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satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第137話

ポケダン 空と海

~前回までのあらすじ~
楽しそうなイブとフォースでした。
今回はどーすっかなぁ……?
フォース「いい加減終わればいいと思う」
イブ「内容の濃い三日目に移動したい……」
いや、イブちゃんは心臓持たないから早く終わらせたいだけだろ~?
イブ「そんなことないし!」
フォース「? どゆこと」
さあさあ、始めますかね!!


「………うぅ~」
すーくんの思いがけない質問から逃れるべく、苦し紛れに輪投げを提案をした。それは当然思い付きだったし、気持ちが落ち着いているはずもなく、投げた輪っかは明後日の方向に飛んでいくばかり。
……平常心、どこいったの……!?
特別ほしいものがあったわけではないから、構わないといえば構わないけれど。なんか悔しい。すーくんに見られていないだけまだましなのかな。
「……入らない」
「? すぅって投擲だけは得意じゃなかったっけ」
だけとか言うなだけとか。攻撃手段が物を投げることだから自然と身に付いただけだし。
「なんかほしいもんでもあるわけ?」
「え、別に……?」
「……ふうん?」
そう言うと、すーくんはすっと私の横にしゃがみ、残っていた最後の輪っかを横取りする。少しだけくるくると手元で弄んでいたが、どこに投げるか決めたのか、ピタリと動きを止めた。
……すーくんが投げることはいいんだけど、急にどうしたんだろ? そもそも見えていないのにどこに入れるつもりなのか。
なんの前触れもなくひょいっと軽く輪っかを投げた。投げられたそれは吸い込まれるようにぴたりと入る。お店の人もまさか入るなんて思ってもいなかったらしく、驚いたようにすーくんの方を見る。見られた本人は気づいていないのか、気づいていないふりなのか、特に反応は見せていない。そして、すーくんが立ち上がる瞬間、私の耳元でそっと呟いた。
「よく言うよ。ずっとあそこ狙ってたくせに」
「……!」
見えていないのに、なんでバレてるわけ……?
私がずっと狙っていたのは星のチャームがついたストラップだ。取れたらトレジャーバッグにでもつければいいかななんて思っていただけだ。絶対にほしいなんて思っていなかった。それは宣言出来る。出来るけれど、こうしてすーくんに取ってもらっちゃったら、軽い気持ちで投げていたことがなんか恥ずかしくなってきた。
お店の人から景品をもらい、すーくんの隣まで行って見上げた。
「あ、ありがとう……! 大切にするね」
「……あっそ。好きにすれば」
「じゃ、すーくん持ってて♪」
「へいへい……」
ついさっき渡してもらった景品をすーくんに渡して、再びお祭りの屋台が並ぶ道に溶け込んでいく。今度はどこに行こうかな?

それから私とすーくんは気になったところに寄って、食べ物を食べたり、遊んだり満喫した。主に私だけが! やっぱり、すーくんはお祭り自体に興味がないようで自分から何かやるとは言ってこなかった。まあ、そこに関しては全く気にしていなかったんだけど。
「今度はね~」
「もういい加減、帰ろうよ……飽きたんだけど」
「えぇ? もっと遊びたい!」
「嘘だろ。飽きないの?」
「ぜーんぜんっ!」
「マジかよ……しかもスゲー元気じゃん。あり得んわ。おれ、疲れた。人多すぎて疲れた」
まあ、明日もあるし、今日はこのくらいで勘弁してあげなくもないけどねっ!
「そーしてくれるとありがたいっすわ。お嬢様」
「お嬢様って呼ぶならもっと敬ってよ」
「じゃあ、二度と呼ばねぇ」
「なんでよぉ! 私、すーくんの主……?」
ぴたりと動きを止めた私に気づいたのか数歩進んですーくんも歩みを止めた。
「すぅ? どうした?」
「あれ、あの人……って、すーくん見えないのか」
「知り合いでもいんの? えっと……?」
気配でも探ってみるつもりなのだろう。しかし、そんなことするより、私が言ってしまった方が早いか。
「あのね、アラシさんがいるの」
「ふーん……え、アラシ?」
私達の友人の一人であるマグマラシのアラシさん。私と同い年で、いつも私と同じ種族で白い毛並みを持つイーブイのツバサちゃんと一緒にいるはず。けれど、今はツバサちゃんの姿は見えず、アラシさん一人だけのようだ。
私達と二人の関係は説明するのは難しいので詳しいことは話すつもりはない。が、友人関係であることは断言しておこう。
「アラシがこんなところに一人なんてあり得ねぇわ。なんかあったな」
「そうだね。はぐれたのかな?」
「誰が。アラシが?」
「そんな間抜けなことするかな……?」
「……人のこと言えないだろ、お前。まあいいや、話しかけてみればわかる」
確かにそうだ。この人混みでアラシさんはこちらには気づいていないようだし、こちらから話しかけないと一生気づかなそう。
「アーラーシーさんっ!」
「!! ビックリしたぁ……イブか。っとフォースもいるのか。なんか雰囲気違う? つーか、この時期にマフラーって暑そうだな?」
私が後ろから話しかけたせいか、ビクッと体を震わせてこちらを振り向いた。なんかちょっと可愛いかも。
「イメチェンだ。そっとしとけよ。……ってかお前、こんなところで一人なの? 罰ゲーム? 可哀想に」
「違うから! そんな哀れみの目で見るな! そうじゃなくて、ツバサと来てたんだよ! けど、どっかではぐれたっぽいんだよな……二人は見かけた?」
アラシさんの問いにふるふると首を振る。人が多いとはいえ、ツバサちゃんは目立つからすぐに分かるはず。すーくんも知らない、と一言返す。
それにしても、ツバサちゃんがいなくなれば周りに何をするかわからないってほど取り乱すのに今回はいたって冷静というか落ち着いて見える。どうしてなのだろう?
「なあ、イブの目に俺はどう写ってるんだ? いや、ここってピカ達のいる町だろ? それにさっきからピカの仲間がいるの見かけているから大丈夫かなって」
「ほお? アラシにしてはいい判断してる」
「なにそれ、嫌みか? 嫌みなのか?」
「いつもなら暴れる勢いで取り乱すから?」
「んなこと…………ないって言えないかも」
言えませんよ。ピカさんに殴って止められるのがオチですもんね……
「えっと……素?」
「諦めろ。素だ。……で? どの辺ではぐれたとか覚えてんの?」
「実は気づいたらいなくなってたって感じなんだよな……たまにあるから……こういうの」
「ちゃんと見とけよ、お前の彼女だろ~?」
「かのっ……! はあ!? 違うから!!」
恥ずかしさと照れのせいか真っ赤になって反論するアラシさんにすーくんは気に止めず、私の方を見てきた。
「すぅ、一旦ペンギンんとこ戻るぞ。いいか?」
「いいよ。一応、連絡入れてみたら?」
「そーだな……んじゃ、隅っこ寄りたいからちょっと移動するぞ?」
すーくんの言葉に従い、私達は人の少ない隅の方へ移動した。移動したところですーくんはバッジを取り出して、ピカさんかあるいはポチャさんに連絡を取る。あのピカさんの様子を見ているし、多分、ポチャさんの方だと思うけれど。すーくんが連絡を取っている間、暇だし、アラシさんと話していよう。
「イブはフォースと回ってたのか?」
「あ、はい。昨日はチコちゃんとポチャさんと一緒でした。明日は分かりませんけど、ピカさんもいると思いますよ」
「へえ……?」
「アラシさんは? なぜこのお祭りに?」
「ツバサが来たいって言うから……どこで嗅ぎ付けたのか祭りがあるって聞いたらしくてな。他のやつらとは都合つかなくて二人になったんだけど」
「なるほど……デートですか?」
「!? ちがっ……!」
「男女のお出かけはデートなんですよ、アラシさん。ピカさんが言ってましたよ」
ピカさんが言ったのを正確に言えば、好意を持っている人同士で出かけること、だと思うけど。二人とも好意はあるし、間違ってないでしょ。
「そういうお前らもデートだろ……?」
「……チガイマス」
「いや、片言の時点で意識しているだろ!」
「アラシさんにだけは言われたくないですね」
「俺もお前にだけは言われたくないわ!!……やめよう。互いにいじりあってても虚しくなるだけだわ」
「ですね……」
ここにピカさんいたら大変なことになっていたな……
「二人して何騒いでんだか。連絡取れたよ」
すーくんの言葉に私とアラシさんは今までの会話なんてなかったかのようにすーくんの方を見る。
「ツバサのやつ、ピカと一緒にいるらしいんだけど、今は本部の方にいないみたいだ」
……? どういうことなの?
「まあ、とりあえず行ってみればペンギンが説明してくれんだろ。行こうぜ」
あ、こいつ、説明したくないんだな。
すーくんの言う通りにした方が早いだろうと結論づけ、ポチャさんのいるであろう本部の方へと向かうことにした。



~あとがき~
次回で二日目も終わるかもしれませんね。

次回、いなくなったピカとツバサちゃんの行方とは!

アラシ君とツバサちゃんは友人のキャラでございます。了承を得て物語に出しております。この二匹はかなり前に出たチラチーノのリアさんと同じ製作者さんのキャラですね。もう可愛いね。
まあ、アラシ君とツバサちゃんはゆるトークにも出していたので、知っている人は知っているかと思いますが。……あ、ゆるトーク書いてないなぁ(白目)
ごほん。
小説に出すのは今回が初めてですが、イブやフォースを始め、メインキャラ五人と交流を持つアラシ君とツバサちゃん。お祭り編以降は出るのか微妙なところですが、このお祭り編ではよろしくお願いしますね! ちなみに、三日目に出すかは全く決めていないです。

ではでは!