satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第102話

~前回までのあらすじ~
前回はやっとマスターさんのいるところを抜けてきまし…………っだあぁぁぁぁぁぁ!!
インフォメーションうるせぇぇぇぇ!!!
ピカ「これ、書いてるの台風のあった日だもんね?」
フォース「スマホだもんな」
イブ「普通に運行状況とか教えてくれるやつですね、インフォメーション」
チコ「普段はありがたいけどってことだよね」
ポチャ「……テスト近いはずなのに勉強もせずに小説書いてるんだ…作者」
ふん。これを公開するときにはテストなんて知らぬわ! そんな風に計画立ててるんだよ! わっはははー! してやったりー!
ピカ「よし。『10/6(月)14:12』っと……」
フォース「なんだ、それ」
ピカ「作者がこれを書いてる時間だよ。これでテスト前ってことがわかるかと」
ポチャ「………そうだね。テスト前のお知らせ記事も出てるもんね」
うわあぁぁぁぁ!! やーめーろー! 現実逃避させてくれぇぇ!!
フォース「公開後ってテスト終わってる……よな」
イブ「多分ね」
チコ「というか……絶対?」
ピカ「早速、テス勉サボっている作者がお送りする、小説を始めちゃうよっ!」
やめてくれ! お勉強なんて嫌だぁぁぁ!!
ポチャ「ピカ……何と言えばいいのやら…」
フォース「仕方ないだろ。じゃあ、始めていこうぜ」
ポチャ「あくまで冷静なんだね……フォース」


ピカはくるくると回していた枝を止め、電気を利用し、火をつけた。そして火がついた枝を山にしておいた薪の中に入れる。ぱちぱちと音をたてながら徐々に火が大きくなっていった。
「……どこから話そうかな…まず、さ。フォース君はラウラさんをどうするつもりなの?」
「………マスターの言う通りにするしかない。おれはあの人に逆らうことは出来ないんだから」
「つまり、ラウラさんを……消すってことでいいの?」
「そうなるな。……いきなりなんだよ」
「それはフォース君の本心なの? 本当にそれでいいと思っている? 納得して実行に移せる?」
ピカの疑問にフォースは答えることが出来なかった。全ての答えに肯定出来るものがなかったのだろう。ピカの問いに黙っていると、それが答えだと思ったのか、小さく息を吐く。
「……じゃあ、話を始めようか。私の話を聞いて、少しでも考えが変わればいいんだけど…」
「どういうことだ?」
「今回のことで私、ラウラさんの行動に疑問を持っていたの。それはフォース君もあったと思うんだけどね? なんでフォース君を狙ったのか、禁忌を犯してまでやる理由はなんだろう……ってさ」
フォースの様子を伺うと、特に表情に変化は見られなかった。とりあえずは話を全て聞いてから、ということだろうか。
「その答えにたどり着くために使ったのは、偶然見つけた日記なの。最初、誰のかわからなかったんだけどさ。それを書いていた人は、ある人が少しずつ闇に飲まれているって感じのことを書いていた。で、私はそれを書いたのはラウラさんだと思った」
「ラウラが……? でも、闇に飲まれているって………まさか」
「そのまさかだよ。……きっとラウラさんの継承者さんが何らかの理由で引き込まれていったんだと思うよ。今のご時世、あり得ない話じゃないもの」
「でも、そのこととお前の言うおれを狙った理由って? あいつは力が欲しいって言ってたけど」
「それは嘘だよ。大体、力が欲しいんなら、さっさとイブちゃんを倒した方が楽だもの。考えてもみてよ。わざわざ自分より強いフォース君と対峙するより、技が使えないイブちゃんとやり合った方が確実じゃん」
そうだけど、とフォースは小さく呟いた。フォース自身も疑問に思っていたのだろう。もしかしたら、わかっていたが、気づかない振りでもしていたのかもしれない。
「えーっと……理由は…簡単に言うと、継承者さんを助けるための唯一の方法がそれだったってことかな。単刀直入に言うと、利用されたんだよ」
「……段々見えてきたよ。ラルの言いたいことも…わかる気がする」
フォースは一呼吸置いて、ピカの話を引き継ぐように話を始めた。
「ラウラは制御者の掟を利用して…おれを利用して継承者を助けるってことだろ。……制御者の役目を果たすために掟を破ったんだ」
「矛盾しているけれど……恐らくそういうこと。闇に落ちた者は、戻ってこないって言われているからね。ラウラさんも本能的に悟ったんだと思うよ。………これは私の想像なんだけど、ラウラさん、制御者としての仕事はほぼ完了していたんじゃないかな」
ピカの言葉にフォースは驚きを隠せなかった。その理由をピカは何となく察しなくはないが、そのまま話を進めた。
「最初に戦った後、ラウラさん、帰っていったんだよね? 時間切れって言ってさ。でも、時間切れって何がってなるじゃん。そのとき、ラウラさんの戦える時間があるんじゃないのかって思ってさ。普通ならそういうのないでしょう?」
「あるわけないだろ。あってたまるか」
「だよね。でさ、無理矢理そこに留まっているって考えた。それなら時間ってのも、うなずけるかなって。制御者達の力は継承者のものだから、ほぼ完了しているのなら、ラウラさんが自由に使える力の量も必然と減ってくるよね」
「………確かに…そうだけど。でもそれなら、なんで…あいつは……」
「もし、まだ仕事が終わっていなかったら……マスターさんに頼ることをしていたかもしれない。でも、終わっているのに留まっているのはラウラさんの意思だから、マスターさんは助けないって思うの。それをわかっていたから、離れなかったんじゃない?」
ファウスという人物を見て、話を聞いて、ピカはそう思った。だからこそ、この結論にいたったのだ。恐らくだが、ファウスはあくまで中立の立場なのだろう。そこに立つからこそ、助けることはしないし、ラウラが助けを求めたとしても、彼の与える選択は一つだけになるだろう、と。
そこまで考えて、その答えを出す前に考えることをやめる。ふるふると首を振り、気持ちを切り替えた。
「………話を戻すよ。このことを総合して考えると、ラウラさんの目的は自分を犠牲にしてでも継承者さんを助けること。フォース君はその介錯をしなきゃいけない。マスターさんに命令されたからとかそういう理由じゃなくて、ラウラさんのためにやる気持ちでいて欲しい。それがラウラさんにとって……フォース君にとっていいことだと私は思うから」
「…………そんなの…出来るわけない」
「出来る出来ないじゃない。やらなきゃいけないんだよ。……ねえ、このことをマスターさんが全く知らないとか思ってないよね? 本来なら、マスターさんの仕事だよね、掟を破った人の罰を与えるのって」
フォースはピカの言葉を聞いて、ぴくりと体を震わせる。その反応を見て、言っていることは間違っていないと確信を持った。
「でも、マスターさんはフォース君に任せた。……これってマスターさんなりの気遣い……なんじゃないかな? 私はそう思う」
「そう言ってたけど……だからって本当かどうか怪しいところだぞ。それに、ラルが思いたいだけなんじゃないのか? あの人はそんな簡単な人じゃない」
「そうだよ。私がそう思いたいだけ。でも、そうでもしないと、やれないでしょ? それに……ラウラさんはフォース君にやって欲しいんだよ。他にも制御者はいる中でフォース君を選んだんだよ。偶然かもしれない。都合がよかったのかもしれない。それでも私はフォース君じゃなきゃ駄目なんだと思うの」
「気持ちの持ちよう……ってことか。わかったよ、ラルの言いたいこと。あいつの本心も。……おれがどうすればいいのかも」
フォースはしっかりとピカのことを見て、ふっと表情を和らげた。ピカは初めて見たかも、と少し驚いたが、こちらも笑って見せる。
「ありがとうな、ラル」
「どういたしまして。ふふっ♪ せっかくここまで来たんだ。最後まで付き合うよ」
「あぁ……頼む」
ピカは、あの場所に行く前と今ではフォースの表情が違うことに気がついた。そして、そちらの方はまだ解決していなかったことを思い出し、どうにかしなければ、と密かに思う。その気持ちをフォースは知るよしもない。



~あとがき~
これで切ってもいいんですけど……あともう少しやります。はい。
今度はフォースがピカに畳み掛けます(笑)
ラウラの話をする前にちょっと話題になったあのことですね。覚えている人はいるかな?

次回、ピカの本性と久し振りのあのお方です!

今回の章は色んな人の気持ちだとか性格だとかそういう人間性……じゃないですが(つか、人間ですらないけど)、そういうのが浮き彫りになる章です。
フォースは当たり前なんですが、ピカとポチャの方も……ね?
イブとチコも少し変わるかと思います。わかんないけど。

さてさて、これですっきりとまとまったかな? わからないことあれば、遠慮なく聞いてください! これ説明してないぞ! とかあれば教えてください……多分、これで全部だと思うんだけど……多分。

ではでは!