satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第87話

~前回までのあらすじ~
やっと鈴流とフォースが再会できました!
ここまでくるのに一年以上……長かったです。
前回、あのときって言葉が何度か出てきたんですけど……どこのことを言っているのかわかりますかね……?
フォース「大丈夫じゃね?」
鈴流「だよね~♪」
ならいいんだけどね? うん、いいんだけどね。
あ、なんかペースはえぇなぁ……って思っているそこのあなた! 
なぜ早いかと言いますと、ここの場面はめっちゃ書きたかったからです! フォースと鈴流の再会シーンを!
ついでに言うと、この章は、全体的に折り返し地点。更に話が大体まとまっているっていうのもあります。
が、またバトルパートに入ったら、落ちますよ。ペースは。
それはなぜか……私がバトル書けないから、気力落ちするんです!
フォース「威張ることじゃねぇよ」
鈴流「あはは♪ では、始まりまーす♪」


鈴流の問いかけに不思議に感じつつも、小さくうなずく。鈴流は変わらず笑顔のままで話始めた。
「あのときのこと、フォースはまだ悔やんでいるのかなって思ったの。でもね、フォースが重く考えることはないんだよ? いつかはこうなるって知っていたから」
「………でも、鈴流を護れなかったのは事実だろ」
「そんなことないよ。だって、フォースは助けてくれたじゃない。ずっと一人ぼっちで暗い牢屋で、色々教えてくれたのはフォースだった。友達になってくれたのも、恋人になってくれたのも……私のこと、護ってくれたのも。全部、ぜーんぶ、フォースだったよ?」
「お前のこと……護ってたか……?」
「うん。最初、本当なら、あの牢屋で殺されるところだったもん。でも、フォースが来てくれて、護ってくれたよ? すっごく嬉しかったんだから♪」
鈴流はきゅっと手を繋ぎ、指を絡める。そして、あわせていた額を離し、顔を見合った。
「フォースはいつでも私のことを護ってくれてたよ。最後だって……私が余計なことをしなかったら、護れてたはずだから。……本当にごめんね」
「鈴流のせいじゃないだろ」
「ううん。私が勝手にやっちゃったから、あなたを苦しめてたの。だから、謝らせて」
「……そんなの」
「あなたの言ったこと、守らなくてごめんなさい。だから、私、フォースのこと嫌いになんかなってないから……大好きだからね? 嘘なんかじゃないから」
「…………ん、知ってる」
さらりとフォースから出た言葉に驚きつつも、嬉しさが勝り、笑みが溢れた。
「えへへ……あのね、私、待ってるよ。今度はきちんと私のことを見つけてね。誰かの姿じゃなくて、私自身を見つけて」
「もしかしたら、時間かかるかもしれないぞ? それでも、おれのこと、待っててくれるのか?」
「もちろん。フォースのためなら何だって出来るよ。ずっと待ってられる。今まで待ってられたんだもん」
「……大丈夫。次はそんなに時間かけない。すぐに迎えに来るよ」
「約束だよ。次はお帰りって言うからね? 絶対だよ……?」
「うん。わかった」
「…………なんか眠くなってきたぁ……こんな感じ、久しぶりだよ~」
「多分、同調が乱れてきたんだろ。ラルの中に止まれなくなってるんだろうな。となれば、強制的に外に出されると思う」
鈴流は、そっか、と残念そうに呟いた。そう実感すると、一気に眠気が襲ってきた。自分で支えられなくなり、フォースの胸へと落ちる。
「もうちょっと…お話ししたかったな。……残念」
「すぐに来るって言ってるだろ。大丈夫だよ」
「うふふ……とかいって、ずーっと待たせるなんて……しないでよ?」
「しないよ。鈴流こそ、しっかりお帰りって言えよ? 忘れてたら、怒るぞ」
「………だいじょーぶ…だよ……えへへ」
「おやすみ……鈴流、またな」
「ん………いってらっしゃい…」
「あぁ………いってきます」
鈴流はにこっと笑うと、そのまま動くことなく、眠ってしまった。つまり、ピカの中から鈴流の意志が抜けたことを意味していた。今のフォースでは彼女の気配を辿ることも、視ることも叶わないが、まだ近くにいるかもしれない。
フォースはピカをその場にそっと寝かし、優しく顔を撫でる。ピカはすやすやと寝息をたてて、気持ち良さそうに眠っていた。
「おれ、ずっと鈴流に責められてるような気がしてたけど、鈴流が誰かを恨むなんて……するはずないよな。誰かを恨むなんてらしくねぇし」
ふっと涙が溢れそうだったのを堪え、目の前に寝ているピカに笑いかけた。
「………ありがとう、ラル」
ピカにお礼を言うと、顔を上げ、いつもの調子で少し遠くにいる人影に声をかけた。
「……で、お前はずっとそこで何してんの? 暇なの? 年寄りは暇になるのか」
「うるさいぞ、小僧。デレデレしおって……気持ち悪い。見せられたこちらの気にもなれ。それでも男か、貴様は」
カサカサと草を揺らしながら、雷姫が近づいてきた。その口ぶりからずっと見ていたのだろう。
「そんなこと言われたってなぁ……男だし」
「ふん。……そんな軟弱だから、槍も満足に扱えんのだ。哀れなものだな」
「槍は関係ないだろ」
「知らぬ。……ところで、小僧、お前はマスターに何しておるのだ? よからぬことをしようと考えておらぬか?」
「考えてねぇよ?! 感謝してただけだからね?!……あーもう……ババァ、ラルのことは頼んだ。ちょっとクールダウンしてくる」
「好きにせい。どうせこの様なところ、来るやつもいないのだからな」
「おう。よろしく……くぁ…おれも眠くなってきた。移ったな……これ」
ふらりと立ち上がると、どこかへと歩いて行ってしまった。雷姫はそれを見送り、ため息をつく。
「…………で、伝えられたのか? 小娘よ」
雷姫に呼ばれた鈴流は、雷姫の斜め上にふわりと浮いて、少し考え込むような仕草をした。
『うぅ~ん……どうなんでしょうか。他にも言いたいことあったような気もしますし、あれでよかったとも思います』
「まあ、何もしないよりかはましなのだろう。……心なしか小僧も吹っ切れたようじゃしな」
『だといいんですけど……あの、雷姫さん』
「なんだ?」
『ピカちゃん……大丈夫でしょうか? 私のせいで何かこう……変なことになってませんか?』
「心配するな。変なことにはなっとらんよ。疲れて眠ってしまっただけだ。小僧…フォースが帰ってくる頃には目を覚ます」
『そうですか。よかった~』
鈴流から視線を外すと、雷姫はフォースが歩いて行った方を見た。
あのタイミングで眠気など偶然ではないだろう、と思った。大方、あいつが呼び寄せたに違いない。
おちゃらけたその人を笑顔を思い浮かべ、ふつふつと疑念が浮かび上がってきた。いつも考えなど読めないのだ。
「何を考えておるのだ。あの阿呆め」
『え? 誰のことですか?』
「………フォースの兄貴のことだ」
『フォースのお兄さん?! え、お兄さんいるんですか?』
「さてな。我は興味ない」
『えぇ……雷姫さぁん……』
すとん、とピカの近くに座り、これ以上口を開くことはなかった。鈴流も諦めたのか、雷姫の近くに座った。



~あとがき~
終わったぁぁぁぁ!! 鈴流とフォースの会話。
ま、近いうちにもう一度あると思いますがね♪

次回、フォースとあの人との会話!
何か色々謝罪するらしいですよ。はい。
そして、色々わかるらしいですよ。多分ですけど。

特に言うことはないですね~♪
よかったね、としか出てきませんもん。
え、フォースの兄貴? 知らね((
いやぁぁぁぁ!! 嘘です嘘です嘘です……
「あの人=兄貴」で大丈夫ですよ! はい!

ではでは!