satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第7話

~attention~
『空と海』のキャラが学パロなif世界を楽しむお話です。本編とは一切関係ありません。擬人化前提で話が進み、友人と共に作り上げている作品でもあります。苦手な方はブラウザバックだ!
前回初登場しました。アリアちゃんです。今回の話では絡みはないと思いますが、今後はある……かもしれない!
では、始めまーす!


私の提案に周りからの賛同はなく、少しの沈黙が続いた。ティールとフォース君は何言ってるんだって顔だし、ツバサちゃんとレオン君は肯定的っぽいけれど、アラシ君は見るからに嫌そうである。アリアちゃんはよく分からない。他人事のように考えてるのかもしれない。
「いやいや、生徒会の仕事は!? さっきまでその話してましたけど!」
「うん。予算の話でしょ」
「他にもあるけどね。……そうじゃなくって!」
「分かってるって。仕事はするよ? でも、ただの文章を見たって、本当に必要かなんて分からないじゃない? 私達も全部の部活を見て回って、体験したことはないんだから。実際の目で見ることは大切だよ」
私の言葉に納得はしたようで、ティールからの反論は飛んでこなかった。一理あると思うんだよね!
頷かないティールに、フォース君は肩をすくめつつ、私に加勢した。
「まあ、建前だとしても、ラルの言っていることは正論だ。事実、お前らが出入りしていないところからも予算の相談はあるからな。……ついでにツバサ達を案内してやれよ。おれはパスするけど」
フォース君、面倒だと思ってさっさと断ったな。
ティールも現状の把握はしている。実際に見た方が懸命な判断も出来るし、トラブルも避けられる。こちらとしては、悪いことは何もないのだ。
「……分かったよ。でも、ぼくも行くからね。ラル一人じゃ何するか考えたくもないからね」
信用されてないなぁ~……らしいけどね。
と、こちらで話が進んでしまっているけれど、当の本人達が望まなければ意味がない。断られたらそれはそれ。視察には行くけれど、別行動するだけだ。
「えと、いいんですか……? 私達の……というか、私の都合で付き合わせても」
「私は大丈夫だよ。ツバサちゃん達さえよければだけどね」
「……アラシ、レオン、いいかな?」
ツバサちゃんに聞かれ、アラシ君とレオン君はお互いの顔を見合わせる。そして、レオン君がパッと笑った。
「元々、ツバサのために見学しようって話だったしな~♪ ツバサがいいなら、俺達も問題ないよ。な、アラシ?」
「ま、まあ……そうだな」
「ほんとっ!? やったぁ! それじゃあ、お願いしますっ! ラルさん、ティールさんっ!」
キラキラと愛らしい笑顔を私達に向ける。めっちゃ可愛い……!
いきなり抱きつくわけにもいかず、仕方がないので右隣に立っていたフォース君に抱きついた。ティールよりも角度的にやりやすかっただけの選出だったけれど、動じないと言うのもポイントである。
「ラ、ラルさん……?」
「気にするな。いつもの病気だから。……生徒会室は五時までは開けとく。それ以降は知らん」
「それはいいけどぉ、なんで五時?」
「おれん家の冷蔵庫、空なの。買い物に行く」
ステラちゃんとリーフちゃんのお母さんだからな。夕方のタイムセールにでも出向くつもりなのか。家庭的だ。……え、待って。
「じゃあ、キュウリとレタスとトマト買ってきて。そしてうちに届けて」
「断る」
サラダがぁぁ! 付け合わせの! サラダの材料が皆無なの!! プリーズ! 恵んでぇ!
私の訴えも空しく、簡単に引き剥がされて、ティールのいる方向に投げられた。そして、薄情にもそのまま教室を出て行き、生徒会室へと行ってしまった。仕方がないので、今度はティールに抱きつく。泣き真似をしつつ、茶番とも取れる寸劇じみた会話を続けた。
「サラダなくていいですか、隊長……」
「家に誰かいるでしょ……電話しなよ」
「いや、年長組、仕事で一日帰らないから頼める人がいな……あっ!? ちょ、フォース君! サラダとかどうでもいいわ! しーくんの迎えを代わりに行ってきてぇぇ!!??」
慌ててフォース君の後を追いかける。サラダとか変なこと頼む前に大切なことあった。どうして忘れちゃうかな、私の馬鹿!

フォース君を追いかける形でその場を離れるラルを事情を知らないメンバーは、ポカンと見つめていた。ティールは苦笑しつつ、事情を説明する。
「ぼくら、何人かで一緒に住んでるんだけど、その中のしーくん……雫っていうんだけど、その子が保育園に行っていて、その迎えの話ね」
「ほうっ! 先輩方、同棲してるんですねっ!」
「まあ、そういう……? いや、二人だけじゃ」
レオンは面白いものでも見つけたと言わんばかりに目を輝かせた。ティールも流れで頷きかけるも、否定をした。昔は二人だけだったが、今では何人かとシェアハウスのような形で暮らしているのだ。同棲とは言わないだろう。が、レオンは気にする素振りはなく、ティールに迫っていく。その様子を見ていた三人はそれぞれの反応を見せた。
「まぁた始まったよ。レオンの奴」
「? どーせーってなあに、あーちゃん」
「男女が……一緒に住む……?」
呆れたり、そもそも見ていなかったりとするが、ティールとレオンを止めようとする人はいない。
「あれっすか! 朝から晩まで一緒に過ごす的な! そんなドキドキな関係だとっ!」
「ない訳じゃないけど……って、ドキドキの関係って何!」
「そりゃあ、恋に恋する展開?」
「は、はあぁぁぁっ!?」
弄ばれているが、簡単に捌けるほどティールは器用ではなかった。レオンに遊ばれるまま問答に答えるしか出来なかった。残りの三人は三人で話を進めていく。
「あ、そだ。あーちゃんも一緒に行く? 部活見学!」
「……このあと、仕事あるから……そろそろ帰る。レオン、止めといてよ。……アラシ」
「やだよ……意味わからん」
「そっかぁ。残念……あ、私に話しかけてくれた人ってだあれ? 自己紹介する暇なくって」
「ラル達が言ってたけど……フォースって人。……外部進学組の……僕、話したことないな……」
「生徒会の人だろ。入学式で見かけた。アリアはラルって人とは話したことあんの?」
「ん。……何回か。アラシ、避けてるみたいだけど……普通の人だと思う……結構、動けるタイプ……身軽で。あと、人気もあるし……」
「……ふーん」
アリアの言う言葉を信じない訳ではないが、何しろ出会いの第一印象が悪すぎた。確かに入学式では普通に話し、挨拶を終えていたはずなのに。気がついたら、蹴られて、文句を言えば追い討ちを受ける。何がなんだかさっぱりであった。そんな相手に好意を持つツバサが理解出来ないでいた。どこがいいのか分からないのだ。本人の前でそんなこと、口が裂けても言えないが。
「ごめーん。お待たせ。今帰ったよ~……やれやれ。一つの頼み事をすると、十の嫌味が返ってきたんだけど~?」
噂をすれば、本人が帰ってきた。フォースは説得出来たらしいが、色々言われてしまったようだ。困った顔をしているものの、様子からしてどうにか解決してきたみたいだ。
「いえいえ! 大丈夫ですっ! むしろ、こちらが謝る立場なのに」
「いいのいいの。それじゃあ、そろそろ行こうか。……ティール、何してるの? 私のいない数分間で仲良くなったの?」
「なってないっ!」
「えぇっ? つれないなぁ~?」
「? えっと、とりあえず、行きますか! 部活見学ツアーの始まりだよ~♪」
ここで仕事のあるアリアとは別れ、生徒会のラルとティール、新入生のツバサ、アラシ、レオンの五人で作られた謎パーティーの冒険の始まりである。



~あとがき~
どっかの部活に見学に行けると思ってたけど、無理でした。(常習犯)

次回、部活見学スタート!

どうでもいい話を突っ込むと楽しくなって仕方のない私です。シリアスよりもワイワイしてる方が楽しいよね! 書いてる私が楽しい!←

ではでは!