satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第165話

~前回までのあらすじ~
この戦いもそろそろ終わりなのでは?
ってことで、エレキがぬるっと退場してます。戦闘不能です。
エレキ「死ぬかと思った」
レン「や……マジでごめんなさい」
エレキは係の人が回収しているので、他メンバーのバトルに巻き込まれることはありません。ご安心くださいね! まあ、回収される描写はしてないけど!
エレキ「悲しいなぁ……」
レン「残念な人判定されてるからしゃーないな」
エレキ「うっせ」
ではでは、スタートです!


初め、この試合は難しくないと考えていた。刺激することなく、尚且、相手の興味をこちらに向かせることは容易であると踏んでいた。自身のチームに関して、注意を向けることは難しくとも、あちらはあちらで集中出来る環境を整えることは可能であると。だが、いざ戦ってみると、太陽のいけないスイッチは押してしまうし、そのせいで予定より体力は消耗されるしで当初の予定よりハードなものへと姿を変えていた。
「疲れ知らずか、あの人……!」
ピカは息を弾ませているが、太陽は全くそれがなかった。それどころか楽しくて仕方がないといった具合に笑っている。一体、どこで間違えたのか。そんな疑問がぐるぐると頭を巡っていた。が、その疑問も長くは考える時間はないらしい。
「あっははっ! いいなぁ……ここまで耐えてくれるんだぁ……嬉しいね!」
「こっちからしてみれば、笑い事じゃないですけど」
太陽から連続で繰り出される怒濤の攻撃をなんとかかわしている状態。元々、体力面は自信がないために余計、この状況はよくないのである。それでも、彼女に撤退は許されない。戦うしかないのだ。
「“エレキボール”!」
尻尾に電気を集め、ボール状に生成した電気の塊を相手に投げつける。こんな技で相手にダメージを与えられるとは思っていないが、しないよりはましである。案の定、鋭く尖らせた爪で真っ二つに斬られる。ノーダメージではなかったようだが、なんとも思っていないのははっきり分かる。
「ほんっと、分が悪い」
「もっともっと俺に立ち向かってきてよ。興奮させるような熱いやり取りがしたいんだよ、俺」
「勘弁してください。これでも、当初の予定よりは立ち向かっているつもりなんですよ」
「足りない。全然足りない」
太陽の様子を見ていると、自分がおもちゃになった気分になる。実際、彼にしてみればそうなのかもしれないのだが。
そんなことを考えていたせいだろう。ほんの一瞬だけ、ほんの少しだけ気が抜けてしまった。或いは太陽と一対一で戦っていたせいで、集中力が落ちたのかもしれない。いずれにせよ、一瞬の隙を作ってしまったのだ。そしてその隙を太陽が逃すはずがなかった。
「みぃっけ……♪」
「あっぶねっ!」
太陽の素早い鉤爪攻撃を避けはしたものの、体勢が崩れて尻餅をついてしまう。すぐに起き上がろうとしたが、太陽が力任せに押し倒してきた。力で敵うはずもなく、ピカは仰向けになってしまった。すかさず太陽が馬乗りしてきて、どうにも脱出出来る状況ではなくなる。
「あははっ! 捕まえた」
「……っ!」
刃物のようにキラリと怪しく光るその爪がピカ目掛けて振り下ろされる。命を刈り取ってやるとでも言うのような気迫と雰囲気にピカの脳裏に「死」という言葉が過った。

フォースがホノオの元へと近づくと、レンに向かって攻撃を仕掛けていたところだった。地上からの攻撃は空中へと逃げられるレンには簡単に避けられてしまう。ひらりひらりと余裕で避けていた。が、避けられている理由は他にもあるとフォースは考えていた。ホノオの攻撃パターンが最初より単純化しているのだ。そのせいでレンに見切られているのだろう。ついでに見るからに焦っているのが分かる。そんな攻撃をしている彼に見かねたフォースが止めに入った。
「おい。そんなんじゃ倒せるもんも倒せないぞ」
「何もしないよりいいかなって」
「数打ちゃ当たるって? 馬鹿言うな。そんなの通じる相手じゃないのは分かっているだろう? 急に焦りだしてどうした」
「太陽くんがやんちゃ始めたから。早くしないとピカちゃん、大変なことになるよ? ってことで、何とかして。レン」
頭上を見上げながら話しかける。レンは無視することなく返答を返した。
「え~……? 下手に手を出したら巻き添えじゃん。ピカとやれて楽しいきゃっはーって思ってるよ。絶対」
「じゃあ、さっさとやられて」
「それこそ太陽に殺されるわ」
「強情だな」
「命大事にがモットーなんで。ピカも簡単にやられるような奴じゃないって……」
二人の会話から、なんとなく状況を把握した。ホノオが焦りを見せていたのは、ピカの身を案じていたからである。本人からも早めに終わらせて欲しいと言われていたし、太陽という人物の危険度もなんとなくではあるが事前情報としてはあった。ピカが本気で戦い始めたのも、ホノオが攻撃を仕掛けまくったのも、状況が一変したためである。それならば、フォースのやることは一つ。
「じゃあ、正々堂々とやられれば文句はないよね? そのザングースさんに全力を尽くしたけど、負けちゃったって言えばいいもんね?」
「え? あ、うん?? そうだね?」
「フォースくん?」
「ホノオ。お前は出来る最大級の技をぶつけて、フライゴンを戦闘不能に追い込め。そのお膳立てはおれがしてやる」
「……了解」
「おれの考えが正しいなら……これは」
先程感じた違和感の正体がぼんやりと見えて気がした。それは恐らく、ピカが仕掛けたものが原因であろう。そしてそれを生かすも殺すも自分次第である。
「はあぁぁ……あーもう。だから、おれはラルが嫌いなんだよ」
誰にも聞こえない程度の音量でぼそりと呟いた。どうにかするしかないと気持ちを切り替え、目の前の問題に向かうことにした。



~あとがき~
短いですが、きりがいいので!
私の予想ではもうそろそろ終われる。多分。
だから、なんとなーく投稿ペース上げてます。出来るだけ四月中にバトルは終わらせるつもりではいます。ぶっちゃけ、このお祭り編が終わればそこそこ連続投稿出来る予定なの(笑)

次回、ピカの仕掛けたものに気付いたフォースはどう立ち回るのか!

ごめん。ピカちゃん、お花畑を見に逝っちゃうかもしれない…
(原因:当初の予定とは大分違う方向に行ってる)
ピカ「えっ!?」
フォース「漢字があれなんですが」

なんか、あれっすね。エレキは退場して正解だったかもね? だって、めっさ激しいよ。この戦い。
まあ、皆、やる気はあんまりなかったので、本気度もないんですけど。軽く楽しめるようなショーにしようぜ的な? 的な??
それなのに、太陽くんが暴走気味……何があったんや……おかしいなぁ……
ピカ「そっくりそのままお返しするよ」
すまんて……

ではでは!