satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第199話

~前回までのあらすじ~
ピカとヴァルツが合流し、ヴァルツの戦いをピカが引き継ぎます! 本格参戦じゃー!!
この辺から描写注意して下せえ……!! って言うのを毎回つけ始めますんでね。気をつけてね? 今回から気をつけてね!?
ピカ「赤い液体でも飛び散るのかなぁ……?
それにしてもここまで長かったね。さて、これもいつまで続くんですかねぇ~」
ですかね……?
つーか、ポチャくんのこと置いてきて……真面目に彼がかわいそうに思えてくるよ。
ピカ「まあ、大丈夫でしょ!」
どっかくるんだ。その自信。


ヴァルツにしか出来ないことという言葉でなんとなく察した。察しはしたが、そこからどうするのかまでは分からなかった。
「させたいことは分かるが……したところで何になる?」
「他の人達も周りの雑魚処理が出来るようになりますかね。利点はそこだけですけど、術者が見つからない今、これしか思いつかないんで」
「……ほう」
「それともヴァルツさんが術者探しますか? 出来るならそっちでもいいですよ」
ピカはそう言うが、不可能だと知っていてあえて言っている。出来ていれば、こんなところで足踏みなんてしていない。また、今の状態でどこにいるかも知らず、見たこともない相手を探せるはずもなかった。
「ピカの提案に乗る。で? どうしたらいい」
「フィっくんに教えてあげてください。そうすれば、やることやってくれますよ」
「……マナフィに?」
「はい。伝えたらあとは他の人達がどうにかしてくれますから。……まあ、敵の気配が増えないので、あとは減る一方だと思います。術者も撤退したか、やめたかのどっちかでしょうね」
それに関しては、ヴァルツも同意見であった。もえぎとヴァルツが倒したときも増えることはなかったため、倒したら終わりなのだろうと見当はつけていたのだ。
ピカのさせたいことに関しては、あまり全体像が見えてこないが、ここは言う通りにした方がよいのだろう。彼女なりの考えがあってこその提案である。それにこの場にいては迷惑になるのは明確だ。
「トリス。このままマリーと合流するぞ」
「それはいいけどぉ……僕のこと、空気にしてなかった?」
「していない」
「……ま、いいや。行くよ、ヴァルツ」
ヴァルツのことを背負うと、トリスはピカのことを見下ろした。雷姫の現所有者である彼女は、ヴァルツとは違った頭の使い方をする。そこがなんとなく面白いと思うが、関わりたくはないと感じた。特に話しかけることもせず、そのまま走り出した。
その背中を見送り、ピカは前に向き直る。雷姫はピカの命令通り、時間稼ぎのために奔走していた。倒すわけではなく、あくまで注意を惹き付けるための動きをしているらしかった。
「さあって……戻れ、雷姫!」
手元に雷姫を呼び戻し、手に馴染ませるように何度か振るった。ガオガエンはいきなり消えた雷姫を探しているようで、きょろきょろと辺りを見回している。
「分かった?」
『あぁ。やつは回復能力向上、じゃな。それ以外は何もなさそうであるから、使い手に注意さえすれば問題ない』
「うーむ。……聞いた通りの情報というわけね。つまり、あの武器の名前はピンキーか」
『そうじゃな。回復しながら、攻撃出来るものだということじゃ。我のような攻撃特化とはまた違う武器だな』
「理性さえあれば強力な武器になりそうだけど、あの大きさじゃ、難しいかな。ある意味、人を選ぶ武器だ」
『そうかもしれん。……とはいえ、あれが理性を保っていれば武器の大きさも変えられるかもな』
「うわぁ……惜しい。ま、簡単に飛んじゃうようなやつ、いらないけどね」
『はっきりしておるの。……行くぞ、マスター』
「はぁい」
雷姫を構えて、ふっと短く息を吐く。そして、一直線に走り出した。真っ直ぐ向かってくるピカに気づいたガオガエンは大剣を振り上げ、一気に振り下ろした。が、そこにピカの姿はない。
「本能で戦っているって感じ。……騙しやすくて楽だねぇ♪」
極限までスピードを上げて、殺気だけを相手に感じ取らせているのだろう。言うなれば、気配だけをその場に残して、自分は別の場所に移動しているのだ。目で見て攻撃しているのではなく、感覚だけで攻撃しているからこそ使える手である。軽く雷姫を振るい、ガオガエンに斬撃を与える。それも可能な限り多くの連撃を与えていった。最後の攻撃で相手がのけぞり、そこで後ろに跳躍し、距離を取った。
「何連撃だった? 自分で数えてなかったんだけど」
『六連撃じゃな。まあまあ、というものさ』
「あ、足りないって言われてる?……マジか。なんかさ、手応えないよね。……もしかして、私の攻撃を受けるのと同時に回復してるの? マージか。そこまで?」
『そう考えるのが妥当じゃ。出血量も極端に少ないしの』
「え~……最強武器だろ、あれ」
とは言うもの、弱点がないわけがない。そこを探りどうにかして倒すしかないのだ。今、考えられるのは代償である。あのような無限回復が何度も通じるはずがない。それこそ不死身でない限りは。どこかに穴が必ずあるはず。使い手が生きている生物である以上、限界は存在するのだ。
「弱点……人の弱点を突く? 心臓とか、首とか? 本来はそれでやられると思うけど」
『相手の体が大きすぎる。我の刃が届く前に反撃を受けかねない。もっと何かありそうじゃがな』
「ん~……ってことは、時間稼ぐ……なんて、こっちが持たないな」
『確かに、こちらの限界が来るが早いの。……マスター! 炎攻撃が来るぞ!』
「あ? うええっ!? “まもる”!」
咄嗟に“まもる”を張り、攻撃を防ぐ。対応はやや遅れたものの、完全に防ぎきることには成功した。
今まで剣による攻撃のみであったために、警戒をほとんどしていなかった。剣があれば簡単に人を殺せるものだと理解しているというよりは、神器で暴走しているため、手離すことを考えていない。そのため、剣で攻撃している。そのようなメカニズムだと考えていたのだ。しかし、剣で対応出来ないと悟った途端、炎攻撃を追加してくる辺り、学習能力はあるのかもしれない。あるいは、こうした方が勝てると察したのかもしれない。
「ありがとう、雷姫。言われなきゃ当たってた」
『構わん。……それにしても、先程のは無駄話するなという忠告かの?』
「はあ!? 作戦会議だってぇの! “雷撃一真”!!」
刀身に電気を帯びさせ、刀を振るう。すると、電気の刃が相手目掛けて飛んでいく。
ガオガエンはピカが作り出した電気の刃を大剣で真っ二つに斬ってしまう。が、電気はその場でバチンと大きな音を立てて、ガオガエンにまとわりつく。ピカら本来、攻撃技であるものを妨害策として放っていたのだ。少しでも動けば電気に触れてしまい、感電してしまう。そうなれば、しばらくは満足に動けないだろう。理性がなくとも、それは理解しているようで、動きが戸惑ったようにぎこちないものへと変化した。
「本能で動いてても、それには躊躇するんだ? 誰でも感電なんてしたくないからかな。……雷姫、警戒を怠らないでね」
『うむ』
「さて……どうするかな」



~あとがき~
とりあえず、敵の動きを封じたピカ。これからどーするのやらやら。ところで、ピカはどこから情報を得ているんでしょうね? 武器の名前とか。……そこら辺は近いうちに種明かしすると思います!

次回、さくっとヴァルツの方を終わらせます。ピカが考えた策とは……?

もうすぐ二百話ですね。終わりそうにないですね。いつこのお祭りは終わるんですかね?? というか、このお祭りが終わってもいくつか長編残ってるので、終わりが見えない……!!
エンディングはちゃんとあるのになぁ……一話一話をもう少し長くすれば話数は抑えられるんですけどね。だからって、今までのスタイルを壊す必要もないですよね……ひとつの長編で何字になるんだろ。考えたくもないぜ……

本編での話を少しだけ。
ここまで読めば分かりますが、神器には一つ一つ特殊能力的な物があります。その武器特有の特徴みたいな。トリスは武器の形状変化能力。マリーは索敵能力……みたいな。その能力を引き出せるのは持ち主のみとなります。まあ、トリスのような例外はあるけど、それは番外編で語れればと。
そんでもって、雷姫は攻撃特化型となります。持ち主の能力を向上させる能力。また、電気を自在に操る能力も彼女の特徴です。他にあるのかどうかは……どうなんでしょうね? 本編で語るときが来ればいいな!

ではでは!