satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第17話

~前回までのあらすじ~
雅「ライ……寝た…」
ライ「イルが進化できたって最初に言おう? 一応、それがメインの話だから! この章!」
ショウ「あはは……まあ、これで次に進めますよね? 何するか決まってないらしいですが」
雅「………決まってないの?」
ショウ「ないっす」
ライ「適当に短い話でも作るんじゃないの? 知らないけど」
雅「なら……………とりあえず始める」
ライ「唐突だな……」
ショウ「それが雅です♪」
雅「…………嬉しくない」
始めるよー?
ライ、ショウ「はーい」
雅「……………」


ギルドに戻った雅は兄妹にはとりあえず、病室にいるよう伝え、ノア達に連絡をとっていた。
ノア達が調査に出て、今日までのことをさらりと説明し、帰ってきても大丈夫だということも伝えた。それを聞いたノアは心からホッとしたのか、彼女の安堵した声が聞こえてくる。
『よかったぁ……進化出来たんだね! でも、あたしたちの努力は無駄なのね』
「………原因は分かってない。だから…まだ活躍できる」
『あれ? したいなんて言ったっけ!?』
「………でも…まだライが帰ってきてないから……まだ調査して」
『えー? 帰ってきてもいいんじゃないの? んまあ、いいや。それで、ライは大丈夫? あいつ、暇さえあれば寝るっしょ?』
「うん…寝てるよ……まあ、仕方ない」
そっかと納得する声が聞こえた。雅はそうだよと小さく返事を返したが、聞こえているのかは不明だ。
『じゃあ、もう少し調べるね。じゃねー♪』
「…………ん」
通信を切り、座っていた椅子から立ち上がる。そして、ちらりと後ろにあった本棚を見た。
「我ながら、ごちゃごちゃしてる……な」
自室の本棚を見て、そう呟いた。ある本を手に取り、椅子に座り直した。本を開こうと手元を見たとき、机の上にあった封筒が目に入る。
「これ……届けないとダメだったやつか」
しかし、それ以上なにも言うことはなく、本を読み始めたのだった。

「…………?」
「あ、おはようっす。寝れました?」
「………んん…うん……」
まだ眠そうなライの声を聞きながら歩く。ギルドまではあと少しだろうかと考えながら歩いていると、ライが少しずつ話始めた。
「悪い……解決した……って思ったら力抜けた」
「あはは♪ 大丈夫ですよ。それにしても、大変っすね? ライも」
「……能力のこと? まあ……助かってる部分もあるけど……迷惑しかしてない、かも」
「絶対記憶能力。一瞬で見たものを覚え、忘れない……でしたっけ? ライの性格柄、度忘れも多々ありますけどね♪」
ショウの鋭い指摘に、面目ないっす……とうめきながら謝るライ。
「普段は適度な緊張があるから……起きてられるんだけど。……時々、糸が切れるんだ……だから、眠くなる…」
「まあ、よくある話っすね。仕方ないです。でも、寝れるときに寝ましょうね?」
「…………はい」
同じような注意を聞きながら、ライは母親に告げられたときのことを思い出してみる。

少し緩い感じの母…レイラと少し真剣な顔をしたライが向き合った。
「じゃあ、実践した方が早いから♪ そっちの方が信じられるでしょ?」
「は? あ、そう……? つか、俺は自覚ないんだけど」
「そうねぇ……ないとは思ってた。……えっと、これを今からちょっとだけ見せるから、何が書いてあるか、答えてね?」
にこっと笑い、紙とペンを見せる。ライは意味が分からず、首を傾げた。そんな様子を気にすることなく、レイラは紙に何かを書く。何を書いているのかは、ライからでは見えなかった。
「………っと。じゃ、ライ、いくわよ」
「は、はい? まっ…」
ライの制止など聞く耳は持たず、ちょっと……というか、一瞬だけ見せた。瞬き一つしてしまったら見逃すだろう。しかし、ライはきょとんとした顔を見せる。
「え? ん?? 書いてあったの答えるの?」
「うん。見えた?」
「太陽の絵だったよね……?」
レイラは何も言わず、紙をライに見せた。紙にはライが言った通り、太陽の絵が書かれていた。
「次ね。一週間前の夕食の献立は?」
「今日から一週間前……スパゲッティだろ? あ、そのあとにリンゴ食べたっけ」
「じゃあ、一ヶ月前」
「一ヶ月前……グラタン。……のあとに母さんがケーキ作ってたから、紅茶と一緒に…」
「ビンゴ。絶対記憶能力…“メモリー”ね」
聞き慣れない言葉に首をかしげる。そんなライを気にせず、立ち上がり棚にあったノートを持ち、差し出した。
「一週間前の日にちのページを開いてみなさい」
「う…うん……これ、献立表? 母さん、これつけてたの? 初めて知った……」
「これでも真面目なのよ♪」
「それも初めて知った……っと……うん? このページか……あぁ!?」
「ライがさっき言った通りの献立でしょ? それがあなたの能力……の一つ」
ノートに書かれていたのは、その日一日の献立。適当なところが目立つ母にしては几帳面に、一日も抜けることなく書かれている。ライはパラパラとページを捲り、一ヶ月前のページを開く。
「……ここもだ」
「あってるでしょう? 恐らく、一年前は?……と聞かれても答えられるはずよ」
「一年前は……カレーでした。サラダもあって……じゃなくて! なんだよ、“メモリー”って」
「絶対記憶能力、通称“メモリー”。一瞬で見たものを覚え、忘れない能力。指定されれば、思い出せたでしょう? そういうもの」
「は、はぁ……? それってメリットはどこ」
「一生忘れないところ? あと一度見れば覚えられるところかしら」
そう言われると納得せざる終えない。となると、反対のことも聞きたくなるものだ。
「じゃあ……デメリットは?」
「うん? 容量オーバーになったあとの末路?」
「ごめんなさい。お母さん、意味が分かりません」
「それなら、分かりやすく言うわ。メモリースティックなんかも無限じゃない。データが受け付けなくなる。けれど、私たちは生きているから、データは嫌でも入ってくるものよね。……容量オーバーしているのに、新しいデータなんて入るのかしら?」



~あとがき~
どもども! 今回は早く更新しました! 今月二話目の約束でーす♪
そんな約束ですが……あ、説明で終わった……
ってことで、ライの能力、その一! 絶対記憶能力“メモリー”でした。次回もライのお母さんこと、レイラ母さんの説明が入ります!

次回もレイラ母さん、よろしくねー!
説明しまする。

この話……どこまで続くよ……
ぶっちゃけ、イルちゃん関係ないからね。それでも、皆の説明もちょいちょい入れていかないと……ってことで、ライの能力の話を入れてみたんだが……まだ続きます(笑)

そしてお知らせです。なぜだか、波に乗っている約束です。なので、貯まってきまして……要するにちょくちょく出そうかなって思ってます。はい。
波が止まったら、いつも通りに戻しますね。

レイラ「やっと名前が出たわね♪」
ライ「そうだな。これなら、回想とかじゃなくても、話に出てくるんじゃない?」
レイラ「いわゆる、伏線?」
ライ「う…うん……思いっきり言うもんじゃないけど……そうだな…うん」
レイラ「ライったら、照れ屋さん♪」
ライ「どこからその話になった? 俺って照れ屋とか言われたことないよ!?」
レイラ「ボケてみたいじゃない♪」
ライ「ナチュラルにボケてるからいい! 意識しないで? いや、出来れば今後、ボケないで?」
レイラ「それは母さん、約束出来ないわ……」
ライ「してくれる!?」
レイラ「えぇ……無理かしらね」
ライ「マジかよ……」

ではでは!