satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第23話

「信じるよ」


海岸についた私たちは、砂浜に座る。
「ぼくらがチームを結成したのは……何年前かな……? 三、四年前?」
ポチャさん、記憶が曖昧ですね。
「えへへ……で、前にも言ったけど、ぼくは一人じゃ何も出来ないような意気地無しで……ある夕方の話だよ」

「………うぅ。なんでぼくはこんなにダメなやつなんだろう……」
ポチャ…ティールはトボトボと近くの海岸を歩く。
いつものように、ギルドに入門するぞ、と意気込むのだが、いざというときに勇気が出ずにいた。そんな自分が嫌なのだが、変わる勇気もなく……
じっと見ていた海は、シャボンがふわふわと浮いていた。そのシャボンが夕陽に照され、幻想的な場面を生み出している。
「いつもながらにキレイだな。頑張ろう!……と思うんだけどな……なんで、ダメなんだ…?」
ふっと海から目をはなし、目の前に視線を戻した先に一人のピカチュウが倒れていた。ティールは慌てて、側に駆け寄る。
「え、ちょ…大丈夫!? 君……生きて…る?」
「………ん?」
ティールが呼びかけると、ピカチュウは目を少しだけ開けた。ほっとしたのもつかの間、疑問をピカチュウにぶつける。
「よかったぁ……君、ここでなにしてるの?……お昼寝にしては、だいぶ過ぎてるけどさ。死んでるのかと……って、聞いてる?」
ぼーっとして、一向にティールの方を向かないピカチュウ
「……ねぇ、なんでしゃべってるの? ポケモンなのに」
そう言いながら、初めてティールの方を向いた。ティールはそんなピカチュウを見て、初めて女の子だと知った。ついでに、少しかわいいとも思った。
「なんでって……当たり前だろ?」
「当たり前?」
会話が成り立っていない。
彼女は本当に不思議そうにティールの顔を見つめている。ティールはただ、ピカチュウを見た。
どう見たってただのピカチュウだ。おかしいところはない……と思うが。おかしいところがあるとすれば、ティールが喋ったことに驚いた点と、ここがどこだかわかっていない点。
ティールの脳裏にある考えが走る。確かめるべく、質問してみた。
「……君、名前は? どこからきたの?」
「名前?……名前は……」
もしかすると……もしかするのか。
「……ラル……ラル・フェラディーネ。でも、それしかわからない」
もしかして……という考えが当たった。
彼女は記憶喪失だ。
名前だけ覚えていたのは救いなのかも知れないと、ティールは思った。
しかし、あまりいい状況とも言えないだろう。
「そっか……ぼくは……えっと」
ここで、本名を言うか言わないかと迷ったが、彼女が知るわけもないので、本名を言うことにした。
「ティール。ティール・クランド。よろしくね、ラル」
「うん、よろしく」
ピカチュウ改め、ラルはこくん、とうなずく。少し、ぎこちないのは緊張からだろうか。あるいは元々の性格なのかは定かではない。
「ところで、ラル……ほんとになにもわからない? ここら辺でピカチュウって、珍しいんだけどな」
ピカチュウ?」
「え……だって、ピカチュウだよ?」
ラルはじっとティールを見て、ふと目線を逸らすと、近くにあった海の方まで歩いていった。不思議に思ったティールもついていく。
ラルはひょこ、と顔を覗かせた。海に写るのはどこから見てもピカチュウポッチャマの二人だけ。
「……ほんとだ。ピカチュウになってる」
ラルの言動がティールに理解出来なかった。ラルは少しだけ考える素振りを見せ、戸惑いつつこちらを向いた。
「……ねぇ、ティール……くん?」
「いや、呼び捨てでいいよ……で、何がおかしいの?」
「私、ピカチュウになってる。ほんとは人間だったのに」
人間、というフレーズが一瞬、理解出来なかった。人間ってなんだっけ?……と記憶の中を探してみる。
「ニンゲン………!? でも、ピカチュウにしか見えないよ?」
「……何もわからないから、なんでかは……」
そう言うと、ふいっと目線を水面に浮かんだラル自身の方へと戻る。この様子から、彼女が記憶喪失なのは間違いないようだ。嘘なのかとも考えたが、ラルが嘘をついているようにも見えない。ティールは彼女の言うことを信じることにした。
「えっと……ほんとにニンゲンだったんだね……でも、なんでピカチュウに……」
ラルはティールの方を向くと、驚いたように見つめた。
「私の言うことを信じてくれるの?」
「信じるよ。だって、嘘をついているように見えないし」
にこり、と笑いラルの顔を見つめた。つられたのか、少しだけラルも笑った。ここでもティールはかわいいな、と思ってしまう。
しかし、そんな場合ではない、と自分に言い聞かせ、改めてラルのことを考えた。こうなったのは何か原因があるはずだ。しかし、その原因とは何か……などは専門家でもないティールにわかるわけがないのだが。
ぐるぐると考えを走らせていたティールを、ずっと見ていたラルが驚いたような声を発した。
「あ、ティール……後ろ!」



~あとがき~
なんやねん……終わりが見えなかったぞ。無理矢理終わらせました。( ̄▽ ̄;)
ってことで、二人の過去編?
番外編じゃないですよ! 本編でやる理由ですか? いや、漫画版でも描きましたんで……
と、いう理由。
しかし、漫画とは展開を変えてますし、ラル、ピカの性格も違います。仕様です。ま、性格の違いは次回のあとがきに書きますね♪……あ、いらないか。でも、書きますよ! だって、自分でも理解しときたいもん。
過去では、ラル、ティールです。探検隊になれば、ピカ、ポチャですけどね♪

次回、あいつらやってくるよ!
漫画では描きませんでした。めんどかっt((殴

では!