satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第3話

~attention~
『空と海』のメインキャラ達が学パロなif世界を楽しむ(?)物語です。本編とは全く関係がございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもありますので、苦手な方はブラウザバックをお願いします。
前回は入学式前編でした。そして、生徒会所属なのにきっちり制服を着ない二人。
ラル「ブレザー邪魔」
フォース「分かる」
ティール「分からないで。これがルールだから!」
コラボだって言っているのに私のメインキャラ達しかいないし、前回に至ってはステラもリーフも出てこないっていうな。
ラル「……あの二人、学年離れてるので?」
フォース「あいつらも新入生組でよかったんじゃね? アラシとレオンと同年代だろ」
……ステラ達、年下に見えるかなぁ~?
ステラ、リーフ「!?」


ティールが帰ってくる前にブレザーを回収。ロッカーではなく、教室に放置してあった。ちなみに生徒会室に行く前、教室に寄ったの忘れていたことをそこで思い出した。失敗したなと思いつつ、私が帰ってくると、フォース君は着替えていて、左腕に生徒会の腕章も着けている。
あぁ、それも着けないといけないんだった……それは生徒会室にある私の机の引き出しかな。多分。
「もうすぐ帰ってくるってよ。教室前はどうだった?」
「新入生のところは通ってないから知らないけど、階段付近は騒がしかったかな。魔術科も似たようなものだと思うよ」
カーディガンを脱ぎ、椅子の背もたれに掛かるように投げる。久し振りにブレザーに腕を通すと、フォース君がさっさと腕章も着けてくれた。
「ありがと。流石、お母さん~♪」
「黙れ。次からティールにやってもらえ」
「……うぅん。ティールって不器用だから、自分でやった方が早い気がする」
フォース君は何も言わなかったけれど、妙に納得したような表情をしていた。私と同じで心当たりでもあるんだろう。
「あ、今更なんだけどさぁ……スピーチって何言えばいいの?」
「本当に今更だな。原稿はあるんだろ」
「教頭に渡されたのがあるけど、そのままなのって癪だからさ」
手渡した原稿を見ながら、少しだけ考えるように思案する。こんな会話、ティールが聞いたら嫌な顔するだろうな。基本的にルールに忠実な彼のことだから、変える必要なんてないって言うに決まっている。フォース君だから相談しているようなものだ。
「じゃあ、最後に自分の言葉で付け加えれば? その場を見て、伝えたい思いとかをさ。お前、口だけは達者なんだから」
「最後の言葉は聞き捨てならないけど……そうだね。そうするよ。その方が私も楽しい」
「仕事してくれるならなんでもいいけどな」
そう言いながら、教頭から貰った原稿を私に返した。返して貰った原稿はそのままポケットにしまう。
「新入生の顔を全体的に見てみたいからね。これはちゃんとやるよ」
「ただいま! ごめんね。遅くなった! 最終確認やろう!」
担当の子達を引き連れたティールが帰ってきた。こちらの話もきりよく終わっていたから、ナイスタイミングだ。時間的にも余裕はあるし、問題なく式は進行するだろう。この場には十人いないくらいの役員が集まった。生徒会全体のメンバーはまだいるけれど、残りは受付をしていたり、先に体育館で案内をしているのだろう。
さて、真面目にお仕事しますか~
「今年も魔術科、冒険科共に多くの新入生が入学してくる。スムーズな進行の手助けをするために生徒会も動くよ。式は事前に言ってある通りのプログラムで進む。仕事の割り振り、担当も事前に知らせた通りで変更はない」
始まってしまえば私しか仕事ありませんけどね……とは言わず。裏方業もあるので、私だけなんてことはあり得ないからね。
「何かトラブルがあった場合、ティールかフォースを通して指示を仰げ。仮に私達がいなかったら、その場にいる先生もしくは上級生の判断で動いて。今後、何かあれば直ちにインカム通して連絡すること! 以上! 全員持ち場につけ!」
「了解!」
こんな指示を飛ばしていると、何かの軍隊でも率いてるんじゃないかと思うことが多々ある。私、生徒会の役員……なんだよね?

生徒会と先生達の誘導の下、新入生達が次々と体育館へと入ってくる。吹奏楽の音楽と共に入学式のスタートだ。
私の仕事はトラブルの対処と舞台に上がってスピーチを読む。これだけである。傍にいるティールとフォースはトラブル対処だけ。一応、体育館内を見回り、体調不良の生徒がいないか、不審者がいないか等々を見てくれている。見回りは他の生徒もしているし、先生も目を光らせているだろうけれど、生徒数も多いし、保護者もいるし、お偉いさん達だっている。正直、人が多いせいで、フォース君の顔色が悪い気もするけど、お仕事はきっちりしてくれるので、甘えさせていただく。本当に駄目なら自分で判断するでしょう。はい。
新入生が入場し終わり、式が淡々と進んでいく。お偉いさんの話とか本当にどうでもいいと思う。誰だ、このおじさんみたいな人も普通に出てくるし。先生的には必要でも、生徒には必要ない情報だ。まあ、式典だし、やらないわけにもいかないんだろうけど。大人の世界はどこだって難しいものだ。
「会長。少しいいですか……?」
困惑した様子で私に話しかけてきたのは、今年、二年に上がった魔術科のユーリ君だ。まだ少し幼さの残る彼は、確か役割は式の参加者の誘導担当で受付をやっていたはず。そこで何かあったのか。……いや、受付時間は締め切ってあるな。
フォース君もティールも出払ってる。……出番はまだだし、いいか。
「手短にどうぞ」
「校門前にここに入れろと騒ぐ男が」
「学園の関係者?」
「確認しましたが、記録はありません」
「……警備員に任せれば? セキュリティ高いじゃん、ここ」
……と、言ってはみたものの、これは自分で行った方が解決する気がしてきた。出番までまだあるから、どうにか出来るだろう。
「私が行く。ユーリ君はこの場に残って、式の進行状況を私に連絡してて」
「了解です」
体育館内は早歩きで移動し、一歩外に出ると、一気に加速して校庭を横切る。
「……あっ。出てきたはいいけど、なんも持ってねぇ~」
あぁ、でも、いいか。あれがあるわ。
校門前は警備員と生徒会数名で男の人をどうにかしてなだめようとしているところだった。男の見た目が完全に一般人ではなく、明らかに悪の組織だろ的なオーラを感じる。隠す気はないらしい。……が、どこかで見た顔である。どこで見たんだろうか。
記憶の中を探れば、すぐに思い出した。探検隊としてのお仕事のときに見た顔だ。
「……あ、ポスターの人。賞金三万のやっすい賞金首。罪状は強盗だったなぁ?」
「会長!」
「インカムで呼びなさいよ、君達」
っていうか、こいつは何でここに来たんだろう。謎だ。……まあ、いいか。生活費稼ぐチャンスだと思えば。面白いな、こんなことになるのか。
相手の身なりをさっと目視でチェックしていく。簡単な装備しかしておらず、武器なるものと言えば、小型ナイフくらいか。武装していると取っていいのだろう。小型ナイフでも危ないもんね。うんうん。よし、決まりだ。
私は生徒と男の間に入り、目配せで警備員に離れるように促す。警備員は小さく頷き、生徒会の子達を引き連れ、後ろに下がる。
「ここは関係者以外立ち入り禁止です。お引き取りをお願いします。聞き入れない場合、武力行使も辞さない考えなのですが」
「ガキ相手じゃ話になんねぇ! さっさと道を開けろ!」
……この人から薬の臭いがする。幻覚でも見て、狂っちゃったらしい。あらら。御愁傷様だ。
用事はなんなのか、目的等々を聞き出すところだが、生憎、今日の私は生徒会長として忙しいのだ。変なお仕事はごめんである。
「もう一度言う。直ちに立ち去れ。でなければ、十秒後に武力行使に移る」
「俺はここを通らなきゃなんねぇんだよぉぉ!!」
後ろに何か迫っているものでもあるのだろうか? この人の見ている世界は分からないけれど、同情の余地はない。
何かを振りきるように腕を回し、その勢いのまま私に殴りかかってきた。スピードも威力もないパンチを避ける。
「……十秒経った。警告もした。規則に則り、行動に移る。……後は警察にでもお世話になってくださいませ。来い、雷姫」
何もないところから日本刀を出現させると、相手に刃の部分ではなく、峰の部分で鳩尾を狙って叩きこんだ。力は大して込めていないが、相手を気絶させるくらいは出来る。案の定、綺麗に入り、地面にばたりと倒れた。後は警備員通して大人に任せてしまおう。
何度でも言うけど、忙しいんだよ! 今日は!
「戻れ、雷姫。……君達も持ち場に戻っていいよ」
さっさと雷姫を消し、簡単に指示を飛ばす。言われたメンバーは慌てて返事をすると、それぞれの持ち場へと走って戻っていく。その背中を見つめつつ、ふっと息を吐いた。思ったより手応えなかったな。あっても困ると言えば困るけれど。
『会長、ユーリです。挨拶まで十五分と連絡が来ています』
「了解。こちらは片付いた。一分で戻る」
……はっ! これは事後処理が必要なのでは? もしかして、仕事増えた……?



~あとがき~
終わらねぇ……!!(焦り)

次回、ようやく入学式終わります!

生徒会として、ちゃんとお仕事しているところを思い、ああいう場面を書いてみたけれど、大人達が何とかすればいいのにと思う。なんだろう。色々、ルールでもあるんでしょうか。警備員さんも武装なんてしていないだろうし、手を出すにも出せないとか……そんな理由でしょうかね。きっと。

何度も言いますが、本編と設定をほぼ変えてません。つまり、ラルは雷姫所有者でティールはスイとセツの二振りを所有しているってことですね。
学生と言う身分上、どうなのか気になるところだけど、探検隊っていう設定もそのままなのでね。許してね。滅多に出てきませんし。

ではでは!