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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

Fantasy world

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これはポケモン二次創作でーす。
そういうの苦手な人は閲覧をお控えください。
イオ「もう一人、出すの遅くね?」
………………あー…えーっと……
始めまーすっ!!


~第7話 前触れ~

「やあ。そっちの方はどうだい?」
「エルナト様が来たら一気にストレスたまりました」
『ジュンくんのことじゃなくて、ブースターさんの方だよ……?』
イオが助けたブースターを寝かせている部屋を覗いてみると、無表情で毒を吐くジュンとそれに対して、律儀に突っ込みを入れているメイの姿があった。エルナトは二人を見て、ブースターの方を見た。
「ん~……顔色は別に悪くないね。直に目を覚ますかな? もう少し二人で看ててくれる?」
「了解しました」
『はい。………あの、エルナト様…』
「イオは大丈夫だよ。さっき目を覚ましたけど、もう一度寝かしちゃったけどね」
『………よかったです』
安堵の表情を浮かべ、胸に手を当てるメイ。エルナトはそれを見て、イオが本当に大切に思われているのだと感じた。
「メイちゃんはイオのこと、大好きなんだね」
『えっと………恐れながら…そうですね』
「いいんじゃないかな。頑張ってね」
『はい。………もう、同じことは繰り返しません』
一種の決意表明かのように強く、はっきりと言った。エルナトも少しあのときのことを思い出すが、すぐにいつもの笑顔に戻る。
「真面目だね~♪ だからこそ、イオの使い魔に相応しいってもんだね。僕もジュンでよかったって思うし!」
「……………はい? 馬鹿なこと言ってないで、さっさとイオ様の方へと戻られたらいかがですか?」
「んもう、素直じゃないなっ! けど、もっと罵倒してもいいんだよっ!?」
「キモいです。つか、病人の前で恥ずかしくないんですか? 恥って言葉を辞書で調べてきてください」
「これがツンデレなのかな! ジュン、実はツンデレ? それならそうと言ってくれていいのに♪」
「メイ、このクソ変態ご主人を星にしてしまえ」
『えっ!? いや……それは流石に無理……かな』
「メイちゃんに星にされるなら、本望ってもんだよね! いいよ、思いきりやっちゃって構わないさ!」
エルナトが調子に乗り出し、ジュンはため息をついた。メイは立場もあり、性格も手伝ってか、キッパリと断れない質だ。かといって、ジュンが止めに入っても、構って欲しいのかい? と嬉しそうに話しかけてくるだけだろう。それが鬱陶しくもあり、ある意味嬉しくもあり、日常でもある。
しかし、これ以上、人が寝ている前で騒ぐのも悪いだろう。ジュンは“つるのムチ”でエルナトを部屋の外に放り出した。
「エルナト様、ウザいんでしばらく来ないでください。あの方が起きたら、呼びますんで」
「あぁ~……せっかくのチャンスがぁ~」
しょうがない人だ、と思いながらも、それを口にすることはなく、扉を閉めてシャットダウンする。
メイも少し困り顔であるが、大したことでもないのだろう。すでに気にしている様子も見られなかった。
ジュンは寝ているブースターを一瞥すると、窓の方を見た。
「………何かなきゃいいんだが…」

覚醒夢、というのがある。覚醒夢とは、夢だと思いながらも目が覚めることがないことを指す。俺は時々それを見ることがあるが、時間がたつと何だったかを忘れてしまう。恐らく、そこまで大切な夢ではない、ということだろう。
そして俺は例のごとく覚醒夢を見ていた。
これは夢なのだ、とわかっているのだが、起き上がることも出来ずにただただ耳を傾けている。
いつの頃の話だったかな。
あぁ……そうか。あのときの…
段々とノイズが入るようになる。まだ続きがあるにも関わらず、聞き取れなくなってきた。俺はそのノイズが煩わしくなり、思わず大声で叫んだのだった。
「…………うるせぇぇぇ!!!」
「うわぁぁぁ!?」
エルナトにしては大声をあげて、飛び上がり、壁に頭をぶつけていた。原因は完全に俺にあるのだろうが、寝起きもあってか、ぼんやりとエルナトを見ていた。
「いたた……もう、急に大声出さないでよ。ビックリするじゃん」
「わ、悪い。つい……」
「こんなの心揺さぶられないよ……むしろ、マイナスだよ……こんな…こんなの嬉しくない……」
頭を抱えながら、ぶつぶつと言い始めた。エルナトは他人から受ける痛みは喜んで受け付けるが、自分から発生した痛みは嫌悪する傾向にある。原因は俺にあるとしても、驚いて頭を打ち、痛みを作ったのはエルナト自身、ということだろう。面倒な奴だな、と思うが、これがエルナトなのだから仕方がない。
「悪いかったって。んで、ブースター……だっけ? そいつはどうなったんだよ」
「彼女が起きてきたら、ジュンかメイちゃんが知らせに来るよ。………はあ……テンション下がるな」
「めんどくせぇな。お前」
「仕方ないじゃないか。僕の理念に反するんだよ。何が楽しくて自分で自分を痛め付けるのさ」
「他人から受けるのも自分自身のを受けるのも同じだろうが。どっちも同じ痛みだろ」
「違うね。全く違うよ」
俺にはその違いは一生わからないだろう。というか、わかりたくもない。わかったら最後、大変なことになるのは目に見えている。
そんなくだらない話をしていると、部屋の扉が開き、メイが飛び込んできた。ずいぶんと慌てているように見える。
『エルナト様、ブースターさんが目を………あ、イオ様!! ご無事で何よりです。申し訳ありません、私が不甲斐ないばかりに……』
「いや、大丈夫だ。俺が勝手になったことだから、お前が気に病むことはない。……で、どうした? 慌ててるみたいだけど」
『はい。目を覚ましたのはいいんですが、混乱しているのか、ちょっと記憶が混濁しているようなのです。今、ジュンくんがついてるんですが、彼も対処出来なくて……』
ジュンでも困っているなら、メイにもどうすることも出来ない。俺はエルナトの方を向くと、まだ落ち込んでいるようで、動こうとはしなかった。こうなったら意地でも動くことはないだろう。
あーもう、めんどくさい。
「メイ、この馬鹿はほっといて、行くぞ。あっち行ったら、ジュンをこっちに寄越すから」
『了解しました』
俺はチェストに置いてあった包帯を手に取ると、部屋を出た。マントまで持っていこうという考えはなく、足早にジュンとブースターのいる部屋を目指した。
俺はなぜか、嫌な予感がした。



~あとがき~
はい、また主人公さんが出てきませんでしたね。いやまあ、寝ている描写は出来たので、それで許してください。

次回、イオの予感の正体。……と主人公出したいよ!

メイの言う「同じこと」とイオ言う「あのときの」というのは同じ場面を指します。
詳しいことは本編で話すことあるのかな~? もしかしたら、ないかもしれません。簡単に話すことはあると思います。

作中で、エルナトがジュンにツンデレ、と言っていましたが、別にジュンはツンデレじゃないと思います。もし、ツンデレと表記するなら、10:0の割合で、ツンしかないと思う。そういう奴なんでね。
それでも、主のことは、ある程度好きだと思いますよ。そりゃ、自分の主人だもん。好きに決まってるよね! 多分な!

エルナトさんは、自分自身が引き起こした痛みは毛嫌いしています。他人からぶたれるのはいいみたいです。変な人ですね。まあ、自分自身で痛め付けるようになったら、もう末期だと思いますし……当たり前なのかもしれません。

ではでは!