satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 3ー2

~attention~
この物語はあれだよ……その…ゲームを元にしているから、そっちのイメージが崩れるかもだから、嫌な人はバックね! バック!
ポチャ「途中から面倒に思ったよね」
ピカ「………言い方、どうしよって…おもったんじゃない……?」
ポチャ「あぁ……ありそう」
やめろ! 言うんじゃない!
まあ、始めていくか……めげないもん。
ピカ、ポチャ
「……………」


~3‐2 目眩の先にあるもの~


しどろもどろなのがバレバレな挨拶をしている中、ポチャとアイスは売買の話でもしているのか、二人で話し込んでいた。私はどうしろと。
「ピカさん、こちらに来るのは初めてですか?」
「えっ……まあ、はい……」
「それなら、困ったことがあれば聞いてくださいね♪ それと、敬語は使わなくても大丈夫ですよ?」
ホットはにこり、と笑いながらそう言ってくれた。本人は敬語を使うようだが、それは店員だから、という理由があるからだろうか。
「……じゃあ、そうさせてもらうよ」
「はい♪ 改めてよろしくお願いします」
ホットと話していると、こちらの方に近付いてくる人影があった。二人いて、どちらも青色で丸い耳を持っていた。二人とも似たような姿をしているが、同じ種族、という訳ではないだろう。兄弟かそういう感じだろうか。
「アイスさん! ホットさん! こんにちはっ」
「リンゴを買いに来ました。お願いしてもいいですか?」
「おお! 了解。ちょっと待っててな」
「小さい方ががルリリちゃん、大きい方がマリル君です。二人は兄弟なんですが、母親が体調を崩しているらしく、こうやって二人で買い物をしたり、お手伝いをしたりしているんですよ」
アイスが店の奥に消え、ホットがあの兄弟達のことを説明してくれた。健気な二人だ。
しばらくすると、アイスが袋を抱え、戻ってきた。その袋をマリルに渡し、お金を払う。そして、兄弟はペコリと頭を下げたあと、その場からいなくなった。
「あんな子達もいるんだね」
「いい子達だからな。今じゃ貴重な人材だ~」
目線が完全に年寄りなのは突っ込まない方がいいのだろう。私達もそろそろ仕事をした方がいいかもしれない。そう思って、ポチャの方を向こうとしたら、慌てて、兄弟が走って戻って来た。何か買い忘れでもあったのだろうか。ルリリが慌てて、アイスの方を見た。
「アイスさん! リンゴ、一つ多いです。ボク達、こんなに買ってないですよ」
「ん……あー、それはおまけ。二人で食べな」
「本当ですか? ありがとうございます!」
マリルがにこりと笑い、お礼を言う。男の子だろうが、この笑顔は可愛い。ルリリも可愛いけど。
そんなことを思っていると、マリルルリリはまた来た道を戻っていく。しかし、ルリリが途中で転んでしまい、リンゴがコロコロと転がっていく。
「わわっ! 大丈夫?」
ポチャがルリリの方へ駆け寄り、体を起こしていた。となれば、必然的にリンゴの行方を探すのは私……か。といっても、真っ直ぐ転がっていったから、恐らく、こちらの方へあるはず。
「………あった」
さほど離れていないところにリンゴがあり、私はルリリの方までリンゴを持っていく。
「はい。どうぞ」
「ありがとうございます」
ルリリにリンゴを返す。そのとき、ゆらりと目の前が歪んだ。ゆらゆらと景色が揺れ、目眩か、と認識した直後に何かが聞こえた。
『……けて。助けて!』
「…………っ!?」
ハッと顔を上げ、辺りを見回す。今、確かに聞こえた。助けて、か。……誰の声だったんだ…いや、あの声は聴いたことがある。しかもついさっき。
「おーい、ルリリ! 大丈夫か!?」
「うん。ごめん、お兄ちゃん」
「……………君が…言ったの……?」
思わず出た言葉に、ルリリ自身には覚えがないのか、しっかり聞こえていなかったのか定かではないが、こくっと首をかしげていた。私の疑問が解消されないまま、兄弟はペコリと頭を下げ、どこかへ行ってしまった。
「なんかいいな~……あんな兄弟。さて、ぼくらも頑張らないとね!………ピカ? 聞いてる?」
「えっ……あ、うん……あのさ、ポチャ」
「うん? なあに?」
私はポチャに今の声のことについて話した。声の主についてはわかっているが、そこは伏せた状態で伝えることにした。なにせ、声を聞いたときはまだ、ルリリがいたのだ。まあ、これを伏せていても、聞こえていたとすれば、何かしらの反応を見せるだろうが。
「声? いや、ぼくには聞こえなかったけど……?」
「…………そう」
案の定の答えがポチャから返ってきた。
もう、私の聞き間違えってことでいいかな。そもそも、本人があそこにいたのに、助けてってなんだ。何をどう助けろと言うのだ。
「ピカ、どうかしたの?」
「ううん。別に」
「そう? それじゃあ、ギルド戻って、ビッパと合流しよ♪」
アイスとホットと別れ、私達はギルドに向かって、足を進めた。トレジャータウンの広場で、あの兄弟が見知らぬ人と話しているところを見かける。私にとっては、全員が見知らぬ人なのだが、少なくとも、これまでに見かけた人ではないことは確かである。
マリルルリリは何やら嬉しそうに話しているようだ。何かあったのだろうか。
「あれ……さっきの…マリルルリリ?」
「あっ……先程はどうも」
「いやいや。大したことはしてないよ。……二人とも、なんか嬉しそうだね」
「はい♪ 実は前に大切なものを落としちゃって、ずっと探していたんですが、スリープさんがどこかで見たことあるって」
マリルが嬉しそうにポチャに話した。落とし物が見つかりそうならば、喜んで当然だろう。
この黄色いの、スリープって言うのか。いや、私も黄色いけれど。なんかこのスリープ、胡散臭い……
「それで、一緒に探してくれるって」
「いえいえ。幼い子達が困っていたら、助けてあげたくてね」
何だろう。すっげー、怪しく聞こえてきた。私、意外と人間……いや、ポケモン不信なのか……?
「そっか~♪ それはよかったね。見つかることを祈ってるよ」
「ありがとうございます。では」
ペコリ、と頭を下げ、マリルは十字路の方へ歩いていく。マリルの後を追うようにルリリも去っていく。そして、協力的なスリープも二人の後ろを歩いていった。
そのまま去ってくれればありがたかったが、軽くスリープとぶつかってしまった。体格差も手伝って、スリープには大したことないものでも、私にはそれなりの衝撃が襲った。
「いてっ……」
「おっと……これは失礼」
これはかなりのものを彼から頂いた気がする……というのは、大袈裟であるが、痛いものは痛い。
「あんな優しい人もまだいるんだな~……今じゃ、珍しいくらいだよ」
「……ポチャのお人好しも大概だと思うけど」
「えぇ!? そんなことない……と思うけどな」
「全くの初対面の私と探検隊組んでるのに、よく言えるよ」
「うっ………」
ポチャを黙らせたところで、私はポチャより一歩前に出ようと、足を出そうとした。出そうと、ということは、つまり、結果的には出せなかったことになるのだが……その理由は、ルリリのときと同じものが襲ったからだ。
今度のは声だけでなく、頭の中に映像も浮かんできた。
どこかの岩山だろうか。ルリリとスリープが向き合っていた。あまり、穏便な雰囲気ではないらしい。
『言うことを聞かないと、痛い目に遭わせるぞ!』
『………たっ…助けて!』
「………っ! 今のは…」
最初に聞いた声の続き……というか、詳しい内容だろうか。あのスリープ、ルリリに何かしようとしたということだろうか。ショタコンか。そういうことか。
何とかしなきゃ……な。



~あとがき~
時空の叫び発動しましたね~
さてさて、このあとどうするんでしょうねー?

次回、いざ、ダンジョンへ!

特に言うことはない……
ま、ちょっと駆け足かなと思ってしまう今日この頃。
もう少し細かく描写したいのですが、なかなか言葉が浮かばないんですよね(笑)

あ、私の中でルリリは男の子なんですよね。マリルはお兄ちゃんって言われてるから、男の子なのは確実なんだけど……まあ、ルリリもボクって言ってるし、間違いではないだろう。
僕っ娘って選択肢もあるが、それは流石にあり得ないと思ってます←

ではではー!