satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 7ー2

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊を元にしているため、原作のイメージを崩す可能性大です! 苦手な方はブラウザバックしてくださいね!
ピカ「遠征メンバー目指すぞー」
ポチャ「最初の頃もそんなこと言ったんだけどね」
ピカ「そいや、そうだね。けど、気合いの入れようが違うから。多分」
多分かよ……!


~7‐2 ギルド遠征、重なる謎~


「ピカちゃん、頑張ってるね~」
「ホノオさん!」
思ったより依頼が早く片付き、暇だからとトレジャータウンにある道場まで一人で来ていた。そこで軽く体を動かしていたら、師範のホノオさんと出会った。ちなみに、リーグはホノオさんと入れ違いに出ていってしまっている。ホノオさんは別の仕事をやっているためか、毎日ここにいるわけでもない。会えるとなんだか、特別な感じがしてくる。
「ギルドで遠征するって話、聞いたよ。ピカちゃん達も候補メンバーなんだってね?」
「はい! 新人なんですけど、親方の配慮で。選ばれる望みは薄いですけど、選ばれるように頑張りたいんです」
「そっか。遠征に行くところ、この辺の敵より強いかもしれないから、特訓しているのかな?」
「あはは~……ま、そんなところですかね」
「じゃ、これ使う~?」
そう言って取り出してきたのは薄く丸い円盤のようなものだ。ホノオさんに手渡され、まじまじと観察してみるけれど、よく分からない。飛び道具?
「これね、わざマシンっていう道具。使うと新しい技を覚えられるんだよ」
「へぇ……これは何を覚えられるんですか?」
「忘れちゃった♪」
「んんっ!?」
えへへ、と呑気に笑うホノオさん。呑気に笑ってていいものなのか。いいのか?
「まあ、とりあえず、頭に……というか、おでこかな。そこにぴったんこさせるの。してみて~?」
「し、してみてって、実験台ですか!?」
嫌ですよ、と拒否る前にホノオさんが近づいてきて、私の額にわざマシンを押し付けた。同じくらいの身長なのに、力強い……!
「これで本当に覚えられ…………!」
「不思議だよね。こうすると、頭の中に技の使い方がぴーんって思い浮かぶの。こうして、覚えるんだよ~♪」
ホノオさんの言う通り、技のイメージ、使い方、技の能力が浮かび上がる。そして、これが私にも使えるものだということも分かった。これなら覚えられる。恐らく、もう使えるだろう。そこまで考えたところでハッと気づいた。
「……あっ! これ、覚えちゃいましたけど、よかったんですか!?」
「うん。俺はいらないからね♪ ピカちゃんが役立ててくれると嬉しいな」
「ありがとうございます、ホノオさん」
「いえいえ。遠征、行けるといいね」
「はい。そのために頑張ってますから!」
メンバー発表まで日がない。少しでも可能性を広げて、同時に力も知識もつけておかねば。
「ホノオさん、特訓に付き合ってくれますか?」
「いいよ~♪ 今日はもう何もないからね」
「やった! ありがとうございます!」
こういうときは有意義に使わないと損だもんね。
このあとは時間の許す限り、ホノオさんに付き合ってもらっていた。ポチャが呼びに来なければまだまだやっていたかもしれないけれど。

夕飯前、皆揃って食べようとしたときに鳥が止めた。なんだかこれ前にもあった気がする。当然のように周りからのブーイングが飛んできた。しかし、これもまたいつものことなのか、鳥は動じることなく周りを静止して話を続けた。
この時期だし、何となくどんな話なのか予測がつくけれども。
「今日は夕飯の前に話しておきたいことがある。皆も気になっているだろう遠征メンバーだが、先程、親方様が決断されたようだ」
やっぱりか。
この言葉を聞いて、さっきまではブーイングが飛んでいたにも関わらず、掌を返すように皆から歓声が上がる。ずっと気になっていたことだろうし、このために頑張っていたと言って過言ではないから間違った反応ではないか。
「メンバー発表は明日の朝礼にて行う。楽しみにしてくれ♪」
やらかしたって自覚があるせいで、発表自体が楽しみでも何でもないんだよな。いや、まあ……頑張ってきたけどさ。なりたいとは思っているけども。
このあとは食べるのを止められた夕飯の続きをして、皆、早々に部屋に戻って行った。当然、私達も自分の部屋に戻る。
「明日、メンバー発表かぁ……」
部屋に戻るなり、ポチャがベッドに飛び込みながら呟いた。私とポチャを比べればダントツにポチャの方が行きたがっていた。私と違って、駄目かもしれないよな、なんて片隅に考えていないかもしれない。いや、ポチャに限ってそんなポジティブな思考はないか。鳥にも諦めろと言われているし、むしろネガティブに……
ペラップに期待するなって言われてるし、駄目かもしれないんだよね……うぅ、なんだかドキドキしてきた」
声のトーンもいつもより低い。やはり、不安に思っているようだ。
「や、やることはやったから、ちょっとだけ期待してもいいよね!?」
がばっと勢いよく起き上がりながら、食いぎみに言ってきた。そうだね、と同意してもいいのだが、ここはなんだかいじりたくも思う。
「どうかね。明日になれば分かるんじゃない?」
「えぇー? ピカは気にならない?」
気にならないと言えば嘘になるが、ポチャ程ではないと思う。なんて言うと、へなへなっと床と一体化してしまった。
「そっかぁ~」
「いや、行きたい気持ちはあるよ。皆の反応から遠征なんて滅多にやらないみたいだもん。それに、あのドクローズに一杯食わされてるし、見返してやりたい」
「なんかさ、ピカの行く動機が私欲まみれだよ? もっと探検隊らしい理由ないの?」
「んなこと言われても……まあ、一番の理由は興味かな……今まで依頼しかやってないって言っても過言じゃないじゃない? だからこそ、誰も解けなかった謎とか見てみたいかなって」
「へへっ♪ そっかそっか……明日、選ばれるといいね! ぼくもピカと一緒に行きたいから!」
しかし、こういう場合は一緒に行けるかどうかなんて分からないのではないだろうか。必要な人材を連れていくに決まっている。
「ピカと一緒なら楽しいもん。ぼく、好きだよ? ピカの探検するの」
はあ!? 何口走ってるんだ、こいつは!?
特に狙ったわけではないだろう。そんな考える頭があるなんて思っていない。純粋に、そう思っているから言ったまでだろう。友情の範囲内で。あー怖い。時々、こういうことを言ってくるもんな。
「そうだね。私も好きだよ。ポチャとの探検」
「そう言ってくれるなんて嬉しいよ! よし、明日に備えて寝るね。おやすみー!」
「はい、おやすみなさい」
遠征、行けるといいんだけど。せめて、ポチャだけでも……行かせてやりたいんだけどな。
私は仰向けのまま手を上に掲げ、その手を見つめる。もしかしたら、あの能力も遠征先で役に立つかもしれない。そこまで連発はしたくはないが。
ふっと手を下ろし、横目にポチャを見た。先程まで騒いでいたくせに、もう寝息を立てて寝てしまっている。そんな切り替えの早さは見習いたいものだ。
「……明日、選ばれてるといいね。ポチャ」
そう小さく呟いて私も目を閉じた。
泣いても笑っても結果は明日。どうせなら、いい結果であることを願うだけだ。



~あとがき~
発表前夜、って感じですね。

次回、ついに発表!

なんだろう。特に言いたいことはないですな……
あ、でもこれだけは言っておこうかな。
本編ではピカが鈍感なところ(演技だったけど)がありましたが、過去ではポチャの方が鈍感です。ピカが色々惑わされていたり、慌ててたりしています。まあ、それは表に出てないと思うんですけど。そんな、成長前の二人の関係って珍しいと思うんで、楽しんでくれればと思います。
じゃあ、なんでそれが逆転するのって話は……はじソラ見てくれれば分かります! ピカとポチャの考えが変わる出来事がいくつかあるんでね!
それだけ言いたかった。今回、ピカがポチャの発言にびっくりしてる場面があったので。

ではでは!