satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 1ー2

~attention~
ピカ「……この物語は…………」
ポチャ「? ピカ?」
ピカ「………………ん」
ポチャ「え? これ、読めばいいの?
えっと……『この物語はピカとポチャの過去編です。なお、モチーフにしているのは時、闇、空の探検隊からなので、イメージが崩れる可能性があります。苦手な方は閲覧を控えてください』…………で、いいの? あれ、ピカ? え、ちょ……いない?! 置いてかれた!? えっと……その…は、始まります! どこ行ったの、あの子は!?」


~1‐2 ギルド~


ポチャが言うには、ここはとても有名なギルドで、仕切っている親方も有名な探検家だそうだ。
有名なら有名なりに修行等も厳しいと思うのだが、ここで本当に大丈夫なのだろうか。下手すると一生このままというのもあり得るのでは?
まあ、来てしまったものは仕方がない。それに今更そのようなことを気にしても意味がないというものだ。
「うわあぁぁぁ……ここがギルドの中か。すごいなぁぁ……!」
それにあんなポチャを連れ、引き返す自信はない。後が怖いというか、あんなに楽しそうにしているのを邪魔するのも悪い気がする。
ポチャはギルドの中に入れたことに感激しているのか、うろうろしていた。私の言葉も聞いてくれないかもしれない。
「お前達か? ギルドの訪問者というのは」
「……………そうだけど」
ギルドの奥から現れたのはペラップだ。
見た目だけで悪いが、ペラップというのは口うるさそうに見える。この人、偉い人なのだろうか。
「セールスやアンケートなんかはお断りだよ」
「いえ! そうじゃなくて、ぼく達、ここの入門したくて来たんです」
いつの間にか私の隣に戻ってきていたポチャが、目の前のペラップに説明した。その説明を聞いたペラップくるりと後ろを向き、なにやらぶつぶつと一人言を言い始める。一人言と言うが、何を言っているのかは完全に聞こえてきていた。
「修行が厳しくて脱走者が耐えないのに……ここに……入門………?!」
脱走者が耐えないらしい。予想通り、ここは厳しいギルドのようだ。そんな話を聞いてしまうと、やめた方がいいのでは、と思ってしまう。
「ここ……そんなに厳しいのかな」
「みたいだね」
私とポチャがそんな会話をしていると、ペラップが慌ててこちらに体を戻した。
「いやいやいやいや! そんなことはないぞ! うん、ギルド入門ね! それならそうだと言ってくれればいいのに♪」
あぁ……この人、絶対フォロー出来ないタイプだ。
ペラップの態度が急変し、これからの修行に対する不安というか心配しかない。本当にここでよかったのか?
「さて、こっちだ」
ペラップを先頭にギルドの奥に進んだ。下へ降りるはしごを使い、ギルド地下へとやって来た。地下一階…先程の階でも思ったが、地下なのに明るい。
辺りを見ると、窓が見え、明るい理由もはっきりとした。あの窓から光を取り込んでいるらしい。なかなか考えてあるな。夜、どうするのか気になるが。
「おい、何をしている。今から親方様に会うんだぞ」
「は…はいっ!!」
「………親方ってどんな人?」
「怒らせると恐ろしい方だ。気を引き締めろよ」
有名な探検家らしいし、そうだろうな。
ペラップの言葉を聞き、扉の前に立つ。私の前にはペラップがいて、隣にはポチャがいる。
「親方様、ペラップです♪ 失礼しますね」
ペラップが一言断り、部屋に入る。
なんか凄いところを勝手ながら想像していたのだが、そうでもなく普通の部屋だ。何か不思議なものがあるわけでもなく、かといって、気になるものもない。
……拍子抜けしたかも。
で、怒ると怖いらしい親方は俯いている、このプクリンが親方か。……というか、俯いていると言うよりも……
「寝てる……?」
「そ、そんなわけないだろ!?」
「いや、あれは……完全にねて…」
「やあ! おはよう!!」
私とペラップとで寝ている寝ていない議論をしていると、親方さんが起きてきた。おはよう、と言っている時点で寝ていたことは確定である。
「親方様、あのですね………」
「うん! キミ達、探検隊になりたいんだよね? そっかそっか♪ ボク達と一緒に頑張ろうね♪」
まだ何も言ってないのだが、探検隊になりたいと見破ってきた。この人、侮れないかもしれない。
まあ、見知らぬ人がここに来たら入門者、と相場が決まっているのかもしれないが。
「それじゃあ、チーム名を決めないとね♪」
「チーム名?! どうしよう……全く考えてなかった。ピカ、何かいい案ない?」
チーム名か。急に言われても困る。……が、どうにかして考えなくては。
ふと、この親方部屋にある窓に目がいく。窓の外はもう夕方なのかオレンジの空が見えた。
ふむ……空、か。
「………スカイ」
「スカイって……空のこと?」
「ん。空ってどこまでも続いてるから……チームの人も……今は二人だけど。……けど、そんな風に繋がっていられたらいいかなって」
「スカイか……うん、いいね!」
あっさりだな。まあ、ポチャがそれでいいなら構わないけど。でも、空を見ていると不思議と落ち着く。元々好きなのか……思い入れがあったのか……今となっては確かめようがないか。
「うんうん。“スカイ”で登録しちゃうねっ♪」
「はい! よろしくお願いします」
登録と言うが、どうやってするのだろう?
そう思っていると、親方がふるふると震えだした。まさかとは思うが、登録方法って……
「うぅぅ…」
「お前達、耳塞げ」
「え? なんで?」
「いいから」
ペラップの発言に首をかしげるポチャをよそに、私は言われた通りに耳を塞いだ。納得していないようだが、ポチャも周りに流されるように塞ぐ。その直後、親方はカッと目を見開き、予想通りの行動をした。
「ったあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「うわっ?!」
「…………痛い」
きちんと耳を塞いだつもりだったのだが、耳が痛い。ポケモンになって聴力が上がったのか。いや、聴力、と言うよりも、五感が全体的に上がっているような気がする。人間とポケモンの違い……ということか。
「うんっ♪ 登録完了だよ♪」
本当にあれでよかったのか。あれで。
「これから大変なことはいーっぱいあると思うけど、ボク達と頑張っていこうね♪」



~あとがき~
わかっていたつもりですが、長くなりそうですね。
途中で打ちきり……にはならないようにしたいね。うん。でも、二人の冒険はまだ始まったばかりだよ!

次回、お部屋に案内されると思う。

過去のピカは口数少ないので会話が弾みませんね。仕方ないんだけど、つまらない……よね。ごめんなさい。
でも結構早めに本編のピカみたいになると思います。

ではでは!