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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第85話

~前回までのあらすじ~
鈴流ちゃん、お久しぶりです。
一年ぶりかな。お話に出てくるの。
鈴流「ですね~♪」
そいや、鈴流の頼み事ってなんだってところですね。
ま、想像すれば何となく予想はつくと思われますが……
ピカ「あのさぁ……互いに認知出来てないって、ここから話の展開、どうするつもり? 作者」
それはピカが考えるんだよ! 何とかしてあげてな。
鈴流「なんとかしてねっ♪ 期待してるからね」
ピカ「はっ…はい……されても困るんですけどね」
それでは、スタートなんだよぉぉぉ!!


『私、フォースに言いたいことあるの。でも、今の私じゃ伝えられないから……ピカちゃんにお願いしたくて』
「伝えたいこと……ですか」
『うん。……私のことでフォース、悩んでると思うの。悔やんでるだろうし、苦しい思いをしているから……何とかしたいんだ』
「………でもどうするんですか? 簡単に信じるとも思えませんけど」
鈴流の言葉を聞きながら、フォースのいる方を見つめた。いくらフォースが幽霊の類いを知っているからといって、ピカの言葉を信じるとは限らない。むしろ、変に刺激してしまう気もした。それは避けたいことではあるし、気まずい空気はごめんだ。
「というか、私が鈴流さんのことを知っていることすら変に思われそうなんですけど……?」
『うぅ……そうかぁ……どうしよう…』
見るからに、しょんぼりと肩を落としているのが目に見えた。どうやら、心情や感情が表に出やすいらしい。
「鈴流さん、わかりやすっ」
『だってぇ~……うぅ…ピカちゃん、助けてー!』
「えぇ?! 私にどうしろと?! んー……鈴流さんは幽霊なんだよな。……それなら、何かに憑依する……とか?」
『え……どうやるの?』
「うん。……知るかぁぁぁ!! 私、まだ生きてるからね?! 幽霊じゃないから、方法なんて知らないよ?!」
『じゃあ、どうすればいいの……? せっかくのチャンスだと思ったのに……』
わかりやすく落ち込む鈴流を見て、どうにかしてやりたいと思った。そして、ある方法を思いついたが、これについては一人で判断できない。仕方なく雷姫の名前を呼んだ。
「一か八かだな。……雷姫?」
『……今日はやけに我を呼ぶな、マスター』
「てへっ☆ まあ、聞いてたでしょ? そして私が何やろうとしているのかもわかってるよね」
『そうだな。まあ、勧めんが。……止まらんのだろう?』
「そだねー♪ これしかないと思ってる。これには雷姫の力も必要なんだけど、協力してくれる?」
『………仕方あるまい。マスターの命だ』
『ピカちゃん、どういうこと? 誰と話して…』
鈴流の質問に答えることなく、雷姫を実体化させた。そして、ピカが答えるのではなく、雷姫が口を開いた。
「我は雷姫。……マスターは自分に憑依させようとしておるのだ。その手解きは我がしてやろう。……小娘よ、あいつに伝えたいことがあるのだろう?」
『…………はい』
戸惑いつつも力強くうなずいた鈴流を見て、ピカはぐっと背伸びをして二人の方を見つめた。
「うっし! いっちょやりますか!」
『ごめんね、ピカちゃん。なんか凄いことになってきちゃって……』
「何言っているんですか。今更ですよ、それ。……それに私は探検隊なんです。困っている人を助けるのもお仕事の一つなんですから」
「マスターの口から仕事という単語が出るとはな」
「やる気があるときはやりますよーっだ!」
『それでええっと……私はどうすれば…?』
「ふむ……まあ、とりあえずマスターの中に入ってもらわねばな。……難しいことは考えるな。今のお前なら、出来るはずじゃ」
『はい。やってみます!』
ピカは雷姫の言っていることに納得していなかったが、それは実体のない者にしかわからない感覚でもあるのだろう。今の自分に出来ることは、身を委ねることだけ。
「………鈴流さん、頑張ってくださいね」
少しずつ意識が薄れる中で小さく呟いた。
あとは雷姫が何とかしてくれることを願って、ゆっくりと目を閉じる。

「………ん…」
「どうだ。まあ、失敗することはないと思うのだが」
「………大丈夫です。これ、ピカちゃんの身体……ですよね」
目の前の雷姫に確認しながら鈴流は、くるりと回ってみた。
昔と同じ、重みのあるこの感じに少しの喜びを感じていた。ずいぶん長い間、実体のない体で存在していたからか、今のこの状況を不思議に思っていた。
「マスターの身体だろうな。声も出ておるし、まあ、大丈夫だろう。気がかりな事と言えば、やつの契約がどこまで影響するかわからんことだな」
「やつって……マスターさんの……?」
「そうだ。無駄に力と権限は持っておるやつじゃ。腹立たしいことだが、我ではどうすることもできんだろうよ」
「でも、行ってみないとわかりませんよね! わからないことをクヨクヨしても仕方ありませんもん♪ 雷姫さん、行ってみましょう」
にこっと笑顔を見せ、フォースがいるであろう先を指差した。雷姫は鈴流の前向きなところに戸惑った。中は鈴流であっても、外はピカだ。違和感を感じずにはいられない。
「…………やけに明るいな。お前のそういうところに小僧も引かれたのか…」
「? 雷姫さん?」
「何でもない。ほれ、さっさとすませるぞ。恐らく、長くは持たんだろう」
「そうですよね! ピカちゃんも大変ですもんね。よ…よし……頑張らなきゃっ!」
二人は歩き出し、フォースのいるところへと目指した。前を歩いていた雷姫は鈴流の方を振り返り、気になっていたことを質問した。
「で、何を伝えるつもりなのだ?」
「それは…………考えてません」
「無計画だな。構わんが」
「けど、ごめんなさいって謝って、いっぱいお話ししたいです。フォースの話も聞きたいし、私の話を聞いてほしいです」
「それが叶ったらどうするつもりだ?」
「わかりません。もしかしたら、消えちゃうかもしれません。でも、私の本当の願いは叶ってませんから、またここで待つと思います」
変わらず笑顔のままの鈴流を見つめた。
ピカとどこか通じるその笑顔を見て、これからのことを考えた。フォースがどう思うかも気になるところだが、この様子を見ているであろう、彼の事も気がかりだった。このまま何もしてはこないだろうが、突っ込まれるのはいい気がしない。
「………そうか。まあ、我が出来るのは手引きのみだ。この先どうするかは、お前ら次第だろうな」
「はい。ありがとうございます♪」
「礼を言われるようなことは何もしておらん。………ほれ、ついたぞ」
雷姫はフォースがいる方を指差した。少し遠いが、確かにそこにいるのが確認できる。どうやら、座ってうたた寝でもしているのか、その場から動いていない。
「見えるか?」
「…………はい。見えてます。イーブイなんですね、今」
「そうだな」
「えへへ……姿変わっても、すぐにわかっちゃいますね。雰囲気は変わってない」
「ふん。……そのようなことはよい。それよりも早く行ってこい」
「あ、そうですね。行ってきます!」
タタッと駆け出す鈴流を見送り、これでよかった、と改めて実感した。
かつての自分だったら、手など貸していなかっただろう。雷姫自身も周りに影響されているのだろうか。
もしかすると、マスターであるピカの近くにいるせいかもしれない、とぼんやりと考えた。
「………人には興味などないが……ちと、見てみたくなったぞ。マスターの守る世界とやらを」
そんなことを言うと、前から言ってるだろ、といたずらっ子のような笑顔を見せるだろうな、と思い浮かべた。



~あとがき~
ま、フォースは出せなかった……ということですね。はい。ごめんね、ことごとく、予定を吹っ飛ばしてます(笑)
いや、笑えないんですけどね!

次回、鈴流とフォースが感動の(?)再会!

雷姫は主を含め、人(ポケモン)というものに興味はありません。雷姫は気まぐれなので飽きたら、主でも切り捨てるタイプです。怖いお婆様だわ。
まあ、ピカのことは気に入っているみたいなので、大丈夫………だと思う。うん、大丈夫……?

鈴流、ピカに取り憑いてますね。
なので、声は鈴流ではなく、ピカの声ってことになります。フォースが気付くかどうかですね。
見た目はピカなんで、反応は見えているような気がするけど………ま、何とかなるかな?

ではでは!