satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第22話

「なにしてるの?」


「ロールさん、どこいったのでしょうね?……ピカさん、あてとかあるんですか?」
うーん?……とピカ。ロールが行くならあそこだけだろう……とずっと考えていた。
「あそこだと思うよ。大きな桜の木があるんだよね……確か」
ピカの話を聞いていたチルタリスのチルは、ならば……とある場所を思いつく。
探検隊の仕事と共に、運び屋の仕事もしているチルはメンバーの中でも、土地感覚、方向感覚に長けている。方向感覚だけでいえば、ピカも長けているのだが。
今現在、空を飛行中の二人。周りには当然、誰もいない。
「さて、速度を上げていきますか?」
「え……まぁ、任せるよ」
「じゃあ、ゆっくり行かせてもらいますが……よろしいですか?」
「どーぞ……お好きなように」
ゆったりとした遊覧飛行のようにチルは空を飛ぶ。ある意味マイペースな彼女たちを止めるものは、残念ながら誰もいない。

「………あれではありませんか?」
「うにゅ……う? あら……ほんとだ」
ざっと三十分、マイペースに飛んでいたチルは、おそらくロールであろう人影を発見した。ピカの方は完全に寝ていたようで、チルの声で目を覚ました。
「……何してるの? あれ」
「お昼寝……でしょうか」
「いや、お昼寝にしちゃ、時間が早いかな。普通に寝てる?」
しばしの沈黙。
しかし、黙っていても仕方ないのでとりあえず近くに降りてみる。そして、ロールであることに間違いことを確認した。
ミミロルのロール……は気持ちよさそうにすやすやと眠っていた。ピカとチルはお互いの顔を見合い、苦笑するしかなかった。

………え、監視?
朝の朝会も終わり、私たちはぺラップさんに呼び止められてた。そして、最初の一言に「監視」というフレーズが放たれた。
「あの二人ののことだ。なにか隠している……ついでに言えば……その、様子を見てきてほしいんだよ」
……ぺラップさん。
「自分で行けばよろしいのでは? そっちの方がいい気が…」
とりあえずそう言ってみたけれど、案の定、ぺラップさんは顔を真っ赤にしてばさばさと翼を羽ばたかせた。
「ワ…ワタシはい、忙しいのだ! とにかく、頼んだぞ!」
……素直じゃないね……ぺラップさん。
そのままどこかへ行ってしまった。
じゃ、行ってきますか……
「……チコちゃん、話、聞いてた?」
「…………半分くらいかなっ♪」
眠気に負けたか、チコちゃん。
「ごめん……」
ま、いいけどね。じゃ、行こっか!
「うん! ポチャさんのとこだよね!」
そ♪……レッツゴー!

「いらっしゃい……どうしたの?」
急な訪問でも笑顔で対応してもらった。ほんとにいい人だな……と思いながら、私はキョロキョロと辺りを見回す。
ポチャさんしかいない……ピカさんは?
「ピカ?……あ、ロールを捜しに行ったよ。ぼくは留守番」
そうなんですか……
「で、イブたちはどうしたの?」
あ……えっと……
「気になって!……その、昨日のこと」
「そっか……ま、気になるよね。でも、ぼくもよくわからないし……」
………そうなんですけどね。
あの、ポチャさん。
「ん? なに、イブ?」
「せっかくなので、ピカさんとポチャさんのお話、聞かせてください」
「……ぼくらの? い、いいけど……なんで?」
なんか面白いと思ったので。あと、結成の理由とか詳しく聞きたいですし!
「………面白い? ま、まぁ……話せる範囲でいいなら」
わーい♪
「ポチャさん、ポチャさん! 海岸に行きません?」
チコちゃんがウキウキと提案した。
海岸……?
そんなのあったっけ?
「あるんだってさ。リムさんが言ってた♪」
そうなんだ……ん? 海岸……?
「それって……ピカさんと初めて会った海岸のことですか?」
私の質問にポチャさんはにっこりと笑う。
「そうだね♪」
おぉ!
じゃ、そこでお話、聞きたいです!
「うん、じゃあ……行こっか♪」
はーい♪

「………ロール? ロールさーん?」
「ふにゅ……にゅ? あ、ピカさぁん?」
寝ぼけてるな、とピカ。そうですね、とチル。目の前にはロール。
「起きなよ。皆、心配してたよ」
「うりゅう……心配……! きゃ! 大変!」
ばっと飛び起きた、ロール。その様子を見て、ピカは苦笑する。チルはあらあらとお母さんのような感想だ。
「ピカさん、それとチルさん! すいませんでした! ご心配とご迷惑を」
ペコッと頭を下げる。ピカは笑って、大丈夫だよ、と声をかけた。
「さて、帰ろっか♪」
「はい♪」
「了解です、リーダー」
ピカとロールを乗せたチルは、翼を広げ、大空へと飛び立った。



~あとがき~
次回、ポチャがスカイの結成を語るよ!
多分ね。

ロールは少し、マイペース。
ゆっくりとした女の子ですよ。きちんとするところはしますけど。

スカイのメンバー、最初はチルちゃん。
彼女は空の国の出身です♪
物語に関係ないので言っちゃいますが、空の国のお姫様でもありますよ。
ポチャとは違って、いい環境で過ごし、両親にも優しくされ、次期女王様♪ 彼女はそれを受け入れてます。
ポチャとは違いますな。
ポチャ「…………」
チル「ポチャさん、どうかしました?」
ポチャ「な、なんでもないよ……(ー_ー;)」
チル「……?」
ちなみに、ピカは全て把握済み。

次回、結成秘話(……という感じでもないけどね)です!
では!