satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第162話

~前回までのあらすじ~
レンがやっと戦う気になりました。でも、策は特にないらしい……
レン「なーんも考えたくなぁい」
エレキ「こんなんが補佐って」
レン「ほんとだよな。なんで俺なんだろね?」
エレキ「いや、知らないけど」
適当にくじ引きだったのでは。
レン「ありそう。シア、適当なとこあるもん」
エレキ「反論出来ないなぁ……」
今回はちょっと時間を戻してピカ視点やりますよーっと!


ピカはホノオとフォースから離れたところで“くさむすび”を繰り出す。三人をというよりもレンを空に逃がさないようにした。
「結構、分が悪いんだよね。分かりきってたけど、レンさん達とはちょっとなぁ」
レンは地面タイプを持ち合わせ、エレキは電気タイプ。ピカとは相性が悪いのだ。だからこそあの二人のことはホノオ達に任せたのだ。ホノオであれば、同じく相性の悪いレン相手でも力業でなんとかしてしまえるだろうと考えたのである。
「私は後ろで状況把握に勤しみますよ~……なんて、出来ればいいんだけど」
今回のピカの立ち位置はサポート役である。戦いに関する技術はホノオやフォースの方が上手であった。ピカも低すぎるわけではないが、今回は状況が悪い。タイプ相性、体格その他諸々が影響しているだけにすぎない。相手が放っておいてくれればよかったが、そうともいかないらしかった。
体を反転させながら、“アイアンテール”の要領で尻尾を硬化させ、後ろから来た攻撃をガードした。
「来ると思ってました。太陽さん」
「期待に応えられたみたで嬉しいなぁ」
太陽は鋭く刃のような爪に力を込め、無理矢理にでもピカに攻撃を当てようと押し込めてくる。尻尾を盾のようにしてはいるが、反撃の姿勢も取れぬまま、じりじりと後ろに押されていた。
「力強いですねぇ……流石です」
「おお~♪ お話しする余裕あるんだ。嬉しい。久し振りに楽しめそう」
太陽は一度後方へと飛び、体勢を整える。それのお陰でピカも解放され、太陽から距離を取った。
「ぐえ~……骨折れそう」
太陽はピカの尊敬する人物の一人、浅葱のパートナーである。鋭い爪から繰り出される一撃と素早い攻撃が持ち味であり、相手にしたくないNO.1である。その理由は彼の性格にもあり、普段は浅葱に抑えられてはいるのだが、なかなかの戦闘狂なのだ。まあ、ピカ自身、戦うことは嫌いではないが太陽には負けると言うもの。
「大丈夫大丈夫……この試合を乗り切れば二度と戦うことはないぞ、私……!」
「えぇ? そんなこと言わずにこれからも手合わせしてもいいんだけどな?」
どうやら自己暗示のような一人言が太陽の耳にも届いていたらしく、にこにこ笑いながら返答してきた。それに対して、ピカも同じように笑顔で返す。
「あはは♪ 絶対に嫌です」
「うぅ。嫌われちゃったかな」
「そういうことじゃないですけど、太陽さんを相手にするのは嫌なだけです。命がいくつあっても足りないじゃないですか」
「そう? ハニーは笑って付き合ってくれるんだけどなぁ?」
「姉様は多分、楽しくて笑っているわけじゃと思いますが、まあ、うん。いいや」
「? よく分かんないけど、リーダーの君を倒せば終わりなんでしょ? 俺、頑張っちゃうよ! 俺のハニーのためにね!」
「本人は嬉しくないんだろうな……っと!」
太陽の鉤爪攻撃をひらりと避ける。一度でなく何度も何度も切りつける攻撃を避け続けていく。体を横にしてみたり、上に飛んで避けてみたりと何かと芸達者に避けるピカに太陽も楽しくなってきたらしい。攻撃の速度を緩めることなく、怒濤の連打であった。
「私にもっ! 攻撃の機会をくださいよっ!」
「あははっ♪ やだぁ~♪」
「くっそ。楽しそうだな……っ!」
まだ攻撃の速度は上がるのだろうと予想しつつ、どうにか隙が作れないかと頭を働かせる。どこかで攻撃を仕掛けなければ、やられるのは目に見えているのだ。
「……“まもる”っ!」
太陽との間に瞬時に壁を作り出す。鉤爪攻撃を防ぎ、なんとか距離を取った。“まもる”で作り出した壁はすぐに消えてしまうため、すぐに太陽が距離を詰めてくるだろう。そこで自分が出来ることは何か考える。それも限られた僅かな時間で、だ。
「はぁ……色々、私の方が負けてるんだよねぇ。それなら私が太陽さんに……いや、太陽さんを出し抜くために出来ることはなんだ……?」
今出来る最善策を見出だす必要がある。そしてそれはあらゆる可能性などを考慮する前に体が動いていた。“まもる”の壁がなくなるのと同時に尻尾で地面を思いきり叩きつけた。それのせいでピカの周りに砂埃が舞い、ピカの姿を隠してしまう。
「おー? 目眩まし?」
太陽の言う通り、目眩ましである。その目眩ましの砂埃が消える頃にはピカの姿も消えていた。その理由は太陽にはお見通しのようであった。
「“あなをほる”かな? 色んな技覚えてていいよね。羨ましいよ~」
心から楽しむように笑って、辺りを見回す。離れたところではレン達が戦っており、あそこは人数も多いせいか、なにやらごちゃごちゃしていた。あちらに乱入するのも面白いと思ったが、ピカを野放しにするのもまずい。こちらに集中した方が得策であろうと更に神経を尖らせた。それでもピカを見つけることは出来ない。余程上手く隠れているのか、周りの観客のせいで探知出来ていないのか、あるいはその両方か。どちらにせよ、太陽には全く分からなかった。
「……正面から来るのは得意なんだけど、こう隠れられるとしんどい。わっかんないんだもん」
地中にいても攻撃出来るような技を覚えていればよかったのだが、そんな都合のいい技は覚えていなかった。仮に出来たとしてもエレキまで巻き込む可能性があるため、使えないだろう。
それなら、太陽に出来ることは一つ。ただ、相手が何かをしてくるのを待つのみである。
すっと目を閉じると精神統一をするように体の力を抜き、動かなくなる。よく言う心の目で見るというやつである。本当にそれが出来るのかは分からないが、目視出来ない相手ならば別の五感に頼る他ない。



~あとがき~
なんかもう、細かいところがしんどいね!!! 書けなくて!!!

次回、まだやりますよ。ピカVS太陽!

このバトルが終わったら展開をどうしようか悩んでます。もう一悶着起こすか、平和に終わらせるか……うーん……私的には一悶着する予定ではあったんですけど、これやってたらバトル書きたくなくてな……辛いんじゃ……
とりあえず、このバトルを終わらせてから再度検討します! 今はピカ達の戦いを楽しんでくださいな!

なんか太陽のバトルスタイルはごり押しタイプに見えてきます。何も考えてなくて、勘と勢いでやってくみたいな(笑)
実際、その通りなんですけどね!

ではでは!