satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第195話

~前回までのあらすじ~
ヴァルツがなんとか全員倒したけども、新たな脅威が……!? そして、お久し振りのピカでした!
今回はフォース達と別れたポチャをやりますね。つっても、時系列は大して変わりません。フォースに連絡もらった後からです。
ヴァルツ「こちらは放置か」
トリス「うっわー……ひどくなぁい?」
そんなことないですよ!!!
この二人の関係は色々突っ込み入れたいですが、まあ、大したこともないです。所有者じゃなくても扱えるってだけなので!
では、始めます!


フォースにスラの相手を任せた後、ポチャは各場所を回っていた。どこも手は足りているものの、やはり倒せない敵に苦労しているのが目に見えて分かった。そんなところに時折、手を貸しつつ各地を転々としていた。大丈夫であろうと思ったところに加わったところで手持ち無沙汰になるだけである。そう感じて、一ヶ所に留まることをしなかった。何より、周りの状況を把握したいという思いもあったのだ。
「結局、どこも苦戦はしてるけどそれは倒せないからで……対応出来ない訳じゃないんだよね」
とはいえ、苦労していることに変わりはない。どうにかして、効率化を図りたいが、その方法を思い付けずにいた。そもそも、どう倒すのが最適なのかも分かっていない状況だ。情報交換はしているものの、弱点がどこかにあるらしいということしか分かっていない。また、その弱点は統一されている訳ではない。それも戦う全員の負担となっている。
彼が各地を回っているのには別の理由もある。これはフォース達と別れてすぐに入った連絡が要因であった。その連絡相手は救護テントで救護スタッフとして動いていたレンからである。その連絡を受け取ったとき彼の困ったような焦ったような、あるいは申し訳ないようなそんな声が届いた。
『あー……ポチャ? 聞こえてるか?』
「は、はい。大丈夫です」
『あんなー……単刀直入に言うわ。ピカが消えた。もう影もなく。さっぱりと』
「……んーっと。え? 動ける状態だったんですか?」
医者ではないし、医療の知識のないポチャにははっきりとしたことは分からないが、あの状態で動けるとは思えなかった。それだけは探検隊として、様々な状況を目にして培った感覚である。
『んなことねぇと思うんだけどぉ……でもまあ、いないから、動けたんだろーなー』
「ちょっと待ってください……バッジの反応は、本部付近にありますけど」
『行ってみたけど、いなかったぞ。ここから本部近いし』
レンのこの一言で、完全に理解してしまった。
ピカは面倒なことは嫌うし、仕事も積極的にするタイプではない。やりたくないことはやりたくないとはっきり言うし、出来ないものは出来ないと言う。しかし、責任感と何より、窮地に立たされた時、じっとしていられないのがピカだ。こうも全体が混乱し、危機に陥っていれば、出来なくても、やりたくなくても動いてしまう。それが自分のところのリーダーであった。
とどのつまり、この場面において、ピカがじっとしている理由がないのである。
「あーじゃあ、もう、あれですね。どっかに隠れて動いてます……それ」
『マジか。やっべーやつだわ~! 下手したら死んじまうぞー?』
「そうだと知ってても戦いますよ。こういうときのピカは、自分は二の次なんです。……自分大切にしろよ……ほんとに」
理性的なのか感情的なのか分からないが、彼女ならそうするだろうとポチャは思う。伊達に何年もパートナーをしていないのだから。
「とにかく、こっちで探してみます。連絡ありがとうございました。そっちも忙しいのに……」
『そっちほどではねぇさ。んじゃねー』
そんなやり取りをした末に、ポチャはピカを探すべくあちこち転々としていたのである。
その間に浅葱にも連絡をしてみた。ピカを治療したのは浅葱であるため、状態を聞くのに一番よいと思ったからである。こんなときに聞くことでもない気もするが、万が一があってからでは遅い。
浅葱は案外普通に連絡を取ってくれ、声も聞く限り普通であった。普通過ぎて逆に怖いと思うくらいだ。
『ピカちゃんの容態? まあ、少なくとも一日は安静にしてくれると嬉しいわ。満足に動けるようになるまでには時間がかかると思うけれど』
「数時間でコンディションは戻りませんか?」
『生活に支障ないくらいは回復するわ。戦闘に参加するなら、一日は待ってほしいって話』
浅葱の話は正論である。ポチャだって、それくらいは必要だと思っていたし、何なら一日と言わず二、三日は安静にしてろと頼むところだ。
『……ふふっ♪ ポチャくんのその様子だと、ピカちゃんは脱走しているのね。そんな気はしていたわ』
「見かけたりはしてません……よね?」
『残念ながらね。ピカちゃんもバレるといけないから、バッジは置いていったんでしょう』
「そこら辺は頭が回るようで……もし見かけたら連絡ください。それじゃあ」
『ええ。分かったわ』
浅葱との連絡を切った後、溜め息しか出てこないのは当然だと心の底から思った。

ピカを探し、適当に歩いていた。愛剣も心配しているようで、先程からずっと話しかけてきていた。
『ぴー、どこにいるんだろねー?』
『てぃー、ぴー、どこー?』
「分かれば苦労はしない。……あーもー! どこにいるんだよ!! 頼むから、ぼくの寿命縮めるようなことしないで!」
心からの本音だったが、これに答えるものはいない。チームにも連絡は回し、探してもらっているが、見つけたという連絡はなかった。
叫んだことにより、周りにいた敵が襲いかかってきた。マークされてしまったかと焦るが、取った行動は冷静そのものであった。
「スイ! セツ!」
『はいなー』
『あいあーいっ♪』
二振りを使い、的確に狙っていく。何度か復活させてしまうものの、こちらがダメージを負うことはなかった。倒せない敵に深追いしても仕方がない。粗方散らしておき、この場の突破を図る。
「こういう奴らに目眩ましが聞くのか知らないけど……“しろいきり”!」
時間稼ぎとして辺り一面を霧で覆う。しばらくすれば勝手に晴れてくるだろう。目というものが見当たらない相手に意味のない攻撃かもしれないと思いつつも、ないよりはましの考えで放った。気持ち動きが鈍った気がしたため、その霧の中を駆け抜けて、その場は脱出した。



~あとがき~
ポチャ君、胃痛枠。

次回、上手く敵を掻い潜り、ピカを探すポチャの続きです。ピカは見つかるのでしょうか?

ピカの性格に関しては矛盾したような気もしますが、そんなもんだよね!!!
なんだろう。危険が迫るとか、そんな状態になればピカも本気出すよってことなのかもしれません。普段適当にしてても、それが本当の姿ではないんですね。ピカの場合はそんな感じです。フォースも似たような感じですかね。文句言っててもやるところとか。反対に残りの三人は、そこんところ素直ですけれど。

ではでは!