satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

空と海 第204話

~前回までのあらすじ~
流血、暴力表現、またその他の過激表現にご注意を。前回は死屍累々でした。
チル「罪悪感がないわけではありませんが、それ相応のことをしてきた方々なので、慈悲はありませんわ」
ソル「その辺に転がる石だと思えば問題ありませんね」
コン「その辺に転がる石! つまり、モブだね!」
せやな! モブの人生なんて知ったことかー!
ピカ「やだ、この三人怖い」
チル「ふふ。ピカさんにもその言葉は当てはまりますよ?」
ピカ「……あぁ、うん。だよねぇ」


地下へ下りてみると、更に奥へ続く道と左右に二つの部屋があった。コンはその片方を指差し、自信満々に答える。
「こっちだよ! あたしの勘は今日も冴えてる!」
「みたいだね」
扉を開けてみれば資料の山であった。簡単に回って見てみると、紙媒体のものが多いが、奥にはコンピュータも設置されているらしい。しかし、そこに重要なものがあるかは謎である。
「……この中から探すのか」
「何かもわからない情報を、ですね。ピカさんもお人が悪いです。教えてくれてもよろしいのに」
「連絡してみましょう。あの様子だと、起きてる気がしますから」
「むずかしーものがいっぱいで、お手上げー」
「……チルさん、あの先ですよね」
ソルは牢屋に続くであろう道を示す。チルがこくりと小さく頷いた。
「ええ、恐らくは。……一つ、確かめたいことがあります。私はこの場所……建物全域に能力を使いました。それなのに、動きを感じるのです。それは、お祭りの会場に出てきた彼らとも近いのでは、と」
「なるほど。そいつらを見れば、弱点なりを何か見つけられるかも、と?」
「ヒントはあるかもしれません」
「それなら、僕はここで情報を探しています。そちらはお任せしますよ」
「そうですね♪ コンさん、一緒にこの先を覗きに行きましょう♪ すこーしだけですけれどっ」
「おおー! いくー!」
ぴょこんと跳ね起きて、チルと共に部屋を出ていった。ソルはふっと息を吐いて、再び部屋の中をぐるりと見渡す。
「そうだなぁ……とりあえず、起動してみようかな? その間に、適当に見ていこうか」
コンピュータのスイッチを入れ、起動させる。端子にあるデータを内蔵させたチップを差し込んだ。これでロックがかかっていても、勝手に開けてくれるはずだ。どういう仕組みなのかはソルは知らないが、ピカが組み込んだらしく、悪用はするなと釘を刺されている。その解除がするまでは、近くの棚からゆっくりと見ていく。重要なファイル、あるいは頻繁に使われるファイルは一目見れば見当がつく。そして、今回の事件も最近まで計画が練られ、頻繁に使われていたはずだ。それを見ていけば、自ずと見えてくるはずである。
「どこの組織が動かしているのかは重要ではない……あの事態を収められるような、そんな情報……やっぱり、あのお化けをどうにか……? いや、でも、フィフィさんを残したとなると……そっちは考えがあるのか」
フィフィは支援型の技を多く持つ。それらを使い、どうにかするつもりなら、大量発生しているあの敵についての重要度は低いと言えるだろう。集めといて損はないかもしれないが、格別急ぐ必要もないと判断する。
ここまで考え、あくまで予想でしかないのだと思い立つ。これが間違えていたらたまったもんじゃない。使われていた形跡のあるファイルを閉じ、代わりにバッジを取り出した。
「はあ。まあ、聞くのが一番か。えーっと?」
ピカを呼び出し、何コールかした後に、気の抜けた返事が返ってきた。それは紛れもなくピカであった。これをポチャが見ていたら、なんで寝ていないのだと怒るのだろうと思いつつ、口にはしない。
「起きてますね」
『まあね』
先程よりも返事ははっきりしていたため、寝起きではないのだろう。そのまま、聞きたいことを聞く。
「敵のアジトに侵入しましたよ。今、小さな資料室みたいなところです」
『ほーん。それで?』
「今回の計画をまとめたファイルを見つけましたよ。……特に目ぼしいものはないですが」
『ふぅん。そこまで重要なものは置いていないって感じ? それとも、見逃している?』
「コンピュータのデータを見ていないのでなんとも。……気になる単語は……そうですね。協力者による妨害、ですかね。これは自分達のことではないでしょう」
『そうねぇ。上からのをそのまま使ってる可能性もあるけど、それでも協力者なんて書き方はしない。……また別にいるってことだ』
黒幕がいて、ヴァンガルがいて、そのヴァンガルに協力する誰かがいるという図になる。なかなかにややこしい図になっているらしかった。
「ピカさんはどれが欲しいんですか?」
『どれかぁ……あるもんは全部ほしいけど、時間は有限だしね。黒幕は別にいらないかなぁ。見当ついてるしぃ……あとは……うぅん』
「……? あ、ピカさん」
『ん? 何?』
パラパラとめくっていると、より詳しい計画表が出てきた。それを流し読みしていると、ある単語に目を引かれた。
「神器を用いた実験……?」
『……嘘でしょ。それに手を出すの? 神器の能力は分かる?』
「そこまで詳しくは……別のファイルでしょうか」
『神器絡みかぁ……ろくなことにならないな』
コンピュータが完全に起動したのを確認し、画面を見てみた。アイコンは少なく、ファイルがいつくか残されているだけである。適当に開き、更新日が新しいものをチェックした。ここまでセキュリティが甘いのなら、情報管理も甘いのではないかと薄々感じ始めていた。適当に開いたにも関わらず、お目当てのファイルを引き当ててしまったからだ。
「誤魔化す気はないのでしょうか。……えっと……神器の能力……は」
そこには紙媒体で見た計画表の詳しい内容が記載されていた。神器の名前にその能力。持ち主の種族、技、パラメーター等々。これでもかと言うほどに重要事項がわんさか出てきた。
「ピカさん」
『分かる。思う気持ちは分かるよ。……察してあげて』
「んー……まあ、そうですね。……では、簡潔に敵の詳細をお伝えします」



~あとがき~
適当に始めてしまったこの三人の話。早速、詰まり始めてしまいました。辛い……

次回、牢屋方面へと向かった二人が見た光景は……

ここら辺の時間軸は……そうだな。まあ、皆がドンパチしているとは思うんですけど、ピカとヴァルツが連絡取る前……ですかね? ヴァルツがガオガエンさんと戦う前だと思っていただければ。
なんかもう、あれだな。全部終わった後に、時系列順に別記事でまとめますか!? そういうのはいらないか……大丈夫か……?
まあ、ぶっちゃけ、作者である私ですら適当すぎて何も理解してないんですけどね!←

ではでは!