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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

いつかの未来か忘れ去られた過去か

ポケダン 番外編

ぐいっと背伸びをしながらドアノブを回す。朝日が眩しく、目を開けていられないほどだ。扉を閉めようとしたら、その隙間からするりと何かが通った。朝日に照らされて銀色の毛並みがきらきらとしている。
「……なずか。ビックリさせんじゃねぇよ」
「勝手にビックリしているのはそちらです。僕はなーんにも悪くないですもーん」
生意気にもべぇっと舌を出して挑発するように言い放つ。朝っぱらからいい度胸をしてやがるな。
今度こそ扉を閉めようとしたら、次はガシッと扉を押さえつけられた。押さえつけられたそれを見ると、手しか見えないが鋭い爪がある。強引に開けられて、何の詫びれもなく、俺の横を通りすぎる。なずに負けず劣らず、白く艶々した毛並みを光に照らされながら。
「おい月影、何の真似だ」
「閉めようとするからだ。馬鹿者」
「お前も喧嘩か? 売ってるなら買ってやるぞ?」
「ふふん。ナズナのような童の挑発で苛ついているようじゃ、お前も若いな」
そう言い残して俺が開けた扉を潜って外に出た。そんな月影の後ろ姿を黙って見送る。
つーかよぉ……どいつもこいつも一言言わねぇとここを通らねぇの!? 腹立つんだけど!! 今度こそ閉める!
しかしまあ、二度あることは三度あるようで、うっすら予想はしていた。が、月影のように乱暴に止められるというものではなく、待って、という言葉があって止められた。
「分かってた気がするわ! セイだな!?」
バンッと大きく開け放つと、一番大きな体を持つセイがゆったりとこちらに向かってきているところだった。
「あはは~♪ どうしたの? 朝から元気だね。あ、扉の門番さんにでもなったの?」
「なってねぇよ。俺が出ようとしたら次から次へと来るだけだ」
「一緒に出ていけばいいのに?」
にこっと笑って提案されたそれは、俺にとって一番ありえない選択だ。
「はあ? あいつらと並んで歩けってか? 冗談だろ。死んでもごめんだね」
「えぇ? キミってば、そんな維持張らなくてもいいのに……じゃ、ボクは通るよ? それともキミが先に通るかい? ボクはいいよ」
「いい! 先行け!」
「そう? じゃあ、お先に♪」
扉を潜ると、自分の足で歩くことはせず、ふわりと浮かび上がる。翼を持つやつは気楽なこった。
よし、もう誰もいないはずだ。もう閉めるからな!
……あ、いや、待て。一人いるな。まだ起きてきていないのか?
「……珍しいこともあるもんだな?」
迎えに行ってやらんこともない。はてさて、どうしたものか。
「……おはよう。何をしているの? バル」
「!!」
扉を開けたまましていたせいか、そいつは不思議そうな顔で俺のことを見てきた。まだ寝起きだからか少しばかり眠そうにしている。
「ほら、一緒に行こう?」
俺はこくっと黙ってうなずくと、あいつが扉を潜るのを確認し、俺は扉を閉める。
あっ……セイの言った通り、門番してるわ。俺。
「バル? 皆のところに行くよ?」
その言葉に返事をすると、先を歩くあいつの後を追った。

「はあぁぁ!! 今日も今日とてご主人は可憐で綺麗で麗しゅうございますぅぅ!!」
「んなこと本人に言ってみろ。即ぶっ叩かれるぞ」
「それがご主人の愛なら、僕は受け入れる所存! バルドさんに関係ないです!!」
あっそ。じゃあ、お望み通りあいつにぶっ叩かれて、昇天しちまえ。
「うわ。あいつ、だなんて。敬意を払いなさい、ご主人は僕達のご主人なんですからね!! いや、一番はこの僕ですけどっ!!」
なんでこんなやつをあいつは仲間にしてんだぁ……? 俺なら即解雇なのに。やつの気が知れねぇ。
ナズナは今日も元気だね~」
「はいっ! ご主人のお姿を眺めるだけで元気百倍ですぅ~♪」
「そっか。それはよかったね~」
「星弥さんの発言は本気度が分かりません。本当に思っていますか?」
「どうかな~? 当ててみて?」
「闇が見えそうなのでいいです。そんなことをしているくらいなら、ご主人を眺めて生気を養います」
最早、セクハラの域だな。
話題に上がる、俺らの『ご主人』は俺達から離れた湖の側で寝そべっている。起きてきたばかりだが、寝ているのだろう。全く、あんなところで呑気に寝ていては襲われても文句は言えないぞ。まあ、襲わせるようなことはさせないが。
「それにしても、最近よく寝ているよね? 夜、寝れていないのかな」
「そう言われると……ぼんやりしていることも多いですよ。まあ、そんなご主人も素敵ですけど♪」
なずは使いもんにならねぇな。知ってたけど。
「……おい、バルド」
今まで黙っていた月影が俺の名前を呼んだ。嫌な予感しかしない。
「お前が様子を伺ってこい」
「はあ? なんで俺が」
「バルドが一番適任だからだ」
「いや、そんなこと言うならセイが行けば? 一番の古株だろうが」
「星弥が相談相手になりうると思うのか、お前は」
……思わねぇわ。
「じゃあ、月影が行けよ」
「私が相談相手に相応しいと思うのか」
…………思わねぇわ。駄目だ。ろくなやつがいねぇ。
「と、言うことだ。行ってこい」
「バルドさんが行かないなら僕でもいいですよっ! 僕がちゃーんと、ご主人の疲れた心と体を癒して差し上げます♪」
「無理だ。ストレスしか溜まらん。お前はあいつに近づくな」
「バルドさんの意地悪ぅぅぅ!!」
なずがあいつにぶたれて挙句の果てに蹴飛ばされるイメージしかない。
「ご主人がそれを望んでいるなら、僕は構いませんけどね……♪」
このご主人崇拝はどうにかならんのか。
あー! いいよ! 俺が行くわ!!
月影とセイにひらひらと送り届けられ、なずは僕が行くの一点張りであったが、残った月影達に押さえ込まれていて動けないようだ。
チッ……覚えとけよ。
あいつに近づき、傍に寄ると肩がリズムよく上下していることがハッキリと見えた。これで完全に寝ていることが判明したわけだ。
「……ったく。危機感ってやつを覚えてほしいぜ。おい、起きろよ。さっき起きたばっかだろ」
ゆさゆさ揺らしてみるも、なかなか起きてこない。これまたこいつとしては、珍しい。
「……おい、起きろって」
「………………んっ? ふあ…………あ? バル? どうかしたの?」
眠そうに目を擦るこいつはゆっくりと体を起こし、ふわりと欠伸を溢した。ほんっと、危機感ゼロ。
「んぁ……あぁ………んん? バル、甘えたがりなの? 珍しい」
あぁぁぁぁ!! 撫でるな撫でるな!! 違う! そうじゃない!! 俺が言いたいことはそうじゃないから!!!
あぁ……後ろからなずの視線が痛い。俺から誘っていないからな。俺は悪くねぇ!
「? バル? もしかして撫でるんじゃないの?」
そう。撫でるんじゃないの。俺はお前の……
「じゃあ……だっこか」
ちっがぁぁぁあうっ!! あ、やめろ。抱くな!
「んん……バル、暖かいね♪」
そりゃ、炎タイプですから。
…………じゃなくって!! そうじゃないっての!
「……」
ちょ……おい?
「あ、もしかして、心配してくれてるの?」
! それだ! その話だよ! 俺の求めてるのはそれ!!
こくこくっと何度もうなずく。もう間違わないように、何度も。
「そっか。ごめんね、私は大丈夫だよ。……なんか最近、夜に夢を見るの」
夢。夢なんて寝れば誰だって見る。気にすることなんてないはずだろうに。こいつには何か引っ掛かることでもあるのか、もしかして、悪夢でも見ているのか……?
「内容は覚えていないんだけどね。でも、こう……何かを思い出して、何かしなきゃいけない気がするの。よくわからないよね」
うん。ぜんっぜん、わかんねぇ。
内容も覚えていないようなことに何の意味があるのか。どうせ、いつもの夜更かしで変なことでも考えて寝ているせいなんだろう。
そう笑い飛ばせばいいのに、と俺は思ったのだが、本人はそうもいかないようで、真剣に考えているようだ。単なる夢に悩むことなんてないのにな。
「……でも、バルに、皆に心配かけているなら考えるのやめる。きっと覚えられないくらいだから、大したことないもんね。ありがとう、話を聞いてくれて」
……おう。
「それにしても、バルは本当に暖かいな。もうちょっとこのままでいるね?」
………………はあ!? 馬鹿、やめろ。あぁ、なずにどやされる。……けどまあ、こいつがそう言うなら、しゃーねぇか。……そういうことだな。うんうん。
しばらくぎゅっと抱き締められていたが、なずがその光景を見せられていることに耐えられなくなったらしく、こちらにダッシュしてきた。が、それに動じるやつではなく、俺を抱き上げつつ、なずをさらりと避けてしまった。
こいつ、何気になずのこと嫌いだよなぁ……ま、なずがしつこいからだけど。
「皆、そろそろ帰ろっか。ツッキー、ナズナ回収しておいてね」
俺を地面に降ろしながら、月影の方を見ながら告げる。自分で回収するつもりはないようだ。
月影は言われた通り、興奮してそこら辺を転げ回っていたなずをぱくりと加えて家へと戻る。セイもそんな月影の後ろを飛んで行く。俺もあいつから解放されたことだし、さっさと戻るとしようか。
さあっと強い風が吹き抜け、俺は思わず目を閉じる。薄目を開けると、あいつの長い髪が乱れていくのが見えた。
「……………あっ」
そう小さく呟くのが聞こえた。そして、そのままそこから動こうとしないあいつに俺は一抹の不安を感じる。ここで呼んでおかないと、どこか行ってしまいそうで。
「……おい、帰るぞ!」
「あはは。わかってるよ、バル。そんなに鳴かなくても戻るから」
性に合わず俺はしきりに鳴いてあいつをこちらに呼び寄せる。俺の声が、言葉が届くわけねぇけど、なぜかそのときだけは届かないことに寂しさを感じた。なぜかはわかんねぇけど。

このあとすぐだった。
こいつが、ラルが俺達を置いてどっか行ったのは。





~あとがき~
やらなきゃいけないようなそんな気がしたんだ。
いや、すいません。嘘です。やりたかっただけです。自己満足です。
このあと説明やら言い訳やらでさらに長いです。お時間ある人のみお読みくださいませ。m(_ _)m


今回の書いた理由について。
前からラルちゃん(探検隊の主人公)ってどっから来たんだろうねぇって思ってました。他のシリーズはなんか想像できるじゃないですか。探検隊だけは未来の世界でずっと生きていた、というのはなんか違う気がしてまして。だって、ポケモンしかいない世界(パートナーやジュプ兄貴の住む世界)だって言っているのに人がいるのおかしくない!? つーわけで、私が出した結論は別世界から連れてきた、です。……まあ、無理があるし、矛盾かもだし、んなことないだろって反対意見もありそうだけど。私はこれで納得しています。まあ、きっとラルは神と呼ばれるポケモンが連れてきたのではと思いますよ。うん(-∀-`; )
ってことは、彼女にも仲間がいるのではと思って今回書きました。ふっと降りてきたんでね! アイデアが! お話が!!
ナズナ、月影、星弥、バルドはそんなラルの手持ちポケモン達です。特に描写していないのでなんやねん、お前らって感じだけど、このあと種族書きますよ!
というか、ねぇ、ラルってこんな性格だったっけ? 別人やない?? 私の書き方のせい? バル視点なのがいけないの?? バル、謝っとく? あ、謝らない? おお、そうか。

設定について。
ぶっちゃけ、前述したものは前々から考えていた設定です。世界はたくさんあって、人とポケモンが住む世界、ポケモンだけが住む世界、それ以外の世界など。いわゆる、平行世界というべきなんでしょうか。色々ある、みたいな設定です。
そして、本題。ラルは人間しかいない世界から来たのか、ポケモンと共存する世界から来たのか……どっちにするか悩んだんだけど、ポケモンと絡んどけば進めやすそうって感じで、ポケモンと共存する世界から来ていることになっています。THEご都合主義だよ☆
ちなみに、この話の中でラルはバル達の声、言葉は分かりません。なので、ラルとバルの会話が若干噛み合っていないところとかありますが、そういうことです。バル本人も彼女に届かないって言ってますし。おすし。
じゃ、普段は聞こえてんのかって話ですが、まあ、聞こえていたり聞こえていなかったりです。それもまた設定があるんだけど、それはまたいつか。

題名について。
この話の時間軸はどこなんだろって意味を込めてつけてます。今いる世界、ポチャ達の住む世界から見れば未来の話です。(ポチャ達の世界が過去の世界だから)
しかし、ピカの感覚からいくと、これは彼女が忘れてしまった過去の話です。(ジュプ兄貴の世界に行く前の話だから)まあ、本人は覚えていませんが。
さて、この話は過去か未来か……一体どちらなのでしょうか?
むっずかしいね。

この小説のタグについて。
悩んだんですけど、まあ、番外編扱いで、ポケダン番外編、というタグをつけています。ポケダンちゃうけど。ラル(ピカ)絡みだからいいかなって思ってさ!

他に何か質問があれば聞きます。してくれればお答えしますよ!!

では、手持ちポケモンの紹介を簡単にしますね。

バルド(バル)/マグマラシ
性別:♂
メモ:今回の語り手。口が悪く、損な役回りが多い気もするが、ラルのパートナー的ポジションにいる。トレーナーに捨てられていたところをラルに拾われて、手持ち入りしているために、人間はあまり信用していない。
   なぜか絶対にバクフーンに進化したくないらしく、かわらずのいしを持っている。

ナズナ(なず)/色違いイーブイ
性別:♂
メモ:変態枠←
   性格に難があるために、色違いで珍しいにも関わらず貰い手がいなかった様子。主人であるラル本人も拒絶反応(押さえたり、避けたり等々)をしているにも関わらず、手放すことはしないし、極端に嫌がっているわけでもない。なぜラルが手持ちに加えたのか謎のままである。

月影(ツッキー)/アブソル
性別:♂
メモ:古風で若干の上から目線で話してくるが、ラルの言うことは素直に聞いている。ラルと会う前はアブソルであることが災いし、各地を転々と移動していたようで、人間だけでなく、ポケモン相手にも歩み寄ろうとしない難しいやつだった。
   ラル以外にツッキー呼びされるとキレる。

星弥(セイ)/カイリュー
性別:♂
メモ:温厚でのんびりとした性格で、この手持ちの中で一番の古株。ミニリュウの頃から共にいた。唯一の温室育ちの彼は大した苦労もなかった。が、影で大人達がきな臭い動きがあり、ラルが星弥を守ろうとしていたことも知っているため、人知れない苦労はあった。それを表に出すことはないが。

今のところはこんな感じかな。♂しかいない謎。
()の中はあだ名ですね。全員に呼ばれているわけではないけれど、一部から呼ばれているって感じかな?

この手持ち達が日の目を見る日が来るのか謎ですが……せっかく考えたんだし、出しとけの精神でここまで書きました! でも、ラルってか、ピカはポケモンなっとるし、記憶ないもんだから、バル達を覚えていませんしね。こいつらに未来はあるのか……
まあ、書けて楽しかったです。特にナズナがね。好きなポケモンの一匹であるイーブイをぶっ壊れキャラに出来て楽しかったよ!( ・`ω・´)
機会があればラルとの出会いとか書きたい。
え、本編進めろ? あ、はい。本編書きますっる!

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。長かったですよね! 本当にありがとうございました!! 他の物語に関連してくるか分かりませんが、片隅にでも入れておけばすこーしは楽しめるかもしれません。

ではでは!