satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第2話

~attention~
『空と海』のメインキャラ達が学パロなif世界で大暴れ(?)する話です。普段の話とは関係ありません。また、ここでは擬人化された前提で話が進みます。そして友人と設定を作り、創作されたものですので、苦手な方はブラウザバックだ!
そして、自己紹介とちょっとした設定は前回をチェック! えー、前回は入学式前日準備でしたね。ふわっふわなまま入学式突入です。前日準備はラルさん、逃亡しました。
ティール「逃げたところで家で会うんだけどね」
ラル「そこだよね。逃げても帰る場所は同じ!」
ティール「家で色々言われるくらいなら、真面目になってほしいものだよね。会長?」
ラル「えっ? ティール君は唯一のアイデンティティーを私から奪うの……?」
ティール「そんなものをアイデンティティーにしないでくれるかなぁ!? もっとあるよ!」
では、始めるぞー!


仕事の割り振り表を見つめつつも、ちらりと背後を見る。私の背後には窓があり、新入生と思われる初々しい子供達が校庭を横切っていく。クラス表を片手に教室へと向かうんだろう。いやはや、私が高等部に入学したのも三年前だなんて、歳は取りたくないですねぇ……
「うっわ。人多い。あり得ねぇ」
「逃げないでよ、フォース。役職持ちなんだから、体育館中の待機組」
「へいへい……」
私と同じく、ティールとフォース君は窓を見ているようで、適当な会話をしていた。
ティール、フォース君。飛び級才女様の話は聞いてる?」
「うん。昨日、君から聞いた程度の知識だけど」
「中学卒業認定試験をクリアした十二歳ね。中等部すっ飛ばしとは、なかなかだよなぁ」
いや、お前も中等部すっ飛ばしただろ。……いや違うか。中身は馬鹿みたいに年上だし、才女様とはレベルが違う。
「あ、あの子だよ。あの白い子」
「……なんであんなにやる気満々なのか気になるけど。学校なんてそんなに楽しくないぞー」
ティールが指差す方向に私は目線を運ぶ。正門前で男の子二人と写真で見た女の子が確かにいた。男の子達は落ち着いているけど、噂の才女様こと、ツバサちゃんは興奮したように二人に話しかけているらしい。
あの二人は誰なんだろう? 付き人……? 執事かな。それなら、私の代わりに色々やって欲しい。
窓から視線を離し、目の前のパソコンの電源をつけた。起動したのを確認すると、あるデータから新入生名簿と顔写真を見ていく。制服からして片方は魔術科でもう片方は冒険科だ。いや、学科は仲良く同じところにいて欲しかった。そっち方が探しやすいだろうが。
ちなみに、魔術科は女子はローブ、男子はマントとブレザーを着用し、冒険科はブレザーだ。パッと簡単な見分けがつくのはありがたいが、制服を着崩している生徒が多いため、普段はあまり意味ないかもしれない。
「十二歳だから、学校楽しみなんじゃない?」
「子供か! いや、子供だ……十二歳は子供だ」
「最年少の新入生だね。期待の星なのかなぁ」
「偏見つかなきゃいいけど、そんな心配もいらないか? 友達もいるみたいだし」
「アラシ・フェルドとレオン・エクレール……知り合い同士って認識でいいのかな」
「うわっ! また教師専用ページ使ってる。バレたらただじゃ済まないんだけど」
大丈夫。バレたことないから。追及されたこともなければ、疑われたこともないので。
ぎょっとしているティールの横でフォース君は気にする様子もなく、画面を覗きこんだ。そして、二人の内、一人を指差して首を傾げる。
「赤髪がアラシってやつ?……種族は?」
牙狼。レオン君は猫」
この学園には大きく分けて二つの人達がいる。まずはここが特徴だと言い張れるようなこともなく、言ってしまえば普通の一般人。いやまあ、ティールの髪は水色で私は金色みたいな、一人一人の特徴はあれど、全体で共通する特徴はない。どこの出身とか、どんな力を使うのかという分け方はするけれど、見た目には現れない。
次にツバサちゃんやアラシ君のようにある特徴を持った人達だ。尖った耳を持つとか、尻尾があるとか……その種族特有の共通した特徴がある。まあ、それ以外は私達と何ら変わりないだろう。詳しくは知らないけど。……いや、私がちゃんと授業聞いてないだけだ。後で教科書見てこよう。……今、持ってたかな。まあ、いいや。
アラシ君は暗めの赤い短髪で黒い耳と尻尾。私から見て右目に傷がある。興奮気味のツバサちゃんをたしなめるような素振りを見せていた。対するレオン君は明るい黄色の髪で、長さはアラシ君と似たような感じだ。オレンジがかった耳とすらりと伸びる尻尾がある。時折、楽しそうに笑っているところを見ると、陽気な性格なのかもしれない。
「ぴょこぴょこしてんなぁ、お姫様」
フォース君の言う通り、アラシ君がたしなめているにも関わらず、彼の制服を引っ張り、何やら話している。人がいっぱいとかそんな話だろうか。
「お姫様? 才女さんが?」
「ぽくない? ふわふわ感が」
「ステラちゃんもふわふわしてるでしょ。つまり、ステラ姫だよ。ステラ姫ちゃん。ほら、崇めなよ」
「あれはエセ姫だから……」
この場に本人がいたら膝に蹴りが入っているところだ。膝カックンの要領で崩れ落ちるやつ。それとも、そうなる前に軽々避けてしまうかも?
私達がどうでもいい話をしているなんて知るはずない新入生三人組は、やっと校門を潜って歩き出した。待ちきれないツバサちゃんは、アラシ君の手を引っ張って、どんどん入り口目指して進んでいた。そして、そんな二人に置いてかれているレオン君は、歩きながら楽しそうに笑っている。
……という、一連の流れを黙って私達は上から見ていた。三人揃って、窓からだ。
「えっ……めっちゃ可愛くない? 天使か。実物もっふもふじゃん。天使は存在したんだな……」
写真ではなく、本人を見た第一印象はそれだった。実際に見た方が写真より何倍も可愛い気がする。これは気のせいなんかではない。うん。白いし、本物の天使かな。
「始まったよ。ラルの病気が」
「お前の天使は雫だろうが。浮気するな、馬鹿」
二人の視線は冷たいけれど、私にとっていつものことなので、全く気にならない。キャスター付きの椅子に座って、両手を頬に当ててくるくる回る。
「しーくんも可愛いけど! 私の天使だけど!! 私の愛する天使君だけどね!? 天使二号はツバサちゃんだったんだよ~♪ んふふ。ステラちゃんもリーフちゃんも可愛いけどね!」
「教頭先生に関わるなって言われたんじゃなかったの? ろくなことにならないから」
「すでに釘刺されてるのが笑えるんだけど。確かに、姫さんの教育に悪そうだもんな? ラルの行動全般がさ」
そこまで言われるのは心外だが、いいことをしているとも言えないのもまた事実。少なくとも、正規ルートを使わずに、生徒名簿を見ているのは声に出せない行為だ。
「あー……あの純粋な性格が変わるくらいなら、遠くから観察するねぇ~♪」
「えっ、ストーカーすんの……?」
「いや、しないからね!?」
出会った当初の目をするな、フォース君! 冗談だよ!? 学科違うし、学年も違うんだから、無理だから。本気にするんじゃない。
ティールは見ていた壁掛け時計から目を離す。そして、ぎゃあきゃあ騒ぐ私とフォース君ににこりと笑って話しかけてきた。
「そろそろ仕事モードに切り替えよう。全体の最終確認するから、集合するように指示する。……それでいい? 会長」
「いいよ。よろしく、副会長君」
全体連絡をするためにティールが部屋を出ていく。まあ、体育館でサポートする人達しか呼ばないだろうし、大したことはしないから、緩く終わらせていこう。目立つ仕事は私のスピーチくらいなものだ。
「今日は真面目に仕事するんだなー」
「ふふっ♪ 天使の為に頑張る~♪」
「姫さんと雫、どっち?」
「そこは聞かなくても分かるでしょ、フォース君」
「はーん……? まあ、いいが。制服は正しく着ろよ。上はどうした」
本来、冒険科の女子制服はシンプルな白のワンピースの上に、黒ベースのブレザーを着用するのが基本である。しかし、私はブレザーではなく、パステルカラーのロングカーディガンを着ている。ブレザーはきっちりし過ぎて動きにくいから、普段は着ていない。ぶっちゃけ、前に出なくてもいい式典では着てないこともあるくらいだ。
「あー……多分、ロッカー?」
「取りに行け」
「めんどくさ……いや、ごめんなさい。行きます。……いや、フォース君もブレザー着てませんけど!? ネクタイすらしてないし!?」
冒険科の男子制服は、女子同様の黒ベースのブレザーに白のワイシャツ。そして、学年毎に割り振られた色のネクタイをするのが基本。三年は紺に近い青色のネクタイだ。ティールはきっちり着るタイプだけれど、フォース君はブレザーを着たり着なかったり。ネクタイはいつもしてないけど。ちなみに、今はブレザーは着ておらず、薄いグレーのパーカーに黒のインナーが見えている。
……え、よく見たらワイシャツも着てなかったな。規定の制服、ボトムスだけじゃねぇかっ!
「全部鞄の中。戻るのめんどいから、家から持ってきたんだよ」
フォース君は仲間だと思ったのに。……はぁ、行ってきまーす……
ティールが帰ってくる前に戻ってこないと色々言われてしまう。やれやれ、服を選ばなくていいから楽だけど、こういうときは制服って面倒臭いなぁ。



~あとがき~
入学式の話は二話で終わると思っていた私です。

次回、入学式編(?)まだまだ続きます!
おかしいなぁ~?

入学式の話はいわゆる、プロローグ的なもので長くやる必要はないなと思っていました。前日の話で一話、当日で一話、と考えていたんですけど……こいつら、本編以上に適当な話しかしてない。進まん。

私が思う、学園に通う生徒達分類を入れてみました。ラル達は言わずもがな擬人化なので、元になったポケモンがあるわけです。それが一種の種族分け出来そうですけれど、友人キャラ達が名乗る〇〇族とは言わないので、説明として分けてしまいました! まあ、彼らも元になったポケモンいるんですけどね……!

制服の説明も出しましたけど、これから変更があるかもしれないので、大雑把に描きました。入学式編書けたら、高等部の制服を着た擬人化ピカ達を描きますね。あと、全体の設定表みたいなまとめも出します! 忘れてなければ!

あ、天使呼びされてる雫はフィフィのことです。フィっくんですね。こっちでも探検隊やってる設定なので、スカイメンバーは皆でシェアハウス的なことをやってると思います。

ぽんぽん出てる理由は、冬休みで書き溜めしていたからです。本編ほったらかしですが←

ではでは!