satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第14話

~前回までのあらすじ~
ライ、椅子から落ちたよね。
ライ「………………」
ショウ「寝てましたね、ライ」
ライ「眠かったんだよ……雅、にらむなよ」
雅「……にらんでない」
雅、こわーい……
雅「……作者……」
あう……ごめんなさい。にらまないでよ。
ってことで、始めますかね。
ライ「おい。結局、俺が椅子から落ちたことしかわからねぇぞ」
あと? 夕食食べただけじゃん。
雅「……進むの……遅い…」
ごめんなさいぃぃぃ!!
始めます!
ショウ「……核心つきますね、雅」
雅「…………そう?」


「……っしょ……おかしいな……ここにあったと思ったんだが……?」
キョロキョロ、と辺りを見回す。
ライの周りには論文や資料の山で埋め尽くされていた。先程、夜中だというのにレアから連絡があったのだ。
『多分ですけど、進化に関する論文があったと思うんですよね♪ ライくん、見たことあります?』
テンション高めのレアの声を聞き、寝ていたライは通信機であるバッジを投げそうになった。しかし、レアの話を聞いてなんとなく、見たことあるかもしれないと感じたのだ。という理由で、ライは睡眠時間を削ってまで探しているのだが。
「……ない。あれ……? んー……俺の気のせいか? ここにないってことは……別のところ……? え、別のところってどこだよ」
じーっと周りの論文を見る。一つ一つ見ていった中では見つからなかった。
どこで見たのかというのが思い付かない。ここは資料室で、ほとんどここにあるはずだ。書庫にも多少あるだろうが、望みはないだろう。ライが一日中いた検査室にもないことはないが、見たことはない。
「…………となれば、他のやつが持ってるのか? うえ……今までの時間を返せよ」
ふっと力が抜け、その場に座り込む。
「なんかやる気がなくなったら、眠くなった……つか、俺、最近眠いしか言ってない」
とりあえず立ち上がり、広げた論文と資料を片付け始める。黙々と片付けをしていき、大体片付いた頃、ため息をついた。
「どこにあんだよー……あー……そういえば、前にもこんなことあったな。えっと……」
記憶の糸を辿りながら、うーんとうなる。しかし、すぐに思いつくはずもなく、ライは考えることを諦めた。そこで、あることに気づいた。
「あれ? 明日になれば雅に聞けるじゃん。どこにあるのか知ってるかもしれないじゃんか……なんだったんだ……この時間」
はぁともう一度ため息をつき、パタンと資料室の扉を閉めた。夜中という理由が一番強いのだろう。かなり静かだ。ギルドの中だというのに、人気が感じられない。
「ここ、一応病院だから出るのかな……お化け的な……もとい、幽霊」
ぽつりと呟く。
ライ自身、そういうことを信じている方ではないが、得意な方でもない。要するに、嫌いでもないし好きでもないのだ。まあ、実際にはそんな話をここで聞いたことはないのだが。
「怖い話とかもないもんなー……ここ」
あるところにはあるのだろうが、ここは一切聞かない。誰か苦手な人でもいるのだろうかと首をかしげる。そんなことを考えていると、ふと目に入ったのはライが一日中いた検査室。
ライは立ち止まり、じっと見つめる。
「………目、覚めてるし……いつ寝たって同じだもんな。ここで諦めんのも……なんか癪だし」
うんうんとうなずき、検査室の扉を開けた。当たり前だが誰もおらず、音もしない。ついでにかなり散らかっていた。
「………………我ながら、汚いなぁ」
あははと力なく笑い、資料を手に取り始めた。

「おかしい。おかしいぞ、俺……どこで間違えた。どこで間違えたんだ」
部屋の隅でキャスターつきの椅子に座り、辺りを見渡す。目に写るのは先程と違う光景だ。先程よりも散らかった部屋が写る。そんな光景を見つめながら、考え込んだ。
「明らかに悪化している。どうしてこうなった? どうしてこうなるの」
クルクルと椅子を回し、ピタリと止める。しかし、ここはライ以外誰もいない。状況は変わるはずもない。暗く、散らかった部屋があるだけである。
「なんなんだよ。俺がなにしたんだよ……あぁ……俺の悪い癖がぁぁ……ちくしょう…」
背もたれにグッと思い切り体重を預けると、椅子が揺れた。ライはそれに気づくも、対処することなく、勢いよく倒れこむ。
「………うん、痛い。……やってることが嫌になったら、ものいじるのやめよう。…………無理だけど」
起き上がることも億劫になったのか、そのままの体勢になる。今、ライの目に写るのはただの天井だ。見つめたところで状況は変わらない。
「このまま……寝れる。寝ている間に片付けてくれないかな……誰でもいいから」
すっと目を閉じると、すぐに眠気に襲われた。ライは身を委ねるように、その眠気と共に意識の底へと落ちていった。

木々の間から漏れる木漏れ日を見てから、上を見た。太陽の光は所々草木に遮られているものの、暖かい光を感じる。
「………いい天気ね」
「かあさーん? どこいくの?」
「日向ぼっこしに行くの。お天気いいからね。こういう日はお外に出るものよ」
「おそと♪ おそと♪」
きゃいきゃいとはしゃぐ姿を見て、くすりと小さく笑った。
「かあさん、おそとすき?」
「そうね……好きよ。洗濯物乾くし」
「そっかー♪ あ、あのね。この前、ふーちゃんがおもちゃなくしたんだって」
おもちゃと呟く。こくんとうなずき、話を進める。
「いっぱいさがしたけど、なかったんだって。ぼくもてつだったけど」
「あら。ちゃんと探した? 家とか」
そう聞き返すと、むぅとふくれる。どうやら気に障ったようだ。
「さがしたよー? んでも、なかった」
「そう? おもちゃさん、まだかくれんぼしているのかしらね」
「うん。出てきてくれないんだよ」
「うふふ……もう一度、ふーちゃんと一緒に探してみなさい。見つけてあげなきゃ、おもちゃさん、寂しくなっちゃうよ」
「そうだね。今度、さがしてみる」
少しやる気を出した様子。その姿を見て、また笑う。
「クスッ……ここで家で見つかったら灯台下暗しね」
「?? なあに、それ?」
「身近なものほど、気づかないものよ」
「ふうん? とーだいってなあに?」
「夜に辺りを照らすものよ。遠くまで届くの」
へぇときらきらと目を輝かせながら見つめてきた。興味を持ったということだろう。
「いつか、見に行くといいわ。海の方にあるのよ」
「海かー……いつかいってみたいなぁ……かあさん、いつかいっしょにいこ!」
「そうね。もう少し大きくなったらね」
「やくそくっ!」
にっこりと笑い、繋いでいた手を離れ、パッと両手を差し出した。
「ふふっ……約束」
目線を合わせると、きゅっと両手を握る。そして、離すと、グイッと身を寄せ、抱き上げた。
「さあ、行きましょうか」
「うん!」

ぱちりと目を覚ました。状況はやはり変わっておらず、誰もいないし、散らかったままだ。
「夢………か。懐かしい」
あのあと結局、おもちゃは家にあったというオチだったなと思い出す。
「ふーちゃん、ちゃんと探さねぇからだよ……マジで母さんの言う通りだ」
灯台下暗し……かと呟くと、ライは資料室にあった資料と論文を漁り始める。
「最初はこんなとこにあるわけねぇと思ってたけど……」
今の夢を見ると、そんなことないような気がしてくる。しばらく漁っていると、ピタッと動きを止めた。
「………………あった」


~あとがき~
約一ヶ月ぶりの更新ですね。すいません。まだ終わりません。
次回、なんとか進展があればいいと思います……はい。

ライの夢の中ですが、お母さん登場ですね♪ こんなもんでしょ、母親は。
ふーちゃんはライの幼馴染みです。性別は登場までお待ちください。つまり、ご想像に任せます((
夢はライの小さい頃の出来事です。

雅「……………」ペラッ
ライ「あ、雅。頼みたいことが」
雅「……………」ペラッ
ライ「…………雅?」
雅「……………」ペラッ
ライ「つか、なに読んでんの……?」
雅「………………」ペラッ
ライ「チッ………ショウくーーん! ちょっと俺のお願い聞いて!」
雅「!!………卑怯者」
ライ「うるさいな、ブラコンめ」
ショウ「ライ、なんすか? 俺になにか用ですか?」
ライ「おう。ちょっとお使い。そこまでだけど」ヒョイ
ショウ「あ、了解で…」
雅「……………私いく」パシッ
ショウ「え、あ…雅……?」
ライ「………扱いやす。過保護w」フッ
ショウ「??」
雅「ライ……覚えてなさい…」
ライ「あはっ……さっさと忘れるに限るね」
ショウ「なんなんすか……?」

ではでは!