satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第18話

~前回までのあらすじ~
ショウ「ライの説明がほとんどでしたね♪」
ライ「そうなんだけどさー……ちょっと聞きたいんだよね。雅さん?」
雅「……………ん?」
ライ「お前、俺には仕事仕事言うくせに、自分の仕事は忘れてんの? なんかひどくない?」
雅「………誰にでも…間違いはある……」
ショウ「間違いなんすか? それは」
雅「……………」コクッ
ライ「いや、ただ単に忘れてただけだよね?」
ショウ「あはは……」
雅「大丈夫……届ける…」
ライ「その言葉、信じていいんだな」
ショウ「大丈夫ですって♪ ライ、信じましょ?」
雅「…………始める」


ライはレイラに言われたことを一瞬、理解出来なかった。と言うよりも、何を言っているのか分からなかったのだ。
「無限に貯めることは出来ない……けれど、データは入り続ける。……結果、どうなるのかしらね」
「え……入れるためには消すしかないんじゃ……?」
「それは矛盾するわ。だって、一度見たものは忘れないんだもの」
そう言われるとそうだ。
しかし、それならば何をが答えなのだろうか。
「答えは受け付けなくなる。……入れるためには消すしかないというのは、正解。正論なの。けれど、それが出来ないのなら、諦めるしかないわね」
「いやいやいや!? 困るよね!? 新しいデータも必要だよね? 大体、覚えられないことも矛盾するだろ?」
ライの発言を聞き、にこりと笑う。そんなレイラの行動に首を傾げた。
「そう。つまり、よく分かっていないのよ」
「…………………はい?」
「先が見えないということが最大のデメリットってわけ。なんか怖いじゃない」
「んな、アバウトな……」
小さくそう呟いた。レイラは聞こえたのかそうでないのかハッキリしないが、笑顔のままだ。
まあ、確かに、この先何があるのか分からないというのは恐ろしいものだ。この能力のせいで、よくないことが自分の身に現れても不思議ではないのだから。
「まあ、ライなら多分大丈夫でしょ♪」
「だからアバウト過ぎるって!! 根拠がないんだけど!」
「うん? そうね……私の息子だから?」
「…………え?」
「私はライを信じているもの。何があってもライはライ。私の大好きな息子だから……ねっ♪」
そう言い終わるとレイラは立ち上がり、ライを抱き締める。安心させるかのような母の行動を素直に受け入れた。ライもぎゅと抱き締め返す。
「…………何があっても…か」
「そう……だから、あなたはあなたの道を行きなさい。私はここで待っているから。ライの帰る場所、守ってあげるからね」
「うん……俺も頑張る。夢、叶えるから」
レイラはライから離れると、今度は優しく頭を撫でる。少し照れ臭かったが、大人しくしていた。

ギルドについたのは、ライがまた静かになったすぐあとだった。ショウはいつも通りに扉を開け、中に入る。
「ただいまです!」
「…………おかえり」
片手に本を持ち、もう一方の方でカップを持っていた雅に出迎えられた。出迎えられたというよりは、たまたま通りかかっただけようにも見えるが。
「雅、その状態でどうやって扉を開けるんすか?」
「………本をあたまの上に置いて…?」
「そ、そうですか……? あ、俺、開けようか?」
「………ありがと」
雅の返事を聞き、隣で歩く。本を開いて歩く雅を横目に疑問に思ったことをとりあえず言ってみることにした。
「本を部屋に置いてくればよかったんじゃ……?」
「それは……嫌」
「嫌なんすか? なんで?」
「……読みたいから」
「雅らしいっす……あ、着きましたね。どうぞ♪」
雅が籠っている部屋の扉を開けると、そくささと部屋に戻った。ちらりと覗くと、この前整理したばかりだというのに結構散らかっていた。これには驚きを隠せず、本音が出てくる。
「雅……何をしたら、数日でこうなるんすか」
「漁るとこうなる」
当たり前のように答える雅。どう漁ればこうなるんですかという質問をしても、こう漁ると返ってきそうなので、言わないことにした。扉を閉めようとしたショウを雅が止めた。
「………? どうしたんすか?」
「……扉、開けてくれてありがと」
薄く笑う雅を見て、ショウは少し嬉しくなった。こちらもにこりと笑顔を見せる。
「………! はいっ♪」
「じゃ……また後で」
そう言い残し、ぱたんと扉を閉めたのを確認すると、自分達の部屋へと向かった。
「雅の笑った顔、久しぶりに見たな……いつも笑ってればいいのに……って、難しいか…あ」
「………おぉ、ショウか」
「エレキ、出来もしない二足歩行しながら何してんすか? 別に頑張ってしなくてもいいんすよ?」
「お前だけは違うと思いたいんだが……今の発言、トゲだらけなんだけど!」
得意でもない二足歩行をしていたエレキ。両手には資料と思われる紙の束を抱えていた。
「慣れないことはやめといた方がいいっすよ?」
「……分かってっけど、誰もやってくんねぇから」
「置いとけば、俺がやりますけど」
「いや、親方に頼まれたし……大丈夫…」
「ぶちまけないように気を付けてくださいね。ライを部屋に寝かしたら、手伝いますんで」
エレキはおうと小さく返事を返し、よろよろと歩いていった。そんな後ろ姿を見て、大丈夫かなと呟く。しかし、心配しても仕方ないと切り替え、部屋へと向かった。


~あとがき~
なんとか……説明終わった……ありがとうございました、レイラ母さん。
そして、お久しぶりのエレキさん。べっ…別に存在を忘れていたとかそんなんじゃないんだからね!
……いや、忘れてたんだけどね。

次回、今回の章のまとめに入ります!
やっとだよ~♪
ノアとレアも出してあげたいね。ノアは出したけど、レアは出してないからね。まあ、無理か。

エレキ「………何気にここ、初めてなんだけど」
ショウ「あれ? そうでしたっけ?」
雅「……存在、薄いんだよ…」
ショウ「あー……なるほど」
エレキ「納得しないで!?」
雅「………エレキ、うっさい……レアにしごかれればいいのに……」
ショウ「あはは……レアのは危ないっすよ」
エレキ「あいつのはヤバイから。下手すると変な扉開くって」
雅「………開いたら、一生近づかないで……?」
ショウ「そんなこと言っちゃ、駄目ですよ」
エレキ「いや、開かねぇからな?」

ではでは!