satomiのきまぐれ日記

二次創作ポケモンストーリーをいくつか連載しています。他、日記とかをちょいちょいと

学びや!レイディアント学園 第15話

~attention~
『空と海』のキャラ達が学パロなif世界でハチャメチャしまくる物語です。本編とは一切関係ございません。また、擬人化した前提で話が進み、友人とのコラボ作品でもあります。苦手な方はブラウザバック!
前回、ツバサちゃんが生徒会にメンバー入りしました! ラストに教頭の了承もさらりと貰っているので、正式メンバーですね。
ラル「あの短い文章でさらりと……」
今回は学園のお話をお休みして、休日風景をお届けします。探検隊のお仕事もしません。
ラル「よっしゃあ! 仕事ないー!!」
いつかやりますけどね。
ラル「……」
ティール「テンションの落差酷い」


自然に任せてゆったりと目を開ける。ベッド横にあるサイドテーブルに置かれた目覚まし時計を見ると、いつも起きている時間だ。目覚ましをセットした記憶はなく、休日であることは明白であった。
「……んぁ」
二度寝してもいいのだけれど、洗濯しないといけないし、掃除もしないといけないし、ご飯作らないといけない。……うん、起きよう。
体を起こし、ベッドから降りる。パステルの空色を基調とした部屋をぐるりと見渡す。そこまで散らかってはいないものの、そこら辺に紙が散らばっていた。寝ぼけ眼のまま、紙を拾い、パソコンが置かれた机の上に乱雑に置く。どうせ、この紙も探検隊絡みの内容なのだろう。ま、今はどうでもいい。
カーテンを開けると、光が部屋を包み込む。ふわりとあくびを溢しつつも、サイドテーブルから普段着けている黒のリボン二つを手に持った。そして、姿鏡の前に立ち、リボンで適当に髪を二つに括った。目の前には、シンプルな部屋着姿で眠そうな女子が写っている。いい加減、目を覚ますべきか。
「あ、今日は私とティール、仕事ないんだっけ。……ふぁ。めっずらしぃ……何しよぉ」
そういえば、机の上の卓上カレンダーには、何も予定は書かれていなかった。来週はあるらしいが、今日は何もない。嬉しいことだ。
部屋を出て、階段を降りる。探検隊チームでのシェアハウスで、二階がそれぞれの個室、一階が共同スペースになっている。が、今日は私とティールしかいない。成人組の二人は仕事で、灯こと、ともは友達の家にお泊まり。しーくんは、二、三日前からお世話になっているおじさんところに行っている。
二人か……楽でいいな。洗濯物少ないじゃん。やったぜ。
降りた足で脱衣所に向かい、洗濯機に洋服を放り込む。洗剤と柔軟剤を突っ込んで、スイッチオン。あとは呼ばれるまで放置だ。
「ご飯……二人だと雑になるんだよなぁ。いや、朝起きてこねぇし、あいつ。作る必要性なくない?」
まあ、文句を言ってても作るんですけどね。癖ですね。サンドイッチでいいかぁ。
キッチンに入り、食パンを手に取る。適当な具材も冷蔵庫から取り出して、手際よく切っていく。ここまでやっておいてなんだが、市販の惣菜パンを食べればよくないかと思う。思うんだけれど、手が勝手に動いているから、病気かもしれない。
一時間ほどで全てを作り終わり、サンドイッチとフルーツをテーブルに並べる。サンドイッチは冷蔵庫からレタスやらなんやらを挟んだ。サラダサンド……味気ないな。いや、昨日の残りの揚げ物とか挟んだやつあるし、バランス大切だ。うん。
「食べて洗濯物干して、ティール起こす……?」
一人で食べる食事ほど空しいものはないぞ。よし。
再び二階へ上がり、ティールの部屋を無断で開ける。内側から鍵はかけられるが、ティールは一度もかけたことはない。朝弱いのを自覚しているため、起こしに来れるようにしているのだ。気が利くというか、手間をかけさせるというか。
青と白メインに整頓された彼の部屋。そこには目もくれず、窓へ一直線に向かい、カーテン開けた。そして、仕上げにティールを布団を剥ぐ。ティールは唸りつつ、猫のように丸くなった。
「起きろ。朝です」
「あうぅ……お休みなのに……学校もないのに……」
これを見ると、立場逆転だなっていつも思う。朝だけは本当に弱いティールだ。
「ご飯作ったよ。食べよ」
「んぅ……あぃ」
普段はきっちりしているティールも朝限定でふにゃふにゃになっている。まあ、毎日見ている私には、珍しくはないんだけれど。
眠気でフラフラのティールを手を引いて一階に降りる。椅子に座らせ、頭にチョップを一撃。
「あいたぁ!? え!? さっきまでエスコートしてたのに!」
「ご飯の時間です、お坊っ……違うか。ティール王子」
「その呼び方やめて……怒るよ……」
「はいはい。何飲みますか~」
「リンゴー」
へーい……私もそれでいいか。
リンゴジュースをコップ二つに注ぎ、席につく。二人で手を合わせ、声を揃えて号令をする。
「今日、ラルとぼくだけなのか」
「不満?」
「そんなこと誰も言ってないだろー……そだ。課題出たじゃん? 古代文字の訳文」
そんなのあったっけ? 私、取ってる?
「取ってるよ! 探検家になるためのカリキュラムのひとつだから。んで、そこの文がいまいちピンと来なくて、ラルはどうした?」
覚えてないな。やってないか、やって忘れてるか……うーむ。
サンドイッチを咥えたまま、二階へと戻るティール。一分もしないうちに帰ってきて、手には言っていたプリントがある。無言で差し出され、仕方なく受け取った。
手書きのそれをパッと見ても記憶は呼び起こされないけれど、じっと問題とティールの訳を見ていると、なんとなく思い出してきた。あぁ、これか。となると、詰まっているのは最後の文章だな?
「これ、原文とプリントじゃ文章変わってるんだよね。これじゃ、正確な訳は出来ない」
テーブルにプリントを置き、ある箇所を指差した。ティールはその部分を見るものの、私の言う原文を思い出せないらしく、首を傾げている。
「え、あ、そういうことなの?……原文って?」
「あー……南東にある遺跡の壁画の一部。なんだっけ。……マトドゥ文明?」
「砂漠の?」
「そうそう、砂漠の。行ったよ。私ら」
そこの文明は何がよかったとかはないけれど、賢い文明で、壁画にも絵が多く文字もちらほら使われていた。なかなか読み解きやすく、こうして教材としても使われることが多い。そんな現地に行った経験はあるが、大した収穫はなかった。だから、ティールの記憶にも残っていないらしく、少し驚いた様子だった。
「うっわ。覚えてないな」
「だろうね。私も壁画が綺麗に残ってて、めっちゃ見やすいって印象だった。そもそも、近くを通ったから見に行こうってなっただけで、探検でも何でもなかったし。観光」
「うーん。本当に覚えてない。……今度行ってみてもいい?」
「近く通ったらね。で、まあ、プリントだけど適当にそれとなーく意訳すると……愛はいいぞ、てへぺろ~みたいな。あ、こうにもならないんだけどね? 文字抜けてるし、きっとこうだろうなって汲み取って訳したら、そうなる」
「どんな文章だよ……原文は?」
「その文明の結婚文化について書かれてたと思うけど。あー……個人の愛は関係なく、親の愛のみ受け入れよ。みたいな。つまり、親の言う通りにしろよ、このやろ♪……的な?」
「かっる……意訳はともかく、そういう時代のか」
「そうだね。やな時代だ」
二人でジュースを同じタイミングで飲む。ほっと一息ついてから、再び口を開く。
「答えとしては愛はいいぞってことなんだけど、フォース君、プリント丸めて投げ捨てるな。……連絡してやれ」
フォース君のことだ。プリントなんてやってないだろうし、そんなんあったっけ、とか返ってきそうだ。どんな反応を示すのか楽しみである。
「……答え、どうしよう?」
「愛はいいぞって書いとけ。私は原文を古代語で書きますけど」
「先生に対するいじめ!?」
そうかな。間違えた先生が悪くない? 手書きではなく、画像なりをコピーすればこのような間違いは生まれなかったものの。わざわざ手書きにした意味を知りたいものだ。
「どんな答えでもいいか。ありがとね、ラル」
「いえいえ~」
「ご飯食べ終わったら、買い物にでも行かない? せっかくの天気だから」
「おー……いいね! あ、ティールって兄弟いたっけ」
「いないよ。親戚で年の近い人はいるけど。いきなりどうしたの?」
いやぁ、この前、ツバサちゃんが楽しそうにお兄さんの話をしていたから。兄弟ってどんなものかと思っただけだよ。
「あー……ぼくも知りたいかな? そう考えると、うちのチームは一人っ子ばっかりだよね。クラウには妹だか弟がいるみたいだけど。会ったことないかも。……ムーンはどうなんだろう?」
あの人、家族の話しないから知らないなぁ。長いこといても、分からないことは多いものだ。ともは孤児だし、しーくんも私達で育ててるからいないし。……下手したら、一人っ子だらけの謎パーティーになってない……!?
「まあ、いいじゃん。個性豊かで」
「豊かすぎる……困るの私じゃない?」
「ラルには兄弟、いたかもね~? お姉さん気質だし、あり得なくないと思うよ」
そ、そうかな。そうならなきゃ駄目じゃない? この家。……うーん。そんなことはない、のかな。
考えても仕方がない。せっかく、外出すると約束したのだから、変なところで時間を使うのもおかしな話である。私は残りのサンドイッチを口に放り込み、椅子から立ち上がる。ティールのお皿も回収し、シンクの中に置いた。さっさと洗って、さっさと洗濯物干しますか!
ティール、家の戸締まりとか見てきてね」
「はーい。一時間後には出れるように頑張る」
それくらいあれば問題ないだろう。さっさと終わらせて、ゆっくりした休日を過ごしましょう~♪



~あとがき~
本編より恋人っぽい?
……いや、そんなことはないか。

次回、フォース、ステラ、リーフの休日を覗いてみましょう! はい!

ラルが普段から家事を一手に引き受けている訳ではないです。ご飯担当……というか、お金の管理は彼女がやっていますが、他は出来る人がやってくれみたいなスタンスです。が、ティールとコン……あ、ともはやるなと通達が出ているので、ラルとムーン、クラウの三人で手分けしてる感じです。雫はまだ幼いので、お手伝い出来るもん状態。
……ムーンはソルでクラウはチルね!
いうて、クラウはお姫様設定抜けてないので、実質、ラルとムーンだけでどうにかなってるような気もします。

ではでは!