satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第8話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で好き勝手するお話です。なお、擬人化した前提で話が進み、友人とのコラボ作品になります。苦手な方はブラウザバックです!
さてさて、見学に行くのに時間がかかっております! 前置きが長すぎる!! が、今回から入っていきます! はい!
ラル「見学前に二話使ってます」
はい……使ってます……


まず、向かうべきなのは……というか、大切なことを忘れていた。
「ツバサちゃん、どんな部活がいいとか希望はある? ここ、それなりに部活数あるから」
「ううん……そうですねぇ」
新入生用のパンフレットを見つめながらかなり悩んでいる。これは長くなりそうだ。考えている間に新入生との親睦でも深めますか。
「アラシ君とレオン君は何部~?」
後ろを振り向きつつ、問いかける。私が話しかける度に、アラシ君が微妙に反応しているのが面白い。あれがかなりのトラウマになっているらしい。今後も似たようなことあるかもしれないんだから、慣れて欲しいな。一個人としては、だが。
「俺は考古学部っすよ! アラシは剣術!」
「考古学に剣術か。私らが出入りしてるところだね。……考古学は資料提供してるだけ?」
「うん。校長が出せって言うから」
そうか。そこで保管しているんだった。自分の家にあるし、見に行く必要もないから行ったことなかったな。
「あんたらのこと、見たことないけど……」
ボソッとアラシ君が呟く。運動部では、中等部と高等部では部活の活動範囲が違うせいだろう。私とティールが剣術に出入りしていたのも、高等部に上がったばかりの頃だ。あそこ、そこそこの部員数だし、意識しなければ記憶にも残らない。現に私もアラシ君に覚えがないのだから。私より通っているティールは名前くらいは知ってたかもだけれど、実際は聞いてみないと何とも言えない。
「近いし、考古学部、行ってみようか。予算上げて欲しいって要請もあるから、見に行かなきゃだし」
「考古学……レオンが入ってる部活?」
「にゃはっ♪ ツバサ、あんま興味無さそうだけどな。俺はいいよ~♪」
「……はい! 行ってみます!」
悩んでいるよりはどこか見てみた方が方向性が見えてくるかもしれない。方向性が考古学部でいいのか、最適解かは不明だけれど、知り合いがいる部活なら気軽に見学も出来る。
うちの学園の考古学部は文化部ながら、実績も歴史もある部活である。名前の通り、考古学についての研究を主とし、時には遠出をし、各地に存在する遺跡へ調査に赴くくらい。ちなみに、私は一緒に行動した経験はない。被らないように計画を立てていると言うのが一番の原因だろう。理由は特にないけれど、大人数が同じ遺跡の調査をするより、別々のところを調査をした方がよいと思ってるだけに過ぎない。
「ラル」
「あー……はいはい」
ブレザーはないけれど、腕章は回収してきてるよ。言われなくてもつけますよーだ。一応、これも生徒会の仕事だ。つけておくに越したことはない。
腕章を腕につけ、考古学部の扉をノックする。中から返答が返ってきたため、扉を全開にする。
「こんにちは。生徒会執行部です。予算についてのお話に参りました~……ついでに見学者も連れてきたので、入室の許可をお願いします」
「え、あ、ラルさん!? あ、はいっ! どうぞ……!」
部屋の中は思ったよりもかなり適当なまとめ方である。しかし、資料自体は膨大で、まるで小さな書庫のようだ。壁一面には机の上に乗りきらない資料で埋め尽くされていた。歴史的な資料がここにあるんだと思うと、少しだけ心がくすぐられる。
「ちょーっとお話ししてくるから、レオン君にでもお話聞いてね? 私より詳しいだろうから。……ティール、三人を任せた」
「了解。あんまりいじめないでよ、会長」
「えー? いじめなんてしてないんだけどなぁ?」
大切な経費をどんな風に使うのか問い詰めるだけなんだけれど、それをいじめているなんて形容するのはナンセンスだと思う。問い詰める、なんて言うのも変な話かな?

ラルが考古学部の部長、会計を交えて話をしている間、ツバサは目の前にあった資料に手を伸ばしていた。
「わあ~……これ、古代文字?」
「そ! その解読も俺達の活動の一つだから♪」
ツバサの持つ資料を覗きながら、楽しそうに答えた。レオンの専門分野でもある考古学について、聞かれるだけで楽しくなってしまう。それくらい、レオンにとっては好きで楽しいものである。
「そいや、ティール先輩もここに資料を提供してるって言ってましたよね~?」
「あ、うん。一応、探検隊で活動してるからね。そこで遺跡とか未知のダンジョンに行くことも少なくないよ」
「探検隊?  学生なのに?」
アラシの疑問は最もだ。探検は時間をかけて行う遠征も多い。平日は学生として、学校に通う身分であるティールには合わないと感じたのだろう。
「色々あって……中等部二年になる少し前かな。それくらいからラルとやってる」
「……あの人と? えっ、二人!?」
「今はメンバーも増えたけど、しばらくは二人きりだったよ。……アラシ、ぼくとラルで組んでるのが不思議なんじゃない?」
ティールの指摘に反論しないアラシ。どうやら、図星だったらしい。第一印象が最悪だったのだ。無理もないかと苦笑を浮かべた。
「あんなんだけど、ラルは凄い人だから。本当に、ぼくとやってるのがもったいないくらいに才能のある子だよ」
「……ふーん」
あまり納得はいっていないらしいが、これ以上聞いてくることもなかった。じっとラルがいる方向を見つめていた。そして、黙って二人の話を聞いていたツバサがティールの制服の裾を小さく引っ張る。
「あ、あの、ティールさん……アラシのこと、嫌いにならないでくださいね……?」
「えっ?」
「!? お、おい、ツバサ!?」
「アラシ、無愛想なところあるんです。なんか、ラルさんに対して敬語とか怪しいんですけど……優しいところもあるんです! なので……えっと……」
ツバサはなぜか必死になって、アラシの態度についての弁明を行う。そんなツバサに若干顔を赤くして、止めようとするアラシを一歩引いて、笑いを堪えるレオンがいる。そんな仲間が少しだけ羨ましいと思う反面、仲間に恵まれている三人を微笑ましくも思った。
「……あははっ! 嫌いも何も、ぼくはアラシ達のこと、何も知らないしなぁ。……でも、そうだな。これから仲良くしてくれると嬉しいかな。先輩後輩でもいいし、友達としてでもいいから。……ラルもそう言うと思うよ。敬語が嫌なら使わなくてもいいからね、アラシ。……後、レオンも」
ラルの任せたという一言は、これを指していたんだろうと何となくだが思っていた。素直ではないラルもらしいと一人考える。
「な、仲良く……! はいっ! よろしくお願いします!!」
「うん。よろしく」
「俺は嫌じゃなかったけどな~……まあ、先輩の言うことは絶対だし!? よろしく! ティール!」
「早速ノリノリだな……レオンは。いいけど」
「なんか……気ぃ、使わせてごめん……」
「そんなことないさ。……改めて、よろしくね。アラシ」
「おう」
ようやく、アラシの年相応な笑顔を見たところで、ラルの様子を窺う。予算の話をしっかりしているのかと思えば、話題は違う方向へ行っているようで、何やら資料を見せられているらしかった。探検隊としての知識を借りたかったのだろうか。
「……まあ、逃げ出すよりましか」
ティールさん! ティールさんとラルさんは、どこの遺跡に行ったことありますか? 資料、あるなら見てみたいです!」
「ん? ん……と。そうだな。……この辺のなら」
聞き覚えのある遺跡の資料を引っ張りだし、ぱらぱらとめくっていく。遺跡の入口の写真を見つけると、ツバサに手渡した。
「おー! 俺も行ったことあるぞ! ここの遺跡の壁画、めっちゃ綺麗なんだよな~!」
「へー……写真あんの?」
「あると思うよ。二、三ページ先じゃないかな?」
「わっ! 本当だ。綺麗に残ってる~」
ラルの話が終わるまで、四人は適当な資料を引っ張り出しては、写真や記録を見て感想を述べあった。十分程度続いた後、ラルの話が終わったらしく、四人のところへ近付いてきた。
「何の話をしてたか忘れた」
「予算の話でしょ。どうするの?」
「現状維持」
「何をどう持っていったら現状維持に……」
「協力をしてあげると、現状維持になるんだよ。覚えておきなさい、ティール君。……真面目な話、ここにはそこそこの経費を割いているから、上げるのも難しい話なのよね。資源は有限」
「次はどこ行くんだ~?」
レオンがツバサに問うと、再び唸り始めた。まだピンと来ていないらしい。
「文化系より、体動かすところ見てみる? この辺は……弓道の練習場が近いかな。ティールの出番だね!」
「……え、君が見たいだけじゃ」
ティールの答えにラルは笑顔で返す。察しろと言わんばかりの笑顔だ。新入生三人は意味が分からず、首を傾げている。その疑問が解消するには現地に行ってみる他ないだろう。



~あとがき~
これからアラシ君、レオン君は敬語ではなく、タメ口で話していきます。

次回、弓道部を覗いてみます。
ティール君がかっこいいパートいきます。

色んな部活があります。話にはなくてももう大量に! 王道なものから変なものまで揃えております……!
なんかセールスみたいですね。なんでだ。

ではでは!