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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第111話

~前回までのあらすじ~
バトルしてます! 私の嫌いなバトル描写! ヤバい! 辛い!
フォース「嫌いって言ってるから、そこまで続かないと思う」
ピカ「さっさと終わらせて、さっさと感動シーンに移ろう」
フォース「感動シーンなんてあったか?」
ピカ「他人を感動させられるかは分かんないけど、あるらしいよ」
フォース「ほお……?」
早く終わらせてだらだらするぞぉぉ!!
ピカ、フォース
「だらだらは駄目だ」


フォースの台詞を聞き、ラウラは驚いた様に目を見開く。そして、どこか嬉しそうに笑った。
「まさか君からそんな言葉を聞く日がくるなんてね。……ちょっと嬉しいよ」
「うるせぇ! なんで親みたいなこと言ってんだよ! こっちが恥ずかしくなってきただろ」
「あはっ♪ 僕に限った話じゃないけど、皆、フォースくんのことを心配してたんだよ?」
「…………心配?」
「紅の制御。紅の力……フォースくんは本来、赤の制御者なのにね。実際、自分の物にしてなかったし」
「悪かったな。出来てなくて」
「でも、今は違うよね。その目を見ればわかるよ」
片目にしか現れてなかった紅色が今は両目に出ている。このことを指していることは明白だった。フォースは軽く左目を覆い何か思案するような表情を浮かべたが、すぐに目から手を離すと剣を構え直した。
「終わりにしてやるよ。時間がないんだろ」
「なんだ気づいてたの」
「いくら制御者と言えど、他人の闇までは操れない。自身に取り込んで抑え込むくらいだろうが、それでも主の侵食は進む」
「今でも結構ギリギリなんだよね。自我を保っているのが不思議なくらいだったりして」
「ラウラ……なんでそこまで…」
フォースがそう言いかけたところで、ラウラが素早く自分の攻撃範囲まで近づいてきた。そしてフォースが持っていた剣を弾き、その勢いのまま槍を回し、フォースを吹き飛ばした。
「分かりきってることを聞かないでよ? 僕は主を助けたいだけ。自分がどうなろうとどうだっていい」
「けほっけほっ……違う………そうじゃねぇ…」
腹を押さえながら、ゆらりと立ち上がる。
「そんなギリギリな状態なのに、なぜおれと会話を交わす。なぜ戦う」
「最初に言ったじゃん。戦ってもバチは当たらないって」
「…………何かあるんじゃないか?」
「…………ないよ。別に」
フォースは何かを答えるでもなく、黙って弾かれた剣を消した。ラウラは再び手元に剣を出すのかと考えたが、フォースは剣を出すことはしなかった。
「……“ランス”」
フォースの告げた武器の名はフォースが嫌っていた中距離型…槍だった。それを見たラウラは呆れたように大きなため息をつく。
「フォースくん、馬鹿にしてるの? 流石に怒るよ」
「出来ないと思うか? なら試してみる?」
ラウラはフォースが槍を扱えないことは知っていた。素人もいいところだと馬鹿に出来る程の腕だということも。
「いいよ。分かった。君がやる気ないってことが」
「剣じゃお前に届かない。かといって、鎖で縛って斬るのも卑怯だろ。……それにこうした方が見たいもん、見せられると思ってな」
「………何の話?」
「やってみれば分かるよ」
くるくると軽く回し、今度は槍の構えを見せる。そしてすぐにラウラ目掛けて走り出した。
「………!? なんっ…」
ラウラが驚くのも無理もない。素人以下だと認識していたフォースの腕が格段に上がっていたからである。普段なら余計な力が入り、槍が手からすり抜けるようなものなのに、そんな様子はどこにもなかった。槍を得意とするラウラですら、防戦一方になってしまっていた。
「どうしてっ……!」
「そんな驚いた顔すんなよ。せっかくおれが苦手なもの克服したって目の前で実践してるんだから」
フォースは余裕の表情でラウラに攻めていく。元々の力の強さはフォースの方が上なのだ。例えフォースが今まで触ることを扱うことを拒んでいた武器でさえ、軽々と扱ってしまうくらい、フォースの力は完全に開花していた。
「今までのは本気じゃなかったってこと!?」
「最初に言ったろ! 本気になんてならねぇってな!」
「つくづく嫉妬しちゃうね。その力に!」
ラウラが力任せにフォースの持つ槍を弾いた。続けてフォースの懐に飛び込むべく、素早く地面を蹴る。そして、彼の急所を狙い、次の攻撃の体勢に入るところまで考えたが、フォースはまだ笑ったままだ。
「ははっ! お前、必死だな」
隙をつかれたはずなのに、フォースは焦る素振りを見せることはなかった。至って冷静にかつ、余裕の態度。
「感情は邪魔でしかねぇ。皆そうだ。……無意識に力を抑制する………周りの状況が見えなくなる。おれも例外じゃないし、ラウラ、お前もそうだ」
「…………! しまっ…」
ラウラが気付いたときにはもう遅かった。ラウラに弾かれた槍は宙を舞い、フォースの力によって姿を無数の矢に変えて、空で攻撃体勢を整えていた。避けようにも走り出した足を止めることは出来ないし、攻撃を止めることも出来なかった。せめて、フォースも巻き添えにしてしまおうと考えるが、その手をフォースが読まないはずがなかった。
ラウラから距離を取るため、後ろに飛び退く彼の手には新たな武器が生成されていた。仮に自分のところに降り注いでも防ぐ準備は出来ているようだ。
「お前に避けられるなら、避けてみろ。………降り注げ! “五月雨”!」
フォースのその合図と共に、宙に浮いていた無数の矢は雨のように降り注いだ。かなりの広範囲でもしかすると、ピカの方にも流れ弾が行っているかもしれない、とフォースは考えたが、落としたものを途中で止めることはしなかった。ピカならば、防ぐことが出来るだろう、と思ったからである。
「これで終わりだな……」
「…………っ!」
ようやく足を止め、フォースに対する攻撃も中断出来たラウラだったが、そこから射程外に逃げることは出来なかった。槍を構え直し、防御することに意識を向ける。
「…………っあぁぁぁ!!」
気合いを入れるかのように雄叫びを上げると、槍を回し始めた。

遠くから観戦していたピカ達の方に、フォースが予想した通り流れ弾のように天から落ちてきていた。武器を持たないミラに防ぐ手はなく、まるで他人事のように空を見上げたまま動かなかった。
「フォース君、容赦ねぇ! つか、あの槍でどうしてこんなに大量の矢が出来るんだよ! 力のバランス無視か。計算おかしいでしょ!! 何なの? 怖いんだけど!」
「うわぁぁ……これ、当たると死んじゃうよね…」
「当たってみなきゃわかんないけど、やらない方が身のためだよ。……って、呑気に言ってる場合か!?………雷姫!」
ピカが珍しく連続で突っ込みを入れると、雷姫を呼び出した。
『むう……これは派手にやらかしておるの。気分でも高揚しておるのか?』
「お前も呑気だな!? 身の危険感じてるの、こっちは! 私のことを守れ!」
『ふむ。言われなくてもそうしてやる』
ピカは上に雷姫を向け、神経を集中させる。全てを相殺させることはしなくてもいい。自分の周りだけを安全にすればいいのだ。
「威力抑えろよ、雷姫。あなたも私の側離れないでよね」
「は、はい……!」
『行くぞ、マスター』
「OK。………貫け! “雷鳥”!」
空に向かって刀を一文字に振ると、そこから電気が発生し、一つ一つの意思を持った小さな鳥のように天に向かう。そしてフォースが放った矢と小さな電気の鳥はぶつかり、相殺されていく。ピカとミラの周りには、きらきらと雪でも降るように砕けた矢と散々になった電気が降り注ぐ。
「………綺麗」
体に当たってもダメージにならない程、文字通り相殺された二つの力は、場違いにも幻想的な光景を生み出していた。それを作り出した一人は息を止めていたかのか大きく息を吐き出した。
「……………っはあぁぁ……しんどい…!」
ザクッと地面に雷姫を突き刺し、肩で息をするピカに雷姫は冷めたように、そうだろうな、と返した。
「はぁ………精神統一したかったんですけど…」
『急だったからな』
「下手したら間に合わなかったぞ?」
『そうだな』
「……………あいつ、私を殺す気かぁぁぁ!?」
『マスター。叫ぶな。そこまでの大技とは言えんが、準備もなしに大量の電気を放出したのだ。体に障る』
「あぁぁぁ………疲れた。しんどい。もう死んでもいい…」
『言っていることがおかしくなってきているぞ、マスター』
通常の技とは比べ物にならない程の電気放出はピカにとって、負担でしかない。貯めすぎるのもよくはないが、なさすぎるのもよくないのである。
「もう一回は無理……やめてください。死んじゃう……」
「あ、あの……その、ごめんなさい。私、何も出来なくて…」
ピカの様子を見て、申し訳なくなったのか、ミラが心配そうに見てきた。ピカはどう返答するか一瞬迷ったが、無難に答えることにした。
「いや……いい。問題ない………問題なのはあっちでしょ…」
「………! ラウラさん!」
ミラがラウラの方を見る中、ピカは息を整えつつ、フォースに目をやる。フォースは涼しい顔して、矢を弾くことに専念しているらしかった。手に持っているのは、剣。しかも二つ。
双剣……二刀流か…もう何でもありだな、あの人。この戦いの中で色々見せられてるよ……」
『今までは中距離武器全般、苦手分野であったのだがな。完全に力を取り戻したせいで苦手がなくなったのだ。つまらぬ』
「ウィルさんがいなくなったから、か」
皮肉な話だ、と同時に思う。一番見せたい相手だったに違いないのに、と。
しばらくして降り注いでいた矢の雨が止むと、フォースは持っていた剣一つを消した。フォースの視線の先には辛うじて立つ、ラウラの姿。
ピカは決着の時だ、と悟った。



~あとがき~
いやー……頑張ったんじゃない!? 私、頑張ったよね! 描写!
今回、ちょっと長めです。4000字ちょっとですかね。確か。でもまあ、そこまで気にならないかと思いますがね(^∀^;)

次回、遂に決着!
もう勝負ついてただろとか言わないで(泣)

この章の始めの方、フォースは槍をまともに扱えない描写があったと思います。それと比べてね。
書いてて思いましたが、フォース、アホみたいに強いですな。あれで本気じゃないって言うんだぜ……?化けもんかよ((( ;゚Д゚)))

強いと言えば、ピカもそうですね。流れ弾の矢の雨を相殺しましたから。本人はしんどいって言ってますけどね。つーか、フォースわざとだろ←
ピカの放った雷鳥はそのままの意味です。大量の電気を放ち、それを個々で分けて標的に当てる技です。ポチャの氷水撃と似たようなもんよ。あれ、氷水撃とか作中に出したっけ? まあ、いいや。それで分かる人は分かるでしょう。
もっと言うと、今回フォースの放った五月雨の電気版だと思ってください。それの方が簡単ですね。

はよ終わらせて日常編書きたい! 頑張る!

では、次回もお楽しみに!