satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第144話

~前回までのあらすじ~
やっと、開始です。
一回戦いっくぞぉぉ!!
ピカ「……」
フォース「……」
ホノオ「……」
なんか言えば!?
ピカ「特にないっていうか~」
フォース「早く終われって思ってる」
…………わかったよ! さっさと始めるよ!!
ホノオ「行き当たりばったりだけど、よろしくね」
あ、ありがとう……行き当たりばったりは余計だけど……
ピカ「ほんとのことじゃん。ホノオさん、的を射てますね!」
うぐっ……


エレキの質問で意味があるのかと問われれば、まずないだろうと答える。ここが本当の戦場で、こんなに誰も動かないのなら自分以外の者はすでに倒している。まあ、それをする必要があるならの話であるし、なによりフォースはそんなやる気は微塵もない。更にこのエレキの質問に答える義務もない。誰にも聞こえないが、頭の中でないと答えるだけだ。
「そういうなら、エレキさん動いてもいいですよ」
「動くとしてもアクアんとこには行かん。斬られる」
「物騒ですね。斬りませんよ……多分」
「多分って……つーか、フォースって言ったっけ? 丸まったまんまだけど、聞こえてる? 生きてるの?」
丸くなったままのフォースを気遣ってか、あるいは気になっただけか、話しかけてきた。恐らく後者だろうなと思いつつも、無視をする。そもそも、バトルするはずなのに呑気に話す必要はどこにもない。仮に話すとすれば、相手を油断させるためということも考えられる。よって、不用意に答える必要はないのである。しかし、この場にいる者達にそんな考えを持っているとは思えないのが現実だ。
「……話す気はねぇか。難しい年頃なのかね?」
「単純にエレキさんと話したくないだけじゃないですか?」
「酷くない? 初対面でそれはないよね!?」
「生理的に無理とか?」
「救えないやつじゃん。へこむからやめろ」
「ま、このままだと冷めますし、この企画も危うくなりますし、やりますか。僕の狙いなんて決まってるんですけど」
アクアはホタチを手に取ると、ぐっと構える。ようやく動く気になったらしい。アクアの動きを見て、エレキも防御体制になり、会話に入らなかったもえぎは少しだけ体を強張らせた。フォースだけが未だに丸くなったままである。
「悪く思わないでくださいね……! とりあえず、“シェルブレード”!」
「とりあえずって何!!」
エレキの突っ込みは無視し、ダッと勢いよく走り出して、狙いを定める。狙いは動く様子のないフォースだ。本当にとりあえず、誰かに攻撃してみるかという感じのようで気迫は感じない。
「とりあえずでおれに攻撃しないでよ……まあ、攻撃しやすく見せてるおれもおれか……」
誰にも聞こえないような小さな声でぼそっと呟く。避けなければこのまま当たってしまう。それはそれで構わないが、これを機に全員の的になっても困る。この姿で戦うのはごめんだ。
「……はあ、動こ」
丸まっていた体を元に戻し、ゆっくりと立ち上がる。ゆっくりとというのは、フォース自身の体感であって、端から見ればまた違うかもしれないが。
一方、技を出したアクアは本気ではなかったし、手加減もしていた。が、避けられるような隙を与えたわけでもなかった。それなのに手応えはない。
「……? え、避けたの?」
「まあ、これで始まったってことだよな。悪いな、アクア! “ボルトチェンジ”!」
「はあ!? ズルくない!?」
アクアの起こした土煙に紛れつつ、エレキは体に電気をまとい、アクアに突っ込んできた。それをアクアは臨機応変に対応し、ホタチで受け流す。受け流されたエレキは“ボルトチェンジ”の効果で素早く距離を取った。
「チッ……一発食らっとけよなぁ~」
「あん……いえ、あなた、そんな性格でしたっけ?」
「おうおう。本性見せてくれてもいいんだぜ。いい子のアクアちゃん?」
「あぁ!?…………僕の手で戦闘不能にしてやる! と、その前に、フォースって子……どこに?」
エレキの方に意識は向けつつも、ぐるっと軽く会場を見回した。すると、元々いたところからかなり離れた隅っこの方で再び小さくなっていた。パッと見たところ怪我をした様子もないし、避けられてしまったのだろう。
「え、待って? こっからあそこってそれなりに距離あるよ? どうやって避けた…………!」
思考を巡らせようとしたところで、エレキに邪魔をされる。一度攻撃をしてしまえば、あとはその波に乗るしかない。一瞬足りとも油断は出来なくなったのだ。
そして、フォースが逃げてきた傍にはアクアとエレキから離れていたもえぎがいた。もえぎはフォースを攻撃するどころか、近くまで寄ってきて隣に座った。
「…………何? 別におれのこと、攻撃してきてもいいんだけど」
「戦うの、嫌いだから……こうして他で戦ってくれた方が……その、嬉しいから」
「ふうん。……これに勝ちたいとか思ってないの? お前じゃなくてもお仲間さんとか」
「二人とも、仕方なく出てるから……勝ち上がることなんて……思ってないし、考えてないよ?」
「あっそ」
「…………君は? どうして出ているの?」
「成り行き」
「そっか。大変……だね」
「……そうでもない。こうしてるだけでいいから」
「戦わないの?」
「おれが直接戦う必要、あると思う?」
フォースがそう言うと、顔だけ上げて勝手にやり始めたアクアとエレキの方を見た。そして、もえぎを見上げ、首をかしげる。言っていること分かるだろう、とでも言うように。それを汲み取ったらしいもえぎはこくこくと納得でもしたようにうなずいたあと、困ったように笑った。
「他力本願……なんだね?」
「まあ、今はね。数多いし、面倒だから極力動かないだけ。危なくなったら避けるだけ。こちらに攻撃が向くようなら……そうならないように仕向けるだけだから」
「……頭、いいんだ」
「おれじゃないよ」
もえぎから目をそらすと、今度はピカ達の方を見た。フィールドに出てきていないピカとホノオは何やら話していたようだが、ピカがフォースに気付き、軽く手を振ってきた。フォースはそれを無視して再び顔を伏せる。
「ピカさん?……でも、出てきてないのに?」
「あいつが出てくる必要はない。出なくても、試合は誘導出来る」
「……何を考えているの?」
「何って勝つことしか考えてないよ」
当然のように、しっかりと力強く言う。ピカにはそれしか見えていないから、フォースもそこを見ることしか考えていない。やる前は無理だと言っていたが、一度始まってしまえば負けることは考えていないらしい。ピカの目は勝つことしか考えていない。そのために頭を働かせているのだ。
「要するに勝つのは、おれ達ってこと」



~あとがき~
あ、これ、いつ終わるのかな(白目)

次回、バトル! どうなるか知らん!!

エレキ、アクアのところには行かねぇって言ったのに普通に攻撃してますね。まあ、隙があれば攻撃するよって感じなんだろうね。

さてさて今回は三回目! レンさんのチームです。
レンさんはあれですね。フライゴンのレンはシアの補佐です。あんまりやる気はなさそうですが、やるときはやるんじゃないかな。あと、新婚じゃなかったかな。ここでは。詳しいことは忘れたわ((←
エレキは約束に出てくるあのエレキです。空と海の時代はまだ現役バリバリでそれなりに戦えます。ここでのツッコミポジです。残念なのは昔も変わらないご様子。左耳にスカーフ巻いてますよ。今回、描写したか忘れたけどね!
太陽はこの中ではエース的存在です。あと、なんとなく分かった人もいるかもですが、浅葱のことが大好きです。マイハニーとかマイエンジェルとかハニーとか天使とか色々言ってきます。浅葱に何を言われても、何をされても笑って、可愛いなとか言っちゃう変態(?)さん。左腕にスカーフ巻いてます。浅葱と同じ物ですね。

こんなんかな……こんなんでいいのかな?
気になることあれば言ってくれれば、教えますよ。今後のネタバレにならないやつなら答えますです!
ではでは!