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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

黄金の欠片

ポケダン 番外編

ピカはフォースの落ちた方向に目をやりながら、肩をすくめた。まさか本当になるなどという考えは全くなかったのだ。
「わぁ…………本当にやった。まあ、その度胸は凄いけど。尊敬しますよ、フォース先輩。マジパネェっすわ」
「ピカのそのキャラはどんな設定!? というか、感心している場合じゃないよね!? 何とかしなくちゃ…」
「まあまあ、そう慌てなさんな。こっちはこっちで出来ることしよう」
「ピカ、なんで!」
慌てるポチャの手を掴み、自分の方へ引き戻した。それが不服だったのか、ポチャは不満そうにピカを見た。助けに行きたいポチャの気持ちも分からなくはないのだが、今、すべきことはそちらではない。
「フォース君は死なないんだから、最悪放っておいても大丈夫よ。けれど、こっちはそうもいかない。優先順位を考えて」
「で…でも……!」
「このままこの場を放っておく方が馬鹿だろ。他の人に見られたら、失神ものだっつーの」
「う………それはそうだけど」
「わかったなら、まずは落ち着け。んで、ここを元に戻すことに専念する。そのあと、フォース君を探しに行くわ。………OK?」
「………わかった」
しぶしぶうなずくポチャを見て、ピカもうなずいた。そして、この場をポチャに任し、フォースがいたとされる場所へと歩いていった。
フォースによって倒された敵達をバッジで転送しつつ、残党がいないか探していく。何人も道に倒れているところを見ると、フォースは森の中まで押しながら優勢に立っていたことが見てとれた。
「流石だよ、フォース君は」
『これくらい出来ずに制御者など務まるものか』
「ん~……そうなんだろうけど。私が言ってんのはそういう意味ではなくて………?」
何かの気配を感じ、辺りを見回す。しかし、いくら目を凝らしてもそこに敵の存在は確認することは出来なかった。ピカはまだ敵がいる可能性を危惧していない訳ではなかったが、あそこまで派手に殺り合ったのだから、残りは怯えてどこかへ身を潜めている可能性が高いと思っていた。あの大人数で立ち向かったにも関わらず、たった三人で返り討ちにされたのだから。
しかし、そんな一つの仮説を信じきる程、ピカも単調ではなかった。複雑に絡み合う思考の中で彼女は笑みを浮かべる。
「…………なーんて、希望論なんて、たらたら述べても仕方ないよな。それはあくまで希望に過ぎないんだ。そうだよね、残党さん? ボスは死んじゃったよ。それでもまだ抗うの? 暇なんだね。それともなあに? 私と戦うの?」
かさっと小さく揺れる草むらに向かって話しかけるも、姿を見せなかった。そう簡単に姿を見せるものか、という彼らなりの抵抗なのかもしれない。
「そっちから仕掛けないんなら、私からやるよ? 言ったからね」
愛刀である雷姫を出現させ、にやりと笑う。雷姫はまた面倒なスイッチが入ったな、と感じざるを得なかった。
『マスター、我は面倒なことはごめんだぞ』
「大丈夫大丈夫。私だって面倒なことはごめんだから。………にひひ♪ そだ。アレ、やろう」
『別に構わんが……そこまでしなくとも…』
「こっちの方が手っ取り早い! 雷姫!」
雷姫はわざと聞こえるように大きな溜め息をつくが、ピカがそんなことで考えを変えるはずもなく、黙って従うしかない。いつだって、主人であるピカに本当の意味で逆らったことはないのだから。
「よーっと! ではでは参りまーす……“大地雷光”!!」
雷姫を地面に刺し、地面伝いに電流を流す。そして周りにいる敵達を一斉に倒してしまおうという考えだ。どれくらいの範囲になるのかはピカが流した電流の量にもよるが、基本的に原理は雷が落ちたときと似ているため、対象に届くまでとなっている。
少しすると、叫び声が所々で上がり、他に敵が残っていたことを証明した。
「やっぱいたか。いやはや、楽でいいね~♪ まあ、突っ込んできてくれてもよかったんだよ? そっちの方が楽しいじゃない。敵のやられ顔見れるしぃ~♪」
『マスターの発言がどうにも悪役に聞こえるのだが』
「え? そお? 普通だよ」
『マスターのそれが普通であれば、広まらんことを願うのみじゃな』
「んー? 皆、いい顔してるのに?」
『頼むから、そういうことを世間様に広めるでないぞ』
「? よく分かんないけど、分かったよ。さて……一応、気配は消えたね。全員やっつけられたかな」
皮肉のこもった笑みは消え、いつも通りの表情に戻ったピカを見て、とりあえずほっと息をつく、雷姫。
「どーした、雷姫。私、今回はそこまで乱暴に扱ってないけど……なんか悪いことした?」
『いや……我はマスターの世間体を心配しとるだけだ。……手遅れのようなきもするがの』
「世間体? 心配? 大丈夫だよ。こんなの仕事以外で言わないから。ついでに周りには猫被ってるから大丈夫です」
『それはそれで……いかがなものか…』
雷姫の心配はよそに、ピカは新たに倒した敵の転送をするために声のした方へと歩いていった。

ピカとポチャが合流したのはしばらくたったあとだった。ダンジョンの中にいるためか、時間経過がはっきりしないものの、恐らく一時間以上はたっているだろう、と思った。
「ほ~……意外と綺麗になるものね」
「まあ……血も水には変わりないし」
ポチャがどんな風に掃除をしたのか詳しく聞きたいと思うが、それはまた優先順位が違ってきてしまう。それは基地に帰ったあとでもいいだろう、と割りきり、再度フォースが落ちたであろう方角に目をやる。
「さてさて……こっからどーすっかねぇ」
「フォースがバッジ持っていればよかったね。渡してないでしょ?」
「そうなんだよね……仕方ない。面倒だけど、フォース君の気配辿ろうか。……フォース君のなんか持ってれば視れたかもだけど、正直、しんどいからやりたくねぇし……」
「無理強いはしないよ。でさ、ピカ? これ、どうやって降りるの?」
「…………飛び降りちゃう?」
「そのときは死ぬよ」
「一思いに逝けるかしら」
「無理じゃない? って、ピカは自殺しに来たの?」
「そのときが来たらすぱっと出来たらと」
「え、ピカ、病んでるの? それともやらせようとしてるの? どっち」
「なんで私が死ななきゃいけないのよ。悪い奴らにやらせる!」
目を輝かせ、意気揚々と話している内容はあまりにも残酷なものである。少なくとも可愛らしい顔をした女の子が話すことではないと思う反面、話が脱線してきたな、と感じつつも修正する機会もなく、ポチャはピカにツッコミをいれる。
「結構無惨なものを見ることになりそうだね……斬った方がまだ幸せに死ねると思うよ…」
「うーん。落ちるときってどんな気持ちかな……」
「ピカ、落ちたことあるじゃん。それと同じだよ」
「え~……呆然と死ぬんだな~としか思ってなかったけど? なんだよ、つまんねぇな……」
「ごめん、ピカが特殊なんだよ、それ……普通なら叫ぶと思うよ? 恐怖のあまりに泣き出すかもだし」
「おぉ……それは面白そうだ。今度試そーっと!」
ポチャは言ってはいけないことを言ってしまったと罪悪感を感じるものの、その対象は流石のピカでもわきまえるだろうと無理矢理納得した。……そうでなくては、困るのはこちらであることは、ピカにも理解出来ているはずだ。
「で? ここから降りる方法、思い付いた?」
「うん。やっぱ、原始的な方法しかないかなって」
にこっと笑う彼女の笑みに寒気を感じたのは、これから行うことを悟ってしまったからだろうか。
「えへへ~♪ きっと楽しいと思うよっ!」
「…………………そ、そうだね…」
無邪気なピカの笑顔に反論することも出来ず(基本、ピカに反論しても聞いてはくれないが)、なるべくこのあとに影響しない程度のものに収まって欲しいと願うばかりである。



~あとがき~
よし、フォースの方に戻ります。
あと少しで終われればと思う……

次回、ちょっぴりSっ気混じるフォース君降臨←

え、すでに降臨なさっている?
いや、知らねぇ((

ピカが出したオリ技、大地雷光。まあ、小説内でも説明しましたがあんな感じです。地面使って電気を当てる技。空飛んでる人には意味ないので、主に不意打ち技ですかね~? で、疑問に思う人もいるかもですが、周りの障害物には影響ないのか、ということ。森の中での戦闘で、木々が避雷針の役割を果たしそうだなと思われたかもしれません。が、オリ技と言えど、技なので、基本的にはポケモンにしか当たりません。ポケモンを狙ってるし。
ついでに言うと、コントロールしていたのは、雷姫のお婆様なので、彼女次第というところもある(笑)

ピカの笑顔を見て反論できないポチャ君。
もう一度言うか。ピカの笑顔を見て反論できないポチャ君。何が言いたいかわかってくれますね!!
まあ、そういうやつなんでね、あの奥手ペンギンは。
本編見てくれた方はピカの恋愛観を知ってくれていると思いますが、押せないポチャ君に勝ち目はないのだ。
あ、ちゃんと反論すべきところでは反論して無理矢理にでもやめさせる強さはあるので大丈夫ですよ!
それをプライベートに持ってこれないポチャは不器用さんです(笑)

ではでは!