satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第64話

~前回までのあらすじ~
場所変えて、お話再開しましょー……みたいな?
ピカ「これで皆、面識あるってことになるよね?」
フォース「少し前からだけどな」
ポチャ「あっさりとしてるよね……二人とも」
フォースがポチャのことをペンギン呼びするのは、ピカの提案だもんな。
フォース「………ペンギンな」
ポチャ「う、うん……」
ここだけの話、理由は全く考えてなかったんだよ。思いつきで、ペンギン呼びさせてたんだ……えへへ♪
フォース、ポチャ「…………」
ピカ「それでは、始めますっ!」


続き……続き? 続きってどこだっけ?
「継承者と制御者の関係性だな。確か」
「関係性って……継承者の持っている“強き力”を代わりに制御しているってことじゃないの?」
ピカさんが首を傾げながら、答えた。
ピカさんとなると、知っているんだな。ポチャさんも理解してくれていたし……やっぱり、この二人…
「簡潔に言うとな。……おれの説明いらなくね?」
なんでいるのか……っていうのは、強大な力は幼い子に操れないから……だよね?
「そう。じゃあ、制御者について話しておこうかな。あまり詳しくは話せないけどな……ま、おれのことについて……と思ってくれ」
すーくんの……こと?
すーくんは周りを見回し、間を置く。もしかしたら、話していいのか迷っているのかもしれない。
多分、今まで誰にも話したことがなかったんだろう。私だって今、詳しく聞いているくらいだ。
「……そこの二人は制御者について、何か知っているか?」
「ぼくはなんとも……継承者の力を預かる……くらい」
「私も同じ。そもそも、記述がないもん」
「そりゃそうだ。おれは…おれ達は、誰かと関係を持つことなく過ごしてきたんだ。繋がりがあるのは、継承者くらい」
そう言って、私の方をちらりと見る。しかし、それは一瞬で、瞬きすると、すーくんは違う方を見ていた。
「おれたちにもランクがある。……一応、おれが最高位なんだけど…」
「なんだよ、フォース君。歯切れ悪いなぁ」
「すぅ達は見たと思うけど、力の暴走ってのがある。頻繁に起きる訳じゃなくて……何かの拍子に爆発する」
「え、爆弾? 爆弾!?」
ピカさんが目を輝かせてすーくんに詰め寄った。
もしかして、ピカさんって武器とか好きなの……?
「アホか。力の爆発! ラルの頭の中はどうなってんの? 他人の不幸でも願ってるのか!?」
「他人の不幸は蜜の味……ってやつですな!」
「明るく言うな、バカッ!」
……………仲良し。
ピカさんのこと、本名呼びか。
「は、話戻すぞ……」
「ピカ、フォースの邪魔しないの。話が分からなくなるでしょ?」
「ふぁーい……でも、爆弾だよ?」
「誰が爆弾だ? 誰が!」
すーくん、話、進まないよ……?
「そ、そうだな……まあ、おれは記憶にないからあれなんだけど……そういうことだよ」
いや、わかんねぇよ。
……でも、あのウィルさん…ってちょっと何かが違うよね。力の暴走っていうけれど、ウィルさん自身はそんなことなくて……というか、名前がある時点でまた違う存在ってことなんだろうか。
すーくんに言うなって言われたし……聞けないけど。
「ふーん……制御者って大変だね」
ピカさんのあっさりとした感想でとりあえず幕は閉じた。こんな終わり方があっていいのかどうか……よく分かんないけど、多分、いいんだよね。
話が終わり、私達はギルドに帰ることにした。いい加減、帰らないと心配をかけてしまう。幸いなことに依頼された道具は持って帰ってこれたし、大丈夫なはず。
すーくんはピカさんに話があると呼び出され、私達から少し離れたところで話をしていた。
「なんだろね、ピカさん」
「さあ……? すーくんに話って……なんだろ?」
「………変な話じゃないと思うけどね」
ポチャさんがぽつりと呟いた。
変な話……?
「イブが思ってるほど、ピカは器用じゃないってことだよ。……恋愛に対してね」
………ふへっ!?
「え、イブ、どういうこと……?」
「フォースとピカが親しそうに話してて、妬いてたんだよね? 見てて分かった」
そ、そ、そ、そんなこと……
「ピカ、親しい相手にはあんなんだから。男子も女子も……ね?」
………ポチャさん。
っていうか、妬いてません! 別にすーくんのことなんて……好きとかじゃないし。違うし!
「あはは♪ そういうことにしておくよ」
「イブ、頑張ってねっ!」
ち、違うってばぁぁぁぁぁぁ!!!

「……なんだよ、話って」
「これから、どうすんの? 付き合うって言ったけど……私、仕事あるんだけど。闇の」
フォースはなんだそれと首を傾げる。それを見て、にこっといつもの笑顔を見せるピカ。
「やっだなぁ……裏の奴らの始末ですよ~♪ そこまで言わせないでくださいっ」
「はあ? そんなことまでやんのかよ!」
「やるよ? 大丈夫大丈夫。そこまでじゃない相手だから。……すぐ戻る」
でね、とピカは声を潜める。フォースも思わず、顔を引き締めた。
「帰ってきたら、すぐにでも行けるようにするから」
「…………悪いな」
「ううん。あ、これあげる」
と、フォースに渡したのは青いリボン。それを見て、今まで使っていたのは、包帯代わりにして、駄目にしたことを思い出した。
「目、隠すんでしょ? なら、使って?」
「え、でも、いいのか? これ」
「うん。青って使わないんだよね。水色……ってか、空色だから」
恐らく、チームカラーのことを言っているのだろう。確かにピカは、首に空色のスカーフをしている。
「じゃあ、なんで青のリボンなんか持ってるんだよ」
「べ、別にいいじゃん……たまたまだしっ!」
「……お前もしかして、イメチェン…」
「うわあぁぁぁぁ!? 黙れ、黙ってぇぇ!!」
フォースの言ったことが図星だったのか、慌ててフォースに飛びかかった。そんなピカの慌てぶりを見て、吹き出してしまう。
「笑うなっ!」
「わ、悪い……可愛いとこあんじゃん………ふっ」
「あぁぁぁぁ!? とにかく! それあげるから、使って! 代わりのやつが見つかったら、捨ててもいいから」
「捨てはしないけど……ありがとう。でも、本当に貰っていいのか? なんなら返すぞ?」
「いい! いいから!」
「ごめん、ごめん。ラルも女の子だもんな? 気にするよな、こういうの」
「……………着るのは嫌だけど」
それでも、可愛いものや小さなオシャレは好きなんだろ、と言ったら本気で怒りそうだから、言うのをやめる。
ピカは少し赤くなりながら、フォースを睨んでいた。誰にも言うなというのが伝わってくる。
「大丈夫だって。ありがとな、ラル」
「うん。……じゃあ、またね」
フォースの言葉を聞くと、いつものピカに戻り、笑顔を見せる。そして、ひらひらと手を振り、ポチャ達のいる方へ駆けていった。
渡されたリボンを見て、いつものように巻いていく。
「別に隠す必要はないんだけど……まあ、すぅが嫌ってるし……っと…」
巻き終わると、フォースも四人のいるところへと歩いていった。



~あとがき~
とりあえず、この章はこれで終わりです!
フォース君が仲間になりましたよ~♪

次回、ピカとポチャの危険なお仕事編スタート!
あ、でも、次だけは、春祭り打ち上げ終了後に時間が戻ります。
更に、この章は全体的に過激表現というか、流血表現等あるので、注意ですよっ!

別に目を隠す必要はないらしい、フォース君。
今はあの色が嫌いなイブちゃんに見せないように気を使ってるだけのようです。
最初は逃亡(イブの過去編参照)に目立つから、という理由で隠してましたが、今は関係ないですしね。
やっぱ、こういう小さな優しさが、いいのかな。
ちなみに、イブはそのことに気づいてません。

ではでは!