satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

ポケダン~約束~ 第35話

~前回までのあらすじ~
ピカ「クレアさんにフォーク投げられました。死ぬかと思いました!」
クレア「あらあら、そんなことで殺られるような子じゃないでしょう?」
ピカ「あんたは私の何を知ってるんだよ!?」
ってことで、前回からショウ君の過去編やってまーす。なので、ピカちゃんも出てきちゃってまーす。
ピカ「駄目か!? 出ちゃ駄目なのか!?」
そんじゃ、始めますかねぇ~
ピカ「聞けよ、アホ作者ぁぁ!!!」


ピカの冒険談を一つ話し終える度、ショウの目はキラキラと輝きを増していく。ピカ自身も思い出していくように語っていった。
「しゅごいしゅごいっ! ピカねぇしゃん、いっぱいいーっぱいぼーけんしってるんだねー!」
「ふふっ♪ 伊達に今まで探検隊してないもんね!」
「たんけんたい………! ぼくもなればぼーけんできるー?」
「もちろん。仲間と見たこともないところに行って探検するの。時には謎を解いて、あるときは主さん倒したり……ねっ?」
「おぉ~……!」
ショウの様子を見て、小さく笑った。かつては自分自身もこんな風に憧れていた時期もあった、と。そう思う反面、パートナーであるポチャよりは酷くはなかったはずだと自身を納得させていた。
「流石に二人揃って馬鹿みたいでしょ……」
「? どーしたの?」
「何でもないよ。そんなに羨ましい?」
「うんっ! きらきらのわくわくなのっ!」
「そっか。まあ、夢を持つことはいいことだからね。私みたいに無茶するのもどうかと思うけども」
「う?」
「あー……とりあえず、危ないことはしちゃ駄目ってこと。ショウ君も仲間見つけて、一緒に謎解き出来るといいね」
「なかま! ピカねぇしゃん、なかまいっぱい?」
ショウの疑問にあごに手をあて、少し考える。
チームの人数的には少なくはないだろう。それをいっぱいと表現していいのかはさておき。
「そうかな……? うん、そうだね」
「どうすればできるかな?」
「えっ? それは考えたことないけど……流れじゃない? って、なんか無責任過ぎるか」
何かいい表現はないだろうかと考えているうちに、外でラブラブしていたクレアと琥珀が帰ってきたらしく、ドアが開く気配がした。
「おかーしゃん、おとーしゃん、おかえりー!」
ぱたぱたと両親のところへ駆け寄るショウの後ろ姿を見て、ふっと笑う。
「可愛いな、ショウ君は。………にしても、いつ帰れるんだろう。ってか、早く連絡でも取らないと帰った時にポチャに殺される……それだけは嫌だ」
手紙でも書くかと思いつくが、ポチャが読めるのは足形文字。書けないことはないが、あの文字を書くのは正直言うと面倒である。ポチャはすらすらっと書けるのか不思議なくらい、ピカには難解な文字なのだ。極力、書きたくないのが本心である。
「…………はあ。バッジ直してみっか。でも、道具ほぼ持ってないから直らないだろうけど、やるだけやってみよ…」
「ピカねぇしゃん、ごはんらよー」
「うん……直すの後でいいや! はーい! 今行くよー」

夕飯を食べ、皆が寝静まった頃。
ピカは一人黙々とドライバー片手にバッジを分解しては組み立て……という作業を繰り返していた。
基本的に頑丈な探検隊バッジではあるが、不幸なことに今回ピカが持っていたのは予備のバッジ。つまりはオリジナルのではなく、スペアの物だった。スペアはピカが自作しているため、オリジナルよりも強度は落ちてしまう。なぜ予備を持っていたのかという件についてはたまたま持っていたのがそれだっただけで、大した理由はない。
「…………くっそ。水没して駄目になってるじゃん。今度からここの部品、ワンランク高いの使ってやる。予備とはいえ、防水性、そこまで低くないはずなのに」
今回のはどこか手抜きでもしたのだろうか。そうであるなら、過去の自分を恨むしかない。
「んあー……じゃあ、ここの回線も…………はい。駄目ですね。………もうっ! 知ってたよ! ちくしょうっ!」
持っているドライバーを投げ飛ばしたい衝動に駆られるが、ここは他人の家。しかも、今は夜である。その気持ちだけは抑えなければならない。しかし、苛立った気持ちを何もせずに落ち着かせることは出来ない。近くに置いてあった自分のバッグを寄せ、ばしばしと殴る。
「出来ることなら、声上げてこの気持ち晴らしたい……夜だから無理だけど………」
小さくため息をつき、ドライバーを置く。そして一家が寝ている方を見た。誰か起きてくる気配はない。
「…………今なら逃げられ…………いや、やめよう。後が怖いし、何より申し訳ないしね」
ぐっと背伸びをし、静かにドアを開けて外に出た。逃げるためではなく、単に外の空気を吸いたくなっただけだ。
「んんっ……………ふぅ。今日も今日とて、空は綺麗ですねぇ……あ、ねえ雷姫?」
『…………なんじゃ、こんな時間に』
「雷姫、私が無事ですよーって伝えられるんじゃないの? ほら、フォース君とかに」
ピカの知る中で雷姫を扱えるのはフォースくらいである。雷姫はピカが把握出来ない程の能力を持ち合わせている。もしかしたら、どうにか伝えられるのではないかと思ったのだ。しかし、雷姫から返ってきたのは否定の言葉だった。
『我はそんなに万能ではないわ。大体、なぜ我が小僧にマスターの無事を知らせねばならないのだ?』
「いいじゃん……フォース君と心繋がってないの?」
『繋がってたまるか』
「ま、無理だと思ってましたけど。出来てたらやってくれるもんね?」
『そうじゃな』
「うーむ。………バッジ直すか、諦めて手紙書くかの二択しかないのね」
『…………後者の方が早く解決するのでは?』
「よぉしっ! もうちょっと頑張ろっかなぁ!?」
『マスター? 我の話、聞いておるのか』
「うんうん。ごめんね、雷姫。くだらないことで話しかけて。もう寝てもいいからね。おやすみ!」
主の態度に呆れつつも、他人事であるが故に特に口を挟むことはしなかった。雷姫は黙ってピカの言う通り、再び眠りにつくことにしたようだ。
雷姫が黙ったことを確認すると、ピカはそくささと家の中に戻る。家に戻ると、琥珀が珍しそうにドライバーを眺めていた。
「あ、琥珀さん。………起こしちゃいました?」
「ううん。ちょっと目が覚めただけだよ。気にしないで? ところで、バッジの直る算段がついたのかな?」
琥珀かつんつんとつつくのは、散乱しているバッジ。ピカは困ったように笑い返した。
「あーいえ。全体的に駄目になっているので、ほぼ一から作り直すことになりそうですね」
「ふうん……それは作り直せるのかな」
「今持っているもので出来るかは微妙です。……買いに行けたらいいんですけど、クレアさん、出してくれないし」
「そっか。それじゃあ、俺が買ってこよう。明日は町の方に仕事に行くんだ。そこで買ってくればいい?」
琥珀からの思いがけない提案にピカは目を丸くした。そもそも、琥珀がどこかに出かけるところを見ておらず、仕事なんてしていないと思っていたのだ。ここは山の中だから仕事をしてお金を貯めずとも、暮らしていける環境だ。そうやって暮らしている人々を知っているため、ピカも大して気にも留めていなかったのだ。
「え、琥珀さん、仕事してたんですか?」
「うん? 言ってなかった? 俺、郵便屋さん♪」
「初耳なんですけど!? なんでしてるんですか!」
「子供が将来的に都会に出るって言い出したとき用の資金だよ。出来るときにやっとかないと」
「そ、そうなんですね……クレアさんとラブラブするところしか見てないんで、意外です」
「あははっ♪ そう? それでどうする?」
「あ、じゃあお願いします。えっと、買って欲しいの、書き出しますよ」
「あ、大丈夫。分かるから。ほら、ピカちゃんももう寝なさい」
「えっ? いやでも、片付けとか…」
「それも俺がやってあげる。ほらほら。怪我してるんだから、寝ないと治らないよ。………おやすみ?」
ピカは琥珀に押されるように部屋に戻された。ここからまた戻るのも琥珀が許してくれないような気がした。
「………あれ? なんで琥珀さん、あのバラバラにした奴がバッジだって分かったの? パッと見、ただの部品なのに。そもそも、見ただけでどれが必要なのか普通分かるか?………もしかして、琥珀さん…」
探検隊だったのだろうか。それも、ピカと同じようにバッジなんかを自作するタイプの。そうでなければ、何が必要でどうなっているか、など分かるだろうか。
そこまで考えて、ふるふると首を振る。突拍子もない考えをしていると思ったからだ。
「………まあ、単に機械いじりが好きなだけかも。琥珀さんに寝ろって言われたし、今日はもう寝よう」



~あとがき~
短いですね。はい。

次回、ショウ君とお使いの巻。
多分ね!

これ、基本的にピカ中心に動くと思います。ショウも出るけど。彼がメインなんだけど!
でもまあ、そっちの方が楽なんで許してください。

ここでフォースの名前が出てきましたね~
時間軸が空と海と一致してるのがバレますね←
空と海と同じ時間軸です。しかもフォース加入後なんで中盤くらいと同じとこだってのが分かります。
空と海ではやらない話なので注目ですね!

琥珀さんとの話入れたらちょっと長くなったかもしれない。琥珀さんも謎が多そうだけど、別に悪い人じゃないんで。はい。

そして特に言いたいことはないです。
終わります!

ピカ「こっからどう話進める気なんだろうか」
ショウ「さあ……?」
琥珀「俺とハニーのラブラブシーンでも入れようか」
クレア「うふふ♪ それもいいかもしれないわね?」
ピカ「よかないですよ。これ、ショウ君主役だからね!?」
ショウ「でも作者さんはピカさん目線でほぼ進める気みたいですけどね?」
ピカ「………なんか…ごめん」