satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

はじまりのソラ 7ー5

~attention~
この物語は時、闇、空の探検隊の物語を元にしております。原作のイメージが崩れる恐れがあるので、苦手な方はバック!
前回は遠征の準備と説明(前半戦)で終わりました。今回こそはギルドの外へ出るぞ……!
ピカ「流石に今回で出られるよね」
ポチャ「そうだね」
うん! んじゃ、始めよう!


~7-5 ギルド遠征、重なる謎~


「まず最初のグループは、キマワリドゴームディグダグレッグルの四人」
名前を呼ばれた面々はお互いの顔を見て、確認し合う。そして、威張るように胸を張り、ドゴームが鼻を鳴らした。
「ふん! ワシの足を引っ張るんじゃないぞ!」
「あら。貴方に言われたくないですわ」
ドゴームの言葉に澄ましたように返す。この二人、あまり仲がよくないみたいだけれど、大丈夫なのだろうか。まあ、喧嘩するほどなんとやらと言うし、いらない心配か。
「次。ダグトリオ、チリーン、ヘイガニ
「よろしくお願いします♪」
「うむ、いいチームだな」
最初のグループとは違い、全体的に落ち着いたイメージだ。まあ、ヘイガニがいるし、なんとも言えないが、ダグトリオとチリーンが諌めるだろう。
……ってことは、残りは。
「次だな。ビッパ、ポチャ、ピカ」
まあ、こうなるよね。私とポチャは元々チームだから、離れるとは考えにくいし、メンバーの中で呼ばれていないのはビッパだけだ。若手チーム、といったところだろう。
「うん。よろしくね、二人とも!」
「よろしくでゲス~」
二人とも、どこかのんびりした雰囲気だ。あー……ちょっと心配になってきた。
「そして、親方様とワタシ二人で行く……ということで」
「えぇー? ペラップと二人!? やだやだ、つまんなぁ~い!」
普段から一緒にいるような二人だ。親方にとって、新しい、ワクワクしない展開なのだろう。ペラップは世間話しながらベースキャンプになんて向かうわけないし、ピクニック気分の親方とはテンションも違う。
「ワガママ言わないでください! これも作戦なのです!」
「ぶーぶー」
ぷくっと頬を膨らませ、ご立腹の様子。親方、そんなことをしてもペラップは何も変更しませんよ。
「そして、最後にドクローズ方々は単独でお願いしますね」
「承知しました」
こいつらが変なことしなきゃいいが。ちゃんと見張り必要だろ……いやいや、駄目か。悪い奴だって知ってるのは私とポチャだけだし、こんなしたっぱの言うことは誰も信じない。くっそー……
「それでは、皆、頑張って行こー!」
「おおーっ!!」
ペラップの号令に皆で気合いを入れる。
ここから、遠征のスタートだ!

ベースキャンプへ向かうルートはいくつか存在する。その中でも私達のグループは海岸沿いのルートから向かうことになった。山道は辛い、とポチャが申し出たためである。陸地が得意ではないポチャだし、仕方ないが海岸沿いも大して変わらないのでは、と思う。結局どのルートも山越えはするし。……うーん、少しでも楽であろう道を探した結果なのだろうか。そこら辺はよく分からない。
「凄い崖だなぁ……落ちたら大変だから、気をつけてね」
「うぅ……流石、遠征でゲス。目的地に辿り着くだけでも険しい道のりになりそうでゲス」
ビッパはぶるりと体を震わせ、くるりと後ろを振り向いた。そこにあるのは、見たこともないポケモンの像。
「これが探検家が噂をするガルーラ像でゲスね。この像を使うと自分が使っている倉庫に繋がるらしいでゲス」
なんだそのファンタジー設定! えぇっと、つまり? 道具を引き出せるってこと?
「そうでゲス! ありがたいでゲスね~」
なんでそんなこと出来るんだ……まあ、うん。そこら辺はふわふわっとした方がいいよね。気にしない気にしない!
「まあ、あっしも見るのは初めてでゲス。……遠征に行くのも初めてでゲスから、偉そうなことは言えないし、今、滅茶苦茶緊張しているでゲス……」
「そんなこと気にしなくていいんだよ? ぼくらも初めてだもん。初めて同士、協力し合っていけばなんとかなるさ」
行く前はお前も緊張していたけどな……なんて言うのは、無粋というものだ。
「地図見てみよ。ピカ、出せる?」
「はいはーいっと……」
ポチャに言われ、バッグから地図を取り出した。その地図を三人で取り囲む。ポチャがギルドの場所から今いる海岸までするするっと指を動かす。
「えっと、今はここ、だよね。……ベースキャンプの場所は……」
ギルドからはかなり離れてきたが全体で見れば、まだまだ中間地点。朝にギルドを出て、休憩を挟みつつここまできた。今は日が沈む前、といったところか。
「とりあえず、今日はここのダンジョンを抜けて、この山の麓までを目指していこうか」
「そうでゲスね」
ここに来て、ポチャが私達を引っ張るようになってきた。憧れの遠征、探検で気持ちが先立っているのかもしれない。いいことではあるんだけど、ドジなことしないかヒヤヒヤしているのは、私だけなんだろうな。
地図をバッグに入れながら、先頭を歩くポチャを見る。恐らくダンジョンへと続く道の入口を覗いているのだろう。
「ねえ、ここ、入口が二つあるよ? 右と左、どっちに行く?」
「えっ! そうなんでゲスか!? ど、どうするでゲス?」
「どっちかしか先に繋がってないのかな。まあ、二分の一だし、進んでみよう」
なんて言って、左の道へと進んでしまう。ビッパもポチャの後に続いて左の道へ。
いやいや、私何も言ってない! 私にも聞け!?
「……私は左より、右がいいな。勘だけど」
何か、ヒントになるようなものはないだろうか。そんなことを考えつつ、辺りを見回ってみる。するとガルーラ像の影に看板が倒れているのを発見した。さっきは見えなかったから、死角だったらしい。
「えぇっと? 『えんがんのいわば』……と『ちいさなよこあな』……かな。名前的には『えんがんのいわば』が正式ルートだろう、けど」
潮風に晒され、看板もかなり劣化しているようだ。でも、まだ読めそうな雰囲気がある。
「……んー……あー?」
目を凝らすと、場所の名前の横に矢印が書いてあるように思う。『えんがんのいわば』の横に右を指す矢印、『ちいさなよこあな』の横に左を指す矢印がある……気がする。
「これ、待ってたら二人ともここに戻ってくるのでは」
名前からして大きなダンジョンではないはずだ。……三十分。今から三十分経って戻ってこなかったら後を追う。ダンジョンの形式からして、水タイプが多いと見た。一人でもなんとかなるだろう。
こうして、ぼんやりとダンジョンの入口で無駄な三十分を過ごすことにした。無駄に動きたくないし、道具も無駄にしたくないし、私の読み通りなら正解は右だし。間違いだと思っている道へわざわざ行くのも馬鹿らしいというものだ。



~あとがき~
投稿多いのは、本編の戦闘シーンに疲れたからです。というか、シリアスばっかでしんどくなりました!!

次回、ツノやま手前まで到達出来ればいいな!

チームで動くはずなのに、ピカは単独行動してますね。中に入った二人は置いてけぼりです。相当慌てていることでしょう(笑)

この小説の中でガルーラ像を出す必要があるのか悩んだけど、ゲームでめっちゃお世話になったし、置いておこうと思いました。

今回の話は長くなりそうだなぁ……なんて思ってます。まあ、のんびりお付き合いくださいね。

ではでは!