satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 6ー2

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしているため、原作のイメージが崩れる恐れがあります。苦手な方はバックしてくださいね!
ピカ「前回は変なとこできったよね」
ポチャ「うん、そうだね……」
ピカ「まだまだ終わる感じしないし」
ポチャ「……う、うん」
ピカ「……話すことないな~」
じゃあ、もう始めるよ!!


~6‐2 やってきたあいつらと失敗~


一捻り、か。痛そうだな。
なんだか、こいつらに威張られても凄さが伝わってこない。まあ、悪どい探検隊って言っていたし、凄くも何ともないんだろうな。実際。
そんなことを考えていると、外に繋がる梯子から嫌な臭いがしてきた。私が顔をしかめていると、ドガースも気づいたらしく、にやりと笑った。
「お、噂をすればこのニオイは……!」
「アニキのお出ましだ!」
ちょうど私の横に梯子があった。嫌な予感しかしないけれど、ドガース達の言うリーダーとやらが見てみたいとは思う。ぶっちゃけると、怖いもの見たさというもののような気がする。
梯子から降りてきたのは見たことがないポケモン。まあ、私からすればほとんどのポケモンは見たことがないのだけれど。臭いの元はこのポケモンからのようだ。四足歩行でかなり体が大きい。ドガースズバットは毒タイプで探検隊の名前からしても、こいつも毒タイプ持ちなのだろうか。
「邪魔だ、どけ!」
乱暴すぎかよ。しかも、そこまで邪魔してないけど……!? まあ、いいよ。どくよ。
なんて、思っていたのも束の間。ドクローズのアニキとやらがこちらに向かって何かを吐き出した。それは臭いの塊のようなもので、さきほどからずっと微かに漂っていたものだ。いきなりで回避するのも間に合わず、鼻が曲がるような臭いに包まれる。……というか、臭いの攻撃なんてものをどう回避しろというのか謎だけども。
そんなわけで、この臭いのおかげで私が意識を手放すのにもそうは時間はかからなかった。客観的に言えば、不意打ちとはいえ臭いでやられるなんて、かなりお間抜けな話である。

ばたりとピカがポチャの目の前で倒れた。恐らく、目の前に現れた、ドガース達のアニキにしてドクローズのリーダーであるスカタンクの仕業だ。そして、スカタンクが放った臭いは風に流され、雑談をしていたキマワリビッパ達の方へと行ってしまった。
「キャッ! 何ですの? なんだかオナラ臭いですわ~!」
「あ、あっしじゃないでゲスよ~!?」
「ヘイヘイ! それじゃあ、一体誰がしたんだよ!」
雑談していたメンバーではないのなら、とポチャ達の方へと目を向けた。臭いの原因であるスカタンクは平然としており、何でもないようにポチャを睨み付けた。
「どけ。お前もさっきの奴みたいに張り倒されたいのか!?」
「……っ」
本来であれば、自分のパートナーがやられたのだ。文句の一つでも言ってやってもバチは当たらないだろう。ピカは何もしていないのに、とばっちりを受けただけだ。しかし、ポチャの中でピカがやられてしまったという事実は大きかった。彼女がやられてしまった相手に敵うわけがないのではという考えが浮かんでしまう。実際に何かいい手がすぐに思いつくはずもなかった。
ポチャは黙って、スカタンクに道を譲った。譲ってしまった、と言うべきか。そんなポチャを見て、ドガースズバットは嬉しそうにスカタンクに話しかけた。
「アニキー!」
「へへっ! やっぱり、アニキはつえーやっ!」
「そんなことより、お前達、何か金になりそうな仕事はあったのか?」
「いえ、掲示板にはセコイ仕事しかなかったんですが……それより、耳寄りな話がありますよ」
人助けよりも金儲けが一番という考えのドクローズはここに仕事を探しに来たというより、いい儲け話を探しに来たという方が正しいようだ。
コソコソとズバットスカタンクに耳打ちする。話を黙って聞いていたスカタンクは話が終わるとにやりと笑う。
「ほう? このギルドで遠征を? それは美味しそうな話じゃないか」
「でしょー?」
「これは帰って悪巧みだな。行くぞ、お前ら!」
「へい!」
スカタンクの号令に二人は声を揃えて返事をすると先に出ていった、スカタンクの後を追う。そしてそこで何かに気づいたように、じっと見ていたキマワリ達の方を見た。
「おい、オメーら! 見せ物じゃないぜ!」
ドガースに言われ、慌てて目線を反らしたり、そっぽを向いたりした。もうあの臭いを嗅ぐのはごめんだと思ったのかもしれない。
「へへっ! じゃーな、弱虫君!」
捨て台詞のようにズバットがポチャに向かって吐き捨てた。その言葉を否定出来ぬまま、ズバット達が去るのを待つことしか出来なかった。
「……ぼく、は」
ピカが、パートナーがやられたというのに、何も出来なかったのか、と。後悔の念に捕らわれそうになるが、倒れてしまっているピカを見て、はっと我に帰った。後悔よりもやることがある。
「ピカ! ピカ!! 大丈夫? しっかりして!」

声をかけられ、揺さぶられると、ふわふわしていた意識がはっきりした。暗転していた視界も元に戻り、ゆっくりと体を起こした。
「よかった……怪我はないみたいだね」
「……あー? あの、ポケモン…」
スカタンクって言うんだよ、ピカ。……それにしても、乱暴な奴だったね……」
確かに。どけっていうから、じゃあ退きますよってなる前に攻撃してきた。対応出来なかった私も私だが、あいつもあいつだ。あんなのが探検隊なのか。……なんだか腹立つわ。まだ臭いが残っている気がする。というか、嗅覚が麻痺しているのではなかろうか。
「ぼく、あいつを目の前にして、戦う勇気が出なかった。……ピカがやられたのに」
「いや~……こんなとこで戦っても、迷惑だからね。戦わなくて正解だから」
責任でも感じているのだろうか。ポチャは落ち込むことないと思うのだけれど、それは私の主観によるものである。ポチャ自身はそうもいかないようで、はあ、とため息までしていた。
「やっぱり、ぼくって駄目なやつだな」
暗い暗い暗い!! どうした。ネガティブになっているぞ!? いつもの明るいポチャはどこに行った! 
「そんなことないよ。ポチャもギルドでの修行、頑張ってるじゃない」
「……ありがと、ピカ。……でも、ぼくは……」
あーやめろ! これから仕事行くのに、そんなテンションはやめろ!!
「ううん。ぼくが駄目なのは今さらだしね。勇気がなくても、頑張るって決めたんだし。元気出していくね」
更にネガティブ発言するのかと思ったが、そこは踏みとどまったようで、笑顔を見せてくれた。
よかった。一日中テンション低くいられても対応出来ないもんね。
「今日の仕事は掲示板の仕事だったよね? 何か選んで仕事しようか!」
「そうだね。まあ、何でもいいけど……」
なんだか空元気にも見えてしまうが、このギルドの修行の中で少しでもポチャが変われたら。自分に少しでも自信を持てればな。
……それと、あのスカタンク達が何かしてこないといいんだけれど、これは勘だが嫌な予感がする。



~あとがき~
いや~……出てきましたね。スカタンクさん!
別に好きでも何でもないんだけどね。

次回、ぺラップから告げられる大切な仕事とは!

次回の話、本来なら空の探検隊ではパッチールカフェがオープンするんだけど、空と海で一切何も言っていないんだよな、と思いカットですね! まあ、かなり先ですが、空の頂の話はやりますよ。どう知ったのかなど少し改変入れますが。
もしかしたら、言っていないだけで、カフェもあるのかもしれませんな……?

空と海のピカちゃんならすぐに何らかの手段を用いて、避けそうなものですが、まだまだ未熟な修行の身。普通にやられましたね。結構、理不尽だと思うんだけど、臭いニオイをぶちまけられる主人公、可哀想だよね……

ではでは!