satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第44話

「お花見するんだ♪」


現れたのは確かにピカさん。
……の、はずなんだけど。
なんだろう。あの変わりようは……別人じゃん。
着物……というか、十二単といった方がいいのかな。それを着て、羽衣を頭から被っている。そのため、横からだと表情が読めない。たまに鳴る音はおそらく、鈴の音だろう。
ゆっくり、ふわりと回る。こちら側をピカさんが向いた。
すっと目が開くと、右手が動いた。ピカさんの右手には扇子……いや、扇? よくわかんないけど……それを広げると、ゆっくりとした動作で踊り出す。
すごい……あれがピカさん? 少ししかピカさんのことは見てきてないけれど、あんなピカさんは初めてだ。すごく大人っぽい……というか……おしとやかというか……すごくきれい。フィフィ君が言った通りだ。とってもきれい!
私がピカさんの動きを目で追っていると、ピカさんと目があった気がした。
ふっと小さく笑う、ピカさん。やっぱり目があってた。
時折鳴る鈴の音が、遠くまで響くのは、周りの皆が黙っているからだろう。それくらいピカさんの躍りを見ている……と、いうことか。
しばらく、ピカさんの躍りを黙って見ていた。どれくらいたったのかは、よくわからなかったけれど……少したった頃、そのままゆっくりとした動作で私たちの正面で止まる。
すっと顔を上げ、にこっと笑うその笑顔はいつものピカさんだった。
あ、終わったんだ……

ピカさんのパフォーマンスも終わり、また周りが騒がしくなった。しばらくすると、ピカさんがこちらにきているのが見えた。
「やっ♪ なんか堅苦しくてごめんねー?」
「いえ! すっごくキレイでした! 毎年こんなことを?」
チコちゃんがキラキラした目でピカさんに質問する。にこっと笑って、「そだよ」と答えた。そして、更に詳しく付け足してくれた。
「春はあんな感じだよ? 何を変えるわけでもなく……ただ、あんな感じなのを♪」
「ほへー……昨日の衣装は関係ないんですか?」
「ない」
ピカさんは笑顔を崩すことなく、即答した。
「あれはリムの趣味。気にしないで」
「でも……ピカさんはリムさんの先輩さんなんじゃ……?」
「んー……そうなんだけどね、一応」
一応、という言葉がひっかかる。
あまり触れない方がいいのだろうか。
私がそんな風に考えていると、ぴょこっとピカさんに抱きつくフィフィ君が目に入った。ピカさんは素早く反応すると、しっかりとフィフィ君を受け止める。
「ピーカー♪」
「きゃっ! フィっくん、なぁに?」
「あのね、今回もすごくキレーだったよ!」
「うふふ♪ ありがとう」
そういえば……
「ポチャさん、どこいったんだろ……?」
「コンに連れてかれたかな~? いつものことだね」
私の呟きにピカさんは当然のように答えた。
いつものことだね……か。
なんだかんだで、大変な日常を送っているような感じだな……うん。
ピカさん達と話していると、親方さんがやってきた。
「ピカー♪ 今回もありがとうねー」
「いえ。いつものことですので」
「んじゃー……明日も忘れないでねっ♪」
「分かってますよ」
明日……? 確か、春祭りは一日だけのはず。明日、何かあるのだろうか? うーん?
親方さんがトコトコといなくなってから、ピカさんに聞いてみることに。
「明日、何かあるんですか?」
「うん。今日の打ち上げみたいなものがね。ギルドの人しかいないから、いつも通りなんだけど……春だし、お花見も兼ねて」
お花見!
なるほどです……楽しそうだな……お花見♪
ちょっぴりワクワクしていると、ピカさんがクスクスと笑っている。
「イブちゃん、かわいい……くくっ…」
「ちょ…ピカさん!? 別に笑わなくても!」
「イブ、かわいいもんねっ!」
「チコちゃんまで…」
「イブおねーちゃん、かわいー♪」
「フィフィ君!?」
皆してからかってる………!
楽しみなのは楽しみなのに……うぅ……理不尽だぁ…
「ごめん、ごめん♪ イブちゃんがかわいいからつい……いじめたくなって☆」
ピカさん、理由になってません。
「うふふ♪ 明日、楽しみなのは分かるけどね。桜も綺麗だし」
そうなんですか! ふわー……ますます楽しみっ♪
明日が待ち遠しいですっ!



~あとがき~
おわったー!
次回は春祭り終了後の打ち上げ!
ワイワイやりたいです♪
久しぶりにあの二人出したい。
ねっ! フォース君、雷姫さん!
フォース、雷姫「……………」ジー
フォース「いや、そんなのいらな…」
雷姫「帰っていいか」
フォース「!! 雷姫さんの目が死んでる!? どーすんだ、作者のバカ野郎!」
はいぃぃぃぃ!Σ( ̄ロ ̄lll)
私のせいなのぉぉぉ!?

特に言うことはない……
そうだ。
ピカの踊り? 舞? まあ、どっちでもいいんですが……誰かに習ったんだと思いまふ。誰かは勘がいい人ならば、ピンとくるかと……

ではでは!
次回もよろしくお願いしますねっ!