satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第35話

「芝居に付き合え」


「甘い!」
ザッと攻撃体勢になるキーテ。いかにも立ち向かうという姿勢の表れだろう。それを見たイブは若干慌てた様子。当の本人はそこまで気にしていないようだが。
『すーくん、斬られる!』
「斬られるかよ!」
不安定な体勢ながらも冷静に対処するフォース。ガキンと剣が交わる音が響き、着地をする。フォースは着地をしたあと、すぐさま相手との距離を取る。フォースとキーテはしばらくお互いを見た。
「お前、どこから剣や鎖を出してる……? オリ技か?」
「………だったら?」
「いや……面白い……と思ってな」
「ふうん……まあ、どっちでもいいけどな。あと、さっさと終わりにしたいから助っ人呼んだ」
「…………は?」
首をかしげる、キーテ。
まあ、当たり前といえばそうなるだろう。
「………なあ、すぅ」
『なーに?』
フォースはキーテから目線を外すことなく、なおかつ相手に聞こえないようにイブに話しかけた。話しかけたというよりはある提案をした。
「ちょっと、芝居に付き合え」
『…………はい?』

「……ポチャさーん」
「なに?」
ポチャを見るのはリムだ。少し遠くにチコの姿を見える。
「ピカさん、どこ行ったんです?……ポチャさんのことだから知ってるのでは?」
じりっとポチャに詰め寄るリム。ポチャは動じることなくリムを見つめる。
「知らないよ……散歩じゃないの?」
「あの格好で?」
「いや、脱ぐでしょ」
「じゃ、どこ行ったんですか?」
「知らないってば」
むぅ……とふくれるリムを見て、ポチャは小さくため息をついた。
「どーせ着るものなんてもう決まってるんじゃないの?」
そう聞くと、膨れっ面だったリムはにっこりと笑顔になる。
「あら、バレてました?」
「やっぱり……ピカ、着飾るの嫌いなんだから止めてあげなよ」
「やですよ……かわいいピカさんを見てるのいいんですから!」
「…………リム」
はあと呆れ顔のポチャ。
まあ、確かにピカは……と考えたところで顔が赤くなるのを感じ、ふるふると首を振った。しかし、リムがそれを見逃すことはなく……
「ポチャさーん……ピカさんに告白とか告白とか告白とかしないんですかぁ?」
「告白しかないけど? って……しないよ!」
「えぇ~……」
「……………はあ」
とりあえずこのまま出さなければいいのだが、それまでポチャの気力が持つかどうかである。しかし、普段からピカにいじられるため、慣れているといえば慣れている。慣れたくなかった……と思うときもあるのだが、今は関係ない。
ピカにしては三十分というのは長い方だ。それほどのことだ……ということである。今のポチャに出来ることはここにいる二人の足止めだけ。
「…………頑張ってね、ピカ」

芝居に付き合え……と言われても……
これは、芝居じゃないよ!?
…………あ、どうも。お久しぶりですね。イブです!……じゃなくて……
すーくんから言われたのは芝居に付き合えと。とりあえず、相手のピチューことキーテの注意を引き付けろということらしく。
でもでも……なんで私なのさ。
すーくんでもよくない? だって、色々芸持ってるじゃないですか。なんで私なんですか……そもそも、芝居と言わないのではないのでしょうか……
とにかく今はうつむいてます。
「……………? おい」
きゃん……
大丈夫……大丈夫……
私は一回深呼吸をし、ゆっくりと顔をあげながらキーテを見る。
「あなたは、私のこと知りたいのでしょう?……だったら、そこまで剣を振り回すのはやめた方がよくないですか?」
にっこりと笑いかける私。
ビクッとキーテが震えた。まあ、戦っていた相手が(本当は違うけど)急に笑顔を向けるなど……あり得ないだろうし。いや……まあ、キレたらわかんないけど。すーくんとかピカさんとかマジギレしたらにっこにこで襲いそうだもん……あ、怖い。特にピカさん。ありそうで怖い。
てか、今はそんなこと関係ないよ!
怖いです! なんで入れ替わった!?
『もう、疲れたんだよ……にらめっこ』
知るか、バカ! にらめっこなんてしてなかったよ? とりあえず、笑顔……だったよね? ぎこちない笑顔じゃなかったよね? 大丈夫だよね?
『大丈夫、大丈夫』
もう、お前はなんなんだ!? 棒読みバレバレなんですけど! 急に傍観者になっちゃって……
あ、私もさっきまでこんな感じだったのか……ごめんね、すーくん。多分、次から注意するからさ……多分。
「さっきまでのイーブイは……?」
「……幻覚では?」
んなわけないです。私です。いや、厳密に言うと別人なんだけれど、私です。
なーんて、言えるわけなく。
「まあ……とりあえずは、お前から話を聞くとするか……」
一歩前に出る、キーテ。けれど、そのまま私の方に歩み寄ることはなかった。ピタリと動きを止め、キョロキョロと辺りを見回す。
「…………この気配……………まさか。おい……嘘だろ」
気配……?
『やりぃ♪ 動揺してやがるぜっ!』
すーくん、私の中でガッツポーズされても困ります。そして、私にもわかるようにお願いします。
でも、すーくんは説明はいらないとでも言うように黙ってしまう。
「…………もしかして、ピカ……さん?」
いや、これは……もしかしなくとも……
「みぃっけったぁぁぁ!!! お前か!」
バッと現れたのはピカさんだ。いつものピカさん……のはずなのに、手には見慣れないものが。
いや……ある意味、見慣れてるけれど。
「………刀?」
「雷獣!?」
「あんたが私の相手か!………おりゃあ!」
もしかしてピカさん、武器使い?
ピカさんは走った勢いのまま、刀を降り下ろした。
ガキンと刀身同士がぶつかる音。
『……すぅ、替わるぞ』
あ、はい……
なんだか、よくわからないけど……
心強い助っ人さんが登場したようです。



~あとがき~
ピカ、とーじょー!
いきなり刀で戦う様子ですな。
次回、ピカ&フォースVSキーテ……か?
もしかしたら、あの子が帰ってくる……かもしれない。

久しぶりに、イブ視点で書きましたね~
私はそっちの方が合うようですな……
書きやすい……( ̄▽ ̄;)
でも、まあ……バトルになるとあれなので……ね。
なのに、グダグダした会話があるがために書きづらくなる!……という。
ほんと、イブとフォースの会話のことだぞ。
イブ、フォース「……………」(←無視)
くそぅっ!Σ(T▽T;)

リムとポチャの会話も楽しかったです。
ポチャの告白タイムはいつになるんでしょうね。
ポチャ「……………!?」
今更ですが。
私が最初に考えてた話の流れだと……告白に持ち込めないことが判明するという……
だって、二人の問題が解決してない感じになってる。
やばーいww
ここまでやっといてなしになるのもあれなので、ちょっと練り直さないとなっ!
接触させる気がなかった人をさせようかと思ってます♪

ピカ、ちゃんとメイド服、脱いできた?
ピカ「当たり前じゃん!」
フォース「メイド………w」
ピカ「着る?」
フォース「着ないです」
ピカ「今度、着てもらうか」
フォース「……はいぃぃ!?Σ( ̄ロ ̄lll)」
ピカ「似合いそうだし……作者、カメラ持ってきてー」
はーい(`◇´)ゞ
フォース「………マジで?」

ではでは!