satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

Fantasy world

この作品はポケモン二次創作です!
さらにさらに魔法やらなにやらファンタジー要素多めなのでご注意を!
では、始めまーす!


~第13話 自然の魔法~

ふっと目を覚ますといつの間にかベッドの上で寝ていた。最初は椅子の上だったはずだが、初代がベッドに移動したのだろうか。
「んん……でもまだ眠い…」
もぞもぞと寝返りを打ち、頭から布団を被った。
しばらくすればメイが入ってきて、俺から布団をひっぺがすだろう。それまでは寝かせてください……
なんて言ってもそんなに長くは続かないんだろうけど。すぐに部屋に入ってきて、起きてくださいーって来るに決まって…
「イ…イオさん! 朝ですよ……? メイさんが起こしてきてくれって言っていたので……あの、起きて……ますよね?」
何と言うことだろう。メイじゃなくて、ミルが来たよ。
控えめに俺の部屋のドアから顔を覗かせているミルの姿を想像した。流石にメイのように過激に起こさないか。このまま知らぬ顔で寝ていれば、帰ってくれるだろうか。少し試してみよう。
俺は動くことなく、様子をうかがう。ミルは最初の呼びかけだけしかせず、何かを言う気配はない。かといって戻ったわけでもないようだ。
「あの、イオさん。もしこれで起きなかったら、どんなことしてもいいって言われてるんです。なので、えっと……もし起きなかったら、申し訳ないんですが、布団ごと灰にさせてもらいますね……!」
なにこれ。腰の低い恐喝?
「三秒数えるので、その間にお願いします」
マジか。本当に燃やされるかな。灰になるのかな、俺。
少し興味はあったが、本当に燃やされたらたまったもんじゃない。しかも、部屋の一角が燃えてなくなりそうだったために、俺は黙って布団から顔を出す。
「あっ………おはようございます、イオさん!」
「…………っはよう、ミルさん…」
俺が顔を出しただけだというのに、嬉しそうな顔しやがって。ここで二度寝でもしたら、今度こそメイが飛んできそうだ。
「はあ……まだ眠いんだけど…」
「でも、この時間にはイオさんはもう起きてるってメイさんが言っていましたよ?」
メイが無理矢理起こすからな。本当はもっと寝ていたいんだ。欲を言うなら、一日ずっと布団の中にいたいものだ。
ミルと共にリビングに行くと、メイが楽しそうに朝食の準備をしていた。昨日みたく、朝からケーキはないようで、内心ホッとしている。
「おはよう、メイ。まさかミルを使って起こされるとは思ってなかったよ」
『おはようございます、イオ様! 効果覿面だったようですね♪ これからはミルさんに起こしてもらうことにしましょうっ!』
毎日生命の危機を感じながら起きろってことか。明日から一人で起きるように努力しよう……
「今日の予定はー……あれだ。他のとこにこいつ紹介しに行くんだった」
『なるほど。他の神の使い様方からお誘いがあったのはそういうことですか』
「そーゆーこと………ふあぁ…」
欠伸をしながら椅子に座り、机に突っ伏す。
本当に眠い。恐らく、初代が出てきたせいだ。あれはそれなりに体力使うんだよな。これ、他の奴等のところに行くの、やめようかな……
『イオ様。シャキッとしてください、シャキッと!』
「シャキッと……無理…」
『ほら。朝食ですよ。食べたら行きましょうね♪』
なんでこんなに元気なの……この子。
そう言えば、初代が出てきたということは、メイも会っているはずだ。
「メイ、昨日初代に会った?」
『はい。………でも気紛れだったみたいですよ。気にしないで大丈夫です』
「ふうん……そう。メイ、シェルんとこに連絡入れとけ……一応…」
『承知しました』
俺は皿に盛り付けてあったサンドイッチを一つ取り、そのまま席を立った。話が読めていないミルがおろおろしている。
「席、勝手に好きなとこ座っていい。それ食って準備出来たら出るぞ」
「あ、はい! よろしくお願いします……!」
ミルの返事に片手を上げて返し、サンドイッチを口にくわえる。行儀悪いとは思うけれど、座っていると食べながらでも寝られる気がするため、そこら辺は許してほしい。
それにしても、行く順番はシェルからでいいのやら。でも、使い魔であるマーチが一番しっかりしているし、間違った選択ではないだろう。そのあとが問題ではあるが。
「…………ま、適当でいいや」
部屋を出て、行く準備をするために自分の部屋に向かう。大した準備もないが、いつも通りの装備をしておこうかな。

「いらっしゃあぁいっ! あたし、シェルっていうの! よろしくね、ミルミル!」
シェルの家に来て第一声がそれだった。こんな挨拶からだと、初対面のミルはもちろんだが、俺も若干引き気味である。いつもの男物の浴衣に元気一杯の笑顔。いつものシェルだ。
使い魔のマーチとメイは俺達から少し離れ、何か話をしているようだ。それにしても、だ。
「………元気だな、お前は」
「そりゃ、元気が一番でしょっ! イオも元気じゃないと、何も出来ないよ!?」
「あーはいはい。元気元気………ミル、こいつは自然を司る神の使い。俺の仲間だよ」
「………自然?」
「そうっ! あたしは自然魔法が得意なの。例えば、お花とか木々とかね! そういった子達の力を扱う魔法なの♪」
「ほへぇ~……?」
首を横に傾けながらも、何とか理解しようとしているようだが、絶対に分かっていない。
「シェル、見せた方が早いんじゃないか?」
「そかそか! いいよ、見せたげるっ!」
高らかに宣言すると、数歩下がり、ぼそっと何かを呟いた。それは呪文の暗唱かもしれないが、シェルの場合、呪文よりも感謝の言葉だろう。
いつも無邪気に飛び回り、どう見ても子どもっぽいシェルではあるが、自分の司る魔法に関してはかなりの敬意を払っているように見える。それは小さくても草花を操る魔法。つまりは命を扱う魔法なのだ。そのことを理解し、自然に咲く草花はもちろん、魔法で扱う草花に愛情を注ぐ。
「さあ、咲き誇ってお花さん達! “フラワー”!」
バッと両手を天に向かって広げ、そう言うとたちまちシェルの周りに色んな種類の花々が咲き始めた。季節なんて関係ない。色とりどりの花は綺麗に咲いている。
「わあ………! あれ、でもここ、お家の中なんじゃ……!?」
「そうだよ! この子達は本当のお花さんじゃないから、私がバイバイしたらちゃーんと消えるよ」
「つまり、これはシェルの魔力が具現化した物だと思えばいい。もちろん、ここに存在する限り、誰にでも触れるし、花の香りもするだろう?」
「…………はい。ちゃんとします」
「これがシェルの魔法。これを応用すれば、自在に花……もっと言えば、植物を操れるんだよ。もっとも、これは初歩的な魔法で取得すれば誰にでも出来るけど、俺とは相性が悪いから期待すんな」
「イオって、無機物は創れるのに有機物は無理?」
シェルの口から無機物、有機物という言葉が出てくるとは。
「創れなくはないけど……こんなには無理。季節も無視できないし、精々ブーケ作れるくらいしか一度に創れないかな……しかも有限だしね」
「ほんと、ふつーのお花さん達しか出来ないね」
こいつに馬鹿にされてると思うとかなりムカつくが、シェル自身、馬鹿にしてはいないだろう。素直に思ったことを言っているだけだ。
「………シェルさんが出したこの花は無限ですか?」
「そうなのだっ! 私が許す限り、永遠に咲き続けるの。凄いでしょー?」
「それは凄いです! シェルさん、凄いです!!」
「えっへんっ! もっとほめていいんだよー!」
「凄いですー!!」
なんか、波長が同じ……?
変に同調しているシェルとミルを見て、紹介してよかったと思えた。
でも、変に影響を受けなきゃいいんだが……





~あとがき~
ひさっしぶりの更新ですね。前回が今年の二月かな。しかもそれは、小説ではないというね……
まあ、話的に一年以上空いてしまってました。ごめんなさい!
そして、紹介一発目! シェルさんです。
シェルの魔法の紹介でもありますね。

次回、メイとマーチのお話。
なんとなく、お話しさせたかった……

特に言いたいことはないんだけど……まあ、そうですね。自然魔法に関しては別に植物に限った話ではないことだけ言っておきます。シェルは植物が好きだからそれを好んで使っているだけであって、他にも出来ることはあるんですね。はい。
あ、イオも自然魔法を使えます。反対にシェルも創造魔法出来ますよ。多分、下手ですが。
人にはそれぞれ適材適所があり、扱う魔法もそれぞれ変わってくる……みたいな話をどっかでしたようなしてないような(笑)

ではでは!