satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第9話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロでif世界で遊んでる話です。本編とは一切関係ありません。擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品! 苦手な方はブラウザバック!
一軒目、考古学部でした。大した説明入れられなかったけど、まあ……いいか。今回は弓道部へ! なぜって私がやってみたかった部活第一位でしたので! 私の通っていたところにはなかったので、諦めました。そもそも運動部なんて入れないと思うけどね……!


校舎を出て、運動部の活動エリアに来た。弓道部だけでなく、アラシ君が所属する剣術部や様々な運動部が活動している。ここは高等部限定だけれど、少し離れたところに中等部の活動場所もあったはずだ。
そして、私達は弓道部の練習場へと足を運んでいた。練習着である弓道衣……袴に身を包んだ生徒達が数メートル先にある的を目掛けて弓を射っている。自分の身長より大きい弓をぶれずに操る動作、武道に通じるスポーツの一種で所作も洗礼されたもので感動すら覚える。
「なんだろう……空気が違うというか、凛としてます。ここだけ、違う場所みたい」
「礼儀作法もしっかりしているからね。ピシッとしてるって感じ」
弓道ってこんなに人気の部活なのか? 思ったよりいるんだけど」
見学者がそれなりにいるのは、ティールが実演することを聞き付けた人達だろう。いつもはもう少し静かで人も少ない。どこで嗅ぎ付けたんだろうか。
ティールのせいだね。アラシ君達、知らない? 彼のこと」
「んー……特には?」
アラシ君とレオン君は思い当たる節はないようだ。男子にはあまり興味のない話なのかもしれない。
ティールってあれでも人気なんだよ。ファンクラブが作られるくらいには」
「はあぁ!? ファンクラブだぁ!?」
「にゃはは♪ ティールのファンクラブか~」
「見た目と生まれ持ったスキルが女子の心をくすぐるみたいでねぇ~? 中等部入学当初からそこそこ有名だったみたい。おまけに誰にでも優しいからさ、性格がいいイケメンってことで株上昇しまくりで」
私と出会ったときから、ティールは人気者で、初めは私としては他人事であった。が、本人が望んだものではないと知ったのは、知り合ってすぐだった。どうしようもないのも事実なので、話を聞くくらいしかやってなかったな。
「あ、あの! 生まれ持ったスキルって……?」
「あら。ツバサちゃんなら知ってるかなって思ったんだけどな。ティール、ここから北にある国から来た王子様。正式な名前は忘れたけど、彼は第一皇子、王位継承一位の資格を持った王族なの」
この話、ティールは嫌がるんだけれど、今はいないし、さっさと手短に済ませてしまおう。
海が綺麗で、全体的な印象は澄んだ国であるというものだ。特産は珊瑚や真珠、宝石などを使った装飾品で、それなりの値段はする。国の経済は安定し、治安も悪くないため、観光地としても有名だ。
「結構、いいところだよ。一回だけ行ったことあるけど、永住してもいいとすら思ったね。ティールは許してくれないかな」
王権が生きた国の一つで、全ての権限は王が持つ。もちろん、政治を行う機関はあるが、最終決定は王様が下す。極論を言えば、国民全員が望むことでも王様がノーだと言えば、誰が何と言おうとノーになるということだ。
「……って、聞いてる? 三人とも」
つらつらと説明をしていたのだが、三人がぽかんとしてしまい、話を中断する。色々、衝撃事実を明らかにしてしまったから、処理が追い付いていないのだろうか。
「な、なんかもう……無理矢理にでも敬語で話すべきなんじゃあ……? 俺、めっちゃ失礼な態度取ってたよ」
「人って見かけによらねぇな~」
「おーじさま……はわわっ!」
各々、思うことがあるみたいだ。とりあえず、ティールが戻るまでには通常に戻って欲しいところだ。
ティール様よ! ティールさまぁぁ!!」
ギャラリーが騒ぎだしたため、ふと練習場に視線を向ける。制服ではなく、袴に着替えたティールが出てきて、指定の場所に移動する。彼が出てきたことで、他の部員達は後ろに下がり、じっとティールに注目していた。吸収出来るものはしてやろうということなんだろう。
ゆったりとした動作で弓を構える。これがバトルなら素早く構えて、すでに矢を射っているところだが、これは競技。バトルではない。静かに狙いを定めて、ピタリと動きを止める。
「なんだが、皆さんがティールさんをかっこいいって思うの、わかる気がしました。……かっこいいです、ティールさん」
「うん。私もかっこいいって思う。……何かに真剣に取り組むティールはかっこいいの」
ピンと張り詰めた空気を裂くように、矢が的に吸い込まれる。そんな錯覚を起こすほどに、正確に中心に射る。歓声はない。上げる空気ではないから。
流れる動作で二つ目の矢を手に取り、先程と同じ動作を寸分の狂いもなく、やって見せる。渇いた音が響き、的を見れば、一投目と同じく中心を射抜いている。三投目はなく、構えていた弓を下ろす。緊張した空気もパッと消え、それと同時に盛大な歓声が辺りを包んだ。
「凄いですー! かっこよかったですね!」
パチパチと愛らしく手を叩きながら、笑顔でティールをほめてきた。私のことではないけれど、少し嬉しく思った。
それとは関係ないんだけれど、ツバサちゃんがかっこいいを連発する度、アラシ君の表情に少し不満の色が見えるのは気のせいだろうか。……いや、気のせいではないな。つまり、そういうことか? あはっ♪ 若いっていいね!
「かっこいいでしょー! うちのティールは!」
「はいっ! かっこいいでーす!」
「ツバサちゃん、ティールに手、振ってみ」
「? はい。でも、気付くでしょうか……?」
気付くよ。だって、私の相棒だからね。
遠慮がちに手を振るツバサちゃん。私もその隣で手を振ってみた。流石、ティール。私達のことを見つけ、笑顔で手を振り返した。
ティールさん、気付いてくれましたね!」
「だね~♪ さて、ツバサにちゃん、こういう部活はどうだったかな?」
「かっこいいんですけど……」
「ツバサには向かないな。周りに被害が出る」
アラシ君の言葉にレオン君も頷く。きっぱり言い切る辺り、何か前科でもあるのだろう。聞かなくても、雰囲気で分かる。が、アラシ君は丁寧に説明してくれた。
「ツバサってあんなのやらせると、どう頑張っても当たらないんだよな。というか、あらぬ方向に飛ばすって言うか。的じゃなくて人に当てると言うか……とにかく、一言で済ますなら、ノーコン」
「ノーコンの域越えてるな~♪ 尊敬しちゃうくらい、綺麗に外すし」
酷い言われようだが、ツバサちゃんは反論出来ないようで、しょんぼりしている。こうなると、ボールを使うようなものも道具を使うようなものも候補から外れるというもの。ある意味、候補がグッと減るわけだし、楽っちゃ楽になった。言えないけど。
「誰にでも苦手はあるから、気にしないでね。ツバサちゃん」
「うぅ……」
少しどうなるのか見てみたいと思ってしまったけれど、人に当たる危険があるなら想像で止めておこう。ボールならともかく、弓道は危険だ。やろうと思えば、頭だって射抜けるだろうし。
「じゃ、ボールとか使わないようなものを見に行こっか。続けて運動系見ていく?」
「あ、じゃあ、レオンのも見たし……アラシのも見てみたいです。せっかくなので」
「えっ」
剣術か。それなら問題ないかな。
ティールが帰ってきたら、そちら方面に行ってみよう。アラシ君が微妙な顔しているけれど。



~あとがき~
ファンクラブの話とティールをかっこよく書きたくてやりました。

次回、剣術部へ!

話には出てませんが、ティール以外にもラルとフォースにもあるらしいです。ファンクラブ。
今後、出てることがあるかもですね。ファンクラブ関係の事件とか……? そもそも、ファンクラブが存在するティールとラルが一緒にいる時点で抗争がありそう。知らないけど!

ツバサちゃん、どうしてもボールや遠くに投げる、当てる行為は苦手なご様子。どんな風になるのかちらっと出せる日があればいいですね。

ではでは!