satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第93話

~前回までのあらすじ~
ポチャと剣たちの会話。ピカとフォースの夜って感じでした!
そして特に言うことはないので、早速始めていきま…
ピカ「ポチャ、私がいなくて寂しいのかい~?」
ポチャ「そういうことじゃなくて……なんだろ。心配とか……そんな感じ」
フォース「そういうの寂しいってことだろ」
ポチャ「…………なのかな?」
ピカ「ふっふっふー……それなら思う存分に味わいなさい! 私のありがたさを!」
ポチャ「………それ、どんなキャラ設定なのさ。誰ですか、あなたは」
ピカ「なんていうかー……こう、ツンデレのボス的な? 私に酔いなさいっ! みたいな?!」
フォース「お前に酔うやつなんて、そこのペンギンくらいだろ。あとそこら辺にいる遊び人とか。一目惚れしたやつとか」
ピカ「それくらいいれば、十分じゃね?」
ポチャ「ちょっとすいません。なんでぼくまでカウントされているんですかね。酔ってませんけど……ぼく、そこまで軽いやつじゃないんだけど」
ピカ「大丈夫だって。嘘じゃないから。だって、男なんて皆軽いだろうが♪」
ポチャ、フォース
(笑顔で恐ろしいこと言うなよ……)
ごめんなさい! 始めたいんだけど!! そういうトーク、いらないからね?! 裏でやれ、裏で!
ピカ「楽屋か」
フォース「楽屋トークってやつか」
ポチャ「…………楽屋って…」
はい、始めますよ!


ふわ、と少し冷たい風が吹く。その風に自然と体が震える。そして、瞼を少し開けた。
「…………朝か」
ピカは空を見ながら、小さく呟き、丸めていた体を解き、枝の上で背伸びをする。一息つくと、幹の方へ近寄り、体重を預けた。ちらりと下を見ると、フォースは散歩にでも行っているのか、見る限り姿はなかった。
「置いてかれた」
別に置いていかれたわけではないと思うが、一人にされるとそう思ってしまう。二度寝しても構わなかったのだが、目が完全に覚めてしまっては、寝ることも出来ないだろう。
他にすることも思いつかず、するすると木から降りていく。地面に降り立つと、辺りを見回したが、やはりフォースの姿はない。
「んー……どこ行ったんだろ。あ、ねえ、雷姫?」
『………なんだ。こんな朝早くから』
「昨日、フォース君の様子がおかしかったんだよね。何かあった?」
『我が知っているわけがなかろう。……マスターはなぜ、我に聞くのだ』
「なんとなく。知ってそうじゃん」
『知らぬ。………が、予想はつく』
「なら、少なからず知っているということになりませんかね」
『ふん。知るか』
「冷たいなぁ……んじゃあさ、今、暇だから、私の話し相手になってよ♪」
『マスター、前々から思っておったのだが、時々、我の使い方が荒いと思うぞ? 我は刀であって話し相手などというものではなくてだな…』
「いいじゃん、いいじゃん♪ お願いっ」
『…………マスターって人は、仕方ないの』
雷姫は呆れつつ、ピカの要望を受け入れた。普段のピカには勝てる気がしない。もちろん、勝てる場面はあるにはあるのだが、そこまで多いわけではない。
ピカは暇だからと言っていたから、そこまで長くなることはないだろう。たわいない話を少しして、終わるはずだ。
雷姫はフォースが帰ってくるまでの間、ピカの話し相手をすることになった。

「………あ、帰ってきた♪」
「ただいま。なんだ、起きてたのか」
しばらくすると、フォースが森の中から帰ってきた。フォースはピカが起きていることに驚いていたようだが、大して表に出さなかった。ピカは待たされた不満と反応の薄さに頬を膨らませながら、抗議する。
「どこ行ってたんだよー? 暇だったんだからね!」
「悪い。そこら辺歩いてた……んで、ほれ」
「ん……木の実?」
「歩いてたら、なんか見つけた。変なやつとかじゃなくて、普通に食べられる」
フォースに渡された木の実を観察してみる。その木の実は丸く、ピンク色をしていた。スイカのような縞模様が入っているが、黒ではなく黄緑色だ。更に木の実、というが結構大きく、三十センチはあるだろうか。
あらかた木の実等の食料について知識はある方だと思っていたのだが、フォースから渡されたのは、見たことがない木の実だった。
「なんですか、これ」
「カイス。おれは甘すぎるから嫌いだ」
「………おっきくない?」
「そういう品種」
「というか、嫌いなのに取ってきたの?」
「なんとなく」
「えーっと……私がいらないって言ったら、どうするつもりなわけ?」
「んー……手土産にする」
どこのだよ、と突っ込みたくなるが、フォースがボケているようにも見えなかった。単に表情が乏しいだけなのか、感情があまり伝わってこない。
要は、なにを考えているのは想像できない、ということなのだが。
「とりあえず、貰っておくけどさ……今日はどうするの? このまま目指す方向なの? 今更だけど、目指してるとこ、歩いていくには遠いけども」
「それなんだよね。……ってことで、裏の手使おうかと。話も少ししたいし」
フォースの言葉に首をかしげる。それに気づいたのか、どういうことなのかを説明してくれた。
「前に話したマスターんとこに行く。そこからなら、時間短縮になる……と思う。時間の流れが違うから、いすぎるとあれだけど、歩くよりいいと思うから」
「ほへ~……ん? 今から神様に会いに行くの?! マジかよ!」
「別によくね? 困るもんじゃないだろ」
「神様にいい思い出ない」
今までの冒険の数々の中でよくしてもらった記憶があまりなく、むしろ、攻撃されたり、挑まれたりの方が多い。過去にそんなことがあれば、意識してしまうのも仕方がないというものだ。
ピカの周りが特殊すぎるのも原因の一つだろうが、なにかと事件に巻き込まれることが多いのも原因の一つだろう。不幸体質なのか、と最近は考えていた。
今は大して関係ない話ではあるが。
難しい顔でもしていたのか、フォースがピカの顔を覗きこみ、少し心配そうに話しかけた。
「………行くの嫌か? それなら別に無理しなくてもいいけど」
「や……大丈夫。戦いに行く訳じゃないし……通り道って考えるから。それに少し会ってみたいなって思うしね」
「そうか? ま、あいつに会ってもメリットはないけどな」
「自分のマスターさんなんでしょ? そんな風に言ってもいいの? 上下関係とか…」
「存在しないから心配いらない」
「それはそれで大丈夫か?! 敬わないの?!」
ピカの突っ込みにフォースは少し考えこむような仕草をするが、すぐにピカの方を向いた。
「うん…………無理」
「え、無理なの?」
「無理つーか……おれ、嫌いだし…」
「この世界、大丈夫なのかな。明日には滅びてないですか……?」
「そこまで大それた人じゃない。大丈夫だよ」
フォースの態度に会ったこともない人に同情に似たものを抱く。最も、それに値する人柄なのかは知らないのだが、その確認は会ってからでも遅くはないだろう。そう思い、ピカは気を取り直して、先に進むことを促すことにした。
「とりあえず……行こっか」



~あとがき~
………なにがしたいのかわからなくなってきました。どーしようか(笑)
ま、なんとなくやりたいこと、進めたい方向へと行っているようなので、構わないんだけど。
そしてまた、次回予告吹っ飛ばしましたね。てへ☆

次回、今度こそマスターさんたちが出てくると思います。
他にはエレルとユウかな。たぶん。

フォースは甘いものとかあんまり好きではないみたいです。何でかは知らぬ。まあ、好みなんでしょうけど。
あ、ピカに渡してたあれ、本家ポケモンでは、ポフィンの材料になるやつですね。
木の実の色とかあっているのか自信ないですが、そこら辺はスルーしてくれるとありがたいです……!
木の実なのに基本、二十五センチあるらしいですよ。カイスのみ、おっきいですね。果実ですよ。果物ですよ……きっと。けど、木の実部類。
………まあ、木の実も果物もさして変わりないのかなって思っていますがね!

ではでは!