satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第153話

~前回のあらすじ~
進んでいるようで、進んでません。
フォース「今までのなんだったんだ……」
まあまあ、なんとかなるって!!
フォース「……」
あまり得意ではないバトルが続いてますが、まだ終わりませんよ~(白目)
では、始めまーす!


鈴の音が鳴ったことに、否、フォースが鳴らしたことにピカは興味深そうに見つめていた。そんなことするとは考えていなかったからである。しかし、計画外のことだとしても、大した問題ではない。
「初めて会ったときとは大違いだねぇ……まあ、いいけどね。今は関係ないし。んで、ホノオさんはいけますか?」
今の現状を分析し終わり、少し後ろに控えていたホノオの方をちらりと見る。準備運動を終えたホノオはにこっと笑った。
「大丈夫だよ~♪ いつでもOK」
「んじゃまあ、いきますかねぇ……ホノオさん、やることは分かってますか?」
「うん。理解してる」
一度もフィールドに上がってもいないのに、ピカには全てお見通しのようであった。目の前で繰り広げられる戦いを見て、作戦を組み立てては修正を入れ続けている。
「そろそろ呼び戻すか。フォース君も色々してくれたし、よしよししてあげよう~♪」

ピカが思案している同時間。
「……あ、れ?」
「んふふ~♪ 成功してよかったねぇ」
今まで猛毒のせいで苦しかったはずなのに、鈴の音を聞いてから、それがすっかりなくなっていた。すくっと立ち上がり、くるくると自身の体を確認をする。その様子を見ていたナイトはどういうわけだか、理解出来ていないらしかった。
「……はぁ!? なん……えっ!?」
「じゃ、あとは勝手にやってね。おれは退場するから……」
「フォースくんっ……!」
フィールドから離れようとしたフォースをもえぎが呼び止めた。もえぎの顔には説明してほしい、というのがありありと読める。確かに、この状況は理解するには難しいかもしれない。
「……ま、簡単に説明すると、おれは“いやしのすず”を鳴らしたんだよ。で、オネーサンの猛毒を治した。はい。説明終わり」
「あ……あの、鈴の音……」
納得したらしいもえぎはうんうんと頷き、それを見たフォースは歩みを再開した。が、それを遮ったのは敵のナイトだった。
「待て待て待て! “いやしのすず”って、味方にしか効果がないはずだろ? なんで敵に効いてるわけ!?」
「はぁ……それも説明するのぉ? やだ。めんどーだよ」
「そこ重要だろ!? 場合によっちゃ、不正扱いだかんな…」
「それは困る~♪……しょーがない。説明してから退場するよ。つっても、理屈は簡単だけどねぇ……オネーサンとおれがお互いに敵だと認識しなかったってだけだよ」
フォースの種明かしにナイトは困惑するばかりだった。お互いが敵同士のこの場で、認識していなかった、なんてあり得ない。……理屈では、だが。
「だから、おれは聞いたんだよ。敵ではないって言えるかってさ。で、オネーサンはならないって言ってくれて、嘘じゃないって分かったし。だから、おれもオネーサンを信じたんだよ?」
「つまり、敵だと認識してなかったから、効いたってこと? そんなのってあり……?」
「ん~……こーゆー理屈っぽいことを説明するのは、うちのリーダーに任せたいところなんだけどね……得意なのはおれじゃなくて、ピカだから」
はあ、とため息をついた。心底面倒であるという気持ちの表れであるが、それを察してくれるほど敵も優しくない。
「でも、理由は今言ったことが全てだよ。敵じゃないって認識したから効いたってことでいいじゃん。そんなに気になるなら、暇そうにしてる解説者に教えてもらえばぁ? んじゃね~ん♪」
馬鹿正直に一から十まで教える必要はない。どうして効果があったのか、という理由は伝えたのだ。これ以上、言うことはしなくてもいいだろう。
「おれ、交代するから。あとは……まぁ、頑張ってね? オネーサン」
「う、うん……」
てとてとと自陣まで戻っていく姿は隙だらけではあるが、不意打ち出来るわけでもない。ナイトは腑に落ちない様子で黙ってフォースを見送るのだった。

『うふっ♪ なんだか、坊やにお仕事任されたみたいねぇ♪』
別に暇そうにしていたわけではなく、絶えず観客に解説をしていた一人の浅葱が面白そうに笑う。対して、慣れないことをしているポチャは露骨に嫌な顔を見せた。
『えっ……しますか』
『ご指名を受けたんだもの♪ しましょうか』
浅葱が最後まで言ってくれるのだろうか、と若干の期待もあったのだが、どうやらそんなことはないらしい。至極当然のようにポチャにもやらせる気満々であった。
『交代までの少しの時間があるしね。見ている皆に教えてあげるのもお仕事よ』
『……はい。あーっと、じゃあ、まずは……ダンジョン内での技効果の話からしましょうかね……って、知ってる人も多いと思うけれど』
『そうね。ダンジョンの中ではチームメンバーであれば味方であると確定されるのよね。ダンジョンの作用というか、そんな力が働いているのかしら』
『そこら辺はまだはっきりしていませんけど。……ダンジョン内では、チームを組んだ者が味方で範囲技も効果が出る。“いやしのすず”もその一つ。味方全員の状態異常を治す技』
『では、ダンジョンの力が作用しないこの場では、どうなるのかってところだけれど……それは、坊やが言っていたわね。使用者がどう思うか、そこがポイントね』
つまり、使用者が味方であると判断した者のみに効くというものだ。口だけではなく、心から信じてこそ発動するのである。そのため、ダンジョン外で範囲技を使用する場合、それなりの覚悟は必要だ。自分の心が、相手をどう思っているのかが重要になるのだから。
『フォースも半信半疑ではあったと思います。でもまあ、治らなくともフォースに損はないですけど……最悪、レンさんの眠り状態も治しちゃいそうだけれど、そこは心配ないかな』
『レンの場合、完全に戦っていたし、仲間だとは思わないでしょう。一時とはいえ、協定を結んで共に戦った戦友みたいなもえぎちゃんを助けたかったのね♪ 義理堅いのね』
浅葱は義理堅いと言ったが、ポチャ的に言わせると、後々事を荒らげないための手段の一つであるように思う。助けてもらった借りがあるから返しただけであるから、フォース自身、義理堅くもないだろう。それを訂正する必要もない。
『次に出てくるのは、どっちかしら』
『ピカはないです。多分』
ここまで来たら、余程のことがない限りはピカが出てくることはない。これもまた、パートナーとしての勘だった。
そして、フォースに次いで出てきたのは、ポチャの予想通りピカではなくバクフーンのホノオだった。



~あとがき~
はあ……おわんねぇなぁ…(´・ω・`)
自分から始めてるからあれだけど、やっぱ字にすると辛いですね。難しいな……

次回、出てきたホノオが取る行動とは……?
予想出来そうですね。だって、初っぱなで言ってたもん!!(笑)

……ん? もしかして、フォースが初手だった理由言ってなかった? まあいいか。大したことじゃないし、目的なんてどうでもいいですね。はい。

この話まだ一回戦ですが、一回戦の半分はもう終わってます!(流れ的には)
全体としては半分いってないですね!! いつ終わるんだろ。今年でバトルロイヤルが終わるのが理想。(祭りが終わるとは言ってない)

ではでは!