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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第112話

ポケダン 空と海

~前回までのあらすじ~
遂にフォースが仕掛けて決着つきそう! ってところまできました。
ピカ「今回で終わればいいけどね~」
何言ってますの! フォースの戦い終わってもこの章はまだまだ続くんよ!?
ピカ「はあ? なんでよ」
だってさ、鈴流の話も終わってないし、ウィルの話も終わってないし、何より大切な二人の恋路が分からないままじゃないですか。やだ!
ピカ「何言ってるのか理解出来ません」
それはー……まあ、読んでくれれば分かるっしょ。
フォース「予想出来る人には出来るだろ、それ」
ピカ「マジでか! それアカンやん!」
まあまあ、始めていきますよー!


全ての矢が落ちきった後、フォースはピカの方を見た。大丈夫だろうと思っていても、仮に何かあったら大変だと思ったからだ。しかし、フォースのそんな考えは露知らず、ピカは近くに落ちてきていた矢を全て落としきったようだ。地面に刺さっている雷姫と何か会話を交わしているらしい。
「流石ラル。……あーでも、文句言われそうだな」
苦笑を浮かべつつ、両方に持っていた剣を一つ消すと、ラウラの方に視線を移した。彼女も何とか耐え抜いたようだ。しかし、ピカとは違い、全てを防ぐことは出来なかったらしく、かなりのダメージを負っていた。それでも耐え抜いたという事実だけでフォースは少し驚いた。
「………へえ。凄いじゃん」
「げほっ……やってくれるね………」
「その様子だともう続けられねぇな。おれの勝ち」
フォースがそう宣言すると、ギリギリのところで立っていたラウラはその場に倒れこんだ。倒れたラウラの側まで近付くと目線を下げることなく、真っ直ぐ前を見た。
「…はあ………余裕だね、君は……」
「おれが仕掛けたことだ。出来ないことはしないよ。あれでも数は抑えてあるけどな」
「ははっ……何それ。嫌味……?」
「そう聞こえるか?」
「まあね………ねえ、フォース。とどめ指してよ。これが目的だったんだし……さ」
フォースはラウラのその言葉に答えることが出来なかった。分かっていたはずなのに、分かった、と答えることが出来なかったのだ。
「……どうして戦ったのかって聞いたね、フォースくん」
「………あぁ」
「答えは単純だよ。君に勝ってみたかったから。ま、フォースくんのすぐ下のエルですら一度も勝てないんだから、僕なんかが勝てるわけないんだけど。それでも、一回くらい君の本気、出させてみたいじゃん?」
「下位のお前らに負けたらマスターに何されるか分かったもんじゃないからな。……本気にはならないけど」
「そうだね。……結局、君の得意分野は引き出せなかったし……最後のも…本気じゃないしね……」
まあな、と短く返す。
この会話ももう終わる。自分の手で仲間を消す。そんな感覚、最後に味わったのはいつだったのか、フォースは記憶の引き出しを持ち出すが、探すことはしなかった。その頃の自分は恐らく、何も考えていないだろう、と思ったからだ。今とはまた感覚が違う頃の記憶など参考にもならない。
「ラウラ、最期に言い残すことはあるか」
「ん? あぁ……そうだね。それじゃあ、謝っといてよ。マスター達にも、君のお友達にも。ミラと夜にもね」
「そんなの自分でやれよ。おれが謝っても意味ないだろ」
「そうしたいけど、時間ないし。……フォースくんが言い残すことはって言うから」
「あー……そいや、そうだわ」
「……あ、あと一つ」
「なんだ。謝らねぇぞ」
「そうじゃなくって……さっきは関わるなとか言ったけどさ…」
ラウラが言っていることは戦いの中での会話のことだろう。軽く深呼吸をしたラウラが続けた。
「僕は…いいと思ってるんだよね。そりゃまあ、制御者としてはいけない考えなのは理解している……それでも、僕は……夜もミラも好きなんだ……二人が幸せになってくれる未来がどれだけ素敵なんだろって…」
「そうだな。おれもそう思うよ。あの人は許してくれない考えでもそれは、お前の…ラウラの意志だよ。誰にも変えることの出来ないラウラだけのものだ。それに、ラウラが守った二人はお前を忘れることはないよ。……あそこにいるピカチュウが言ってた。死んでも自分のことを覚えてくれる人がいるなら、それは死んでないんだってよ。あの二人がここで生き続けるなら、ラウラもここで生きるんだよ」
「………あはは。その考え方、いいね。……うん…そうだといいな。……もし、夜の側いた人がそのピカチュウさんみたいな人だったら、もっと違う未来になってたかな……? こんな方法以外に助けてくれたのかな」
「どうだろう? まあ、あいつは不思議な空気をまとってるし……違ったかもね」
不可能を可能にしてしまう……そんな雰囲気にしてしまうピカの空気ならば。彼女の心に触れていれば何かが変わっていただろう、と今なら思える。自分もその一人なのだから。
「ありがとう、フォースくん。最期が君でよかった」
「………いいんだな。これで」
助かろうと思えば助かるかもしれない。しかし、そんなことを望むラウラではないことは解りきってきた。
「うん。………いいよ、きて」
そこで初めてラウラの方を見た。フォースとの戦いでかなり傷を負っているが、表情は穏やかだった。
フォースは剣を消し、拳銃に変えると、ラウラに向ける。片手で持つのではなく、しっかり両手で構えた。そうでもしないと意思と反して標準を外してしまう様な気がした。覚悟をしていたはずなのに、引き金を引くことが出来ない。
本当に自分自身がやってしまっていいのだろうか。本当ならこんなことやっていい資格などあるはずないのに、という思考が引き金を引くことを拒んでいた。
「………っ!」
「これは僕の願いだよ。君の願いもあのときと変わったじゃない。……消えるのは君じゃない。僕だ」
「………違う。本当はここに…おれは……!」
「いていい。そう認めてくれる人達が出来たんだろう? 僕らに出来なかったことを君の友達はやったのだろう? その人を……否定することはしては駄目だよ」
「…………あぁ…」
「うん。フォースくんにはまだ、やらなきゃいけないことが残っているよね。それなら、ここで立ち止まっちゃいけないよ………ね?」
「ごめん。…………ラウラ、ありがとう」
「…こちらこそ……ありがとう」
ラウラの言葉を聞いて、すぐにフォースは引き金を引いた。この至近距離で外すことはなく、ラウラを撃ち抜く。制御者がいなくなれば、身体は継承者に戻り、時間はかかるだろうが意識も取り戻すだろう。
「…………どんな顔してたんだろうな、おれ」
非情な表情でも浮かべていたのか、あるいは……と考えたところで自分に分かるはずもなく、フォースは考えることをやめた。



~あとがき~
終わりました! やったね!
前回に比べてちょっと短い気もしますが、きりがいいのでここで終わります。まだまだ続くけどね!

次回、遂にフォースとウィルの問題解決するぞ! 多分ね!!

フォースの言うあのときとは鈴流を守れなかったことを指してます。制御者のルールの中でも第一は継承者を守ることが絶対なので、守れなかったことにかなりの引け目を感じているのです。大分前になりますが、ラウラがフォースに向かって消えたいんでしょなどといった類いの話を持ち出しているところは、制御者としての役目を果たせなかったから、自分は消えるべきだと思っていたからなんですね。まあ、そんなことはマスターさんが許さなかったみたいですが……あの人はマジでなんなんだろうね←

とりあえずあれっすね。フォースとウィルを片付けたら、皆様お待ちかね(?)ピカとポチャの話になります。忘れている人も多いかもですが、今、二人の間の空気、微妙な感じになってますからね? ま、ピカがふてくされてるだけですが((

ではでは!