satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第34話

「気を付けて」


「………あっぶねぇぇ」
「ほう。防いだか」
フォースは押し倒されながらも“チェーン”を盾にし、キーテの斬撃を防いだ。ピョンと相手のキーテは距離を取る。フォースの方はふぃーと力が抜けていた。
「……何、これ。大剣? 武器使い? 無理だわ……ただでさえ、た、高いとこから落とされたのに……」
『まだ言うか。……でも、武器使いか……こっちも使っちゃえ♪』
フォースの心の中でイブの声がする。相手にはもちろん聞こえるわけがない。
「使ってもいいけどよ……おれ、なんかもう疲れた」
『いや、頑張って?』
「気力とかもろもろがさぁ……なんつーか……燃料切れ?」
『はやっ!』
ふう……と相手に聞こえないくらい小さなため息をつく。
「嫌なんだけどさぁ……あいつに助けてもらうか」
『あいつ?』
「ラ…いや、電気ネズミ」
『…………は? ピカさん? 待ってよ、なんで?』
「まず、あいつら普通じゃないよ。ザコどもならともかく……一対二はキツい」
そうかもしれないけどとイブ。
彼女的に知られたくないのはフォースも分かっているつもりだ。しかし、ピカにはすでにバレている。まあ、フォースが勝手にバラしたのだが。
そのことを知らないイブにとって嫌な選択だ。しかし、一対二なのがキツいことも分かっている。
「……大丈夫だよ。あいつは言わないって」
『その自信、どっからくるの?』
もうすでに言ってるからです。……とは、言わず。
「凄い探検隊なんだろ?……バレるべ」
『ピカさん、鋭いからなぁ……もうバレてるかもだよね』
いや、かもじゃないよ。バレてるよ?……とも、言わず。
「ここで死ぬよりましだろ?」
『う、うん……そうだねっ!』
そう納得したイブ。フォースはふぅと息を吐く。どうせピカがここに来た時点で、イブには前から知っていたということがバレる気もするが。
しかし、今はそんなこと言ってられない。
「じゃ、呼んでいいんだな?」
『う、うん!』
フォースはスクッと立ち上がると、キーテに向き合う。
「……電気ネズミがくるまで逃げるぞ」
『う……うん?』
その発言にイブは、首をかしげる
『なんで?』
「理由は簡単。……おれの気力とか気力とかが切れたから!」
『そんな情けない発言は止めてよ! てか、気力しかない!』
「仕方ないだろ。あんなとこから……お、落とされたのに!」
フォースの中でそうとうな精神的ダメージだったようだ。本気でトラウマなんだ……あ、ちょっと可愛いかもしれないとイブは密かに思った。
「………いくぞ」
『が、頑張ってね! あと、気を付けて!』
「了解」
フォースは走り出すのと同時にピカに語りかけた。これが彼女に届くかは不明なのだが……フォースには必ず届くと確信していた。なぜかは本人にも分からないのだが。

「………もう、ピカさん、なんか……いいですぅ」
「こ、今度は……メイド?」
「うわぁぁぁん!! なんでこんな目にぃぃ!?」
ガバッと近くにいたポチャに抱きつく。ポチャの心情などピカが気にかけられる状態でもない。
先程のお姫様ドレスとは代わり、今度はメイド服である。
「もう、やだ! お家帰る!」
「うん。なんか、気持ちがわかる気がするよ、ぼく」
「ポチャさん、納得しないでくださいな!……可愛いでしょう?」
リムに耳打ちされ、ポチャはドキッとする。
「そ…それは……あれだよ、あれ」
「きゃっ♪ 照れてますね♪」
「そんなこと……ないし」
「もぉ、やあぁぁぁ!!」
「ぎゃー! ピカさん、逃げないでください!」
ピカは叫びながらダッシュする。ピカのスピードに追い付ける者は残念ながらこの中にはいない。
ポチャから離れるとき、ピカはポチャに耳打ちをした。
「…………ポチャ、私が三十分くらいしても帰ってこなかったら、よろしく」
「了解。……でも、リムたちは?」
「こっから出さないで。多分、海岸だから……まあ、ポチャなら心配ないよね?」
「……………もちろん」
ポチャの答えを聞き、ピカは何かを投げ、ギルドの地下一階へと移動した。
おそらく、そのまま外へ出るのだろう……が。
「メイド服……ま、いいか。……で、何投げたのかな……!?」
「きゃっ……煙……!?」
「煙玉……いやいや、本家の道具だよねぇぇ!? どうやって持ち出したの!?」
ピカは目眩ましとして、煙玉を置いていったようで、もくもくと煙が三人を包む。ポチャはとりあえず出口を塞いでしまおうと移動。
「しばらくすれば晴れるけど……ピカ……これさ……どっかのテロ? 何かジャックするの?」
投げた本人にそう問いかけたいが、とっくに逃げた後なので答えが帰ってくるわけがない。
このあと、リムとチコに問い詰められるだろうと予想をたてる……が回避不可である。
「ピカ、気を付けて」

ピカを助っ人に呼ぶと言い、なんだかんだでずっと逃げ回っているフォース。追い付かれることはないのだが、相手の苛立ちが凄く伝わってくる。
「……おれ、無理! もう、やだ!」
『頑張れ! すーくんは出来る子だから!……出来る子って、何が?』
「知るかぁぁぁぁ!!!」
「……いい加減にしろ!」
苛立ちが頂点に達したのか、キーテが剣を振る。フォースは後ろからだというのに、タイミングよくジャンプし、上に避けた。
『すーくんのジャンプって、高いよね~……これは怖くないの?』
「お前、緊張感って言葉を知らんのか?……怖くねぇよ!」
緊張感のないイブからの質問にも答えつつ、空中から“チェーン”でキーテを狙う。
「……そういうのは振り回りしちゃダメってお母さんに言われなかったか?」
「……知るかよ!」
ガシャンという音がし、鎖が斬られたということを実感する。しかし、フォースはそのまま相手に突っ込んだ。
「バカなのか、お前……敵に突っ込むか?」
「………まあ、無傷ではすまねぇな。でも、大丈夫だよ………“ソード”!」
新たに手にしていたのは、片手剣。
体勢が悪いがとりあえず構え、キーテに斬りかかった。



~あとがき~
はいはーい!
漫画と比べてみるとわかりますが色々違うんです!
わざと違います。
ごめんなさい……まあ、ある方は比べてみると……いや、恥ずかしいな。
あーでも、もし……DSi版のうごメモでの私の作品が見たい方……いたら、うごメモID書きますが……いないか! あれ、順番ごっちゃごちゃなんだよね♪
それでも見たい方がいらっしゃれば書きますので。

イブとフォースの会話……グダッグダですな。いや、楽しいんですけどね。
でも、緊張感ないな、お前ら。
フォース、イブ「いや、こいつのせいです」(←互いに指差し)
……………( ̄▽ ̄;)

フォースとピカ、まだ仲良くないのでフォースはピカのことを電気ネズミとか言っちゃってます。
名前は呼ぶなとピカに言われてるから……なんだけど。
ピカはピカでフォースの名前を知らない状態ですのでイーブイ君なんですけど☆ この二人は何度か接触し、関係も変わっていくですよ。
ピカ「いつの話になるのやら……」
フォース「今更なんだけどさ、ラル」
ピカ「はい?」
フォース「電気ネズミって、長かった(´・ω・`)
ピカ「フォース君が勝手につけて、呼んでたんじゃん……( ̄▽ ̄;)」
………ってな感じになるまでまだ時間がかかりそうですな♪

次回、ピカ参戦。
もーすこしやぁぁぁ!!

ピカのメイドってどうなんだろーね。
ピカ「……………」
ポチャ「作者、触れないで」
え、なんでや?
ピカ「…………ねえ、ポチャ」
ポチャ「なn…ピカ………あれ、目、すわっちゃってる! まっ…しまおう? 雷姫さんをしまおう!」
ピカ「大丈夫だよ……半殺し以上にはしてくるから……ね♪」
ポチャ「それ、死ぬかもしれないって言ってるもんだよ?」
ピカ「うふふ……そうかもねぇ」
ポチャ「………作者、逃げてぇぇぇ!!」
うわあぁぁぁぁぁ!!!
ポチャ「で、では……」
ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!
ポチャ「作者ぁぁぁぁぁ!?」