satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

黄金の欠片

今回も注意! 過激表現があるよ!(ゝω・´★)
ピカ「ねえ。ウインク、ウザいんだけど」
フォース「やってもいいぞ。ラル」
ピカ「おう。やるわ」
えぇぇ!? あ…表現に注意してくださいね!!
ピカ「“十万ボルト”! くたばれ、作者!」
ぎゃあぁぁぁぁぁ!!!


二人のことを探すため、また崖の方へと目指して歩いていた。おれの方はなぜだか、敵を前へと追いやっていたのか、崖のあるところから離れたところにいた。もう何人倒したのか把握していないが、数えるのも面倒なので、いっぱい、ということにしておこう。
「………? なんか滅茶苦茶敵が群がっているような…?」
見つかると厄介かもしれない。そう思って、素早く木の影に隠れながら、近付いていく。幸い、誰も気付いていないらしく、容易に近付くことが出来た。
「何してんだ。ピカ達は動かないでここで戦っているのか?」
おれは押しまくったのに……? それが出来ない理由でもあるのだろうか。どんな理由だよ。
敵達に混じって前に出てみてもいいが、間違って斬られるのは困る。それに敵に気付かれて、また囲まれるのも嫌だ。となれば、方法は一つだけ。木に登ってみるしかない。
なるべく音をたてないよう、木に登り、そこから顔を出す。そこから見える風景は驚きを隠せないものだった。
「………あんなにいたのか、敵」
ラルとペンギンは二人とも同じ場所にいて、応戦していた。武器も飛び交う中で、二人のコンビネーションは流石と言えるほど、綺麗だった。……見惚れるほどなのだが、それ以上に敵の数が多すぎた。
最初に三十、次にその倍。少なく見ても六十、七十ほど。その半分を請け負ったとしても、あそには四十そこらほどでなくてはならない。……多くても、五十、六十ほどだろうか。それなのに、あそこには百と思えるほどの人だかりが出来ている。場所さえよければ、あんな数、二人の敵ではないだろう。しかし、あそこは後ろに回避出来るほどの空間はない。地面がないのだから、避けようにも避けられないのだ。そんな状況で、どちらが有利か、と言えば、明白。敵の方だ。数にしたって、戦闘場にしたって、全てが不利だ。
「待てよ……おれだけなんで、押せたんだ?」
そう。おれだけが別行動出来た。そこがおかしいのだ。仕留めたいのなら、おれをあそこに残す必要があったのではないか。それなのに、おれだけ……離された。この場合、力の優劣を理由にするのはおかしい。おれだけが突出している、なんて理由で納得出来るはずがない。
そこで、目のことを二度も言われたことを思い出した。一人は狂っていたから、あてになるか怪しいところであるが、そこまで言われるようなことでもない。そもそも、敵の奴らが目のことを気にするだろうか。制御者も継承者もほとんど知れ渡っていないのに、だ。どちらかといえば、忌み嫌われるものだ。今までがそうだったように。
「もしかして……狙われたのはおれ、だけ?」
最初にあった奴も売れば金になる、と言っていた。実際、金になるか微妙なところではあるが、足しにはなるかもしれない。薬を買うため、金が欲しかったのではないだろうか。ここに来た人達……おれは負けて手に負えない、というものを想像していたのだが、その考え自体が間違っていたとしたら? すると、もしかして……
「なあ、おれ達の前に来た人達って……どうなったんだ?」
がさっと揺れ、おれの質問に答える。

『ツカマッテ、ドコカヘイッチャッタ』
『トキドキ、イチブヲトラレチャウコモイタ』
『ヒツヨウナイコハ、コロサレテタ』

おれは……とんでもない間違いをしていたんだ。
これはただの依頼じゃない。
れっきとした、裏の仕事。暗殺の部類の仕事だ。
探検隊のラル達は不要。関係のない……名もないところにいるおれは…必要な人材? ラル達のことを殺そうとしているのか? 捕まえても、有名な探検隊の二人は顔が知れているし、色々なところにパイプもある。それを知っていて、不要だと判断したのだろう。
「馬鹿の集まりじゃない。……誘導のことといい、このことといい……どっかにリーダーがいるな…」
「………なんだ。そこまで気付かれちまったのか。そいつは残念だ」
「!? お前がリーダーか……!」
ニヤリと笑うそいつ…ボーマンダは、大きな翼をはためかせ、どこか異常性の見られる不気味な笑顔を浮かべていた。恐らくだが、こいつも別の意味で中毒者だろう。
イーブイなんて珍しいし……それにその紅い目…男なのがちと欠点だが、いい女の相手が見つかりそうだしなぁ……まあ、二足歩行だし、その強さがあれば男相手にも売れるだろうがな」
「やだよ。売られてたまるか。それに、あいつらのこと、知らないの?」
「知っているぜ? 探検隊、スカイ。リーダーの雷獣、サブリーダーの大海、だろう? あの二人もなかなかなんだぜ。特に雷獣ときたら……ま、顔が割れているから、売れん」
おれの考え通り。こいつらは殺しても問題ない連中、ということだ。
情報が流れていないところを見ると、まだここに来て日が浅いのだろう。それと、証拠を残さぬように行動しているというのもあるかもしれない。
しかし、どんなことがあろうと、ここで終わりにすればいい。
「知っているのに挑むとか聞いたことないけどな。馬鹿なの?」
「ふん。我々を殺すことは出来まい。あの二人を見ていればわかる。それなら、勝機はあるからな」
またニヤリと薄気味悪く笑った。
それなら、教えてやればいい。
「“チェーン”」
「その妙な技も価値がありそうだなぁ……“ドラゴンクロー”!!」
ボーマンダの前足が光り、おれめがけて、飛んできた。鎖で防ぐことも考えたが、吹き飛ばされて、木から落ちたらとても戦える状態ではなくなってしまうかもしれない。そう思い、おれは真上に飛んで避けた。そして、持っていた鎖をボーマンダの首に巻き付け、ボーマンダの背に乗る。
「チッ………降りろ、ガキ!」
「悪いがおれは年上だ、小僧」
ぐいっと鎖を引っ張り、ボーマンダの首を絞める。流石に首の骨を折ろうとは思っていないが、最悪折れても問題はない。
「ぐっ…………がっ…!」
苦しそうに暴れながら空を飛ぶ。これでラル達が気付けばいいのだが……
「………っ! フォース君!?」
「リーダー!」
ラルの声と敵の声が重なった。どうやら、気付いてくれたようだ。
「ラ………ピカ! こいつら、色々ヤバイことしてる! 人も殺しているし、人身売買にも手を出している!」
おれの言葉を聞き、ニッと笑う。ずっと手加減しっぱなしだったラルのスイッチが入ったようだ。
「…………了解した。ポチャ、切り替えるよ!」
「OK。任せて」
ペンギンがいつも見せないような不敵な笑みを見せ、両手に剣を出現させた。
「この人数なら、一発で殺れる。ピカ、少し時間稼いでくれる?」
「はいよ。……唸れ、雷姫!」
先程見た電撃の波と比べ物にならないほど、強く痺れる電撃の大波が敵を襲った。これでも命を絶つのにはまだ足りない。けれど、これはラルが放った牽制に過ぎない。ペンギンを…パートナーの技を引き立てるためだけの攻撃だ。バチン、と電気の火花が散り、それが引いてきた頃にはもう遅い。
「…………スイ、セツ」
ペンギンが静かに…しかし、はっきりと愛剣達の名を呼び、それと同時に終わりを告げる。二人の周りは氷の剣に囲まれ、そこには先程までラル達を囲んでいた敵達が無惨な姿になっていた。おれが締め上げている奴以外に、誰一人として残っていないことは明白だった。
「いやー♪ やっぱ、こうでなくっちゃね♪ ありがとう、ポチャ」
「うん。けど、まだ終わってないよ。あのボーマンダを何とかしないと……」
「そのまま首、絞め上げてもいいけど……フォース君、落ちちゃうよね? おーい! どーするのー?」
……………あっ。考えなかった。
崖から落ちるなら何とかなるが、この飛んだ状態から真っ逆さま………嫌だ! 絶対に!
「うわぁぁ!? どうすんの、これ!?」
「あ!? 考えないの? バッカじゃないの!?」
「フォース、とりあえず、鎖伝いでこっちに降りてきたら!? それなら出来るだろう?」
あ………それなら…何とか……しかし、大人しくそれをさせて貰えるだろうか。
案の定、と言うべきか、ボーマンダは更に激しく空を飛び始めた。首を絞め上げれば、大人しくなるだろうが、それは同時に落ちますよって合図だし……それならいっそ、ラルの方に飛んで…………いやいやいや、無理無理! 死ぬ! いや、物理的に死ぬじゃなくて、精神的にだな…
「なあぁぁ!! 誰か助けてぇぇぇ!!」
つか、いっそ、殺して! 死んだ方がいい。落ちて死ぬなら、斬り殺される方がいい!
おれがぶんぶん振り回されている中、下ではラルとペンギンによる、ゆるーい作戦会議をしていた。
「“かみなり”落としたら、大人しくなるかなぁ……」
「いや、それだとフォースが……」
「なんであいつは飛べるやつを制御したことないんだよ……使えないな。あーもー……兄貴いれば、どうにかなるのにー」
「いない人のこと言っても仕方ないよ……うーん、どうしようか」
もう無理かもしれない。
「っていうか、お前、諦めるって言葉を知らないのか? ほんと今、死にそうなんだけど……」
「それならいっそ、道連れにし…………ぐふっ!?」
おれは落ちても死なないんだし、いっそ、こいつと共に落ちてやろうか……うん、それがいいかもしれない。
「フォース! 変な気を起こさないでよ!? ネガティブ発言、駄目だから!!」
ペンギンが必死に呼び掛ける。しかし、おれが地上に降りられたとして、こいつが大人しく捕まっていられるだろうか。恐らく、おれが降りた途端に逃げ出すだろう。それだけは絶対に駄目だ。
「このままじゃ、埒空かないから、こいつ仕留めるわ! ボーマンダの回収、よろしくな」
「いやいや! それは駄目だろ! ごめん、私が悪かったから、そういうのいらない!」
流石のラルも慌てて止めに入る。ペンギンも横で首を縦に振っていた。
ごめん。でももう決めたんだ。死ぬことはないから、最悪、すぅの中に強制的に戻されるだろう。
「おら、いっそのこと、道連れコースなんだろ? 付き合ってやるよ、悪党さん………っ!」
ぐいっと力一杯引っ張り、ボーマンダの息を止める。最初に見せた暴れっぷりよりも遥かに激しく暴れたが、それもすぐに止まった。ボーマンダが息絶えたことにより、飛ぶ力もなくなり、重力によって、下へと引っ張られた。



~あとがき~
はあ……やっと落とせた…崖からは落とさないって言ったけど、これを想像した人はいないでしょうね! ね!

次回、落ちたフォース君、どうなるのか!? みたいな?

今回はいつもより長いかな……? 
ごめんなさいね、ここで終わりにしたくてねー
文字数は確認していませんが、とりあえず2700越えは確認済みです。そこから更に足しているので、余裕で3000越えですかね。

本編で一度やっている、ポチャの氷の剣。ここでまた登場しましたねー
そこまで描写していませんが……ま、凄いことになっていることでしょう。そして、今回はピカは特に手を出していません。手伝いはしているけど。

ではではー!