます。内容は過去編で!

では、次回は久しぶりのフォースとイブの(ちゃんとした)会話です!
ではでは(*・∀・*)ノ