satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 番外編~後日談~

うん。朝っていいよね。朝って。
昨日は少し遅くに寝たにも関わらず、いつも通りに起床した。ポチャはいつも遅いため、暇をもて余すのだ。だから、朝の散歩をする、私。
うーん……本当は、寝てたいんだけど、目が覚めてしまうから、仕方ない。
そして行き着くのは、海岸。いつもなら、誰もいないのだが、最近は基本的に……あ、いたいた。
「はよっすー……朝っぱらから物騒なもの振り回してるねー? フォース君は」
「振り回してないから。回してないから。回せないから。そして、おれが持ってるのは剣だから! 槍じゃないからね?」
「槍、出来ない宣言するなや……あの人にしごかれるぞ」
「いいんだよ……もうやるなって言われたし。……んで、お前はまた散歩か?」
フォース君は持っていた剣を消すと、にやりと笑う。
またとはなんだ。またとは。別にいいじゃないか。好きでやっているんだ。好きで。大体、暇なんだ。寝たいのに寝られない私の気持ちなんて分からないだろ。
「おれが知るわけないだろ。分かろうとも思わんが」
ですよね。そういう人だよ……ちくしょう。
そう思っていると、きらりと紅い目を光らせこちらを正面から向いてきた。
「話変わって、昨日はどうだった? 間に合ったんだろ? ペンギン」
「なんで知ってるの! こわっ!!」
「あはは~♪ まあ、気にするな、気にするな。で?」
なんだろう……この人、フォース君だよね? 兄貴ではなかろうか……?
「兄貴なわけないだろ。あの人はもっとストレートだ」
あ、フォース君だった。心、読んできた。フォース君だわ。
「どうだったって……どうもしないけど」
「お前、素直になるんじゃなかったのか? 言ってないの?」
あう。
「ラルともあろうお方が何してんだか……ペンギンに遅れをとってるぞ」
「仕方ないじゃん! あっちが不意打ちかますんだもん!! 無理だよ! 私の恋愛に対する純粋さなめんなよ!」
「自分のことを純粋とか言ってんの? そして、諦める理由! アホか! 相手は男なんだから不意打ちの一つや二つしてくるからね!?」
む………正論。
とりあえず、お互いに息を整え、深呼吸。
「ラルさん、ラルさん。お兄さんとちょっとお話ししよう。大人のお話ししよう」
「はーい。お兄さん」

私とフォース君は向き合うようにして砂浜に座る。
まだ朝も早いから、さっきの話を誰かに聞かれたとは思っていない。もし聞かれていたとしても、まあ……いい。うん……その人を何発か殴ってやるだけだと思う。
え、よくないって? いやいや、まだましな方だって。
「うん。見ている人? 読んでくれてる人?……どっちでもいいけどさ。その人たちの弁解なんていいから。そして、人を殴るなんて言うな、女の子なんだから」
ふぁーーーい。
つか、戦うことが仕事のようなものなんだが。仕事がないときくらい、普通にしろってことか……
「ラル、今回の件で言うって言ってなかった? おれの記憶違い?」
「いっ…いや……だってさ。急に帰ってくるとか……その……ねえ?」
「自分の恋愛事には、マジで無知だな……他人のこと言えないぞ? いや、本当に」
「彼のことをいじるのは私の生きる糧です」
「糧なの? そこまで重要?」
重要だよ。面白いじゃないか……
「………あのさ。それだと報われないんだけど……まあ、いいや。話を戻すけども」
あ、はい。
改めて、向かい合う私たち。
「大体な、有言実行してくれよ。言ったんだから」
「そ…そんなこと言われても……言えるわけないじゃん! 本人が真剣にこっち見て…その……うわあぁぁ……」
「そこで思い出すな。なんだってそんな初々しいことしてんだか……もう何年も一緒にいたくせに。照れる要素はどこ」
「改めて意識した結果です。フォース君こそ、鈴流さんとこうならないの?」
「ならねぇよ。どれくらい経つと思ってんの?」
それもそうか。と、なると……どんな風に言っているのか興味がある。フォース君から? それとも……鈴流さん?
「基本、あっちからだな。まあ、おれから言わないこともないが……」
「どんな風に言うの? 会ってすぐ、愛してるよって言うの?」
私がそう聞くと、んー?……と、考え込んだ。そして、何かを思いついたかのように、にこりと笑った。
「気になんなら……やってやろうか? 今、ここで」
「………………は?」
これはいい方に転ばない……!!
フォース君は私の了解を聞くことはなく、押し倒した。仰向けになった私をじっと見つめてくる。
さっきまで話していたフォース君はどこへ……? まてまてまて……落ち着けよ、私。別にフォース君だよ? あのフォース君だよ? 私にはポチャさんがいるんだよ? フォース君だって鈴流さんがいるじゃん? なのに、なんでこんなに緊張せねばならんのだ。
ちょっとかっこいいとか思ってんじゃないよ、私!
あ、でも、これをポチャにやられたら……まずい。
そう思うとなんかどうでもよく………
って、なるわけないだろ!? ならない! だって、フォース君だもん!
当の本人は私の心情など露知らず。
まあ、聴こえているはずだから、知っているとは思うんだけど……でも、ガン無視だよ。
フォース君は、ふっと笑う。不覚にもその笑顔もかっこいいと思ってしまう。
「………愛してるよ」
「ふぁ……」
これは………
言うだけ言っといて、私から離れる。離れたあと、起き上がって、フォース君の顔を見ると、何事もなかったかのようにいつもの表情に戻っていた。
「まあ、こんな感じっすね」
「ばっ…おま……」
「おれらはこんな感じだけど、ラルたちにはハードル高いかもな。まあ、ペンギンもここまで積極的じゃないし……お前も微妙だし。それにさっきのは男の方からやった方がいいしな」
それは同感だ。
「だから、お前は素直に言った方がいいと思うんだが……なんで言えないかな」
恥ずかしいからです。
行動ならともかく……言葉は……
「ふうん? まあ、次もあるだろ。頑張れよ」
「うん。いつもありがとう……その…なんか、色々と」
「いや。別に構わないさ。力になれんなら、なるし」
うん……これからも聞きます……色々と。
うつむきながら話していると、フォース君の苦笑が聞こえた。不思議に思い、顔をあげる。
「くくっ……これから、デートでもすんのか?」
「だから、なんで知ってるの? 言ってないよね? 監視でもしてるのか!?」
「それは、おれの能力を知っての発言かい?」
そうだった……
能力の無駄使いめ……
「大事なことだろ? まあ、少しでも進展すればいいな。応援してる」
むぅ……アリガトウゴザイマス……
「んじゃあ、そろそろ戻るわ。皆起きてくる頃だろ……ラルも戻った方がよくないか? ペンギン、心配するぞ」
そうだった。戻ろっと。
こうして、フォース君に半分遊ばれた感を感じつつも、基地に戻るのだった。

うん……そうだよね。
基地に帰ってきたはいいが、まだ寝ているし。
起こそうか。うーん……でも、昨日、頑張って帰ってきてくれたんだよね……危ないのに。危なっかしいのに。
とりあえず……昨日貰ったやつつけようかな。
「………ピカ…? おはよぅ……」
あ、起きた。
「おはよー♪ 起きてる?」
「…………ん。……いちお…!」
「ポチャ、どう……かな?」
「……………うん。かわいい」
そう? なら、いっか……
ポチャは起き上がると、すくっと立ち上がり、さっさと準備をし始めた。こういうスイッチ……早いよな。
準備が終わったのか、くるり、と私の方を向き、手を差しのべてきた。私はその手をとり、ポチャに寄り添う。
「!………えと…行こうか」
「うん。どこかは任せる」
「えっ?! 任せるの? えっと……どうしよ…まあ、近くの町……とか?」
了解でーす♪ いこっ♪
私はポチャから貰った髪飾りを揺らし、ポチャはポチャで私があげたペンダントを揺らしている。
少し遅いクリスマスデートになったけれど……まあ、いいよね。楽しいし、時期なんて関係ないし♪



~あとがき~
後日談? うん、後日談でした。一日でざっと書いてもうた……雑だな……
もろ、フォースとピカの会話で終わった……
イブ? チコ? あ…………( ̄▽ ̄;)
まあ、いいよね。あの二人は動かせないから。絡み方がわからなかったんだよ! ごめんね?
イブ、チコ「……………」

最後に無理矢理に二人のプレゼントの正体を入れました。安定の髪飾りとペンダントね。
どんなのかはご想像に任せます!

あれだよ? 別にフォースが大胆ってわけじゃないんだよ? 鈴流が大胆なんだよ? フォースはそれに流されてるだけなんだよ? 多分。
そしてフォースはピカに対して、恋愛感情なんてこれっぽっちもありません。あるわけがない。ピカもまたしかり。
ただ、色々と相談を受けているので、口で言うより、体感しろ、みたいな感じで実践するやつです、フォースは。
ポチャからも受けてますがね。一応。
なので、二人の間の問題というか……状況は誰よりも知っています。
ピカはピカでやる方はいいが、やられるのは慣れていないせいか、動揺が激しいです。仕方ない。彼女も女の子だから。まあ、事実。フォースはかっこいいから。いいんですけども。
書いてて楽しかったっす。

さてっと……今年の番外編はこれにて終了!
ただ、本編はもう一つあげたいのと思ってますがね♪
次の番外編はなんだろ……バレンタインデー?
ではー!