satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第155話

~前回までのあらすじ~
ホノオとナイトが戦い始めました。もえぎとレンは蚊帳の外です。
レン「俺的にはまーったく問題ない」
もえぎ「……問題ない、です」
戦ってるのも二人だけだし、すぐに終わりたいですな~……願望です。
では、始めていきますかね。


「“れんごく”……命中率はいいとは言えない技だけど、当たればやけど状態に出来て、大ダメージを負わせることが可能の技……か。よく当てたな」
「ホノオさんの技の完成度は凄いからね♪」
「いや……理由になってないんだけど。つーか、いい加減にしろ! 撫でるな!!」
フォースが帰ってきた途端に、ピカに捕まり頭を撫でられ続けていた。初めはすぐに飽きるだろうと放っておいたのだが、夏だというのにずっと抱えられた状態だったのだ。
「えぇ~? いいじゃん。フォース君もっふもふなんだもん~」
「うるっせぇ! 嬉しくないからね!?」
「ま、ナイトさんとホノオさんの勝負はこっちが貰ったも同然ね。問題はその先だけど……なんとかなるし」
「ふーん」
「……ホノオさんが“れんごく”を当てた理由はね。仕掛けていたからだよ」
「えっ?」
ピカの答えに思わず聞き返して、ピカの方を見上げてしまった。ピカは変わらず笑顔のまま、解説を始めた。
「危険を冒してまで突っ込んだ理由は、ナイトさんの逃げ道をなくすため。ホノオさんの強みは流れるように、ごく自然に技を出せること。つまり、相手に隙を見せないことなんだよ」
「……突っ込んだときにはもう、先が見えてたってことか」
ホノオは相手の先を読み、自分がどう動けばよいのかを考える能力に長けている。いわゆる、危機察知能力と言った方がよいかもしれない。
その能力を駆使し、一番最善な行動をとっているのだろう。考えながら行動し、最善の手を模索するピカの戦い方と似ている。しかし、ピカのように複雑な思考をせず、ここぞというときに直感で動くホノオの方が行動スピードが早い。もちろん、臨機応変に且つ、チームプレイに応用出来るのはピカの戦い方ではあるのだが。
「ソロのホノオさんは強いよ~♪ ま、そんなホノオさんに普段、手綱付けて操っているのは、ナイトさんなんだけどね」
「手綱、ね。……違いない。今回、お前はそれをするんだろう? おれ達に」
「まあねぇ♪ けど、フォース君もホノオさんも単独の方が強いんだけど、何とかしてみせるわ。私がリーダーだからね」
普段のだらけたピカからは聞くことがないであろう言葉が出た。それは、ピカのスイッチが入っていることを示しているのだろう。バトルを嫌がっていたピカでも、勝ちだけを見ていたピカでもなく、そこには冷静に物事を分析する、ピカがいた。
「頼もしいお言葉で」
「とりあえずは外から見て、知識入れてね。次に生かすために」
「……あぁ、分かってる」

“れんごく”から解放されたナイトは体のあちこちがヒリヒリして、立ち上がることも億劫になっていた。余裕綽々のパートナーに対しての苛立ちを隠しつつ仰向けになり、空を仰ぐ。
「……げほっげほっ。あーくそ」
「あはっ。空気が美味しいねぇ? どう? 俺の炎の味は」
「最高に最悪」
「それは誉め言葉として受け取るよ。もうちょっと俺の鬱憤晴らしに付き合え」
「はぁ? ここで俺をさっさと倒した方が得だろ。何言ってんだ」
「俺はお前をボコボコにしたいだけ。勝ち負けは二の次なんだよ。もちろん、ピカちゃんの頼みは聞くけどー……この一回戦残ればいいんだし、問題ないね」
ホノオのこの返答を聞いて、昔のあれこれを思い出したらしい。体を起こし、呆れた様子でホノオを見据えた。
「はー……自分の強さに自信がおありのようで。お前のそういうとこ、変わんねぇのな」
「結局、信じれるのは自分の力だから」
「あっそ……」
ゆっくりと立ち上がり、流れるように地面を蹴って助走に入った。技の威力はホノオの方が上なのだ。勝てるとは思っていなかったが、ここまでくると意地になってくるというものだ。
「“しっぺがえし”」
素早く相手の背中に回り、後ろ足で力一杯蹴る。小回りが利くナイトの動きについていけなかった、ホノオは簡単に空中へと飛ばされる。そしてそのままホノオに向かって“シャドーボール”を連射し、ダメージを与えて、後方へと吹き飛ばした。ついでに体勢も崩させ、受け身を取れないようにもしていた。そう計算して“シャドーボール”を撃ったのである。
「……空中じゃ、容易には避けられないだろう?」
「だねぇ~……ま、問題ないけど」
着地に失敗したはずのホノオが、ナイトに向かって突進してきていた。流石に驚いて、慌てて防御の構えを取る。
「なんでけろっとしてんだよ!?」
「えー? 痛くも痒くもないから? “きあいだま”!」
「理由にならねぇわ!」
飛んできた“きあいだま”を避け、反撃とばかりに“シャドーボール”を打つ。しかし、ホノオは軽々と避けるとナイトとの距離を詰める。
「つーかまえた」
ホノオはナイトの首根っこを掴むと地面に押さえつける。抗おうにもホノオの方が力強く、脱け出せるはずもなかった。
「今度から、ちゃあんと『ほうれんそう』守って」
ニコニコと笑ってはいたが、目が全く笑っていなかった。相当放ったらかしにしていたせいで、かなり怒っていたのだろう。まあ、いつものことではあるのだが。
「あ、はい」
「“ブラストバーン”」
「!? いや、なんでそれぇぇ!?」
地面からいくつもの火柱を出現させ、ナイトは炎の中に閉じ込められた。炎技の中でも最強クラスの技をまともに食らって、ナイトの意識が持つわけがなかった。
「これでチャラにしてあげる」
そう言ったホノオの言葉をナイトが聞いていたかは、謎であった。
ナイトを退け、自分の目的も果たせたホノオはずっと隅にいたもえぎとレンの方を見た。
「こっちの用事は終わったから、再開しよっか♪」



~あとがき~
雑になりました。ごめんなさいね。
このさっさと終わらせたい感じが伝わるね!(笑)

次回、ナイトの次に出てくる相手は誰だ!
って感じですね。誰がいたか覚えてますかね……?

ホノオは結構自分の力を信じてます。過信してるわけではないけれど、最終的には自分の力を信じるよねってスタンスです。これを過信というなら、過信してるんでしょうね……なんだろ。かっこよくいえば、勇敢なんでしょうかね。
フォースも似たような節はありますが、引くべきところは引くタイプだし、力で無理に押し通すのも好むタイプではないです。必要ならするけど、みたいな。ピカは信じてるところもあるけど、それ以上に仲間の力を信じてます。なので、自分のことは下に見ているところはありますけどね。

ではでは!