satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第129話

~前回までのあらすじ~
スカイメンバー再集結です。
イブはフォースと約束しましたし、どうなることやらですね!
そして今回からお祭りやるぞー!
ピカ「大したネタもないのによくやるよね」
ポチャ「そんなこと言っちゃ駄目だよ」
イブ「なんかこう……起こるのかな?」
チコ「えぇ~……楽しく始まって終わろうよ」
フォース「………」
大丈夫大丈夫! なんか起こるから! なんか!
ピカ「やだって言ってるだろうが」
ではでは、始めまーす!


トレジャータウンから少し離れたところにある広場で前回の春祭りもここでやった。夜までまだまだだというのに、ちらほら人がいてすでにお祭りムードだ。春祭りのときと違うのは屋台の数と人の数。
日が沈むとさらに人が増えると言うから驚きだ。
「うわぁ……ねえ、帰っていい?」
「駄目だよフォース君。私と遊び倒す約束でしょう?」
「そんな約束した覚えないけど!?」
人の気配を悟ったすーくんが嫌な顔をして、後退りしているところをピカさんが止めた。にこにこと笑顔を浮かべ、すーくんを逃がすまいと腕を掴んでいる。
「しましたー! 私が今したんですー」
「それは約束って言わない! って、痛い痛い! 折れるって! 腕折れるっ!」
よく見るとピカさん、すーくんの腕を片手で締め上げている。軽くやっているけど、相手はすーくんだし、相当な力入れているはずだ。流石、ピカさん。
「じゃあ、私と遊び倒す?」
「分かったって! 遊べばいいんだろ! だから離して…」
「やったぜ。フォース君、ゲーット♪」
パッとすーくんの腕を離し、嬉しそうに笑った。すーくんは解放された腕を擦り、隣にいたポチャさんに話しかけた。
「ったく………お前の彼女、凶暴すぎだろ……」
「え? 知ってる」
「………」
「なんで? いつものことでしょ」
「いつもこんなハードだったら、おれは逃げ出すけど」
「仕事関係ないところじゃ、こんな感じだけどね。今は遊ぶためならなんでもするんじゃない?」
「唯我独尊だな……もしくは自己中」
「あはは。かもね」
ポチャさん、ピカさんのことならお見通しだ。これも想定内なのかもしれない。
「よっしゃ! じゃ、人がまだ少ないうちに行っちゃいましょうかね♪ ほら、フォース君行くよー」
「えっ!? 今からなの?」
「……人混みの中、私に振り回されたい?」
「……………今からでお願いします」
…………えっ?
「そうだよね。私も流石に人混みの中、フォース君と歩きたくないもん。んじゃ、ポチャ、後はよろしくっ!」
「はいはい。気を付けてね」
え? え?
私が戸惑う中、ピカさんはすーくんの背中を押しながらお祭りの人の波に消えていった。
……………えぇぇ!?

「まさか……こうなるなんて…」
「イブ、落ち着きなよ。ピカさん、きっとフォースに何か用事でもあったんだよー」
「別に今日じゃなくてもいいじゃん!?」
「うーん。それをワタシに言われても……」
私達は今、ちょっとした飲食スペースに座り、屋台の食べ物を食べている。ここにいるのはチコちゃんとポチャさん。そして私の三人だ。すーくんはピカさんに引っ張られ、二人でどこかへ行ってしまった。
全く。すーくんってば、ほいほい受け入れちゃってさ。引っ張られるまま女の人についていくなんてさ。もうっ!
「ポチャさん、ワタシ達と一緒でよかったんですか?」
「うん? ぼくは別に構わないよ。どうせお祭りも三日あるんだし、ピカが好きなようにすれば」
「ポチャさんはどう思いますか? フォースを連れてった理由みたいな」
「単純に遊びたかったんじゃないの?  それか…」
ポチャさんがちらりと私の方を見た。意味が分からず、首をかしげる。
「イブを焦らして楽しんでる、とかね?」
「なっ……!?」
「ピカ、言ってたよ。イブちゃんとフォース君がお祭り回るらしいんだよねーって。だから、ちょっと意地悪してるのかもね?」
「意地悪すぎですよ!! 知っててやってたんなら!」
というか、どこからその情報つかんだの、あの人!!
「ピカの一種の愛情表現だよ。よかったね」
「よくないですぅぅ……ポチャさんはいいんですか? ピカさんと一緒にいなくて! すーくんに取られますよ!?」
「フォースに取られることはないと思うけど……ま、回るとしても今日じゃなくてもいいし」
うぅ……ポチャさん、余裕だな。
これが大人の余裕なのか。
「今日はぼくが奢るよ。せっかくだし好きなことしよ」
「じゃ、ぐるっと回りたいです!」
「いいよ。イブはどうするの?」
うー……考えたって仕方ないし、今は遊んで忘れよう……!
「遊びます! いっぱい遊ぶ!!」
「それじゃ、行こっか」
私達は立ち上がると、屋台の並ぶ道へと歩き出した。さっきよりも人通りは多くなっている気がする。その様子に胸がわくわくしてくる。
「うわぁ~♪ どこから行こっか、イブ」
「なんか甘いもの食べたいかも」
「さっき食べたらばっかりなのに?」
「甘いものは別腹っていうでしょ? それだよ!」
「……………だったりして…」
「? ポチャさん、何か言いました?」
「あ、ううん。何でもないよ? えっと、ぐるっとだっけ?」
ポチャさんの言葉に二人してこくっとうなずく。
「はい! ぐるっとしますっ! ね、チコちゃん」
「うんっ♪ で、甘いものです」
「まだ食べるんだ……いいけどね。よく食べられるね?」
「別腹なんですよ~♪」
そう言うと、私達は互いの顔を見合わせ、前へと走り出す。全力ではなくて、スキップのような感じ。
「女の子って怖い……って、走らないでよー?」
後ろでポチャさんの注意を聞きながら、この三日間が楽しみになってきた。こんなの初めてだし、わくわくするもん。
今日はチコちゃんと遊ぶんだー!

「はあ……なんでこんなことに」
「なんでって私が遊びたいから? この前は私が付き合ったんだから、今度はフォース君の番だと思わない?」
「…………う」
にこっと笑い、フォースが断れないような雰囲気を作る。こういう場面運びは得意なのだ。
初日と言えど、人はいる。イベントがあったかまでは覚えていないが、なかったとしてもそれなりに大きな祭りだから各地から足を運ぶ人もいるのだろう。
「それにフォース君と話したいしね」
「?……なにそれ。世間話? 真面目な話?」
「両方? まあまあ、今は気にしなくていいよ。それよりも私を楽しませてよね、フォース君っ♪」
「………はいはい。努力しますよ」
ピカはフォースとはぐれないように手を握ると、半ば引っ張るように歩き出した。フォースも抵抗するのは止めたのか、黙ってピカに従う。
「私はいいけど、イブちゃんと回るときはちゃんとリードしてあげなよね~♪」
「…………なんで知ってんの?」
「私に知らないことなんてないのっ! なーんてね。イブちゃんの様子見てたら誰にだって分かるよ」
フォースと何やら会話をして、こちらに寄ってきたときのイブは終始笑顔で頬が緩みきってきた。そんな様子から何を頼んでどうなったのかを予測することは容易い。
「あの馬鹿……」
「リードするなら、どんな雰囲気なのか知っておかないとでしょう? 初めて同士でお祭りデート楽しめなかった、なんてつまらないし」
「お節介だな。これを言い出したのも、すぅを楽しませるためかよ」
「うふふ~♪ 私は恋する乙女の味方なの。もちろん、男の子でもいいけどね?」
「性格悪いわ、お前」
「よく言われる~♪ 他人の恋路ほど面白いことはないわ」
「お前に目をつけられたやつは逃げられないな、それ」
「あはっ♪ そうかもしれないね?………お、あった! こっちこっち!」
お目当ての店を見つけ、ぐいっとフォースの手を引っ張る。目隠ししているフォースはどこに向かっているのか見当もつけられない。
今日一日はピカの言う通りに動くしかないとため息をついた。



~あとがき~
イブとフォースだと思った?
んな早くやらないですよ!

次回、ピカとフォースのお祭りデート。
デートって言っていいのか微妙だけど。遊びですかね。遊んでるだけですね。二人とも。

お祭り初日のメインはピカとフォースです。
このコンビ多いんですけど、相性がいいんですかね。このコンビ、好きなんですよね。
二人とも互いにちゃんと相手いるんだけどな(笑)

イブとフォースのは二日目とかそこら辺だと思います。でも大してやること決まってないんだけどね……ヤバいぜ(汗)

ではでは!