satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第70話

~前回までのあらすじ~
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?
ピカ、油断すんなよぉぉぉぉ!!! 撃たれてんじゃないよ……この先どうすればええねん。
ピカ「私がいなくても頑張れよ~」
完全に立ち去る気満々じゃねぇか!!
ピカ「作者ならできるよ! 大丈夫大丈夫♪」
なんだろ……全く嬉しくないよ…
ピカ抜きで進めろってか……そういうことなのかい? そんな無茶ぶりに答えられるわけないだろ……!
ピカ「それでは、始めますかね」
ちょっと……人の話聞いて? ピカ、完全に撃たれて…
ピカ「大丈夫だよ。考えてある」
…………………はへ?
え? え? 考えてあるって何が? この展開をやり直す算段とか?
ピカ「それは無理だ」
じゃあもう終わりだ………
ピカ「作者が面倒なので、始めますっ!」


相手が倒れるのを確認し、くるりと背を向けた。そして、後ろにいる部下に話しかける。
「かなりの人数がやられたようだが……これ以上、好きにさせるな」
「お言葉ですが、かなりの人数というか、ほぼ全滅してしまってます。……いかがいたしますか?」
「何人残っている?」
「……正直に申しますと、すでにボスしか残ってません。他は全員殺されていますね」
「………!?」
その言葉に慌てて振り返る。そこには、先程、銃で撃たれたはずのピカが笑顔で立っていた。撃たれた痕どころが、傷一つない。そんな彼女を見て、戸惑いを隠せなかった。
「なぜお前が……? さっき撃たれて…」
「うん。撃たれたよ? だがしかし、それは私であって私ではないのだよ♪ 私の“身代わり”……だったりして」
「“みがわり”だと!? あれは意志など持っていないはずだ………! まさか」
「ごめいさーつ♪ “ドール”っていう応用技っ! 使う人少ないから、マイナーだけど、扱えるとなかなか便利だよ。……ねえ、ドールちゃん?」
ピカがドールの名を呼ぶと、ボフン、とピカの隣で音をたて、ピカと瓜二つのピカチュウが現れた。
「んもうっ! マスターったら、人使い荒いんですからっ♪ まあ、私は人ではありませんけど」
「くっつくなよ……仕事中なんですけど」
「照れないでくださいよ♪ 私はマスターのこと、大好きですよ」
「自分と瓜二つの人に言われても全く嬉しくないからね?」
「照れ隠しですね~♪」
ピカの腕に手を回し、嬉しそうに笑う。ピカは説得を諦めたのか、若干飽きれ顔を見せていた。
「もう、ドールちゃん戻って……話がややこしくなりそうだから」
「ぶー……了解しましたよ~…」
再び、ボフンと音をたてると、ドールの姿は消えていた。部屋にはピカとズルズキンの二人だけとなる。
「いや……例え、“ドール”だったとても、部下二人がいただろ!? 後ろは取っていたはずだ!」
「それもドールちゃんなんだけどな。そうだね……いたけど、その人達は私の手によって殺られちゃったのでした~♪ 声をあげることなく死んじゃった。まあ、ある意味、幸せなことだよね」
「一体どういう……」
「話してあげてもいいけど……あ、でも、眠くなってきたから、作業しながらで話したげるよ~」
そう言うと、雷姫で相手の胸を刺し、雷姫から手を放した。刺されたところから血が吹き出すことはなく、ズルズキンはふらりと倒れこむ。
ピカはしゃがみこみ、じっと倒れているズルズキンを見た。
「ボスさん、話聞きたいみたいだから、こんな形になっちゃった。何て言うか……時限装置的な感じかな? まあ、抵抗はできないと思うけどね」
「かはっ…」
「さてっと……雷姫、頼んだよ?」
『む…………さっさと始末したいんだが』
「うふふ~♪ 駄目だよ。私がいいよって言わないとね」
にこりと笑うと立ち上がる。そして、ズルズキンのと思われる机に近づくと引き出しを開け始めた。
「まず、ボスさんの褒めるべきとこは、私にかわされたときの策を用意していたこと。自分が囮になるってなかなかだと思うよ?」
片っ端から開けていた手を止めると、ある物を取り出した。それはメモリースティックのようで、何かの情報が入っているのだろう。
「お、みっけ。……まあ、私の……つーか、ドールちゃんの後ろをとったのも褒めるとこかな。よくできましたってね」
「がっ……!」
「どこからドールちゃんだったって聞きたいの? えっとねー……ま、最初からなんだけどね?  で、撃たれたのもドールちゃん。そこで後ろ向いたのが駄目だったねー……それが隙だったもん」
バッグからパソコンを取り出すと、椅子に座り、先程探しだしたメモリースティックをパソコンに入れる。カタカタといじりながら、話を続けた。
「一手先を読んだのはいい。……けど、まだ甘いよ。私と騙し合いで勝とうなんて……ふざけるのも大概にしてよね。あり得ないっつーの」
『マスター……この状態、飽きたのだが。……終わりにしてもよいか?』
「えぇ? んーと、もう言うことないっけ。………うん、いっか。雷姫、いいよ~」
『承知した』
パチッと小さく火花が散ると、それ以上、雷姫が喋ることはなく、そのことが相手が最期を迎えたのだと感じた。
「……………ご愁傷さま」
ピカはメモリースティックから中の情報を一読していく。そして机に突っ伏し、足をバタつかせた。
「うわあぁぁぁぁ! ないぃぃぃぃ……ないぃ…そうだよね。ないよね……あいつがこんな雑魚共と繋がってるわけないよな。……いや、繋がっていたとしても、すでに絶っているか」
『騒いだところで結果など変わらんぞ。……というか、我はこのままか』
「まあ……なくたって情報は情報か。もーらいっ」
『おい、聞いておるのか』
「コピーしてーっと…………はい、完了♪ うし、あとは~っと…」
『マスター!』
「あ、はい。ごめん、全く話聞いてなかった」
『我を無視するとはいい度胸だな、マスター?』
「うへぇ!? ごめんって……怒らないでよ。色々と考えてたんだよ……ごめんって」
謝りながら、刺さっている雷姫に近づいた。そしてズルズキンから愛刀を抜き取ると部屋をぐるりと見回す。
様々な書物が並び、一見、社長室かのように思う風景である。一つ違うのは、死体が三つ転がっていることくらいだろうか。
『………どうした?』
「うん? もう少し探索しようかとね」
そう言うと近くの本棚に近づき、本を手に取る。
しばらく、ぱらぱらと本をめくり、部屋の中を物色したのだった。



~あとがき~
なんか適当になりましたが、こんな感じでいいのだろうか。うーん……ま、いっか。

次回、報告しに行きまーす。
四天王たちとその補佐たちを紹介できればと思っております!

ピカ、生きててよかったね((切実に
まあ、こんなことだろうと思った方もいらっしゃることでしょう! だって、ピカだもん。これくらい想定していることでしょう。
一連の流れは、撃たれるまではドールちゃん。で、ドールちゃんの後ろをとっていた部下二人を殺ったのは、ピカです。んで、部下のふりしてボスさんと少し対談してからの殺しって感じです。
ややこしいですが、こんな感じに話は進んでました。
あと、追加するならば、ドールちゃんに痛覚などは存在しません。生きているわけではないので、血がぶしゃーってのもないです。あくまで“みがわり”の応用技なもので……
感情と意志は存在しますが、それ以外はないって思ってください。

部下二人とボスさんを殺した手口ですが、雷姫さんの力ですね。詳しくは次回のあとがき辺りで説明します。はい。
ポチャくんもあれですね。次回、説明します。

ではでは!