satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第10話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界で楽しんでるお話です。本編とは全く関係ございません。また、擬人化前提で話が進み、友人とのコラボ作品です。苦手な方はブラウザバック!
ティールをメインにしたいがために弓道部の話をしました。今後、かっこいいティールなんていないかもなんで……いや、知らないけどね?
ラル「一つの部活に一話使うならどれだけの時間がかかるんだ」
そうだなぁ……友人から上がってきた予定表では、二つ行かなきゃなんで、少なくとも二話です。そして、今回は私が勝手に付け加えてるやつなので、消化されません。
ラル「……」
えっと、はい。始めます!


弓道部の練習着から制服に着替えたティールと合流し、今度はアラシ君の所属する部活である剣術部へ向かうことになった。すぐそこだけれど、後ろでレオン君の楽しそうな声が聞こえてきた。
ティール、聞いたぞ! ファンクラブあるんだってー!?」
「えっ……? あっ、ラル!」
ティールはレオン君の言葉を聞いて、驚きを隠せなかったらしい。反論でもしてくるのかと思ったけれど、そんなことはなく、彼は呆れたように溜め息を漏らす。まあ、隠していたところですぐにバレるというものだ。さっさと明かしてしまえばいいし、さっさといじられてしまえ。
そしてこれ以上、後ろに聞き耳を立てるつもりはないので、意識をツバサちゃんとアラシ君に戻した。
「剣術部って純粋に剣の腕、技術を磨くんだよね。それで相手と対戦する。刃のついた武器ではなく、あくまで木刀とか木剣……言ってしまえば、レプリカを使った対戦だね。大会の成績もいいって聞くよ」
「ほへー……そうなんだぁ。アラシ、凄いんだね!」
成績がいいのがアラシ君なのかは知らないけれど、訂正する必要はないか。
「剣術の大会には二種類あるんだ。ラルが言った技術とかそういうのは、乱闘の部になる。俺のやってる分野」
「二つってことはもう一つ?」
「あぁ。舞の部って名前の通り、舞を踊る部門だ。技の完成度とか……演舞つーの? それを見せるんだよ。乱闘と違うのは、本物の武器を使えて、技も魔法もありなんだよな。人を傷つける危険がないから、本物使う人も結構いるぞ」
「ふふっ。アラシ君には合わなそう」
「うっせぇ! 分かってて乱闘専門なの! で? 二人はどっちやるんだ?」
参加したと言う話を覚えていたらしいアラシ君は、気になっていたのか質問してきた。どうでもいいこと覚えているものだ。
「どっちも出来るよ。まあ、ティールは舞より乱闘。私は乱闘よりも舞だけど」
フォース君はやらないけれど、乱闘派だろうな。いやまあ、あの人は剣より銃派、遠距離武器派だけど。そもそもの話、実戦向きのフォース君がやるような競技でもないか。
「ラルさん、踊れるんですか!?」
「ははっ……まあ、うん。……ソウデスネ」
「……へぇ?」
あら、少し興味持たれた? 私個人的には、剣術の乱闘としてあまりやりたくないのが本音だ。というのも、乱闘の部のルールとして、純粋に剣の技術のみで競い合うというものがある。魔法や技を使ってはいけないというルール。対して、私のスタイルは使えるものは使うであり、剣の技術だけで言えば、普通レベルだと思う。まあ、私の周りは優秀な人しかいないわけで、ティールやフォース君と比べてしまうと劣るという話だ。要は自分の肌に合わないので、やりたくありませんという私情まみれのどうでもいい理由なんだけれど。
よし。対戦しそうになったら、ティールか誰かに押し付けよう。そうしよう。
雑談をしながら、目的地の剣術部練習場へとやってきた。剣術部は部員数も多く、やっている内容が内容なだけに練習場もなかなかの広さがある。学園自体の敷地面積が結構な広さのため、こんな大きな場所を作れるんだろう。男女比率としては男子が若干多いくらいで、女子の姿もないわけではない。
ツバサちゃんの他にも見学者はいるようで、先輩らしき人物から剣の握り方や技なんかをレクチャーされている人がちらほらいる。
ティール先輩にラル先輩! 部活ではお久しぶりです!」
「やっほ。キーくん。なかなかの盛況っぷりじゃない? やったね~」
「今年はなんだか多いんですよね~? 新しく始めるって後輩も多くって」
私達に気付いた部員の子が話しかけてきた子は、二年生で冒険科のキーくんことイツキ君だ。生徒会役員の一人で、冒険科という繋がりがあるためか、それなりに面倒を見ている子の一人。明るくふんわりした薄緑の髪が特徴で、将来は探検家関係の仕事に就きたいらしい。
「イツキって乱闘と舞、どっちやるんだっけ?」
「どっちも好きですけどね! 技を鍛え上げるのは一緒なので。んでも、男は乱闘で花を咲かせるものですよ~♪」
元気一杯の笑顔でそうは言うけれど、去年の大会は舞の部にいた気がする。……まあ、今年はどうなるか分からないし、期待しておこうかな。
キーくんの視線は私達からアラシ君へと移った。同じ部活で面識があるからだろう。不思議そうな表情を浮かべ、少しだけ首を傾げる。
「あれ、アラシ? 今日は来ないって聞いてた気がするけど、俺の勘違いだった?」
「あ、えと。すんません、イツキ先輩。そのつもりだったんすけど、友達のツバサが見学したいって言うんで、その付き添いです。……こっちはレオン。……こいつも一応、友達……?」
「一応は酷いだろー! 子供の頃からの付き合いじゃーん? よろしくっす、イツキ先輩! レオンでいいですよー!」
「なるほどね、大歓迎だよ。よろしく! レオン。……と、ツバサさん、でいいのかな?」
「ええっと、ツバサ、で大丈夫です! 今日は見学させてもらいますね。イツキさん」
「オッケー! ゆっくりしてってね、ツバサ」
イツキ先輩……?
聞き慣れない先輩呼びに思わず、吹き出してしまう。どうしても先輩っぽく見えないのだ。私から見れば、ここにいる全員が後輩。しかし、イツキはどちらかと言えば、先輩に世話させるタイプだった。甘え上手とも言う。
「ラル先輩、何笑ってるんすかー」
「あぁ……いや、気にしないで。……キーくん、頑張ってるなぁ、と」
「? そりゃ、先輩みたいな探検家になりたいですからっ! 先輩方、手合わせしていきます?」
キーくんの提案に私とティールは思わず、顔を見合わせた。キーくんのその言葉は、私とティールでやれという意味なのだろう。ティールとアイコンタクトだけで、どうする、と思案している間に、練習していた部員達が何人か寄ってきた。
「ラル先輩の舞、もう一度見てみたいです!」
キーくんのやや後方から手を上げて発言してきたのは、声からして女子部員だろうか。顔が見えないから分からないけれど、もう一度と言うからには私のを見たことある人だ。いつのを見たんだろう。
「え、やだ……面倒くさい」
「ラルさんの見てみたいです……」
ツバサちゃんのぽつりと放った言葉にうっと息が詰まった。うるうるした上目遣いで私のことを見つめている。どこで覚えてくるんだ、その目は! 魔性の女か! くそう!
「一回だけな! ティールにもやらせたし!」
「あ、自覚あったんだ」
「あるわよ! わざとやらせたし!?」
「その発言、しばらくは忘れないからね。ぼく」
簡単にやるだけなら、正式な衣装は必要ない。このままやってやろう。
着ていたカーディガンをティールに投げつけ、ワンピースだけになると、練習場……その中でも舞を練習するエリアの中央に立つ。
練習だし、木刀でやるのが普通っちゃあ普通。が、それを体に馴染ませる時間も惜しい。というか、面倒だ。それを省くには、自分の愛刀を呼び出す他ない。
「出番だよ、雷姫」
腰に巻かれた細い黒のベルトに鞘付きの雷姫を出現させる。鞘から抜かなければ、ただの棒切れと同等だ。一応、抜けないように鞘と刀を首に巻いてあったリボンで固定する。こんなことをしなくても、雷姫が抜けないように調節してくれるだろうけれど。集中のために、雷姫に片手を添えて目を閉じる。
『ふん。このようなつまらんことで呼び出しおって。悪かったな、棒切れと同等で。そのように申すなら、抜けばよかろう』
頭の中に雷姫の凛とした声が響く。久し振りに喋ったと思えば、悪態しかついてこない。機嫌を損ねると面倒なので、頭の中で弁解しておこう。
こんなところで抜きたくない。あと、刀として一級品な雷姫を見せびらかすような行為はしたくないんだよ? 私にとって、これ以上にないくらいの愛刀で、代えの利かない相棒だよ。拗ねるなって!
『拗ねるだと? 我は呆れているのだ、マスター』
ふうん? 雷姫の中ではどう違うんだろう。
『天と地程の差があるわ。阿呆』
違いは今晩、じっくりと聞くとしようか。
『むう。今晩だな。……覚悟しておくのだぞ、マスター? 今は黙って刀ではなく、仮初めの姿として使われてやろう』
「ありがとう」
それ以降、雷姫の声は聞こえなくなる。ゆっくりと目を開けると、舞の部専門の子達だけでなく、乱闘の部の子達までも、私に注目しているのが手に取るように分かった。普段ならあり得ないくらいにしんと静まった練習場で、私は雷姫をベルトから外した。



~あとがき~
一部活に一話なんて誰が言ったんだ。二話かかるじゃないか。

次回、ラルの舞をお見せします。そして次の部活に! 行けるといいな!

ユーリ君もだけど、イツキ君はレイ学限定キャラですね。今のところ。二人とも私が適当に考えたキャラですが、ユーリはケモ耳少年。種族は……なんだろう。アラシ君と同じ牙狼かな。
イツキはポケモンの擬人化のイメージでやってます。誰かは考えてないけど、剣術ってところからリーフブレードが使える、ジュプトルリーフィアとか?……もしくは、ふわふわ緑の髪でエルフーンとかですかね。とにかく草タイプなのは決定事項。
二人とも二年生で生徒会役員なので、今後も出てくるかもですね。よろしくぅ!

ではでは!